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[ コラム ]
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【組織の5ステージ別】新入社員の役割とは?│自組織の新入社員の役割を明確にする
更新日:
・自社の新入社員の役割って何だろう?
・自社の新入社員の役割が不明瞭で、育成計画を立てにくい…
このようなお悩みをしばしお聞きします。
新入社員の役割の明確化は、新入社員の採用方針や育成の方向性を定めていくために必要です。
ただし、どんな組織にも当てはまる新入社員の役割が一律であるわけではなく、組織の状態(ステージ)によって異なってくると、弊社では考えています。
そこで本コラムでは、組織のステージごとの新入社員の役割と役割を全うしてもらうために育成で大切にしたいことをお伝えします。
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大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1)新入社員の役割は、組織の5つのステージによる
新入社員の役割は、組織のステージによって異なります。組織が目指している方向性によって新入社員に求めるものが変化していくためです。
新入社員の役割を5つの組織ステージごとに説明します。
・トップダウンの階層的構造を持つ組織
・目標達成を第一に考える合理的な組織
・メンバーが主体的に行動できる組織
・個人が意思決定できるフラットな組織
圧倒的な支配者がトップに立つ組織
短期的で、今すぐに手に入る利益を求める傾向の強い組織です。
この組織が求めている新入社員の役割は、圧倒的な支配者が言ったことを守り、言われた通りに動くことです。新入社員は意見を求められることはほぼ無く、言われたことをやることが求められます。
この組織における新入社員の役割を担っていると、例えば
・言われたことに対して、素直に行動する新入社員が評価される
・自分で考え、進めることはない
という様子が見られるでしょう。
トップダウンの階層的構造を持つ組織
この組織は、階級ごとに上から指示を受けた通りに行動することで、組織を安定的に運営しています。
この組織が求めている新入社員の役割は、上司の言われた支持の通りのことをルールやマニュアル通りに行うことです。新入社員の意見を求められることはなく、自組織のやり方や、ルールを壊さずに続けていくことが求められます。
この組織における新入社員の役割を担っていると、例えば
・指示を受けたことを、なるべく早く正確に行える人が評価される
・縦の繋がりが大切
という様子が見られるでしょう。
目標達成を第一に考える合理的な組織
この組織は、成果に対する目標達成に重きを置いているため、成果の数値で人を評価する傾向があります。
この組織が求めている新入社員の役割は、成果をあげることです。特に、数値的な成果が重要で、数値的な成果に影響しないことは後回しにされてしまいがちです。
この組織における新入社員の役割を担っていると、例えば
・プロセスより成果重視で、成果を出したら評価される
・チームより個人プレーが目立つ
という様子が見られるでしょう。
メンバーが主体的に行動できる組織
この組織は、メンバーが働きやすくなるように環境を整え、メンバーの成長や生活を大切にしています。
この組織が求めている新入社員の役割は、主体的に行動することです。自分が今何をすべきか、どのようにしたらより良くなっていくのかを考えて行動することが求められます。
この組織における新入社員の役割を担っていると、例えば
・言われたことだけをやるのではなく、主体的に行動している人が評価される
・個人よりチームで目標を達成していくことを目指している
という様子が見られるでしょう。
個人が意思決定できるフラットな組織
この組織は、リーダーが存在せず、皆が平等であるという考え方をしています。
この組織が求めている新入社員の役割は、意思決定が行えることです。仕事の進め方や、クライアントとの関係性の作り方、案件の内容など、それらに対して自分の意志で判断し決断していくことが求められます。
この組織における新入社員の役割を担っていると、例えば
・自ら仕事を探したり、新しい事業を起こすような行動する新入社員が評価される
・組織の成長を思った言動が増える
という様子が見られるでしょう。
このように、組織のステージによって新入社員に求める役割は変わります。そのため、そのことを認識し、採用の時から、自組織が求めている新入社員の役割を伝えるようにしましょう。そうでないとミスマッチが起き、採用できても離職が多くなってしまう可能性があります。
例えば、自らのアイディアで成果をあげていくことを望んでいる志望者は、組織のルールの中で仕事を進めることを新入社員の役割としている企業とはマッチしません。お互いが求めているものが異なるためです。
新入社員の役割を明確にしておくことは、採用後の離職にも影響することがあるため、自組織が新入社員に求めている役割を言語化できるようにしておきましょう。
2014年フレデリック・ラルー氏の著書『Reinventing Organizations』の中でティール組織について紹介されました。
組織モデルを、進化の過程ごとにティール組織を含む5つの段階にまとめた考え方です。 ※引用:ティール組織とは?それぞれの組織モデルをわかりやすく解説 | HR Trend Lab
当社のコラムでも詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。 ティール組織から考える人事制度とは?~withコロナで顕在化した組織課題を解決するために~
2)組織のステージに合わせた役割を全うするために、新入社員育成で大切にしたいこと
新入社員の役割を全うしてもらうために育成で大切にしたいことも組織のステージによって異なります。それぞれ説明します。
圧倒的な支配者がトップに立つ組織、トップダウンの階層的構造を持つ組織
これらのステージの組織が新入社員を育成するときは、素直に言うことを受け止めてくれるように育成をします。そのほうが、組織がスムーズに回っていくためです。
上司やトレーナーからの依頼を素直に受け止め、行動してくれている人に対してポジティブフィードバックを行うことで、強化されます。
例えば、「〇〇さんは、私が伝えたことをきっちりやってくれるので助かるよ。ありがとう」「〇〇さん、今回の資料作成、依頼通りで、すごく早くて助かったよ」などです。
また、新入社員が独自の考えを加えないために、細かく指示をしたり、組織が持っているルールを共有しておくことも有効です。
例えば、「来客があったときに、お客さんがエレベーターを降りた頃にお茶の用意を始めてもらって、コースターと一緒にお盆で持っていってね」などです。
このように圧倒的な支配者がトップに立つ組織、トップダウンの階層的構造を持つ組織は、素直に行動してくれる新入社員を育成することが大切になります。
目標達成を第一に考える合理的な組織
このステージの組織が新入社員を育成するときは、数値的な成果に対してフィードバックを行います。成果に対するフィードバックをすることで、成果が重要視されていることを感じられるためです。
例えば、「〇〇さん、今月のアポイント目標をもう達成したんだね」「〇〇さん、SNSのビュー数の目標達成が厳しそうだから、どうするか相談しようか」などです。
また、毎月成績を発表する機会を設けて、順位をつけたり表彰すると、成果に対する意識が高まります。このように、目標達成を第一に考える合理的な組織は、数値的な成果に対するフィードバックを育成の中で意識することが大切になります。
メンバーが主体的に行動できる組織
このステージの組織が新入社員を育成するときは、新入社員が主体的に動ける土台作りを丁寧に行うことをお勧めします。新入社員が失敗しても立ち直れたり、周りが受け止めてくれると思えないと、安心して主体的に動くことができないためです。
土台作りのために必要なことは、関係性の構築です。そして、関係性の構築のために大切にしたいことは、オンボーディング、フィードバックです。
・オンボーディング
オンボーディングとは、新入社員の受け入れ~定着・即戦力化のプロセスのことです。
Feldman, D. C. (1977)の調査によると、新入社員が職場の仲間に受け入れられたと感じる(受容感)には、平均2.7カ月かかるという研究結果があります。そのため、入社後3か月間は研修を通して丁寧に育成し、受け入れの土台をつくっていくことを推奨します。
ただ、オンボーディングというのは、新入社員研修といったプログラムだけを指すのではなく、OJTや職場の歓迎会、新入社員用のPCセットアップなど、組織への適応をサポートするあらゆる取り組みも含まれます。入社前から新入社員と既存社員の交流を持てる機会をつくるという方法も、オンボーディングの施策の一つです。
新入社員のオンボーディングで必要な3つのポイントと、効果的なツールの活用法
・フィードバック
新入社員が主体的に行動してくれたことに対して、都度フィードバックをします。新入社員に細かいフィードバックを行うことで、新入社員が主体的に行動した自分の行動が、周囲にポジティブな影響を与えていたのか、ネガティブな影響を与えていたのかを理解することができるためです。
例えば、先輩がたくさんの資料を印刷している様子を見て、「ホチキス止めを手伝いましょうか?」と新入社員が声をかけたとします。このような主体的な行動に対して「ありがとう」だけでなく、「気がついて自ら声をかけてくれたことが嬉しい。ありがとう」と主体的に動いてくれたことに対してポジティブフィードバックを行います。
こうすることで、今の行動は喜んでもらえる行動だと言うことが理解できるため、その後も積極的に行動することができます。
新入社員育成のカギ!フィードバックする時に知っておきたい5つのポイント
新入社員が安心して行動できる状態を作るために、新入社員育成では、関係性の構築を行うことを意識しましょう。
個人が意思決定できるフラットな組織
このステージの組織が新入社員を育成するときは、新入社員が安心して自分で判断ができるようになるための土台作りと、組織との方向性をすり合わせることを意識することをお勧めします。
自分の判断でミスしたらどうしようという不安がある状態だと、判断しきることができないためです。また、組織の方向性と新入社員の方向性が合っていないと、組織がバラバラになってしまうことに繋がります。
土台作りは、上記でもお伝えしたように、オンボーディング、フィードバックを行って関係性を構築することが大切です。また、挑戦した失敗については歓迎する、と言うことを伝え、新入社員の挑戦に全力でサポートしてくれる人がいるのも大切です。新入社員は、まだ知識が浅く、自分一人で仕事を進めることには限界があるためです。
組織の方向性と新入社員の方向性を合わせるためには、定期的に経営メンバーからメッセージを届けるのも良い方法です。経営陣が今、目標達成に向けて何を考えているのか、最近の状況についてどう考えているのか、などをメールやチャットで伝えます。このことによって、新入社員を始め、社員全員が組織の方向性を知ることができ、そのためのアクションを個々で考えられるようになります。
また、1on1の中では、新入社員が何をやりたいと思っているのか、そのためのフォローとして上司やトレーナー、組織として何ができるのかを考える、というのも個々の力を発揮する上で必要です。個人が意思決定できるフラットな組織については、個々がありたい姿と組織の目的が同じ延長線上にあることを確認し、そのために支援できることを新入社員から教えてもらう機会をつくることをお勧めします。
このように、新入社員の役割を全うしてもらうために育成で大切にしたいことは組織のステージによって異なります。自組織は新入社員に何を求めているのかを把握した上で育成できるようにしましょう。
3)まとめ
今回は、企業のステージごとの新入社員の役割と、役割を全うしてもらうために育成で大切にしたいことをお伝えしました。
新入社員の役割は次の5つの組織ステージごとに異なります。
・トップダウンの階層的構造を持つ組織
・目標達成を第一に考える合理的な組織
・メンバーが主体的に行動できる組織
・個人が意思決定できるフラットな組織
圧倒的な支配者がトップに立つ組織では、圧倒的な支配者が言ったことを守り、言われた通りに動くことが新入社員の役割です。
トップダウンの階層的構造を持つ組織は、上司の言われた支持の通りのことをルールやマニュアル通りに行うことが新入社員の役割です。
目標達成を第一に考える合理的な組織は、成果をあげることが新入社員の役割です。
メンバーが主体的に行動できる組織は、主体的に行動することが新入社員の役割です。
個人が意思決定できるフラットな組織は、意思決定が行えることが新入社員の役割です。
このように、組織のステージによって新入社員に求める役割は変わります。組織のステージに合わせた新入社員の役割によって、育成で大切にしたいこともそれぞれ異なります。
圧倒的な支配者がトップに立つ組織、トップダウンの階層的構造を持つ組織は、素直に言うことを受け止めてくれるように育成をします。
目標達成を第一に考える合理的な組織は、数値的な成果に対してフィードバックを行います。
メンバーが主体的に行動できる組織は、新入社員が主体的に動けるようにするための土台作りを丁寧に行うことをお勧めします。
個人が意思決定できるフラットな組織は、新入社員が安心して自分で判断ができるようになるための土台作りと、組織との方向性をすり合わせることを意識することをお勧めします。
この記事を読むことで、自組織における新入社員の役割が明確になり、役割を果たすことができる環境や育成を改めて見直す機会にしていただけたらと思います。そして、新入社員の役割を見直すことで、新入社員と組織の成長に繋がっていくことを願っています。
自組織のステージにあった新入社員の育成について具体的に相談したいという方は、ぜひお気軽にお問合せください。一緒に、自組織の新入社員の役割にあった育成を考えていきましょう。
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