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[ コラム ]
組織の期待通りの成長へ!目的に沿った新入社員研修の内容例【事例付き】
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反応が薄い「静かな研修」を変えたい人事へ─原因と改善策を整理
「研修を実施しても、なんだか受講者の反応が薄い…」
「質問しても返ってこないし、グループワークも静まり返ってしまう…」
こんな悩みを抱えていませんか?
人事としては、“学びの場をよくしたい”、“現場につながる研修にしたい”という思いがあるからこそ、反応がない研修を見ると不安になったり、焦りを感じたりするものです。
けれど実は、反応がないのは、決して受講者の“やる気のなさ”や“性格”だけの問題ではありません。
むしろ、研修設計・受講者の心理・価値観が重なって起きる“構造的な現象”の可能性が大きいです。
このコラムでは、
・なぜ反応がないのか(構造的な理由)
・静かな研修でも本質的な学びが起きている理由
・それでも反応を引き出したいときの4つの設計ポイント
をわかりやすく整理し、すぐに実践できる工夫をお伝えします。
読み終えるころには、「反応が薄い研修=失敗」ではなく、“設計次第で変えられる”という手ごたえと希望が生まれているはずです。
目次
1)なぜ研修で受講者の反応がないのか?2つの視点で整理
研修で反応がないのは、研修の“つくり”や“受講者の心理状態”、そして“環境要因”が重なり合うことで、声を出しづらい空気が生まれている場合があります。
①研修設計の視点
②受講者側の視点
の2つに分けて、「なぜ反応が出ないのか」を構造的に整理します。
| 視点 | 要因 |
|---|---|
| 研修設計の視点 | ① 導入部分の目的不明確さ |
| ② 講義過多・単調な構成 | |
| ③ 難易度の不一致 | |
| ④ 業務との関連度が弱い | |
| 受講者側の視点 | ① 初対面・他部署混在による遠慮 |
| ② 「間違えたくない文化」からくる沈黙 | |
| ③ Z世代の特性 |
研修設計の視点
受講者の反応がない理由は、研修設計が“反応しづらい構造”になっていることです。
研修がどれだけ良い内容でも、「なぜ受けるのか」「何をすればいいのか」「どこで役立つのか」が曖昧だと、受講者は声を出しません。
まずは、研修のつくりそのものが反応を出しづらくしているケースを見ていきます。
① 導入部分の目的不明確さ
「何のために研修を受けるのか」が具体的に語られないと、受講者は“自分の仕事とのつながり”を失い、発言の動機をなくします。
たとえば、よくある説明は次のようなものです。
「会社方針で今年から実施します」
「毎年恒例の研修なので」
「社会人として必要な知識です」
しかし、これでは受講者は「自分の仕事にはどう役立つの?」という疑問が残ったままになります。
必要性が腹落ちしない状態で研修が始まると、その後のワークでも前のめりになれず、“反応しにくい空気”が最初からできあがってしまいます。
② 講義過多・単調な構成
“聞くだけ”の時間が長くなると、受講者の反応は自然と減っていきます。
たとえば、スライド解説が続いたり、講師の話が20分以上一方的に続くと、
・注意力が落ちる
・発言のきっかけがない
・「聞いておけばいいや」と受け身になる といった状態になり、声を出す理由がなくなってしまいます。
特にZ世代は、講義中心の形式を“受け流す”傾向が強く、リアクションが一気に薄くなることも珍しくありません。
つまり、講義に偏った構成は、反応が生まれない土壌をつくってしまうのです。
③ 難易度の不一致(簡単すぎる/難しすぎる)
研修内容のレベルが受講者に合っていない場合も、反応は止まります。
簡単すぎると、
・「知ってる」で終わる
・ワークに新鮮さを感じない
・発言しても得るものがないと思う
という状態になり、
逆に難しすぎると、
・「分からない…」
・「当てられたら困る」
・「間違えたくない」
と感じ、黙ることで自分を守ろうとします。
特にZ世代は“失敗したくない”傾向が強いため、難易度がわずかにズレるだけでも、発言率は大きく下がります。
つまり、難易度の不一致は“反応が止まる原因”になりやすいのです。
④ 業務との関連度が弱い
研修内容が、受講者の日々の業務と結びついていないと、「これは自分に関係あるのか?」と感じ、反応が薄くなります。
たとえば、
・抽象的なコミュニケーション論
・ロジカルシンキングのフレーム紹介だけ
・他業界の事例ばかり
・自分の役割と結びつかない話
といった内容だと、受講者は“学びが現場で使えるイメージ”を持てず、声を出しづらくなります。
特に製造業や技術職は、抽象論との距離が大きいため、業務との関連性が弱いほど“沈黙”が深まる傾向があります。
このように研修設計そのものが“反応しにくい構造”になっている場合、受講者から反応が出づらくなります。
受講者の姿勢の問題ではなく、“反応が出るような研修設計になっているかどうか”が、反応の有無を大きく左右します。
受講者側の視点
“反応がない”ように見えてしまうのは、受講者側にも理由があります。
研修が静かになるのは、決して「やる気がないから」ことだけが理由ではありません。多くの場合、受講者側の心理状態や価値観が“声を出しづらい状況”を生んでいます。
ここでは、現場でよく見られる3つの要因を整理します。
① 初対面・他部署混在による遠慮(心理的安全性の不足)
新入社員研修や階層別研修では、“初対面同士・他部署混在”で行われることが多くあります。
そのため受講者は、
・失敗したらどう思われるか
・自分だけ浮いたらどうしよう
・先輩社会人の前で変なことを言いたくない
といった不安を抱えています。
心理的安全性が低い状態では、正しいことを言う自信がない限り、声は出にくくなります。
特に新入社員は、まだ企業文化にも慣れていないため、「とりあえず静かにしておこう」という選択をしがちです。
その結果、“話せない空気”が自然に生まれ、反応がなく見えてしまいます。
② 「間違えたくない文化」からくる沈黙
日本企業では、“間違えたら恥ずかしい”と感じやすい風土があります。
学校教育の影響もあり、正解を言わなければいけないという思い込みが根強く残っています。
そのため研修中でも、
「間違えたら恥ずかしい」
「点数をつけられるのでは?」
「他の人の方が正しいこと言いそう」
という心理が働き、発言を避けます。
特にZ世代はSNS世代であるがゆえに、「失敗して変に見られたくない」という感覚が強く、グループディスカッションでも言葉にするまでのハードルが高めです。
この“間違えたくない文化”が、反応が止まる一因になっています。
③ Z世代の特性(素直・反応=価値と考えない)
最近の若手は、“反応を大きく見せること”に価値を感じません。
・無理にリアクションしない
・自然体を大切にする
・必要以上に盛り上げようとしない
・「聞いている=反応している」と理解している
これは悪いことではなく、Z世代が持つ“等身大”の価値観です。
しかし、講師や見学者からは「元気がない」「やる気がなさそう」「反応が薄い」と見られがちで、そこにギャップが生まれます。
実際には、声を出していなくても、内面でしっかり理解しているケースも多いです。
このように、受講者の反応が薄く見える背景には、心理的要因や価値観の違いが大きく関係しています。
“声を出さない=学んでいない”ではありません。
受講者側の心理状態を理解することで、「反応がない」という現象が本質的な問題ではないことが見えてきます。
このように、研修で“反応が出ない”理由は、構造的な要因が重なっている場合が多いです。
2)なぜ“受講者の反応のなさ”が問題視されるのか?──「静かな研修=悪い研修」ではない理由
「元気よく手が挙がる」「声が出ている」という、反応している様子をみると、受講生が学べている印象を持ち、安心できるという方が多いです。しかし、必ずしも“受講者の反応がない=悪い研修”ではありません。
実際には、静かな研修でも学びが深まっていることは多く、とくに内省が必要なテーマでは“静けさこそが集中の証”であるケースも少なくありません。
受講者は自分の経験を振り返ったり、癖を見つめたり、言葉を選びながら考えていることも多く、声が出ていないからといって「理解していない」「やる気がない」ということにはなりません。
研修は本来“盛り上がること”が目的ではなく、“行動を変えるきっかけ”をつくる場です。どれだけ場が盛り上がっても、翌日から何も変わらなければ成果は生まれません。
逆に、静かでも理解が深まり、現場で一つでも行動が変わるのであれば、その研修は成功といえます。
つまり“反応があるかどうか”は行動変容の“途中経過”でしかなく、声が出ている=成果が出る、というわけではありません。
反応が薄くても、内側では理解や気づきが進んでいることも多く、外から見える反応量だけで価値を判断するのは危険です。
だからこそ研修の価値は、その場の盛り上がりではなく「行動変容が再現されるかどうか」で判断することが大切です。
翌日の業務で何が変わったのか、現場でどんな一歩が生まれたのか、その変化の“手触り”こそが研修の本質的な評価軸になります。
反応がないことに過度な心配はしすぎず、“変化が生まれる研修かどうか”を基準に見ていくことをおすすめします。
3)それでも“研修で反応がない”と困る人事が押さえたい3つの設計ポイント
ここまで見てきたように、「研修で反応がない」のは必ずしも悪い状態とは限りません。
一方で、人事としては上司や経営層の目線も気になり、「次はもう少し反応がほしい」「できる工夫があるなら知りたい」と感じている方もいるでしょう。
そこでこの章では、受講者の反応を引き出しやすくするための3つの設計ポイントを整理します。
「自分ごと」にする
研修で受講者の反応を引き出すためには、受講者が「これは自分の仕事や課題に関係がある」と実感できるかどうかが重要です。
なぜなら、人は「自分に関係する」と感じたときに初めて、学びを吸収しようとするからです。逆に、どれだけ内容が優れていても、業務との接点が曖昧だと、受講者は必要性を感じず、声を出す動機が生まれません。
業務とのつながりが見えた瞬間、受講者は“自分ごと化”し、自然と発言や行動が生まれるようになります。
“自分ごと化”を促すためには、研修前・研修中の両方で「業務・自身とのつながり」を意図的につくることがポイントです。
この3つを意図的に設計することで、受講者は研修内容を自分の業務・課題と結びつけて考えられるようになり、自然と反応が生まれやすくなります。
以下、詳しく説明します。
研修前に現場の課題と研修目的をつなげたメッセージを発信する
研修の冒頭で “会社都合の説明” をすると、一気に受講者は受け身になります。
そこで重要なのは、現場のリアルな困りごと → 今日学ぶ内容 を直結させて伝えることです。
たとえば、研修前のアナウンスを以下のように変えるだけで、受講者のスイッチが入ります。
▼悪い例(よくある説明)
「今年からこの研修を実施します」
「社会人として必要な内容なので受けてください」
▼良い例(“自分ごと化”につながる説明)
「最近、引き継ぎで“伝えたつもり違い”が起きているよね。今日はその原因と、どうすれば防げるかを一緒に見つけたいと思っています。」
「お客様への説明が難しいという声が増えているので、“相手に伝わる話し方”のコツを体験しながら習得する時間にします。」
「若手から“依頼の意図がわからない”という声が出ているので、今日は“意図を理解する質問力”を磨くのがテーマです。」
ポイントは “実際に現場で起きた課題=今日の研修テーマ” を直結させて伝えること。
これだけで受講者は「なるほど、自分の仕事に関係あるやつだな」と腹落ちし、反応が出やすくなります。
事前課題として振り返りやアンケートを実施する
研修当日にいきなり発言を求めると、誰でも固まります。
そこで効果的なのが、研修前に“自分の課題”を言語化してもらう仕掛けです。
▼具体的な事前課題例
「最近、業務中にうまくいかなかったことを1つ教えてください」
「職場のコミュニケーションで困ったことはありますか?」
「今回の研修でどんなことを期待しますか?」
「今改善したいことはどんなことでしょうか?」
こうした簡単な質問をGoogleフォームで送るだけでも、受講者は研修前から“自分の課題”を考える状態になります。
すると、
・発言のきっかけができる
・ワークが“自分ごと”になる
・講師の話に共感ポイントを見つけやすい といった効果が生まれ、自然と反応が増えます。
研修は当日からではなく、事前準備から始まっているという視点がとても重要です。
現場の課題とつながる問いを用意する
受講者自身が「なぜこの研修が必要なのか」を自分の言葉で理解できる状態をつくることも大切です。
そこで有効なのが、ワールド・カフェのような“探究型の対話”です。ワールド・カフェでは、カフェのようにリラックスできる雰囲気の中で、少人数に分かれてテーマについて自由に対話します。
ワールド・カフェでは、テーマについて自由に対話しながら、
・自分の経験を振り返る
・自分なりの解釈や価値観を言語化する
・他者の解釈や価値観を知る
・「確かに今これを学ぶ必要がある」と気づく
といった“自己理解のプロセス”が自然に起こります。
たとえば、アーティエンスの社会人としての自覚研修では、「学生と社会人の違いって何だろう?」というテーマで少人数に分かれ、模造紙を使いながら対話します。
このプロセスの目的は、
「自分はどう考えているのか?」
「このテーマが自分にどう関係するのか?」
「今の自分にとって何が課題なのか?」
を受講者自身が整理し、自分ごととして意味づけることです。
結果として、
「この研修、確かに今必要だよね」
「自分に関係あるテーマだ」
と本人が納得するため、自然と反応が生まれやすくなります。
ワールド・カフェのように自分で課題や意味を見つけて“自分ごと化”を促すための取り組みを取り入れることも有効です。
反応が出る研修にするための第一歩は、「この研修は自分に必要だ」と受講者が感じられる状況をつくることです。
業務とのつながりや自分への必要性を感じると受講者の姿勢が変わり、研修の“反応の質”も自然と高まっていきます。
安心して声を出せる場づくり
研修で反応が出にくい原因の一つが、受講者同士・講師との関係性の薄さです。
どれだけ良い内容でも、心理的安全性が低い状態では、人は「発言しても大丈夫だろうか」「変に思われないだろうか」と無意識にブレーキをかけてしまいます。
受講者が安心して声を出せる状態をつくるには、研修の最初から「話してもいい空気」を意図的につくることが重要です。
ここでは、そのための具体的な方法を紹介していきます。
アイスブレイクで「話す第一歩」をつくる
緊張感が残ったまま研修が始まると、受講者は“様子見モード”になり、反応は生まれにくくなります。
そこで有効なのが、会話のハードルを下げるアイスブレイクです。
アイスブレイクの目的は、
・声を出してみる
・他の人と話す
・話しても大丈夫だと体感する という「話す第一歩」を安全に踏み出すことです。
難しいテーマでなくてよく、むしろ“誰でも話せる内容”が効果的です。
▼具体例
「名前+最近ハマっているもの」で自己紹介する
「最近の仕事の内容をシェアしましょう」
「24時間以内にあった、ちょっと嬉しかったことを共有してください」
このような軽い会話でも、声を出す経験があるだけで、その後のワークでも発言しやすくなります。
ポイントは、“失敗のしようがない問い”にすること。これだけで、発言のハードルは一気に下がります。
明確なルール設定で「話しても大丈夫」を担保する
研修全体を安心して参加できるようにするための“場のルール”を明示することも効果的です。
特にZ世代は「評価される」「間違えたくない」という不安を抱えやすく、ルールが明確になるだけで安心感が大きく高まります。
▼有効なルール例
・失敗は歓迎。研修は“試す場所”である
・相手の意見を否定しない
・沈黙してもOK(考えている証拠)
・結論を出すことより、気づきを出すことを大事にする
ルールを明確に伝えることで、「間違えたらどうしよう」という恐れが薄まり、声が出しやすくなる環境が整います。
オンラインの場合は、
・発言が苦手な人はチャット入力でOK
・リアクションマークだけでも参加とみなす という“選べる参加方法”を設けるとさらに安心感が高まります。
ペア・小グループを活用して「全体で話す前のウォーミングアップ」を行う
いきなり全体で意見を言うのは、多くの受講者にとってハードルが高いものです。
そこで効果的なのが、個人 → ペア → グループ → 全体の順番で発言の場を広げる方法です。
個人で内省し、ある程度言語化できると、ペアやグループでの共有がしやすくなります。
そして、ペアやグループで話すことで
・少人数なので安心できる
・話しても否定される不安が少ない
・「とりあえず言ってみよう」ができる といった心理的ハードルが低い状態になります。
結果として、全体共有の場でも発言が出やすくなります。
研修で反応を引き出すためには、「声を出しても大丈夫だと思える空気」があるかどうかが重要です。
今回紹介したような工夫を組み合わせることで、受講者は次第に安心し、自然と声が出る、反応が生まれる場ができあがります。
講義<体験になるワーク設計
研修で反応が出なくなる大きな理由の一つが、“講義中心”になりすぎている構造です。
どれだけ質の高い内容でも、受講者が受け身の状態では声は出ませんし、行動も変わりません。
逆に、受講者が“実際に手を動かす”“少しやってみる”という体験があると、姿勢が前のめりになり、自然と反応が増えていきます。
つまり、反応を生み出すには、インプットよりも“体験ベースの学び”の比率を増やすことが鍵になります。
ここでは、受講者が「やってみよう」と感じるための具体的なワーク設計のポイントを紹介します。
① インプット(講義)は全体の30〜40%に抑える
講師が一方的に話す時間が長くなると、
・注意が散る
・聞いているだけで満足した気になり、行動に結びつかない
・発言のきっかけがなくなる
といった理由で、反応がどんどん減っていきます。
理想は、講義30〜40%、体験・対話60〜70%です。
短くポイントを絞ったインプットで“理解の軸”をつくり、その後のワークで自分なりに落とし込む流れが最も反応を引き出します。
② “難しすぎない”“すぐできる”小ステップワークを設計する
最初から負荷の高いワークを提示すると、黙って様子を見る受講者が増えます。
そのため反応を引き出すには、「これならできそう」と感じられる“小さな一歩”をつくることが重要です。
▼小ステップワークの例
「相手に伝わりやすい言い方」を一文だけ考える
今日のテーマで気になる言葉をグループで共有する
事前課題の中から“1つだけ”話してみる
いい例・悪い例のどちらかを選んで理由を述べる
これらは取り組みやすいため、初動の反応が出やすくなります。
小さく成功すると、「できた → もう少しやってみよう」という好循環が生まれ、後のワークへの参加度が格段に上がります。
③ ゲーム性・リアルさを入れて参加姿勢を前のめりにする
研修の目的はあくまで行動変容ですが、“楽しい・入り込む”は強力な学習のエンジンです。
ゲーム性やリアルさのあるワークは、講義中心の流れを一気に変え、受講者のエネルギーを引き出します。
▼アーティエンスでよく使うゲーム性ワーク例
・間違い探しワーク
マナー研修では、講義の前に“よくない例”を見てもらい、どこが問題かを探す間違い探しワークを取り入れています。
このワークを行うことで、観察力が鍛えられ、「なぜ良くないのか」を自分で考える力が促されます。
また、講義が“答え合わせ”の構造になるため理解が深まり、受講者が主体的に学び始めるきっかけにもなります。
・経営シミュレーションワーク
目標達成・コスト意識研修では、会社の売上アップを目的とした“経営ゲーム”を実施し、目標を意識して行動する重要性や、経営者視点でのコスト構造・業務の流れを体感します。
このワークにより、数値感覚・判断力・優先順位づけが促され、日々の仕事を俯瞰して考える力が身につきます。
・シミュレーションワーク
報連相の進め方やOJTでの声かけ、問題解決のプロセスなどを、実際の業務に近いシチュエーションで体験します。
このワークにより、学んだ内容を「いつ・どの場面で・どう使うのか」が具体的にイメージでき、現場で再現しやすくなります。
ゲーム性は“表面的な盛り上がり”のためではなく、理解を深め、行動に結びつく腹落ちをつくるための仕掛けとして機能します。
講義は理解の軸をつくりますが、反応を生み出し、行動を変えるのは体験から得た気づきです。
この設計を丁寧に行うだけで、受講者は自然と「やってみたい」状態になり、研修の反応と参加度は大きく変わります。
4つの設計ポイントは、「自分ごと化」「安心」「体験」「問い方」という構造面から反応を生み出すための工夫です。
これらを少しずつ取り入れていくことで、「うちの社員は反応が薄いから…」ではなく、「設計を変えれば反応も変えられる」と実感できるようになります。
4)まとめ|「反応がない研修」から、「行動が変わる研修」へ
このコラムでは、「研修で反応がない」というよくある悩みを、個人のやる気や性格の問題ではなく、研修設計・受講者の心理・価値観が重なって生まれる“構造的な現象”として整理してきました。
静かな研修=悪い研修ではなく、場合によっては内省や理解が深く進んでいることもある——この視点を持てるだけでも、人事としての受け止め方はかなり楽になるはずです。
そのうえで、「それでも現場や上司からの目線を考えると、もう少し反応を引き出したい」という人事のリアルに対して、4つの設計ポイントをご紹介しました。一度にすべて整える必要はなく、次の研修で“1つだけ試してみる”ところから始められる改善です。
もし、「自社の研修をどこから見直せばよいか整理したい」「今回の4つのポイントを、自社向けの設計に落とし込みたい」と感じられたら、アーティエンスでもご相談を承っています。
現場の課題や受講者像に合わせ、行動が変わる研修を一緒に伴走することが可能です。
また、アーティエンスの研修は、まさにこのコラムで紹介した3つの設計ポイント(自分ごと化・安心感の醸成・体験ベースの学び)を実際のプログラムに組み込んでいます。階層別に豊富なコンテンツをご用意していますので、ぜひ合わせてご確認ください。
研修の場を変えることは、組織の学び方そのものを変えることにつながります。
「反応が薄いからダメだ」と嘆くのではなく、「設計と関わり方を変えれば、反応も行動も変えられる」と実感できるように、できることから始めてみましょう。



