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[ コラム ]
【事例あり】効果が出るシステム思考研修を徹底解説│企画・運営・フォローまで
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研修後も続く!チームビルディング研修を成功させる6ステップ
更新日:
「チームビルディング研修って何をすればいいのか?」
「チームビルディング研修ってどんなものがあるのか?」
「おすすめのチームビルディング研修とは?」
など、チームビルディング研修を行うにあたり、お悩みの方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
チームビルディングがうまくいくと
「人間関係の悩みやトラブルが解消される」
「部署間の対立が解消される」
「ビジョンや目標に向かって一致団結できる組織風土が作れる」
などの効果があります。とはいえ、チームビルディング研修の具体的な内容のイメージが湧かず、お悩みの方も多いかと思います。
そこで、本コラムでは、チームビルディング研修を検討する際のポイントやチームビルディング研修の具体的な内容についてご紹介します。この記事を読んで、チームビルディング研修の検討に役立ててみてください。
目次
1)チームビルディング研修とは、チームメンバーが協働・共創して成果を上げられることを支援する研修
チームビルティング研修とは、チーム全体、または、チームメンバーの関係性を高め、メンバーが協働して成果を上げられることを支援する研修です。チームメンバーの関係性は、思考の質、行動の質、結果の質に影響を与えると言われています。
※ 当社チームビルディング研修テキストより一部抜粋
上記はダニエル・キム氏の提唱した「成功の循環モデル」です。
関係の質が高まると、お互いを助け合えるようになり話し合いも活発に行われます。その結果、質の高いアイディアが出るようになります。そして、質の高いアイディアをお互いに助け合いながら実行していくと、より良い結果が出ます。 良い結果が出ると、それは成功体験となり、さらに関係の質も高まります。
成功の循環モデルとは、上記のような好循環が起こるプロセスを示したものです。チームビルディング研修は、成功の循環モデルがスムーズに回るよう、関係性の向上を通して、組織としての成果を上げていくことを支援する研修だと言えます。
2)チームビルディング研修が必要な理由は、関係性が行動や成果に影響を与えるから
チームビルディング研修が必要な理由は、関係性が組織の行動や成果に影響を与えるからです。
1章で紹介したように、関係性は実は行動や組織に影響を与えています。好循環が回っているときには、次のような好循環が起きます。
関係性を高めることで、チームで活発な話し合いが行われるようになります。そうすると、一人では考えられなかったアイディアが出るようになり、これまで取っていなかった行動が取れるようになっていきます。その結果、成果が出るようになり、チームにポジティブな影響が出ます。ポジティブになっているので、より関係性が高まりやすくなる、という循環です。
一方で、悪循環になっているときは、関係性が悪いので、話し合いも生まれず、発想も広がりません。そうなると、これまでと同じ行動を繰り返していくことになります。そうなると、成果は一時的には上がっても、どこかのタイミングで思うような効果が得られなくなっていきます。最終的には、期待していたような成果が上がらなくなり、チームの士気も下がって、関係性が悪化します。
このように、一見結果にはつながらないように見える関係性が、実は成果に影響を及ぼしています。よって、チームビルディング研修は、ただ関係性を高めるためだけではなく、成果を上げるためにも必要な研修と言えます。
3)チームビルディング研修を行うことの3つのメリット・デメリット
ただし、チームビルディング研修にはメリット・デメリットがあります。チームビルディング研修を導入する際には、メリット・デメリットの両方を確認しておきましょう。
以下がチームビルディング研修のメリットです。
メリット
・関係性を向上することで信頼関係が高まる
・信頼関係が高まることでコミュニケーションが活性化される
・コミュニケーションの活性化の結果として、新しい行動や成果が生まれやすくなる
一方で、チームビルディング研修のデメリットは以下のようなものです。
デメリット
・コミュニケーションや関わりが増えることで、時間や負担が増える
・チームと会社の方向性が合っていないと、チームワークの良さが仇になる
・チームビルディング研修は、直接的に成果に働きかけるわけではなく、関係の質だけにしか焦点が当たらないと、ぬるま湯に陥ったり、停滞時間が長くなることがある(思考の質にもしっかりアプローチすることが必要)
メリットは2章でご紹介した成功の循環サイクルがうまく回るイメージです。デメリットについて補足します。
「コミュニケーションや関わりが増えることで、時間や負担が増える」については、どうしても最初は話し合いやお互いの意見のすり合わせにより、時間や労力が割かれます。これは関係性が向上していけば軽減していくものなのですが、時間差があり、すぐには実感しにくい点です。よって、あらかじめ「一定の時間が掛かるものであること」への理解と準備を促しておくことが有効です。
「チームと会社の方向性が合っていないと、チームワークの良さが仇になる」は、たとえチームの関係性が向上したとしても、チームと会社の方向性が合っていないと、組織としての成果には繋がらないからです。チーム内だけの関係性だけではなく、チームと会社、チームと他部署の関係性も含めて、対応していく必要があります。
「直接的に成果に働きかけるわけではなく関係の質だけにしか焦点が当たらないと、ぬるま湯に陥ったり、停滞時間が長くなることがある(思考の質にもしっかりアプローチすることが必要)」は、関係性の質だけにフォーカスをしていても、成果には結びついていかないためです。
関係性を高めた後には、このチームで何をしていくのか?何を目指したいのか?という計画やビジョンがないと、行動につながりません。よって、関係性に働きかけるだけに留まらず、その結果をどのように活かしていくのか?までをチームビルディング研修に組み込むことが必要です。
このように、チームビルディング研修にはメリットとデメリットがあり、デメリットについてもあらかじめ認識・対処していくことが重要です。
4)チームビルディング研修の実施方法は、6ステップで進める
チームビルディング研修を実施する目的とゴールを決定する
チームビルディング研修を行う際には、チームの状態に合った目的・ゴールを設定しましょう。チームの状態によって、目指すべき目的・ゴールは変化し、大きな違いがあるからです。
チームの状態を見立てる際によく活用されるのが、「タックマンモデル」です。
「タックマンモデル」とは、心理学者のブルース・W・タックマンが1965年に提唱したチームの成長の段階を示したモデルです。 具体的には、チームを形成した後、混乱や対立など、さまざまな段階を経ることで、理想的なチームへと成長するというモデルです。
※ 当社チームビルディング研修テキストより一部抜粋
タックマンモデルではこのように解説されています。
形成期の目的やゴールとしては、まずお互いのことを深く知り合っている状態をつくり、議論や対話が起こりやすくなる環境をつくることなどが挙げられます。
混乱期は、お互いへの理解が進むと共に、まだ共通理解には至っておらず、お互いの考え方がぶつかっている状態です。 混乱期の目的やゴールとしては、お互いが感じていること、思っていることを明かした上で、表面的な意見交換に終わらせず、本意や真意も含めて理解し合えている状態などが挙げられます。
統一期は、お互いの主張をぶつけ合う中で、共通の目的や目標が明確になってくる状態を指します。統一期の目的やゴールとしては、共通で目指す目的やビジョンを描くと共に、その目的やビジョンに向かって、それぞれが何をしていくのか?が明確になっている状態が挙げられます。
機能期の目的やゴールとしては、チームでの成功体験の共有を通じて、お互いが承認できていること、さらなる取り組みに向けての意欲を高める、行動を計画している、などの状態が挙げられます。機能期は、共通の目的や目標に向かってお互いが協力し、成果が生み出されている状態を指します。
このように、チームの状態に応じて目指すべき状態が変わってきます。対象となるチームの状態を見立てて、研修の目的とゴールを設定しましょう。
対象層を決める
続いて対象層を決めていきます。
チームビルディング研修の際は、チームや組織単位で対象層を検討することになるでしょう。その際に気をつけたいことは、対象層の幅を適切に決めることです。
対象層を広げすぎても、研修の狙いが散漫になりますし、狭めすぎても限定的になり、対象層を適切に選ばないと研修効果が低くなってしまいます。
例えば、全社でのビジョンを共有したいなどの際は、できるだけ全体を含む範囲であるのが望ましいです。もっとも理想的なのは、全社が一同に介すこと。難しければ地区単位や本部単位など、ひとまとまりの単位を対象とするのが望ましいです。
一方で、メンバー間の関係性向上、部署間対立を解消したいなどの際には、該当する組織やチームを集めるのが良いでしょう。関係性や部署間対立の状況はそれぞれに異なる可能性があり、異なる状態の組織を混ぜてしまうと、参加者のニーズも異なるため、思うような研修効果が上がらないことがあります。
上記のように、目的とゴールを実現するといった観点において、適切に対象層を選ぶことが重要です。
手法を決める
目的とゴール、対象層が明確になってくると、適切な手法も絞り込まれてきます。ここでは、チームビルディング研修でよく活用される手法を6つ紹介します。
①レクチャー
チームビルディングに関する理論や知識を伝えることです。
目的としては、理論や知識を知ることで、チームでいま起こっていることを客観視できるようにする、理論や知識から、チームをより向上させていくアクションの精度を上げることが挙げられます。
例えば、タックマンモデルの混乱期にある時に、「混乱はチームビルディングの中で必要なプロセスであり、むしろ混乱がない方が不健全である」と知ることで、混乱を受け止められるようになります。
このように知識や理論を知っておくことで、認知が変わる可能性が高い場面には、レクチャーを取り入れると効果的です。もちろん、知識だけでチームビルディングが進むわけではありませんが、チームビルディングに関する適切な知識を持つと、より効率的・効果的にチームビルディングのプロセスを進めることができます。
②ワークショップ
ワークショップは、チームで共通したワークに取り組み、その過程を通じてチームビルディングにおけるポイントを学ぶものです。
目的としては、チームビルディングの疑似体験を通じて、自分たちのチームにはどんなことが必要なのかを理解する、などが挙げられます。
例えば、タックマンモデルの形成期にワークショップを行い、チームビルディングのプロセスを体験することで、自職場におけるチームビルディングの最初の一歩を踏み出しやすくなります。ワークショップの事例としては以下のようなものがあります。
※ 当社チームビルディング研修テキストより一部抜粋
ワークショップ形式を活用すると、対立するような場面を疑似的に作ることなどができ、チームビルディングの際に重要となるポイントを掴んでもらいやすいのがメリットです。
③ゲーム
ゲームは、実際の仕事とは異なる状況を用いて、チームビルディングに関するポイントを学んだり、実際にチームビルディングを行ってみるものです。
目的としては、普段の仕事や職場環境、立場や能力の違いなどを取り払った上で、スムーズに関係性を構築することが挙げられます。
例えば、タックマンモデルの混乱期にある時に、あえて混乱が起こるようなゲームを行うと、混乱への対処法や乗り越え方についての気づきを得ることができます。
チームビルディングにおけるゲームで有名なものには、NASAゲームがあります。NASAゲームでは、月に不時着をしたという前提で、地球に帰るために、限られた持ち物の中から、チームで優先順位を決める、というものです。
それぞれの価値観によって、優先順位が異なってくるので、対立が起きやすくなっています。その対立を乗り越えて、チームとしての結論が出せるかが、このゲームのポイントです。立場や能力が違う人であっても、対等に研修に参加してほしい、などの際にはゲームを取り入れることが有効です。
④アクティビティ
アクティビティとは、実際に身体を動かして、その活動の中からチームビルディングを図るものです。具体的には、みんなで料理を作る、社内運動会をする、などです。
目的としては、一見、仕事に関係ないように思える料理の過程や運動会の中で、仕事でも使える段取りやチームコミュニケーションなどへの気づきを深めることが挙げられます。
例えば、タックマンモデルの形成期にアクティビティを取り入れると、関係性がない中でも、協働作業を行うことになるので、ある意味、関係性を構築せざるを得なくなり、チームビルディングが自然と促される効果があります。
ただし、普段の職場とのギャップがどうしても発生しやすいので、アクティビティでは仲良くなったけれど、職場ではあまり変化がない、などの事象が起こりやすくなります。そのため、アクティビティでの気づきや学びをどう活かすのか?を丁寧に落とし込むプロセスが重要です。
⑤合宿
合宿とは、泊まり込みで行うチームビルディング研修のことです。
目的としては、フォーマルな場面だけでなく、食事や飲み会など、インフォーマルな場面も含めてコミュニケーションが生まれることで、通常の職場ではできない、濃いチームビルディングを行うことなどが挙げられます。
例えば、タックマンモデルの統一期に合宿を行うと、普段の環境と離れた中でじっくり話し合うことで、本当に実現したいビジョンが創りやすくなるなどの効果があります。
よって、合宿は、日常的に用いられるというよりは、チームが立ち上がった形成期やもしくはビジョンを創り直す統一期など、チームの節目において行われることが多いです。
⑥ダイアログ
ダイアログとは、特定のワークやアクティビティを行うのではなく、テーマを掲げて(場合によってはあえてテーマを置かないケースもあります)メンバー間で、対話を行うものです。
ダイアログの目的としては、特定のテーマについて深くコミュニケーションをすることで、普段は見逃している意見や捉え方のズレに気づく、対立の奥にあるそれぞれの価値観を自己開示して深いつながりを創り出す、などが挙げられます。
例えば、タックマンモデルの混乱期に、お互いの感じていることや本音を出し合うダイアログを行うことで、混乱の奥にある一人ひとりの願いや想いの理解に繋がることがあります。
良いダイアログを行うためには、高度なファシリテーションスキルや経験が必要とされます。一見、ただ集まって話すだけなので、誰でもできると思われがちですが、ダイアログには気を付けなければいけないポイントが多くあります。
この点を外してしまうと、本音が出ない、表面的な会話で終わる、などで、研修が失敗に終わってしまう可能性があるので、注意が必要です。
このように、チームビルディングの手法にはバリエーションがあり、手法を安易に選ぶのではなく、研修の目的やゴール、対象層、予算など各種の条件を総合して、検討していくことが重要です。
実施形態について(対面集合かオンラインか)
チームビルディング研修は、対面形式での実施がおすすめです。
チームビルディングは、感情や感覚の変化を伴うものでもあるので、言語に加えて、非言語でのコミュニケーションが行いやすい対面形式の方がよいです。ただし、どうしてもオンラインで行わなければならない場合もあると思います。
その際には
・研修中のワークや指示を、わかりやすく明確に提示するなどして、参加者を迷子にさせないようにする
・対面の研修時より、グループワークや共有の時間が短く終わりがちになるので、雑談の時間を意図的に設けて、お互いが話しやすくなるようにする、などの工夫を対面時より多く盛り込む
などの工夫をしてカバーするのが良いでしょう。
アーティエンスでは、対面型、オンライン型、両方におけるチームビルディング研修の事例があります。実施形態でお悩みの際には、お気軽にご相談ください。
期間を決める
チームビルディング研修は、単発で終わらせるのではなく、数か月に渡り複数回実施していくのがおすすめです。
なぜなら、タックマンモデルで見られるようにチームの状態は常に移り変わっていくので、チームの状態に応じてアプローチを随時変えて、メンテナンスしていく必要があるためです。
具体的には、最初に1日~2日程度のワークショップや合宿を行い、その後、職場で半日程度のフォローアップを3か月から半年程度続けるのが理想的です。
現場でのフォローを決める
研修での学びが現場で実践されるためには、フォローアップが不可欠です。
特にチームビルディングにおける学びは、自分一人だけでなく、チームで取り組むものも多いため、個人での学びと比較すると、実践するにはハードルが高い場合もあるためです。
チームビルディング研修のフォローアップ例としておすすめなのは、「組織サーベイを用いて、組織の状態や変化を客観視し、次に取り組むアクションについて対話をしていく」です。
チームビルディング研修は、間接的に効果を発揮するもので、直接成果を生み出すものではありませんが、成果がでない根本的な原因になり得るのが、関係性です。よって、関係性が悪化している状態では、どんなことに取り組んでも成果が出ません。
そのため、いまのチームの状態が望ましい状態なのか、もしくはそうでないのかを明確にしていくためにも、組織を客観視できる組織サーベイはMUSTで実施すべきです。
組織の状態は人によっても捉え方が異なることが多く、何も参照するものがないと、お互いの捉え方がすり合わないことがあるため、サーベイを活用することが有効です。
アーティエンスでも組織サーベイを提供していますので、よければ下記も参考にしてください。
チームビルディングは、本音の関わりと捉え方の変化があって進むものです。その過程には、対立や混乱、一時的な関係性の悪化も起こり得ます。そういった場面でもチームの状態をより良くしていくためにも、フォローアップは不可欠です。
5)チームビルディング研修の事例
部門間の壁を無くす
項目 | 詳細 |
---|---|
業種 | プロスポーツ運営 |
企業規模 | 150名程度 |
実施時期・方法 | 3月 |
目的 | 部門間の連携と、上司への報連相 |
研修内容 | 部門間の関係性構築 |
得られた効果 | 横の連携が強化され、ミスが少なくなった。企画の質も上がった。 |
「上司への報連相や、部門間の連携不足で、多くのミスが発生している。自組織のブランドに関わることや、対外的に信用にかかわるようなことも出てきているので、何とかしたい」という相談がありました。
社内での報連相への意識が弱いため、報連相を起点に、よりよい組織にしていくかを考えるワークショップを行うことで、チームビルディングを強化しました。フォローセッションでは、「公式戦の前の忙しい時期だったけど、忙しい時期だからこそやったほうが良かった」、「他部門と連携を強化すると、こんなにアウトプットの質が変わるのかと体感できた。報連相は侮れない」などの声がありました。
ストーリー
報連相のスキルを学ぶ研修をしたところで、ビジネスパーソンとしての経験も高いことから、スキル系の研修ではなく、報連相がないことへの危機意識と、報連相を起点にして、組織をよりよくするにはどうしたらいいかを考えていきました。
下記のようなトラブルがあったとのことでしたので、ワークショップ内で社員全体に共有していきました。
※ 当社チームビルディング研修テキストより一部抜粋
上記以外にも社外事例なども通して、さまざまな報連相のミスによる損害を学び、その後自組織において、素晴らしい報連相は何だろうかと探求し、報連相によって組織がどのように良くなるのかを対話しました。
他部署、上司部下の関係も良くなり、報連相を起点とした上共有が良くなったとのことでした。今まで起きていた大きなミスはなくなり、全社員のパフォーマンスも高まり、研修を実施した年は、最下位から優勝争いをするまでになったという話を聞いています。
経営陣のつながりを強化する
項目 | 詳細 |
---|---|
業種 | 食品メーカー |
企業規模 | 200名程度 |
実施時期・方法 | 2021年2月~5月 |
目的 | 経営者・幹部社員の連携強化 |
研修内容 | 読書会(組織課題と自分たちの課題と向き合う) |
得られた効果 | 戦略・方針がアップデート |
「コロナ禍により、多くの問題が起き、経営者が自身の管掌役員として担当する部門のみを強いリーダーシップを持って、短期的な危機を乗り越えた。ただしそのことにより、次世代リーダーである幹部社員の受け身が強くなり、また部門間の連携も弱くなってしまった」という相談がありました。
コロナ直後には下記のような問題もあったようです。
・原料確保に対して、輸入先の状況の先読みが不可
・コスト削減のために、派遣社員の契約を終了
・社員の業務負担の増加
・テレワークになり、社員の状況が見えない
上記の課題を、経営陣が現場に強く介入し対応はしたが、改めて部門間の連携の弱さや次世代リーダーが成長していないとのことでした。そのため、経営陣・幹部社員のチームビルディングを行いながら、組織課題と向き合うことになりました。
具体的には、読書会を行いました。「学習する組織 入門」を事前に読んできていただき、自組織の状況と照らし合わせていきました。最終的には、経営者と幹部社員でコロナ禍をチャンスにするために、戦略・方針がアップデートされていきました。
ストーリー
ただ、チームビルディングを行うだけではなく、自組織の課題と向き合いたいということでしたので、組織課題をどう乗り越えていくかをテーマに話していきました。企画時に、研修だと抵抗感があるということだったので、読書会による対話を行いました。下記のように進めていきました。
※ 当社資料より一部抜粋
学術的な観点や、また他社事例をもとにした対話により、真摯に今起こっている組織課題や自分たちの課題と向き合っていきました。対話をしていく中で、もっとワンチームとして、コロナ禍を乗り越えていかないといけないという想いが、生成的に生まれていきました。その後、さまざま施策が生まれて、業績は上向いているとのことです。
チームビルディングを学ぶ
アーティエンスでは、チームビルディングを学ぶ研修もご用意しております。チームビルディングを上げるというよりも、ビジネスゲームを通じてチームビルディングに必要な要素を学ぶ内容です。
下記ページで具体的な研修内容を記載しておりますので、よければご覧ください。 チームビルディング・ワークショップ ~対立と衝突を乗り越える~
6)チームビルディング研修の企画時によくある質問
チームビルディング研修を行うにあたり、重要なことは何ですか?
チームビルディング研修を行うにあたり重要なことは、
②組織の状態を把握すること
の2点です。
①研修の目的・ゴールを定めることが大事なのは、チームビルディング研修は求める成果があいまいになることが多いためです。
「なんとなく仲良くなってくれればいい」「雰囲気がよくなればいい」など何が実現されていると望ましいのか?が明確に描かれないことが多くあります。
こういった目的やゴールだけで研修を実施してしまうと「なんとなく、その場は盛り上がった。でも職場での実践には結びつかなかった」となりがちです。単に会話が増えればいいのか、それとも時には厳しいことも含めて言い合えるチームを目指すのかでは、それぞれの研修の内容が大きく異なってくることは想像に難くないでしょう。
成果の出るチームビルディング研修を行うためには、研修の目的・ゴールを定めることが重要です。
②組織の状態を把握することが重要なのは、いくら高いゴールを描いたとしても、組織の実態とゴールとの距離が遠ければ、絵に描いた餅になってしまうからです。
組織の状態を把握するためには、組織サーベイを活用する、何名かのメンバーにインタビューするなどの方法があります。できれば両方を併用できると、より組織の実態を把握できるでしょう。
組織の状態を把握した結果、目的やゴールをすぐに実現することが難しいこともあるでしょう。その際は、改めて適切な目的やゴールを見直すことが必要になるかもしれません。現在の組織状態は、目的やゴールやその後の計画に大きく影響を及ぼすため、事前に確認をしておくことが重要です。
オンラインでチームビルディング研修を行うことは可能ですか?
オンラインでチームビルディング研修を行うことは可能です。オンラインでもグループワークやゲームなどを行うことは可能であることや、地域差を超えやすいなど、工夫次第では対面型の集合研修よりも高い成果を出すことができるため、オンラインでチームビルディング研修を行うことは可能です。
オンラインでチームビルディング研修を行う際の注意点は、
②PCスキルや受講形態を整えること
③特に研修開始当初は、コミュニケーションを促すアイスブレイクを行うなど話しやすい場を創る
があります。
①オンラインでも実施に支障のない研修プログラムについては、ダイアログなどを除いて、対面研修で行ったワークをそのままオンライン化しても、うまく行かないケースが多いです。対面型が前提で創られている研修プログラムの場合、ふせんや模造紙が必要になるなど、PCだけでは思うようにワークができない可能性があります。
その際には、PCでも書き込みが可能なツール(Googleスライドなど)を事前に用意しておくことが必要です。実際に研修を行ってみると備品の不備などに気づくこともあるため、事前にあらかじめ確認しておけるとよいでしょう。
②PCスキルや受講形態を整えることについては、オンライン会議のツールに慣れていない、通信環境が悪いことなどが、スムーズなオンライン研修の進行を妨げるからです。ツールに慣れていないようであれば研修前に練習の機会を設ける、個別にフォローを行う、通信環境については事前にどの程度の環境が必要になるかを案内しておくなど、やはり事前の対策が有効です。
③アイスブレイクを行うなど話しやすい場を創るについては、オンライン研修の場合、特に研修開始直後は話しにくいなどの状況が起こり得ます。
対面であれば、表情や気持ちなどの感覚的なものも含めて自然と共有されるのですが、オンラインだと一人ひとりの表情や内面が見えにくくなります。そうなると場が安全でなくなり、発言も減る傾向があります。
よって、対面時よりも丁寧に研修の導入部分を行うのが良いでしょう。簡単なものでも良いのでアイスブレイクを行い、場が温まってから、本格的に研修が始められるようにしましょう。
チームビルディング研修をやりっ放しにしないために行ったことがいいことは何ですか?
チームビルディング研修をやりっ放しにしないようにするためには
②組織サーベイなどを用いて、結果と共に振り返る
などが有効です。 詳細については5章にまとめています。チームビルディング研修は、一人ではなくチームで実践していくことが求められることも多く、フォローアップを行わないと、やりっ放しになる可能性が高いです。ぜひ研修企画時から、フォローアップを組み込んだ企画を行ってみてください。
チームビルディング研修を行ってから、どの程度で研修効果が出ますか?
少人数であれば比較的短期間(1か月程度)で、大人数であればそれだけ長期間掛かります。 研修をしてから、おおよそ3か月後ぐらいが研修効果を実感しやすいでしょう。
チームビルディング研修が効果を上げるためには、一人ひとりの行動が変わることに加えて、チーム全体の考え方や行動が変わっていくことが必要です。そのため、他の研修よりも成果が出るタイミングには遅れが出ると思っていた方が良いでしょう。
できれば、研修単体で終わらせるのではなく、フォローアップも含めて研修を企画する、期首、期末など節目節目で振り返ることを決めておくなど、フォローアップもあらかじめ企画しておくことをおすすめします。
チームビルディング研修は、メンタルヘルスの問題にも対応できますか?
チームビルディング研修は、メンタルヘルスの問題解決を目的とした研修ではないので、メンタルヘルスの問題には対応していないと考えた方が良いでしょう。
チームビルディング研修を通じて、組織内での関係性が高まることで、同僚に話しやすくなる、職場に相談相手が見つかるなど、メンタルヘルスの問題が解決する可能性はありますが、あくまで副次的なものであり、メンタルヘルスの問題解決のためにチームビルディング研修を行うことは推奨しません。メンタルヘルスの問題は、専門家の判断を仰いだ上で、適切に対応すべきです。
7)まとめ
チームビルディング研修は正しく行えば、普段の業務、職場では得ることの難しい効果を上げることができます。
特に 「組織改編などでチーム体制が大きく変化したとき」
「新しいビジョンや戦略が発表され、これまでの方向性が大きく変わっていくとき」
「関係性が悪化していて、業務や組織運営にも支障をきたしているとき」 などに有効です。
しかし、安易にチームビルディング研修を実施してしまうと「なんとなく楽しかった」で終わってしまいがちです。チームビルディング研修には、さまざまな手法があり、チームビルディング研修の目的やゴールから、手段を考えないと、思うような効果にはつながりません。
このコラムでは、成果につなげるために、チームビルディング研修を企画・実施する際のポイントをわかりやすくまとめました。本コラムを読んで、チームビルディング研修を企画・実施に活用していただければ幸いです。
チームビルディングでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください 。