コラム

「期待に応え、期待を超える」習慣をつけるために、新入社員に伝えること

 男性が飛んでいる様子

2022/7/15作成ー

新入社員が入社してから、早い場合は配属後数カ月で、遅くても半年程度経つと同期間でも仕事の進め方や成果に差が出始めてきます。

期待以上の成果を出す新入社員もいれば、「もう少しやってくれたらな..」と思う新入社員もいるかと思います。

業務の経験量や、スキル習得度合いは、あまり変わらないにもかかわらず、なぜこのような現象が起きるのでしょうか。

本コラムでは、依頼された業務を、ただ作業として単純に対応するのではなく、顧客や上司の期待に応えた上で「自分の考えを持って、より良い仕事をする」ために新入社員が意識・行動するための方法をお伝えします。

1)新入社員が期待以上のことができない理由

新入社員が期待以上のことをできていないと感じることがあるかと思いますが、新入社員はなぜ、依頼された業務以上のことを実施しないのでしょうか。

この理由として2つのことが考えられると思います。

「自分の業務で精一杯になって周りが見えていないため」と、「仕事の先の目的が理解しきれていないため」です。

多くの場合は、一つ目として挙げた、自分の業務で精一杯になって周りが見えていないためが理由として考えられます。

一つの例として、入社から3か月が経過した2022年度7月に実施したフォロー研修での新入社員の発言をご紹介します。

「自分の仕事をやるだけで精一杯で周りが見えていない」、「一つ覚えたらまた次に覚えないといけないことがあって、覚えることでいっぱいになってしまう」というような発言が多くみられました。

このように、「自分の業務で精一杯になって周りが見えていない」ことは入社間もない新入社員に起きやすくなります。

二つ目の、仕事の先の目的が理解しきれていないというのは、「自分がやっている業務が何のためかが理解しきれていないことがある」ということです。この状態では、期待に応えられないばかりか、期待以上の成果が出てこないのは明らかです。

ここまでで、新入社員の多くは意図的により良くするための行動を行っていないのではなく、より良くするための余裕やイメージができないために、結果的にそうなってしまっている可能性が高いことが分かります。

しかし、人事や育成担当者・上司にとっては、より良くするための工夫はして欲しいものですよね。

そこで、今お伝えした前提はある上で、自分なりに考えてもらうための方法をお伝えします。

2)期待以上のことをしてもらうために人事・育成担当者としてできること

新入社員に期待以上のことをしてもらうために人事や育成担当者としてできることとして、次の4つのことが挙げられます。

・スケジュール調整
・業務の先の目的共有
・アウトプットイメージをすり合わせ、認識のズレをなくす
・新入社員のニーズ理解スキルを高める

それぞれについて、具体的にどういうことか順にご説明します。

・スケジュール調整

先ほどもお伝えしたように、新入社員は自分の仕事を行うだけで精一杯で周りが見えていないことが多いです。

そのため、自分なりに考えられる時間と余裕があったのかは確認する必要があります。

もし新入社員が十分な時間を持っているという場合は、次の目的の共有の項目に進んでもらえたらと思いますが、もしそうでない場合は、スケジュール調整をして考えられる時間を渡すようにしてみてください。

例えば、当日の朝依頼した業務を夜までという〆切にすると、業務内容にもよりますが、新入社員にとっては時間が少ないかもしれません。当日の朝依頼して翌日のお昼までにスケジュールを調整することができると、お風呂の時間などふとした時にいいアイデアが浮かぶということも起きますので、依頼から提出時間までを少し多めに取ってあげると、案が出てくる可能性は高くなるのではないかと思います。

また、時には、上司・トレーナーが業務調整を行い、考える時間を創っていくことも必要です。

・業務の先の目的共有

新入社員にお願いした内容が、この後どのように活用されるのかを、新入社員がイメージできる範囲で伝えてあげるということです。

例えば、「議事録をお願い」と「今日の打合せの内容を他の部に共有しないといけないから、議事録お願い」の2つのパターンの依頼だとどうでしょうか。

「議事録をお願い」だけだと、とりあえず話していることをメモする、というだけですが、「他の部に共有しないといけないから」という情報が加わると、新入社員自身で工夫する余地が生まれてきます。

例えば、「打合せの中で話した内容に補足資料があった方が、他の部にとっては分かりやすいかもしれない」、とか、「打合せで話していた内容が行ったり来たりしていたけど、テーマごとに記載していた方が分かりやすいよな」、などです。

自分の業務がなぜ必要なのかを理解することができると、自分なりの工夫をする余地が生まれるため、自然とより良くするための動きが出てきやすくなります。

そのためには、BIG WHYのようなフレームワークを活用して、新入社員に伝えるのも一つの方法です。WHAT、WHY、BIG WHYの情報を伝えて、そのうえでHOWとしてどのようなアウトプットを出せばいいのかを考えてもらえるようにすると、視覚的にも業務の理解がしやすくなります。  BIG WHYのようなフレームワーク ※現場体感・実践研修のスライドより抜粋

ただ、あまりにも先の話、例えば、新規事業の開発のため、という目的を伝えても、新入社員はイメージが出来ず結果的に、工夫の余地を与えていないことと同じになります。

そのため、新入社員がイメージ出来る範囲の目的、ということを意識してみてください。

目的を伝えなかったことで、新入社員がやらなくてもいいことを行っている場合もあります。

例えば、良くあるのが、「ちょっとこれらの情報をまとめた資料をつくって」と依頼したときに、上司や先輩などの依頼者は「レイアウトは整えなくてもいいから、グラフをパッと見られる状態にして欲しい」と思っていたとします。

しかし、新入社員は今までの経験の中で、資料をつくる=奇麗なレイアウトに整えて分かりやすくしなければいけないと思い込んでいたとします。

すると、依頼者と新入社員のアウトプットに差が生じてしまい、結果的に無駄な作業を生んでしまっていた、ということにもなりかねません。

そのようなことが起こらないようにするためにも、目的やアウトプットの内容を明確にしておくことは大切です。

・アウトプットイメージをすり合わせ、認識のズレをなくす

上の内容でも少し触れていますが、新入社員との認識のズレが起きていないかも確認が必要です。

先ほどの例のように「資料をつくっておいて」という依頼に対しても、依頼者はメモ程度のつもりで言ったのだと思いますが、新入社員はしっかりとした資料レベルを求められていると認識してしまうケースは往々にしてあります。

このように、依頼業務の捉え方にズレがあると、新入社員が新入社員の認知の中でも目的のために工夫をしても、上司・先輩が求めている内容とは異なるものが出てくるため、結果的には注意するという形で終わってしまいます。

このようなことが起きると、新入社員のモチベーションは下がります。

新入社員は自分なりに考えて求められていること以上のことをやったつもりなのに、その結果が注意・否定されたという体験になってしまうためです。

先輩・上司・育成者が、「新入社員が自分なりに工夫をしてくれていた」というプロセスに気が付くことが出来れば、そのプロセスに対してポジティブフィードバックを伝えることはできますが、多くの場合、「何で確認しなかったの?」というような注意のみしかできていないのではないでしょうか。

先輩・上司・育成者も忙しい中で育成を行っているため、そこまで考えることは難しいと思います。

そのため、業務を依頼する段階で、依頼者がイメージしているアウトプットイメージと、新入社員がこれからつくろうとしているアウトプットイメージが同じかどうかを、確認していくことが大切になります。

基本的なことですが、まずは要件定義で内容のすり合わせをすることを意識してみてください。  要件定義を上手に進めていくためのポイント ※現場体感・実践研修のスライドより抜粋

その前段階として、目的の共有も認識のズレ無くできていると、新入社員が期待している方向に対しての工夫を持ってきてくれる方も出てくるかと思います。

・新入社員のニーズ理解スキルを高める

今までの内容は先輩・上司・育成トレーナーが新入社員に対してできることを挙げていましたが、いつまでもフォローをし続けることは出来ません。

そのため、新入社員が自らより良いアウトプットにするためのニーズを理解する力を高める必要があります。

アーティエンスでは、そのようなお悩みを感じている方にソリューション提案力研修を実施しています。

シミュレーションを通して、知識を学んだというレベルではなく、体験し理解し現場に戻っても実践したいというレベルを目指しています。

興味のある方は、ぜひこちらから詳細をご覧下さい。
派遣型での実施について相談したい方は、こちらからご連絡ください。 ソリューション提案力研修

今回は、新入社員から、業務依頼していること以上のことが出てこない、というお悩みを持っている人事・育成担当者の方に向けて、考えられる原因と、その対処法をお伝えしました。

もしかしたら、自分が新入社員のときは、もっと主体的に頑張っていたのに…と感じているかもしれませんが、時代は止まることなく動いています。

皆さんが育ってきた環境と、今の世代が育ってきた環境は異なりますし、それによって価値観にも影響が出ています。

今と昔を比較して、昔はこうだったのに…といったところで何も変わりません。今年の新入社員がどうしたら主体的に行動し、自分の期待以上のことをやってくれるようになるのか、性質を見ながら適切な対応を見つけていってください。

このコラムが、そのヒントとなれば嬉しいです。

今回のコラムは、現場の育成担当者の方が、すぐに実践できる内容となっていますので、新入社員の主体性に悩んでいらっしゃる方にシェアをして頂ければと思います。