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「2年目社員、3年目社員が離職を考えるとき」とは、どんな場面・状況?

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コラム :新入社員・若手社員について


 
 
 
最近、企業様との商談や提案の際に感じることのひとつに、「多くの企業において、2年目~3年目の若手社員のやる気の低下・離職について強い懸念を感じられている」という点があります。
 
 
2年目社員、3年目社員と言えば、仕事も覚えてきて組織・チームの重要な機動力として価値発揮し始める頃合です。企業や職場上司からしたら、この時期に社員が離職してしまうのは、何としてでも避けたいケースでしょう。
 
 
そこで、今回はそのような2年目社員、3年目社員が「離職しようかな」と考えるときに、どんな場面・状況が多くあるのか、そしてその対策についても、お話していきたいと思います。
 
 
 
 

1) 若手社員は、なぜ離職してしまうのか?

 
 
はじめに、「なぜ若手社員は離職してしまうのか」という点を見ていきましょう。
 
 
 そもそも、社会人になって間もない2年目社員や3年目社員といった若手社員が、「離職する」であったり、「やる気を失う」ということは、これまで殆ど起こりえなかったような、緊急事態なのでしょうか。
 
 
 
 先に結論からお話しますと、答えは「NO」です。緊急事態と言うよりは、これまでもやや高頻度でみられていた傾向です(だからと言って、そのままにしておくわけにはいきませんが)。

国内における社員の仕事への不満足度・離職意思の高まりについては、「2年目、3年目社員が最も高い」ことが、以前から様々な機関の調査結果で確認されています。
 
 
参考に、以下の図をご覧ください。こちらは、全国の企業に対して「従業員満足度」の調査を行っている企業が出されている、「社員の勤続年数と、従業員満足度・離職意思の関係」のグラフです。
 
 
 

 
 
従業員満足度調査の世界でよく耳にする単語に、「3年カーブ」というものがあります。これは、ちょうど入社3年目前後の社員が、従業員満足度・離職意思ともにカーブを描く時期(どちらも思わしくない方向に高まる)になる傾向があることを指すキーワードです。
 
 
 つまり、2年目・3年目社員においては、一般的に他の年次の社員と比べて従業員満足度が低くなり、かつ離職意思が高まる傾向があるのです。
 
 
 
 

なぜ、2年目・3年目社員は従業員満足度が低く、離職意思が高いのか

 
続いては、「なぜ、2年目・3年目社員は従業員満足度が低く、離職意思が高いのか」について見ていきましょう。
 
 
離職意思の観点では、人事としての職務をご経験されている方からすると、若年層の社員が退職する際に述べる理由として「給与面」であったり、「職場との人間関係」がまず思い浮かばれるのではないでしょうか。
 
確かに、退職者が退職の際に述べる理由においては上記の項目であることが非常に多いです。ですが、それが果たして離職の「原点」・「真因」として捉えるべきかというと、必ずともそうとは言い切れません。
 
 
労働政策研究・研修機構では、「若年者の離職理由と職場定着に関する調査」において、若年層の社員が「最初に転職を考えた際に、何について悩んだことがきっかけだったのか」という、まさに離職の意思が働く「原点」についての調査を行っています。その調査結果を見てみましょう。
 
 
 

最初に転職を考えた際に悩んだ内容
(「若年者の離職理由と職場定着に関する調査」労働政策研究・研修機構)

 
 
若手層社員の方々が、最初に転職を考えるときに悩んだ内容で一番多いのは、賃金の低さや忙しさ、人間関係ではなく、「仕事の内容」となっています。
 そして、「仕事の内容」に関しての前述の従業員満足度の低下がどう関連しているのかについて掘り下げていくと、一番相関性が高い項目が「やりたい仕事ができない」、続いて「仕事の責任が重すぎる」、「仕事の量が多すぎる」と続きます。
 
つまり、二年目・三年目社員の方々が離職される際の「真因」として多いケースは、「仕事の内容」、特に自身がやりたいと思っている仕事とのミスマッチ、つまり「やりがい」に関わるものが多いのです。
 
 
 
 

2) 仕事の「やりがい」とは、そもそもどんなもの?

 
 
さて、ここでひとつ立ち止まって、「やりがい」というキーワードについてフォーカスしてみましょう。
 
 
そもそも、「やりがい」とはどう定義していくものなのでしょうか?
 
 
三省堂の大辞林では、「物事をするに当たっての心の張り合い。しがい。」と説明していますが、これでは抽象度が高すぎて、今一つ掴みきれません。今度は「心の張り合いってなんだ?」と新たな疑問が芽生えてしまいそうですよね。──えてして、人が普段から自然に使っている単語は、却って説明が難しいものです。
 
 
 少し視点を自分自身に寄せていきましょう。この記事を読んでいる皆さんにとって、やりがいとは何でしょうか。そして、皆さんの隣の席に座っている方のやりがいは何でしょう。──ここまで考えて、「やりがいとは、人それぞれ違う」ということに気付かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。(「そんなの最初から判っていました」という方も大勢いらっしゃったかと思います。なるべく多くの方に共感いただけるよう説明しておりますので、ご容赦ください。)
 
 
 
 「欲求5段階説(自己実現理論)」で有名な心理学者、アブラハム・マズローは、「人が仕事に向ける思考」について以下のような見解を残しています。
 
 

 
「すべての人間は無意味な仕事より、有意義な仕事を好むものである。」
 

 
やりがいの定義の仕方は人さまざまであったとしても、上記の科白については、多くの方が「確かにその通りだ」と共感しうるとところでしょう。
 
 
つまりは、「有意義な仕事」がどれだけ出来ているのかという実感、または今後やれそうなのかという予感、──それが「やりがい」の正体と言えるのではないでしょうか。
 
 
そして、何をもって「有意義な仕事」とするのかは人それぞれであるように、「やりがい」もまた、人それぞれ、つまり、その人の「価値観」によって様々なのです。
 
 
 
 

3) やりがいに直結する自身の「ポジティブ・コア」(=活力の源)を見つける

 
 
2年目・3年目社員の方々の離職問題に、話を戻していきましょう。
 
 
ここまでで、2年目・3年目といった若手社員は以前から満足度低下・離職意思の増加の傾向があることをお話しました。また、離職の要因として「やりたい仕事ができないこと」、特に「仕事へのやりがい」が挙げられることをお伝えしました。
 
 
では、2年目・3年目社員の方々の「やりがい」やそのやりがいに直結する「価値観」を、周囲にいる私たちはどうすれば見出していくことができるでしょうか。
 
 
直接聞けばよいではないか」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ですが、「やりがい」というものは時に自分自身もうまく言語化できないものです。また、若手社員によっては「こういう答えを求めているんでしょう?」というように自身の考えではなく、「模範的な回答」を意識してくることもあるでしょう。
 
 
「では、一体どうやって、若手社員のやりがいや価値観を知れるというんだ?」といった方向けにご紹介したいのが、「ポジティブ・コア(=活力の源)の探求」という手法です。
 
 
 
 

ポジティブ・コアとは

 
 
ポジティブ・コアとは、その名の通り、人それぞれが持つ、生きること・働くことをポジティブにしていくための原点・核のことを指します。そして誰しもが、形や様相こそ様々ですが、このポジティブ・コアを有していると言われています。
 
つまり、モチベーションの低下や離職の意思が見られる若手社員に対して、当人のポジティブ・コアを探求し認識を深めることで、その人のモチベーション向上ややりがいを高めていくことに役立てられる、ということですね。
 
 
 
 

ポジティブ・コアの探求の進め方

 
 
ポジティブ・コアの探求は多くの場合、ペアになってインタビュー形式で以下のような質問を対象者に問いかける形式で進めていきます。
 
 

 
・これまでで、あなたが最も達成感を感じられた仕事と、それにまつわるエピソードを聞かせてください
 
・これまでで、あなたにとって最も良かった上司と、それにまつわるエピソードを聞かせてください
 
・これまでで、あなたにとって最も良かったチームとそれにまつわるエピソードを聞かせてください
 

 
 
ここでポイントとなるのは、各問いの「最も」というキーワードです。
これまでで最も良かった経験を振り返ることで「ポジティブ・コア」と呼ばれる「強み・重視している価値観」を発見することができるのです。
 
 
 
1人あたりのインタビュー時間は20~30分程度とし、インタビューを行う側は印象深く感じたことや、さらに掘り下げて探求したい部分について質問をしながら話を聞いていきます。
 
 
 
インタビュー後、インタビューを受けた人の「ポジティブ・コア」について2人で話し合って(探索して)いきます。まずは話し手側から「自分で話していて気づいた強み・重視している価値観」を話してもらいます。
続いて、聞き手からも「聞いていて感じた強み・重視している価値観」を話します。
 
 
 
この時、お互いの気付きが異なっていたとしても問題はありません。
感じたことの違いを共有していくこともまた、ポジティブ・コアへの理解を深めていく上でとても重要なのです。
 
 
 
 
日頃、2年目・3年目社員と業務を共にされるという方々は、宜しければ是非、上記の「ポジティブ・コアの探求」を試してみてはいかがでしょうか。きっと、「この人は、普段こういうことを考えていたのか」といった、新たな気づき・発見も得られると思います。
 
 
 
 

4)(まとめ) 2年目社員・3年目社員は、自身の働き方を見つめなおすとき

 
 
「2年目社員、3年目社員が離職を考えるときとは、どんな場面・状況?」という表題で、ここまでお話させていただきました。──ここでそのタイトルの問いに対する解についても答えていきたいと思います。
 
 
2年目社員、3年目社員の方々が離職を考えるときとは、どんな場面・状況か──。
それは、仕事・職場にある程度慣れてきて、見解や視野が徐々に広がりつつある彼・彼女達が、「自身の働き方について、本腰を据えて見つめなおすとき」ということではないでしょうか。
 
 
 
本腰を据えて見つめなおす際に、当人たちの多くは、自身の価値観と照らし合わせて、今の仕事がどうかを見ていきます。そして当人たちの価値観を私たちが知ることによって得られるメリットは、「組織・チームとしての新しい在り方の探求」の機会を得られることです。
 
 
 
新しい世代の若者たちは、従来とはまた違う考えや価値観と共に社会に進出していき、そして企業はそんな彼・彼女たちの考え、価値観を吸収しているからこそ、時代の流れに合わせた変化・変容をしていけます。
 
 
つまり、若年層社員のやりがい、そしてポジティブ・コアの探求は、当人たちのモチベーションやエンゲージメントの向上に繋げられるだけでなく、それらを共有していけることによって、組織の変革にも繋げられる──それが、私たちアーティエンスの考えです。
 
 
 
前段でお話した、2年目・3年目社員の不満足度や離職意思の高まりを現す「3年カーブ」のタイミングは、逆説的ではありますが、社員の「ポジティブ・コアの探求」を組織で推進していくうえで、とても大切な時期なのかもしれません。
 
 
 
皆様が若手社員の方々の育成・指導をされていくうえで、今回の記事が少しでもお役に立てることを、心より願っております。
 
 
 
 

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