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【徹底解説】こんな時どうする?中堅社員のお悩みあるある22選
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【事例あり】中堅社員の伸び悩みが危険!組織の停滞を防ぐ6つの対策
更新日:
「中堅社員が成長している実感を持てていない…」
「中堅社員が新しいプロジェクトに対して、主体的に取り組もうとしない…」
「将来の管理職候補がなかなか育たず、組織の次世代を担う人材が不足している…」
このような悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。
中堅社員は、仕事に慣れてきた一方で、モチベーションの維持が難しい時期に差し掛かります。業務がルーティン化し、新たな挑戦が減ることでやりがいを感じにくくなったり、自身のキャリアに対する不安が生まれたりすることも少なくありません。
その結果、指示された仕事をこなすだけになり、主体性を失うケースが増えてしまいます。
しかし、中堅社員は次期管理職候補や、組織を支えるスペシャリストとしての役割が期待される重要な存在です。彼らが伸び悩んでしまうと、若手社員の育成が進まず、組織全体の成長が停滞してしまうリスクがあります。
そこで本コラムでは、中堅社員が伸び悩む要因とその解決策、成功事例をご紹介します。
中堅社員の成長が組織の未来を大きく左右します。彼らが再び主体的に活躍できるよう、適切な支援を考えていきましょう。
※本記事での「中堅社員」とは、入社4年目以降の管理職ではないメンバーを指します。
目次
1)中堅社員が伸び悩む6つの要因
中堅社員が成長を実感できず、伸び悩んでしまう背景には、以下の6つの要因が考えられます。
①挑戦することがリスクに感じられ、新たな成長機会を逃してしまう
②仕事をこなすことで精一杯になり、成長の機会を逃してしまう
③成長を支援してくれる環境がなく、成長の方向性を見失ってしまう
④期待される役割が曖昧で、成長の方向性が定まらない
⑤不明確な評価でモチベーションが下がる
⑥キャリアの見通しが立たず、将来に希望を持てなくなる
これらの要因を詳しく見ていきましょう。
① 挑戦することがリスクに感じられ、新たな成長機会を逃してしまう
中堅社員は、新たな挑戦に対して不安や恐れを感じることがあります。その大きな理由の一つが、挑戦して失敗した際に、上司や後輩から「できない人」と思われたくないという心理です。
例えば、ある中堅社員が他部署との連携を強化するために、合同の週次定例会議を提案し、実施したとします。しかし、次第に会議が形骸化し、上司からは「この会議に参加する必要性を感じない」と言われ、後輩からは「資料作成の負担が増えた」と不満を持たれるかもしれません。
その結果、挑戦したこと自体ではなく、うまくいかなかった点ばかりが指摘され、「失敗するくらいなら、最初から挑戦しないほうがいい」と考えてしまうのです。
中堅社員は会社やチームのために、より良い仕事の進め方を模索し、成果を上げるために行動しています。しかし、挑戦の過程よりも失敗の結果ばかりが評価される環境では、挑戦することがリスクと感じられ、新たな成長機会を逃してしまいます。
②仕事をこなすことで精一杯になり、成長の機会を逃してしまう
中堅社員は、日々の業務に追われ、成長を実感しにくくなることがあります。中堅になると仕事の量が増え、一つひとつを丁寧にこなそうとすると、時間が足りなくなりがちです。
その結果、業務を効率化しようとルーチン化に頼るようになりますが、同じやり方を繰り返すだけでは、新たな学びや挑戦の機会が減ってしまいます。
その状態が続くと、「成長している」という実感が持てなくなってしまうのです。
例えば、営業職の中堅社員が、過去の経験から作成した企業ごと・課題ごとの提案パターンを流れ作業のように提示するだけになってしまうケースが考えられます。毎回新たに考える部分が少なく、仕事が単調になり、成長している実感を得られにくくなります。
このような状態が続くと、自分の将来に対する不安が高まり、モチベーションが低下してしまいます。すると、仕事をより良くしようという意識も薄れ、結果として成長の機会を逃し、伸び悩んでしまうのです。
③成長を支援してくれる環境がなく、成長の方向性を見失ってしまう
中堅社員は、周囲からの成長支援が不足しています。中堅社員になると、相手の期待通りの仕事は一人で行えるようになるため放っておかれやすく、スキルアップの支援が行われないことも多いです。
HR総研が2021年に実施した「人材育成(階層別研修)」の調査によると、中堅社員研修の実施状況は、「実施している」が34%、「実施していない」が66%で、実施していない企業が多数派であることが分かります。また、中堅社員研修の運営上の課題としては、「人事・教育担当のリソース不足」が最多の37%を占めており、企業側も中堅社員の育成に十分なフォローができていない現状がうかがえます。
※ HR総研が2021年8月23日~30日に実施した「人材育成(階層別研修)」の調査資料より一部抜粋
企業が中堅社員の成長を軽視しているわけではなく、リソースの問題から十分な支援が行き届かないケースが多いです。
しかし、成長を支援する環境がなければ、新たなスキルを習得する機会が減り、結果として成果が伸び悩んでしまいます。
④期待される役割が曖昧で、成長の方向性が定まらない
中堅社員の役割が明確でないことも、成長が停滞する要因の一つです。組織が何を求めているのかがはっきりしなければ、期待に応えることは難しくなります。
また、中堅社員自身が自分の役割を正しく理解していないと、会社の中核を担っているという自覚が持ちづらくなります。視野が狭くなり、自分が組織の中でどのような位置にいるのかを客観的に把握できなくなるためです。
このように、「中堅社員としてどんな役割を果たしてほしいのか」が明確に言語化されていないと、目指す方向がわからなくなり、結果として成長が停滞してしまいます。
⑤不明確な評価でモチベーションが下がる
評価基準が曖昧なことも、中堅社員の成長を妨げる要因となります。何を達成すれば評価されるのかが不明確では、それに向けた行動を起こしづらくなるためです。
例えば、部下の育成に力を入れて支援していたとしても、その取り組みが評価の対象になっていなければ、成果として認められません。結果として、期待される成果を出していないと判断される可能性があります。
自身の取り組みが評価されないとわかると、モチベーションが低下し、成長が停滞します。
⑥キャリアの見通しが立たず、将来に希望を持てなくなる
中堅社員が自身のキャリアの先行きに不安を感じることも、成長が停滞する要因の一つです。将来が見えないと、「このままでいいのか?」という不安が大きくなり、仕事に身が入らなくなってしまいます。
中堅社員は、「この会社に居続けるべきか?」「この会社に将来性はあるのか?」「これからどのように活躍できるのか?」といった不安を抱えています。特に、中堅社員の年齢層になると、キャリアチェンジを考えるタイミングとして「今が最後のチャンス」と捉える人も多く、自分の成長やキャリアの方向性を真剣に考えるようになります。
もし将来のキャリアを明確に描けなければ、組織に留まることへの安心感を持てず、モチベーションが低下してしまいます。結果として、仕事への意欲が薄れ、成長の停滞を招くことになります。
中堅社員が成長を実感できず、伸び悩んでしまう背景には、このような要因があります。
これらの背景を理解し、中堅社員の成長を促す環境を整えていくことが必要です。
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2)中堅社員の伸び悩みを解消する6つの解決策
中堅社員の伸び悩みを生み出している要因を解消するために、組織が行うべき取り組みを6つ紹介します。
①挑戦への失敗を責めない文化を創る
②成長を促す挑戦機会を与える
③成長を加速するスキル習得を支援する
④役割を明確化する
⑤納得感を持てる評価制度に見直す
⑥キャリアを描く機会を創る
①挑戦への失敗を責めない文化を創る
挑戦には失敗がつきものです。そのため、失敗を受け入れ、挑戦しやすい環境をつくることが重要です。
例えば、新しいプロジェクトに取り組む中での失敗や、業務改善のために試みた新たなチャレンジがうまくいかなかった場合、それは賞賛に値する失敗といえます。こうした失敗を通じて次の一歩を踏み出せるためです。
しかし、そのような失敗も非難されてしまう環境では、中堅社員はリスクを恐れて挑戦しなくなり、結果として中堅社員の成長が停滞してしまいます。
失敗にも種類があり、成長につながる失敗は歓迎する文化をつくることが大切です。
下の図は失敗の種類を、「非難に値する失敗」と「賞賛に値する失敗」を分類したものです。
※出典:「チームが機能するとはどういうことか」 エイミー・C・エドモンドソン
賞賛に値する失敗を歓迎できる文化を根付かせるには、上層部や管理職が「こんな失敗をしたが、そこから学びを得た」と率先して共有することが効果的です。
他の社員も失敗をオープンにすることで、同じミスを繰り返さないための改善策が見え、挑戦への心理的ハードルが下がります。
失敗を責めず、学びとして活かす環境をつくることで、中堅社員が安心して挑戦できる土壌を整えましょう。
②成長を促す挑戦機会を与える
中堅社員には、挑戦できるプロジェクトや業務を提供しましょう。新たなことに挑戦する機会があれば、仕事がルーティン化せず、やりがいや達成感を感じやすくなるためです。
ただし、新しい仕事を任せる際には、次の2点に注意が必要です。
●適切なサポートを提供する
挑戦する機会があっても、困難に直面した際に助けがなければ、ストレスにつながりかねません。成長の機会として機能させるためには、上司や先輩が適切にフォローできる体制を整えましょう。
●業務負担を調整する
新しい仕事を任せる場合は、既存の業務を一部上司や他のメンバーが引き取ることが必要です。業務量が増えすぎると、前向きな挑戦も負担になり、疲弊してしまう恐れがあります。
挑戦的なプロジェクトを提供しながら、適切なサポートと業務調整を行うことで、中堅社員が仕事に主体的に取り組み、成長を実感できる環境を整えましょう。
③成長を加速するスキル習得を支援する
中堅社員の成長を促すためには、新たなスキルを習得できる機会を提供することが重要です。成長を支援する環境がなければ、スキルの幅が広がらず、成果の伸び悩みに直結します。
中堅社員に求められるスキルには、次のようなものがあります。
●業務遂行スキル
・要件定義:業務の依頼内容を明確にし、品質の高いアウトプットを出すスキル
・報連相(報告・連絡・相談):信頼を積み上げ、円滑に業務を進めるスキル
・タスク分解:仕事を分解し、ゴール達成までの道筋を考えるスキル
・スケジュール管理:計画的に業務を進めるスキル
・プロジェクトマネジメント:プロジェクトの体制や運用方法を管理するスキル
●思考スキル
・ロジカルシンキング:誰もが納得できる結論や理由を説明するスキル
・問題解決思考:問題を特定し、原因分析を行い、解決策を見出すスキル
・システムシンキング:複雑な環境で、さまざまな要素のつながりを把握するスキル
●コミュニケーションスキル
・関係性構築力:関係者との信頼関係を築くスキル
・プレゼンテーション力:相手のニーズを捉え、共感を生む説明スキル
・ファシリテーション力:会議や議論を円滑に進め、成果を引き出すスキル
●後輩育成スキル
・育成計画:育成の道筋を立てるために必要なスキル
・ティーチング:指導をする際に必要なスキル
・フィードバック:後輩の行動を改善・強化するために必要なスキル
・コーチング:後輩を自律・自走させるために必要なスキル
・チーム学習:正解がないときに対話通しながら物事を進めていく際に必要なスキル
●リーダーシップスキル
・意志発信力:チーム同じ方向を向いて仕事を行える状態を作るためのスキル
・パーソナリティベースドリーダーシップ:個々の特性を活かせる状態にするためのスキル
・シェアドリーダーシップ:個々の特性を活かせる状態にするためのスキル
・心理的安全性:よりよくするための意識行動ができるようにするためのスキル
●成長し続けるためのスキル
・リフレクション:内省・省察など振り返りのスキル
・アンラーニング:これまでの学びを手放して、新たなものを取り入れることで進化させるスキル
スキル習得の機会を設けることで、中堅社員は自身の成長を実感し、組織の中でより活躍できるようになります。
【参考コラム】
中堅社員に求められる5つのスキルとは?│チーム力を高める存在になるために
④役割を明確化する
中堅社員が自分の役割を認識できるようにしましょう。役割が曖昧なままだと、組織の期待と異なる方向に進んでしまう可能性があるためです。
中堅社員の主な役割は以下の5つです。
・質の高い業務遂行:後輩の模範となり、管理職からも信頼される働きをする
・後輩の育成:組織の成長につながる指導・支援を行う
・組織の通訳者:管理職の考えを若手社員にわかりやすく伝える
・チームの力を高める促進者:個々のリーダーシップを引き出し、協力体制を築く
・ナレッジの仕組み化:業務の知見を共有し、組織全体の成長を促す
経営層や管理職から、中堅社員に期待する役割を明確に伝える機会を設けることも有効です。組織の期待を理解できると、中堅社員も目指す方向を定めやすくなり、成長の停滞を防ぐことができます。
【参考コラム】
中堅社員の5つの役割とは?伸ばすべき育成のポイントも詳しく解説!
⑤納得感を持てる評価制度に見直す
誰もが納得できる評価制度を整えましょう。評価基準が不明確だと、中堅社員は評価に値する行動を自ら考えにくくなってしまうためです。
評価軸を明確にする際には、以下の2点を意識しましょう。
・SMARTの法則を取り入れる
・中堅社員が目指したいと思える目標にする
SMARTの法則を取り入れる
SMARTの法則というのは、ジョージ・T・ドラン氏が提唱した理論で、5つの成功因子によって構成されています。このすべての要素が含まれていると、明確になっていると言えるでしょう。
中堅社員が目指したいと思える目標にする
中堅社員が目標に向かって前向きに取り組むためには、中堅社員自身が目標を達成することで「なりたい姿」に近づけると実感できることが重要です。自分の成長につながると感じられなければ、目標に対して積極的に行動することは難しくなります。
そのため、目標を設定する際は、中堅社員自身が納得し、自らの成長につながると感じられる内容になっているかを意識して言葉を選びましょう。
「どの程度役割を果たせば、どのように評価されるのか」が明確になっていると、中堅社員は自分が何をすべきかを具体的に考えやすくなります。やるべきことが明確になることで仕事に取り組みやすくなり、伸び悩みを感じることが少なくなるでしょう。
このように評価の基準を明確にすることで、中堅社員は自身の役割を具体的に理解し、成長につなげることができます。
⑥キャリアを描く機会を創る
キャリアについて考える機会を設けることで、中堅社員の不安を軽減し、仕事への意欲を高めることができます。
中堅社員は、「この会社で働き続けていいのか?」「将来、どんなキャリアを築けるのか?」といった不安を抱えがちです。
そのため、1on1や研修を通じて、中堅社員が今後どのようなキャリアを描きたいのかを話し合い、自組織でできることを明確にすることが重要です。自身のキャリアプランが明確になると、今の仕事の意義を再認識し、主体的に取り組む意欲が生まれます。
将来の道筋が見えることで、中堅社員はモチベーションを高め、成長を実感しながら働くことができるようになります。
中堅社員が成長を実感できず、伸び悩んでしまう要因を解消するためには、組織が適切な支援を提供し、成長を促す環境を整えることが重要です。
これらの施策を実施することで、中堅社員のモチベーションを維持し、成長を促進することができます。中堅社員が活躍できる環境を整えることは、組織全体の成長にもつながります。
3)【事例】キャリアの不透明さに悩む中堅社員が、研修を通じて前向きに成長
今回の事例は、キャリアの不透明さや成果への不安からモチベーションが低下していた中堅社員が、研修を通じて前向きに成長したケースです。
課題:中堅社員のモチベーション低下
専門商社(従業員200名)の営業部門では、中堅社員のモチベーション低下が課題となっていました。
専門商社では、成果に応じたインセンティブ制度を採用していましたが、思うように成果を出せない中堅社員は報酬が伸びず、モチベーションが低下していました。その影響もあり、目標達成意識が弱くなり、営業会議でも前向きな意見があまり出ない状況が続いていました。
さらに、多くの中堅社員が自身のキャリアの方向性を明確にできず、不安を感じていました。
こうした中、経営陣は彼らを今後の管理職候補として成長させ、主体的に営業成果を上げられるよう支援したいと考えていました。
実施内容:中堅社員のモチベーションと営業成果の向上を目的とした研修の実施
中堅社員のモチベーション向上と営業成果の向上を目的に、7月に1.5日間の合宿研修、9月にフォロー研修を実施しました。
《合宿研修(7月)》
1日目:「今後のキャリア形成を考えるワークショップ」
・エース社員が自身のキャリアの成功と困難を語るセッションを実施。
・それを受けて、中堅社員自身のキャリアの方向性を考えるワークショップを実施。
・「どんなに優秀な人でも困難を乗り越えている」ことを知り、自分のキャリアを前向きに考えるきっかけを作った。
2日目:「営業スキル向上のためのロジカルシンキング研修」
・顧客の課題を的確に把握し、解決策を提案するスキルを学ぶ。
・営業現場での具体的なケースをもとに、論理的に考え、伝える力を強化。
《フォロー研修(9月)》
プレゼンテーション研修を実施
・ロジカルシンキングの学びを活かしながら、顧客への効果的な提案の仕方を学ぶ。
・研修の振り返りを行い、「自分はどのように成長したのか?」を考えるセッションを実施。
研修後の効果:中堅社員の主体性が向上し、営業成果も向上
研修を通じて、中堅社員の意識と行動に変化が見られるようになりました。
営業会議では、以前よりも前向きな意見が増え、積極的に議論に参加する姿勢が見られるようになりました。また、研修で学んだロジカルシンキングやプレゼンテーションのスキルを営業現場で実践する機会が増え、顧客への提案の質も向上しました。
さらに、「自分のキャリアは自分で築くもの」という意識が芽生え、目標達成に向けて何をすべきかを明確にし、主体的に行動する社員が増えました。
その結果、数ヶ月後には売上にも好影響が表れ始め、研修の効果が実感できるようになりました。
このように、中堅社員が伸び悩む原因を特定し、適切な研修を実施することで、モチベーションと成果の向上につなげることができます。
4)中堅社員の伸び悩みが招く、組織の停滞
中堅社員の伸び悩みが課題としてあると、組織の成長を妨げることになってしまいます。なぜなら、中堅社員が主体的に仕事をしないことで次のようなリスクがあるためです。
①若手社員のロールモデルにならず、次世代の成長意欲が低下
②業務の質が下がり、組織の成果にも悪影響
③管理職候補が育たず、管理職の負担が増加
④後輩への育成が進まず、組織全体の成長サイクルが停滞
それぞれ説明します。
①若手社員のロールモデルにならず、次世代の成長意欲が低下
中堅社員が伸び悩んでいると、若手社員の良いロールモデルになれず、次世代の成長意欲が低下してしまいます。
中堅社員がモチベーションを失い、成果を出せずにいると、その姿を見た若手社員は「将来自分もこうなってしまうのではないか」と不安を感じます。結果として、若手社員はキャリアプランを描きにくくなり、仕事への意欲が低下するためです。
中堅社員がイキイキと働けていないと、若手社員が将来に希望を持てず、モチベーションが下がり、転職を考えるきっかけにもなりかねません。
その影響が広がると、組織全体の成長も停滞してしまいます。
②業務の質が下がり、組織の成果にも悪影響
中堅社員が伸び悩むと、業務の質が低下し、組織全体の成果にも悪影響を及ぼす可能性があります。
伸び悩んでいる状態では、現状を改善しようとする意欲が湧かず、業務の質を向上させることが難しくなるためです。
特に中堅社員は、プロジェクトリーダーとして業務を推進し、成果を出す役割を担うことが多くあります。そのため、中堅社員の仕事の質が低下すると、プロジェクトの進行が滞ったり、業績に悪影響を与えたりするリスクが高まります。
このように、中堅社員の伸び悩みは個人の問題にとどまらず、組織全体の生産性低下につながる重要な課題といえます。
③管理職候補が育たず、管理職の負担が増加
中堅社員が伸び悩むと、管理職への昇進が期待できる人材が不足し、既存の管理職の負担が増加してしまいます。
それだけでなく、管理職になれる人が少ないと、中堅社員の数ばかりが増え、管理職が不足するバランスの悪い組織になってしまいます。その結果、上層部からの指示や方針が現場にスムーズに伝わらなくなるなど、組織全体の機能不全を引き起こす可能性があります。
さらに、社内で管理職候補が育たなければ、新たに外部から管理職を採用する必要が生じ、追加の採用コストが発生するという問題も出てきます。
このように、中堅社員が成長せず管理職の基準を満たせないと、組織の成長が停滞し、長期的な経営の負担にもつながります。
④後輩への育成が進まず、組織全体の成長サイクルが停滞
中堅社員が伸び悩むと、後輩の成長が鈍化し、組織全体の成長サイクルが停滞してしまいます。
中堅社員が自分の仕事をこなすだけで精一杯の状態では、後輩や組織のために育成が後回しになりやすいためです。
また、「言われたからやる」というスタンスで育成を行うと、後輩の成長を願って指導するのではなく、単に自分の業務を手伝わせる意識になりがちです。
その結果、後輩の成長が進まず、育成の効果が薄れてしまいます。
後輩が十分に育たなければ、組織全体の成長にも期待できません。
中堅社員が伸び悩んだ状態で育成をしても、後輩の成長を促せず、結果として組織の成長を妨げる要因となってしまいます。
中堅社員の伸び悩みは、個人の問題にとどまらず、組織全体の成長を妨げる要因となります。組織全体の活力が失われ、持続的な成長が難しくならないように、できるだけ早い対応が必要です。
5)まとめ・中堅社員の伸び悩みを解消し組織全体の成長に繋げよう
中堅社員の伸び悩みは、個人の問題にとどまらず、組織全体の成長を妨げる大きな要因となります。
中堅社員が伸び悩む要因が積み重なることで、中堅社員の活力が失われ、若手社員の成長意欲や業務の質の低下、管理職の負担増加、組織全体の成長停滞といった悪影響が広がります。
しかし、適切な支援を行うことで、中堅社員は本来の力を発揮し、組織の成長を支える重要な存在となります。
アーティエンスでは、中堅社員の伸び悩みを解消するための中堅社員向け研修を実施し、主体的な成長と組織への貢献を促します。企業ごとの課題に合わせたプログラムを実施し、中堅社員の意欲と能力を引き出します。
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中堅社員の成長が組織の未来を大きく左右します。中堅社員が主体的に活躍できるよう、適切な対策を行い、組織の未来を切り拓いていきましょう。
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