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[ コラム ]
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更新日:
2022年9月16日に『“コロナジェネレーション”の特徴と育成について考える』をテーマに、Growth Meetingを開催しました。(参加者数:10社 11名)
目次
今回のGrowth Meetingは、「“コロナジェネレーション”の特徴と育成について考える」をテーマに実施しました。
VUCA時代と言われる変化の激しい時代は、1学年異なるだけで育ってきた環境が変わるため、新入社員の特徴をしっかりと理解した上で育成を行うことが求められます。
コロナ禍において、ニューカマーの組織やコミュニティへの適応と成長は、企業においても大学においても極めて重要な課題であり、その方法を考えるには共通の視点があるように思います。
東京経済大学で講師を務める田村氏をお招きし、学生時代の大半をコロナ禍で経験したコロナジェネレーションの事例についてご紹介頂き、企業におけるコロナジェネレーションの育成についてダイアログを行いました。
◆講師紹介
田村 寿浩(たむらとしひろ)氏 東京経済大学 コミュニケーション学部 特命講師 (キャリアデザイン・プログラム ワークショッププログラム担当) 慶応大学湘南藤沢キャンパス 非常勤講師
臨床心理士/公認心理師/1級キャリアコンサルティング技能士 |
Growth Meetingの内容の一部をご紹介します。
新入社員に回答して頂いている、Growth8月の結果と昨年との比較を共有しました。
※ Growth Meeting投影資料より抜粋
GrowthMeeting冒頭でチェックインを行い、「今の率直な気持ち・気になっていること、Growthの結果を見て感じたこと」などを参加者同士で共有し合いました。
そこでは、このようなコメントがありました。
今回の事前ワークとして、次の問いに対してjamboardに記載して頂き、それらの情報を見た気づきなどを共有して頂きました。
◆問い①:新入社員の育成や成長において、コロナ前と比較すると、具体的にどのような違いや変化を感じる?
◆問い②:コロナ禍での若年層の成長や育成で課題に感じていることは?
◆問い③:コロナ禍での若年層の成長や育成でポジティブな影響を感じていることは?
※ Growth Meetingで活用したjamboard
対話の一部をご紹介します。
・オンラインが進んでいることで、新入社員の状態が見えずフォローしにくい
・リアルだと人前に立たされる頻度はあるが、リモートだとそのチャンスが少なくなっていて、その分チャレンジするという経験を与えられてあげられていない気がする
・「自分は関係ない」という雰囲気を出している人、主体性が低くなっている人が多い
・同期や横の繋がりは強くなっている印象
・新入社員は素直で仕事を依頼されたらきいてくれる一方で、工夫することに恐れがあるような感じがする
・仕事の進捗確認も、上司先輩から確認していかないと動かない
・数年後、どんな人でありたいか、未来像が描けていない
・先輩や上司との接触機会が少なく、信頼関係を築けずに、すぐに離職してしまう人も増えた
・コロナジェネレーションという世代に対しての教育機会の準備ができていなかったがために、不安や心理的安全性が作りづらくなっているのかも
対話を通して、コロナジェネレーションに対して、主体性や関係性がキーワードになっていることを感じました。
コロナジェネレーションの事例の共有や、育成ポイントを田村氏からお伝えして頂きました。
大学講師として、コロナジェネレーション(学生)と関わっていく中で、彼らの「成長を促すきっかけ・ポイント」となったものとして、下記5つを挙げていただき、それぞれ具体例を交えながら情報提供いただきました。
【当日の投影資料の一部抜粋1】 その上で、コロナ禍でも成長をしていくための検討点として、
について、お伝え頂きました。
① いかにコロナ禍を自分事化するか 「コロナ禍を自分事化する」というのは、「コロナ禍という出来事が、自分の人生の一部である」と思えているということです。自分の人生の一部、「自らの物語」とも言えるでしょう。「自らの物語」として、当事者意識を持ち、嘘偽りなく物語ることができると、自身を変化させる(まわりを変化させる)ことが可能となり、自身のキャリアデザインを描くことに繋がっていきます。
【当日の投影資料の一部抜粋2】 そのための方策としてご提案して頂いたのが、「本人の物語(ストーリー)作りを1on1でやってみる」ということです。 下記【当日の投影資料の一部抜粋3】に、例として記載されてる問いを用いながら、相手に興味を向け、相手の語る言葉に耳を傾けてみるということ。そして、語りを通して、物語(ストーリー)作りに伴走してみること。
【当日の投影資料の一部抜粋3】 「物語(ストーリー)作り」を促すポイントとしては、過去・現在・未来の話を聞くということです。(【当日の投影資料の一部抜粋4】参照)
普段の1on1だと、現在の業務や悩みにばかり注力してしまうことが多いですが、誰であっても「今」に至るまでの「過去」と、「今」ここが積み重なる「未来」があります。
その3つの時期「過去・現在・未来」の話を丁寧に聞き、そこに「一貫性」(=その人の「物語」)を一緒に見つけていくという態度で、1on1に臨んでいただくと、新たな物語(ストーリー)を紡ぐきっかけになるのではないかと思います。
そしてその中で「コロナ禍という出来事」について、新入社員が自らの物語に組み込めているか、組み込めるサポートができているか、確認していきましょう。
【当日の投影資料の一部抜粋4】
② いかに育成の土壌を生み出すコミュニティを作るか 育成の土壌を生み出すコミュニティとは、見守られ、励まされ、相互作用しあう関係性がある場です。
育成の土壌を生み出すコミュニティを創り、継続していくことができると、コミュニティに参加している人同士で自然と影響を与え合い、共に学び合い、成長していくことが期待できます。
【当日の投影資料の一部抜粋5】
育成を促すコミュニティを作るための探求のヒントとして、下記【当日の投影資料の一部抜粋6】に記載の山本和郎氏の『コミュニティ心理学 地域臨床の理論と実践』の文章を用いて、説明いただきました。
【当日の投影資料の一部抜粋6】
山本氏の文章の「生きる」を「育つ」に変換して考えると、
■「適合性の最大」とはどんな状態か?
■主体の「具体的な参加」とは?
という2つの問いが浮かび上がり、参加者の方々にも探求を促すきっかけとなりました。
これらの問いを自組織で考えるとどうなるのか、という観点で探求し、育成の土壌を生み出すコミュニティ作りを進めて頂けたらと思います。
当日の内容に関するご質問等は、下記よりお気軽にお問合せ下さい。 お問合せはこちら
ここまでの話を聞いて思ったこと・感じたこと、発見だったこと、気になったこと、質問したいことなど、みなさんの所感や発露をブレイクアウトルームで共有して頂きました。
対話の一部をご紹介します。
・コロナ禍という状態をしょうがないと諦めているのか、コロナ禍という状態受け入れているのかで成長スピードが変わってきそう
・コロナで制限されたことはあるけど、成長のチャンスはいくらでもつくれる
・仕事ができる子だけ成長すればいいのではなく、ボトムアップをしていかないといけない
・異種交流とかで自分を知る機会が重要なのではないか
・社外・社内でコミュニティがあるといろんな考えに触れる機会になるのではないか
・流れに身を任せて上手くいく人もいるけど、その背景には組織の仕組みやサポートがある
・会社で居場所がないという印象を受ける人も多く、自分のアイデンティティの確立が難しくなっているのかもしれない
コミュニティについてのシェアもありましたが、コミュニティは継続をしないと変化が生まれません。
ぜひ長い目でみて、コミュニティをデザインして頂ければと思います。
コロナ禍を自分事として受け入れられない人も、コミュニティでの他者との交流を通して、コロナ禍を自分事として捉えている人が変容していく様に気付けると、自身も徐々にコロナ禍への捉え方に変化が起きてくるかもしれません。無理に変えようとせず、時間をかけて丁寧にフォローしていくことが大切です。
参加者の方からステキなGrowth Meetingの感想を頂きましたのでご紹介します。
・年次毎の学生の特徴が興味深かったです。研修を内製しているのですが、同じ内容の研修を作成するのではなく、その時代の新入社員に合った研修が必要であると気付きました。
・いかにコロナ禍を自分事化できるか、そしてそこから覚悟を持って動けるかで成長性が大きく違うこと。「行動しなければ変わらない」はよく言われますが、腹落ちさせる行動までデザインすることが研修などで企業が伝えていくべきことなのかな、と思いました。
皆さん、短い時間の中でしたが、気づきや学びがあったようでした。 Growth Meetingでの対話を活かして、現場にどう繋げるかのヒントとなれば嬉しく思います。
今回のGrowth Meetingは、“コロナジェネレーション”の特徴と育成について考えるをテーマに実施しました。
参加者の皆さんは、それぞれ現在や来年度以降の育成に課題を感じていて、勉強会の冒頭では、コロナジェネレーションに対してネガティブな印象を持っている方が多かったように思います。
しかし、田村氏から、コロナを自分事として意味付けしていくことや、育成を支援するコミュニティづくりについての情報提供や参加者同士での対話を通して「組織・人事・育成担当としてできることはたくさんある」という認知になり、GrowthMeeting後のアンケートでは「自分たちでできることを考えていきたい」というようなコメントが多く見られました。
組織や人事として、コロナ禍という状態は変えようがなく何もできることが無いと、無意識のうちに思ってしまいがちですが、組織側でできることはあります。そのことを自身の気づきとして感じて頂けていたのが嬉しく感じます。
「コロナジェネレーションは成長が遅い」といったお悩みもよくお聞きします。しかし、本当にそうなのでしょうか?
また、そう決めつけて、終わってしまっては何も進んでいきません。
コロナジェネレーションはまだこれからも続きます。若手社員の大半がコロナジェネレーションとなる時代もやってくるでしょう。
彼らの特徴を理解し、どのように成長を支援していけるのかを考え、組織の未来を担う新入社員を大切に育成していただけたらと思います。
弊社では、時代の流れや新入社員の特徴・傾向にマッチした研修内容に毎年アップデートしております。
2023年度新入社員研修をお考えの方は、是非一度ご相談ください。ご参加頂いた皆さまには、今回の気付きや発見を持ち帰り、自組織でコロナジェネレーションの育成をどう行っていくのかを考えるヒントとして、小さな一歩を歩んでいただければ嬉しく思います。
Growthの結果を軸としながら、参加者それぞれの経験を共有・対話・探求し、若手・新入社員の活躍を後押しできる施策を共に探求していきたいという想いで開催しています。
Growth結果から若手・新入社員の状況を把握し(インプット)、
Growth Meetingや1on1等を通して数値の背景を対話し考え(スループット)、
現場でアクションを実行していく(アウトプット)までがGrowth Meetingです。
他社の人事や育成担当者と対話を行うと、自社内だけで考えていても出てこないような施策が出てきて、対話の中から気づきや認知の広がりを感じることができます。 皆さんが話しやすい安心できる場づくりを行っていますので、ぜひお気軽にご参加ください。