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新入社員の役割を理解させる。研修での会社の仕組みの伝え方
更新日:
「新入社員研修で、会社の仕組みをどこまで、どう伝えるべきなのか」
そんな問いを抱えながら、研修設計に悩んでいる人事・経営層の方も多いのではないでしょうか。
会社説明はしているものの、新入社員が会社の一員としての自覚を持てているのか、
指示待ちではなく主体的に行動できているのか、不安を感じる場面も少なくありません。
新入社員研修で伝えるべき「会社の仕組み」は、単なる会社説明ではありません。
新入社員が会社の一員として働く意味を理解し、主体的に行動するための土台となるものです。
本コラムでは、新入社員研修で会社の仕組みを伝えることが大切な理由と、
研修で実施する際の具体的な伝え方や内容について解説します。
会社の仕組みを理解することを通じて、新入社員が自分の役割を理解し、その役割を主体的に果たせるようにしていきましょう。
▼売り上げ・コストなどの会社の仕組みをビジネスゲームで学べる「目標達成・コスト意識研修」
X:@kondo_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
専門性:新入社員・若手社員、採用・育成
目次
1)新入社員研修で「会社の仕組み」を伝えるべき4つの理由
新入社員研修で会社の仕組みを伝えることが大切な理由として4つのことが挙げられます。

社員の一員としての責任感が生まれやすくなる
新入社員研修で会社の仕組みを伝えるべき理由は、社員の一員としての責任感が生まれやすくなるからです。
会社は、一人ひとりの行動の積み重ねによって築かれた「信用」によって成り立っています。その構造を理解することで、無責任な発言や行動を控えようとする意識が自然と生まれます。
特に近年は、SNSの普及により個人の発信が会社全体に与える影響が大きくなっています。
個人のSNSに、所属企業が分かる形での愚痴や内部情報が投稿されると、その内容は瞬く間に拡散され、会社の信用を損なうトラブルにつながる可能性があります。
ネット上では、投稿者個人ではなく「〇〇会社の人」として認識されることが少なくありません。
その結果、問題を起こした本人だけでなく、「その人を雇用・育成している会社」にまで責任が及ぶと受け止められてしまいます。
一人の行動が会社全体の信用に影響を与えうる時代だからこそ、社員としての責任感を持って日々行動することが重要です。
その前提をしっかり理解してもらうためにも、新入社員研修の中で「会社は信頼によって成り立っている」という仕組みを丁寧に伝えることが欠かせません。
部署や立場を超えた「共創意識」が育つ
新入社員研修で会社の仕組みを伝えるべき理由は、部署や立場を超えて協力し合う「共創意識」が育ちやすくなるからです。
会社の仕事は、一つの部署だけで完結するものではありません。
複数の部署や外部の委託業者などが役割を分担し、連携することで、はじめて価値が生まれています。
この構造を理解することで、自分の仕事が他部署や他者の仕事とどのようにつながっているのかを捉えやすくなります。
その結果、「自分の部署さえよければいい」「自分の担当範囲だけやればいい」といった意識ではなく、組織全体として成果を出すために何が必要かを考える視点が育ちます。
部署や立場を超えた協力が求められる現在だからこそ、新入社員研修の中で、会社全体の仕事のつながりや役割分担の仕組みを伝えることが重要です。
目標達成・コストに対する当事者意識が高まる
会社は、売上を上げ、コストをかけ、その結果として利益を生み出すことで成り立っています。
しかし、この仕組みを理解しないままだと、
「目標は上から与えられるもの」「コストは自分には関係ないもの」と捉えられがちです。
新入社員からよく聞かれる「仕事量の割に、給与が少ない」という声も、報酬は“働いた時間”に対して支払われているという認識にとどまっているケースが少なくありません。
一方で、会社のお金の流れや成果が生まれる構造を理解すると、自分の仕事も会社の目標達成やコスト管理の一部である、という意識が育ちます。
その結果、目標や数字を「自分には関係ないもの」ではなく、自分の行動とつながったものとして捉えられるようになります。
そのため、新入社員研修では、仕事と数字がどのように結びついているのかを丁寧に伝え、
目標やコストを「自分ごと」として考えられる土台をつくることが欠かせません。
会社が目指す方向と、自分の行動がつながる
新入社員研修で会社の仕組みを伝えるべきなのは、会社が目指す方向と、自分の日々の行動を結びつけて考えられるようになるからです。
会社には、存在意義やビジョン、目指す方向性があります。
しかし、それらが自分の仕事とどうつながっているのかが分からないと、理念や方針は「きれいな言葉」で終わってしまいます。
会社の仕組みや戦略の背景を理解することで、なぜこの仕事をしているのか、なぜこの行動が求められているのかが見えやすくなります。
その結果、指示されたことをこなすだけではなく、「会社が目指す方向に近づくために、自分はどう行動すべきか」を考えられるようになります。
会社の方向性と個人の行動をつなぐためにも、新入社員研修で会社の仕組みや考え方を体系的に伝えることが重要です。
新入社員研修で会社の仕組みを伝えることは、社員としての責任感や共創意識を育て、目標や数字、会社の方向性を「自分ごと」として捉えられる土台をつくることにあります。
その土台があると、新入社員は指示待ちではなく、組織の一員として考え、行動できるようになります。
2)【目的別】新入社員研修での会社の仕組みの伝え方
新入社員研修での会社の仕組みの伝え方について目的別に紹介します。
| 目的 | 伝えるテーマ |
|---|---|
| 目的①:自社の存在意義の理解 | 創業者・経営者によるストーリーテリング |
| 「会社がある意味」を考える時間を設ける | |
| 目的②:社内外の組織構造の理解 | 会社の部署や全体像を理解する |
| 自社と関連会社の関係を理解する | |
| 経営方針の決まり方を理解する | |
| 目的③:目標達成・コスト意識の向上 | お金の流れを理解する |
| 売上・費用(コスト)・利益の仕組みを理解する | |
| 財務諸表の読み方を理解する |
目的①:自社の存在意義の理解
新入社員研修では、
「なぜこの会社が存在しているのか」
「自社の商品・サービスが誰にどのような価値を届けているのか」を理解してもらうことが重要です。
ここでは、そのための具体的な方法を2つ紹介します。
創業者・経営者によるストーリーテリング
1つ目は、創業者や経営者から、会社の歴史や目指していることを物語として語ってもらう方法です。
なぜこの会社を立ち上げたのか。
どのような課題意識を持ち、社会にどんな影響を与えようとしているのか。
それを当事者の言葉で語ってもらうことで、メッセージは新入社員に強く伝わります。
話す際は、ストーリーテリングの手法を用いると、より効果的です。
ストーリーテリングとは、自身の経験や想いを、人間味のあるストーリーとして伝える方法です。
聞き手が情景を思い浮かべられるほど具体的に話すことで、理解や共感が深まります。
実際に、スタンフォード大学のJennifer Aaker教授の研究では、ストーリーで伝えた場合は、論理や数字だけで伝えた場合と比べて、記憶の残りやすさに最大22倍の差が生じると報告されています。
創業時のエピソードや葛藤、想いを感情を込めて伝えてもらうことで、新入社員は、会社がこれまでどのような道のりを歩んできたのかを理解し、会社が目指す方向に共感しやすくなります。
その結果、「この会社の目的を実現する一員として貢献したい」という気持ちが生まれ、エンゲージメントやモチベーションを高く持って仕事に向き合いやすくなります。
「会社がある意味」を考える時間を設ける
2つ目は、新入社員自身に会社が存在する意味を考えてもらう時間を設ける方法です。
自社は何のために存在しているのか。
社会にどのような価値を提供しているのか。
それを自分なりに考え、言葉にし、共有することで、会社の存在意義を実感しやすくなります。
会社がある意味を「自分の言葉」で説明できるようになると、新入社員はその意識を持って日々の仕事に向き合いやすくなります。
これらの方法を通じて会社の目的を理解してもらうことで、新入社員は組織に対するエンゲージメントとモチベーションを高めた状態で、主体的に仕事へ取り組めるようになります。
目的②:社内外の組織構造の理解
新入社員研修では、社内外の組織構造を理解してもらうことも重要な目的の一つです。
複数の部署、さらには外部の委託業者や取引先などが役割を分担し、連携することで、はじめて価値が生まれているためです。
会社の構造や全体像を理解してもらうために、新入社員研修では主に次の3つの内容を扱うことが有効です。
会社の部署や全体像を理解する
まずは、会社にどのような部署があり、それぞれがどのような役割を担っているのかを伝えましょう。
会社は、一人ひとりが自分の役割を果たすことで成り立っています。
各部署の役割を理解すると、自分の仕事が会社全体の中でどの位置づけにあるのかが見えやすくなります。
あわせて、将来どのようなキャリアを歩めるのかもイメージしやすくなります。
理解を深める方法として、シミュレーションワークを取り入れるのも効果的です。
例えば、アーティエンスの社会人の自覚研修では、部署間連携の重要性を体感するワークを実施しています。
1クラスを6グループに分け、それぞれ異なる部署の役割を担当。
部署同士でやり取りをしながら、「CS向上」という共通課題の解決に取り組みます。
このワークでは、「CS向上のために、あなたの部署はこうしてほしい」といった要望が次々に出る一方で、部署同士がうまく協力できず、課題が前に進まない場面も生まれます。
その経験を通じて、新入社員は自分の部署の主張を伝えるだけではなく、課題解決のために、どう協力し合えばよいのかを考える必要があることを実感します。
各部署が連携してはじめて会社が成り立っていることを体感することで、部署を超えた「共創意識」が育ちやすくなります。
自社と関連会社の関係を理解する
関連会社や外部パートナーとの関わりが多い会社では、その関係性も伝えましょう。
どのような仕事を担ってもらっているのかを知ることで、自社だけでは実現できない価値を、関連会社が支えてくれていることを実感しやすくなります。
その結果、一緒に仕事をする際に、「相手が仕事をしやすい進め方は何か」といった配慮を自分なりに考えられるようになります。
経営方針の決まり方を理解する
あわせて、自社の経営方針がどのように決まっているのかを伝えることも重要です。
経営方針は、社員一人ひとりの仕事や判断に大きな影響を与えるためです。
株式会社であれば、必要に応じて株主総会、取締役会、監査役会といった仕組みに触れるのもよいでしょう。
経営がオープンで透明性のあるプロセスで行われていると分かることで、組織に対する信頼感も高まります。
これらの内容を通じて会社の構造やつながりを理解してもらうことで、新入社員は部署や立場を超えた視点を持ち、共創意識をもって仕事に取り組みやすくなります。
目的③:目標達成・コスト意識の向上
会社とお金の関係を理解してもらうことも会社の仕組みに関わる重要な要素です。
会社は、売上を上げ、コストをかけ、その結果として利益を生み出すことで成り立っているためです。
会社とお金の関係を正しく理解してもらうために、新入社員研修では主に次の3つの内容を扱います。
お金の流れを理解する
まずは、会社の中でどのようなお金の流れがあるのかを理解してもらいましょう。
どこからお金が入り、何に使われているのかを知ることで、新入社員は自分が会社の中でどのような立場にあるのかを捉えやすくなります。
その結果、
「会社は売上を生み出すことで成り立っている」
「自分も売上を生み出す活動の一部を担っている」
という実感を持ちやすくなります。
売上・費用(コスト)・利益の仕組みを理解する
売上・費用(コスト)・利益といった、仕事をする上で身近な言葉について理解してもらうことも重要です。
経理を専門としない新入社員に対しては、「利益=売上-コスト」といったシンプルな式で伝えると、大枠を捉えやすくなります。
会社のお金の流れや利益構造は、ビジネスゲームを通して学ぶ方法も効果的です。
例えば、アーティエンスの目標達成・コスト意識研修では、会社の利益構造や組織活動におけるコストを体感的に学ぶビジネスゲームを実施しています。
ゲームを通じて、
「自分は会社にとってコストがかかる存在であること」
「だからこそ、組織の目標達成に貢献する必要があること」
を実感する新入社員が多く見られます。
このような体験を通して、新入社員は自分の立場を客観的に捉えられるようになり、
自分の役割や責任を意識しやすくなります。
財務諸表の読み方を理解する
財務諸表の基本を学んでもらうことも効果的です。
財務諸表が読めるようになると、会社の財政状況や経営成績を、自分自身で確認できるようになります。
自組織の現状を数字の視点から捉えることで、組織の一員として自分が何をすべきか、目標達成のためにどんな行動が必要かを考えやすくなります。
実際の財務諸表を使い、講義とワークを交互に行うことで、初めて触れる新入社員でも理解しやすくなります。
これらの内容を通して会社とお金の関係を理解してもらうことで、
新入社員は目標達成やコストに対する当事者意識を持ち、主体的に仕事へ取り組みやすくなります。
存在意義・組織構造・お金の流れを体系的に伝えることで、新入社員は組織の一員としての自覚を持ち、主体的に行動しやすくなります。
3)まとめ|アーティエンスの新入社員研修で大切にしている「会社の仕組み」の伝え方
本コラムでは、新入社員研修で「会社の仕組み」を伝えることが大切な理由と、研修での具体的な伝え方についてお伝えしました。
会社の仕組みを理解することで、新入社員は「指示された仕事をこなす存在」ではなく、
自分の行動が会社や社会とどのようにつながっているのかを理解し、目的や成果を意識して主体的に行動できる状態を目指せるようになります。
アーティエンスの新入社員研修では、会社の仕組みを一方的に教えるのではなく、体験・対話・内省を通して「自分ごと」として捉えられるように伝えることを大切にしています。
存在意義・組織構造・お金の流れといったテーマを、目的に応じて適した手法で設計することで、新入社員が自分の役割を理解し、行動につなげやすくしています。
具体的な研修内容を知りたい方や、自組織の課題に合った新入社員研修を検討したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
会社の仕組みを理解してもらうことで新入社員が自分の役割を理解し、役割を全うしてもらえるようにしましょう。



