フリーランス研修講師の実態!年収と仕事内容を徹底解説│仕事を継続するために

更新日:

・フリーランスの研修講師って、どんな仕事内容なんだろう?
・フリーランスの研修講師って、どうやって仕事を見つけるんだろう?
・フリーランスの研修講師の年収って、どれくらいあるんだろう?

このような問題意識を持って、本コラムにたどりついたのではないでしょうか。
人事の方から「私も、フリーランスの研修講師になりたいんですよね」というお話もお聞きします。ハイパフォーマーのフリーランスの研修講師は、年収も高く、人生を謳歌している人が多いです。

多くの方が目にしているのは、ハイパフォーマーのフリーランスの研修講師であることが多く、憧れを持ったり、自分もできるのではないかと思うこともあるかもしれません。
ただし、残念ながら、フリーランスの研修講師はそれほど甘くありません。ローパフォーマーの研修講師は、仕事がなく、結局会社員に戻るということも起きています。

本コラムを通して、フリーランスの研修講師の実情を理解していただき、ご自身がフリーランスの研修講師になれるかどうかを判断していただければと思います。

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    監修者プロフィール

    迫間 智彦

    X:@tohaza_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
    大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

    1)フリーランスの研修講師の実態(仕事内容、働き方、年収は?)

    フリーランスの研修講師をするにあたって、不安な部分も多いと思いますので、まずは下記内容を説明します。

    ・フリーランスの研修講師の仕事内容
    ・フリーランスの研修講師の仕事の受け方
    ・フリーランスの研修講師の働き方
    ・フリーランスの研修講師の年収

    それぞれ説明していきます。

    フリーランスの研修講師の仕事内容

    フリーランスの研修講師の仕事内容は、下記になります。

    ・研修プログラムの開発と講師登壇
    ・専門家としてのアドバイス
    ・積極的な顧客開拓(研修会社へのフォロー)
    ・その他業務(会計、法務など)

    それぞれ説明していきます。

    研修プログラムの開発と講師登壇

    フリーランスの研修講師のメイン業務は、研修プログラムの開発と実施です。
    パターンとしては、2パターンあります。

    ・自身でプログラムを開発し登壇する
    ・研修会社のプログラムを登壇する

    「自身でプログラムを開発し登壇する」では、下記2つのケースがあります。

    ・自身の専門分野のプログラムを開発し、顧客に直接販売して、登壇するというケース
    ・研修会社にプログラムを販売してもらい、登壇は自身が行うというケース

    自身の専門分野のプログラムを開発し、顧客に直接販売して、登壇するというケースでは、自身で顧客を集客して、営業をするということです。研修会社にプログラムを販売してもらい、登壇は自身が行うというケースでは、研修会社に自身の研修プログラムをラインナップとして登録し、集客や営業をしてもらいます。時には、集客・営業のフォローも必要になります。

    「研修会社のプログラムを登壇する」では、研修会社が講師登壇の依頼を受け、登壇するケースです。この場合は、登壇するクライアントもプログラムも決まっています。

    下記のようなイメージで仕事の依頼が来ます。

    ■ お客様名 : ○○株式会社
    ■ 日程 : ○月○日
    ■ テーマ : 新入社員研修(ロジカルシンキング)
    ■ 場所:渋谷
    ■ 講師登壇フィー: ●● 万円

    そして、その仕事の依頼を受けると、顧客の状況や、プログラムのレクチャーを受けます。時には、顧客との顔合わせもあります。このように、「自身でプログラムを開発し登壇する」、「研修会社のプログラムを登壇する」という二つのパターンがあります。

    専門家としてのアドバイス

    フリーランスの研修講師は、自身の専門分野から顧客へアドバイスを提供します。フリーランスの研修講師は、自身の専門分野から顧客へアドバイスすることで、より顧客からの信頼を勝ち取ることになります。

    具体的には、下記2点を伝えるといいでしょう。

    ・最新情報やトレンドを踏まえた専門知識
    ・他社事例などをベースにした自身の経験

    【最新情報やトレンドを踏まえた専門知識】
    研修講師は、自身の専門分野において高い知識を持っていなければなりません。そしてこの知識は、アップデートし続ける必要があります。例えば、マーケティングの専門家であれば、BeforeコロナとAfterコロナでのマーケティングの変化なども伝えていく必要があるでしょう。その上で、知識をベースにして、具体的に顧客の課題をどう解決するかを、考えていくといいでしょう。

    【他社事例などをベースにした自身の経験】
    研修講師は、豊富な経験を持っていなければなりません。顧客の課題意識にマッチした事例などを自身の経験を踏まえることで、説得力のあるアドバイスが可能です。具体的には、クライアントの離職率が高いという状況だったとします。その際に、同じ業種、職種、規模などから、事例を伝えながらも、顧客の課題解決をどう行うかと一緒に考えていくといいでしょう。

    このように、フリーランスの研修講師は、自身の専門分野から顧客へアドバイスを提供します。

    積極的な顧客開拓(研修会社へのフォロー)

    フリーランスの研修講師は、積極的に顧客開拓を行う必要があります。積極的に顧客開拓を行わなければ、仕事が無くなるということもあるでしょう。

    下記2つのパターンがあります。

    ・自身のブランディングを行い、顧客と直接契約を行う
    ・研修会社をフォローし、リピート・拡販を行う

    自身のブランディングを行い、顧客と直接契約を行う

    「自身が何の専門家なのか」を言える状態にして、顧客からの信頼を勝ち取り、直接契約を行いましょう。
    ※ 難易度はとても高いですが、実施することをお勧めします。

    研修会社を介さない契約は、フィーも多くなりますし、より顧客への価値提供が高くなります。そのためには、学び続け、自身の知識・スキルをアップデートし続ける必要があります。そして、マーケティング活動も行っていく必要があります。今は、Web記事を書くなどでも十分マーケティング活動になります。

    研修会社をフォローし、リピート・拡販を行う

    「登壇をして終わり」ではなく、研修会社の営業と連携を取り、リピートや拡販につながる手伝いをしましょう。そうすることで、研修会社からも、ただ外注先ではなく、共に顧客への価値提供を高めていく仲間という認知になり、仕事の依頼も多くなるでしょう。

    具体的には、研修会社の営業に対して、「顧客の課題に対してどう感じて、どのように解決していくといいか」などを伝えるといいでしょう。その課題は、次回の研修の提案にもつながっていく可能性があります。

    このようにフリーランスの講師は、積極的に顧客開拓を行う必要があります。

    その他業務(会計、法務など)

    フリーランスの研修講師は、バックオフィス(会計・法務など)などの仕事もあります。組織に所属するのではないので、自分自身で全ての業務を行う必要があるためです。

    フリーランスの方を対象にした低価格の税理士・弁護士の方もいるので、顧問契約することで、自身は研修講師の仕事に集中できます。自身で行うこともできますが、投資対効果を考えたときに、専門家との契約をお薦めします。
    ※ 収入が少ない場合は、まずはご自身で行ってもいいですが、会計に関しても、法務に関しても、リスクがあることを知る必要があります。知らない間に脱税になったり、契約の際に不利な条件での契約になることもあります。

    フリーランスの研修講師の仕事の受け方

    フリーランスの研修講師の仕事の受け方は、下記2つのパターンがあります。

    ・研修会社から仕事の依頼がある場合
    ・顧客から直接仕事の依頼がある場合

    それぞれのパターンを説明します。

    研修会社から仕事の依頼がある場合

    研修会社から仕事の依頼がある場合は、顧客の課題感やニーズ・テーマ(プログラム)などを踏まえて、適切と考えた講師に依頼が行われます。具体的には、下記のプロセスで進みます。

    ・研修会社の講師登壇の依頼が発生(受注していない場合は、仮抑えの依頼になる)
    ・研修会社の講師登壇の依頼を承諾(もちろん依頼を断ってもいい)
    ・(必要に応じて)顧客との顔合わせ
    ・研修会社からのコンテンツレクチャー
    ・講師登壇
    ・登壇後のレポート作成

    顧客から直接仕事の依頼がある場合

    顧客から直接仕事の依頼がある場合は、Webからの問い合わせや、知人など他者からの紹介で依頼されます。具体的には、下記のプロセスで進んでいきます。

    ・顧客からの問い合わせ
    ・顧客との商談
    ・案件の受注
    ・顧客との研修納品の打ち合わせ(スケジュールなど)
    ・(必要に応じて)プログラムの開発
    ・登壇に必要な備品管理(テキスト印刷など)
    ・講師登壇
    ・登壇後のレポート作成
    ・振り返りの打ち合わせ

    このようにフリーランスの研修講師の仕事の受け方は、「研修会社から仕事の依頼がある場合」と、「顧客から直接仕事の依頼がある場合」の2つのパターンがあります。

    フリーランスの研修講師の働き方

    フリーランスの研修講師は自由に働くことができますが、セルフマネジメントと未来を見据えた働き方が必要です。セルフマネジメントができなければ、顧客からの信頼を無くしてしまう可能性もありますし、自身の体調管理もできなくなる可能性があります。

    例えば、顧客から依頼されていたレポートを、納期ぎりぎりに提出して、レポートの質が悪く、仕事の依頼が無くなったという講師もいます。また体調管理ができておらず、登壇に穴をあけて、依頼がされなくなった講師もいます。

    未来を見据えた働き方ができなければ、安定的な仕事の依頼はなくなるでしょう。例えば、20代後半でフリーランスの研修講師として独立した方がいました。始めは、新入社員研修の講師として、重宝されましたが、自己学習もせず、顧客開拓もしなかったため、30代半ばから仕事がほぼなくなるということが発生しました。新入社員研修は、20代後半から30代前半の講師が最も重宝されますが、この講師は自身の価値を上げることを行わなかったため、顧客離れにつながりました。これは、フリーランスの研修講師のあるあるでもあります。

    このように、フリーランスの研修講師は、セルフマネジメントと未来を見据えた働き方が必要です。

    参考:フリーランスの働き方について詳しくみる

    フリーランスの研修講師の年収

    フリーランスの研修講師の年収は、その経験や専門性、パフォーマンスの高さによって異なりますが、具体的な目安は下記のとおりです。

    ・研修会社からの依頼の場合 : 一日のフィーは、3~15万のレンジが多い
    ・直接クライアントとの契約の場合 : 一日のフィーは、10万~50万円のレンジが多い

    上記単価を踏まえて、いくつかの事例を見せますので、イメージを持っていただければと思います。

    【研修会社からの依頼で登壇している講師の場合】
    ・売れっ子講師の場合 : 年間100~150登壇で、1,000~1,500万
    ・一般的な講師の場合 : 年間 30~50登壇で、60~500万円

    【直接クライアントとの契約で登壇している講師の場合】
    ・5社契約している講師の場合 : 1社年間300万契約で1,500万

    これらを組み合わせて、研修講師としての年収が決まります。パフォーマンスが高くない講師の場合は、講師の収入は数十万程度で、あとは他の仕事をする方もいます。フリーランスの研修講師の年収は、その経験や専門性、パフォーマンスの高さによって異なるため、講師としての市場価値を上げていく必要があります。

    2)フリーランスの研修講師として、仕事を依頼され続けるための3つのポイント

    フリーランスの研修講師として、仕事を依頼され続けるためには、次の3つのポイントをおさえる必要があります。

    ・「講師」としての高いパフォーマンスを持つ
    ・「専門家」としての知識・スキルのレベルを高める
    ・顧客や関係者からの信頼を獲得する

    それぞれ説明していきます。

    「講師」としての高いパフォーマンスを持つ

    講師としての高いパフォーマンスが必要です。なぜなら、高いパフォーマンスがなければ、受講生の変容や、組織変革へのインパクトが弱くなるためです。

    具体的には、基礎的な講師スキルを習得するのはもちろんのこと、昔のやり方に囚われず、最新の人材開発・組織開発の手法などを身に付けなければならないためです。講師パフォーマンスを磨き続けなければ、時代の流れによって変わる顧客ニーズに応えることはできなくなるでしょう。

    「専門家」としての知識・スキルのレベルを高める

    講師は、専門家としての知識・スキルが高いレベルであることが必要です。なぜなら、専門家としての知識スキルレベルが高くなければ、外注する必要はありませんし、信頼を得ることはできません。

    例えば、ITスキルの講師が、一昔前のやり方を進められても、最新のスキルを知り身に付けたい受講生からは不満が出るでしょう。

    顧客や関係者からの信頼を獲得する

    講師は、顧客や研修会社などの関係者からの信頼を得ることが必要です。なぜなら、研修会社や、顧客からの信頼を得ることができなければ、仕事の発注が無くなります。

    よくあるケースとしては、「先生」と呼ばれることで、講師本人に悪気がなくても、一つひとつの行動が受講生やクライアント、研修会社の営業から、否定的に捉えられることがあります。だからこそ、自身の立ち振る舞いには注意が必要です。どんなにパフォーマンスの高い講師の方であっても、他者とのコミュニケーションがスムーズにできず、講師登壇の依頼が少なくなるというケースもあります。

    3)【フェーズ別】フリーランスの研修講師として鍛え方

    独立前(フリーランス志望段階)

    フリーランスの研修講師として独立する前の志望段階では、下記5つのスキルを身に付けていく必要があります。

    ・(前提)研修講師としての在り方
    ・一般的なビジネススキルや知識
    ・人材開発の基礎知識
    ・説明する力
    ・インタラクティブコミュニケーション

    それぞれ説明していきます。

    (前提)研修講師としての在り方

    研修講師は自身の存在がとても重要です。研修講師としての在り方が残念だと、講師として高いパフォーマンスは発揮できません。なぜなら、講師としての存在感がなければ、受講生は前向きに講師の話を聞かないためです。

    具体的には「信用できる存在か」と、「安心できる立ち振る舞い」です。
    「信用できる存在か」は、研修テーマに対して、「人として尊敬できる人(人として成熟度)かどうか」ということです。

    次に、「安心できる立ち振る舞い」ですが、下記内容などが当てはまります。

    ・声の大きさや、話すスピード
    ・顔の表情、落ち着いた態度
    ・服装

    こちらは、「信用できる存在か」と違い、トレーニングですぐに解決することが可能です。研修講師として独立するには、まずは研修講師としてのあり方を問われます。

    一般的なビジネススキルや知識

    研修講師は、一般的なビジネススキルや知識を持っておく必要があるでしょう。一般的なビジネススキルや知識を持っていなければ、受講生が信用しませんし、何よりクライアントとのコミュニケーションに支障が出ます。

    具体的には、受講生から一般的なマーケティング用語(PDCA・AIDMAなど)や会計用語(BS・PLなど)の言葉を用いて質問が出たとき、それに対して適切な回答や対応ができないと、信用を得ることができません。
    ※ もちろん講師はすべてを知っているわけではないので、専門領域以外のことは受講生に聞いてもいいですが、ビジネスマンであれば知っているであろう言葉に関しては、知っておく必要があります。

    クライアントとのコミュニケーションでは、研修内容をカスタマイズする必要も出てくるでしょう。その際に、要件定義や、クライアントのニーズを言語化するヒアリング力などがなければ、品質の高い研修は提供できないケースも出てきます。

    研修講師として独立するには、一般的なビジネススキルや知識を持っておく必要があります。

    人材開発の基礎知識

    研修講師は、人材開発の基礎知識を持っておく必要があるでしょう。研修の品質を担保し、効果を高めるための対応ができないためです。

    例えば、研修プログラムの開発もできないでしょうし、クライアントのオーダーをもとに研修ゴールの設定を行うこともできません。そして、研修プログラムを正確に理解していないと、研修納品はできません。

    研修講師として独立するには、人材開発の基礎知識を持っておく必要があります。

    (参考)人材開発の基礎知識がない研修講師も多く存在する

    世の中には、人材開発の基礎知識がない研修講師も多く存在します。

    自身のビジネスの経験のみで、研修講師として独立された方に多いです。研修会社から、登壇依頼があり、研修会社が作ったプログラムで登壇すればいいので、人材開発の基礎知識はこの場合は必要ありません。ただし、2つの問題が起きます。

    一つ目は、研修は生ものなので、研修プログラム通りに進まない場合が出たときです。その場合に対応ができなくなります。
    二つ目は、自身がクライアントと直接やり取りをすることになったときに、適切な対応ができなくなります。

    そのため人材開発の基礎知識は、学ぶ必要があります。

    説明する力

    研修講師は、講義やワークの説明などを分かりやすく説明する力が求められ、身に付ける必要性があります。講義や、個人ワーク・グループワークをする際の手順・説明などが分かりづらければ、受講生は何が重要かわからなかったり、何をしたらいいかわからなくなり、研修や講師自身に対してネガティブな感情を持つことになります。

    説明の仕方の原則としては、「WHAT・WHY・HOW」で説明するといいでしょう。

    例えば、講義でしたら、

    WHAT : 何が重要か
    WHY : なぜ重要か
    HOW : 具体的に何をするといいのか

    などです。また、ワークの説明においては、下記を抑えるといいでしょう。  迷わせないためには ※当社、研修講師育成資料より一部抜粋

    また、受講生の理解度なども見て、下記のように臨機応変な対応も求められます。  受講者に合わせること ※当社、研修講師育成資料より一部抜粋

    研修講師として独立するには、説明する力が必須になります。

    インタラクティブコミュニケーション

    研修講師は、受講生の質問などに関して、的確に捉えて、適切な回答を伝えるためのインタラクティブコミュニケーション力が求められます。どんなに素晴らしい講義や、研修を提供しても、受講生の質問に関して、適切に答えられなければ、受講生の学びは弱くなる可能性が出ます。そのため、受講生の質問に関して、的確に捉えて、適切に回答していく必要があります。

    的確に捉えるためには、受講生の質問を正確に捉えていきます。受講生の質問が分かりづらい場合は、状況を正確に把握するために、質問の具体例などの詳細や、質問をした背景を聞くといいでしょう。適切な回答に関しては、まずは結論を伝えます。その上で、その結論を支える根拠・理由を伝えていくといいでしょう。分かりづらい質問に関しては、最後に受講生の質問に対して、研修講師自身の回答が応えになっているかを確認するとよりよいでしょう。

    このように、研修講師は、受講生の質問などに関して、的確に捉えて、適切な回答を伝えるためのインタラクティブコミュニケーション力が求められます。

    研修講師として独立するには、インタラクティブコミュニケーションが必須になります。

    フリーランスの研修講師の志望段階では、まず下記5つのスキルを身に付けていく必要があります。

    ・(前提)研修講師としての在り方
    ・一般的なビジネススキルや知識
    ・人材開発の基礎知識
    ・説明する力
    ・インタラクティブコミュニケーション

    これらのスキルを身に付けるためにも、研修講師になるためのトレーニングを受けてもいいですし、また社内講師として登壇を重ねたり、研修講師を副業にするのも一つの方法です。

    なお下記コラムで、研修講師として、独立する際のプロセスや注意点に関して説明していますので、興味のある方は、ぜひご覧ください。

    独立直後

    フリーランスの研修講師が独立直後に実力をつけるためには、経験を多く積むことが必要です。経験を積むことで、自身の引き出しも増え、自信が持てます。そして難易度の高い研修の登壇も可能になります。

    具体的には、自身が研修講師として登壇する数を担保することも重要ですが、パフォーマンスの高い講師の登壇のアテンドスタッフをするのもよいでしょう。そして、登壇後には必ず振り返りをすることが必要です。振り返りのポイントは、下記内容を行うといいでしょう。

    ・講師登壇の準備は、しっかり行えていたか?
    ・研修登壇直前の状態は、どうだったか?
    ・研修のゴールや、要件定義(受講生の認知変容や行動変容)を促せていたか?
    ・研修講師としてのパフォーマンスはどうだったか?(オペレーションや、介入、質疑応答など)
    ※ パフォーマンスは、研修のタイムラインに沿って、振り返るといいでしょう。

    これらをもとに、次に活かせる点と、改善する点を見出します。また一人での振り返りだと、どうしても独りよがりになる場合があるので、アテンドスタッフから積極的にフィードバックをもらうといいでしょう。

    フリーランスの研修講師が独立直後に実力をつけるためには、経験を多く積むことが必要です。
    ※ 自身の登壇を増やすためにも、フィーが少なくても登壇することもお勧めします。

    独立1~2年後

    フリーランスの研修講師が独立1~2年後に実力をつけるためには、専門スキルにより磨きをかけていく必要があります。

    何の専門家なのかが分からないと、仕事の依頼ができなくなりますし、また知識・スキルが陳腐化していく可能性もあります。組織に属していないフリーランスは、自身で学ばないと、知識もスキルもアップデートしていきません。

    具体的には、外部研修を受講したり、同じ専門スキルの仲間と共に、勉強会を行うのもいいでしょう。また、ただ勉強したということにならないように、学んだ内容を実践する機会を設けたほうがいいでしょう。

    例えば、データサイエンスを学んだのであれば、顧客に自身から無償で実施するなど依頼をして、実践する場を設けていく必要があります。

    このように、フリーランスの研修講師が独立1~2年後に実力をつけるためには、専門スキルにより磨きをかけていく必要があります。

    独立3年後以降~

    フリーランスの研修講師が独立3年後以降に実力をつけるためには、さらに専門性を高めながら、コンサルタントやファシリテーターとしての実力を高めていく必要があります。

    講師だけですと、どうしても実践の場から離れてしまい、顧客や受講生に提供できる価値が小さくなっていきます。どんなに学んでも、机上の空論になってしまうこともあるでしょう。そのため、講師という領域から、より顧客の現場に近いコンサルティング業務や、ファシリテーション業務を行い、顧客の成果や成長にコミットしていく必要があります。

    この時に、自身の専門スキルとあわせて対応していく必要があります。
    イメージがしやすいようにいくつかの例をお伝えします。

    ・マーケティングの専門家であれば、マーケティングコンサルティング業務を担う
    ・人材開発・組織開発の専門家であれば、組織変革ファシリテーターを行う
    ・営業の専門家であれば、営業支援を行い、目標達成に貢献する

    このようにフリーランスの研修講師が独立3年後以降に実力をつけるためには、さらに専門性を高めながら、コンサルタントやファシリテーターとしての実力を高めていく必要があります。

    時期によって、研修講師として実力をつける方法は違いますので、自身がどのステージにいるかを把握して、学習していただければと思います。

    4)まとめ

    本コラムでは、フリーランスの研修講師に関しての情報を、まとめてお伝えしていきました。

    下記内容をお伝えしました。

    1)フリーランスの研修講師の実態(仕事内容、働き方、年収は?)
    2)フリーランスの研修講師として、仕事を依頼され続けるための3つのポイント
    3)【フェーズ別】フリーランスの研修講師としての鍛え方

    フリーランスの研修講師としての実情を、理解いただけたと思います。
    フリーランスの研修講師は、人生を豊かにする仕事の一つです。顧客に対してポジティブな影響を与えて、さらに金銭的にも時間的にも豊かな生活を送れます。ただしパフォーマンスの低い研修講師は、目も当てられない状況になることもあります。

    本コラムを通して、自身がフリーランスの研修講師になれるかどうかを、確認していただければと思います。 なお当社も、研修講師を募集しています。素晴らしい研修を通して、組織変革を行いたいと思っています。 ご興味がある方はぜひご連絡ください。

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