研修・セミナーレポート

2025年1月21日 2年目フォロー研修2日目ー公開講座研修レポート

本内容は、2025年1月21日に開催した「2年目フォロー研修2日目」の公開講座研修レポートです。受講内容や、受講前と後の変化をまとめています。

1)研修概要

全2回の2年目フォロー研修の2日目として、フォローセッションを行いました。

2年目フォロー研修の目的

アーティエンスの2年目フォロー研修自社における自身のビジョンを明確にし、当事者意識と主体性を持って仕事を楽しむことを目的としています。

若手・新入社員が「成長実感や成長予感(※)が持てない」と「離職率が上がる」という調査結果があります。

成長実感や成長予感は、過去の経験を振り返って学び・気付きを得たり、未来にありたい姿を描く機会が提供されなければ育まれません。

本研修では、入社3年目を目前とした現在までの仕事を振り返り、成長実感、周囲への貢献を認知します。そして、成長予感とエンゲージメントの醸成につなげていきます。

※成長予感:今の会社で仕事を続けることでなりたい自分や目指す成長ができると思える感覚

2年目フォロー研修での学びのポイント

クリエイティブテンションを育む

自身の大切にしている価値観を仲間と共に掘り下げ、その上で今考える素晴らしい未来を探求します。

ポジティブリフレクションを通して成長予感を育む

ポジティブリフレクションを通して、成長実感を得て、さらに成長予感を育みます。

当事者意識・主体性を解放するアクションプランを創る

サーベイ結果を通して、今最も自身の関心がある課題に対して、徹底した対話を通して、当事者意識・主体性の高いアクションプランを考えます。

2年目フォロー研修 当日のアジェンダ

1. チェックイン
2. 半年間のリフレクション
3. 3年目に向けて・ネクストアクションの検討
4. チェックアウト

2)受講者の研修の始めと終わりでの変化

研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。

研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから、変化を確認できます。

研修開始時のコメント

研修開始時、受講生からは下記のようなコメントが出ていました。

・1年目の時と比べて成長できているとは思うけど、あまり実感がなくて成長できているか不安
・業務を覚えるので精一杯で確実に成長できた実感がないので、どんなところが成長できているのか確認したい
・2年目になった立場として、どうふるまえばいいのかという漠然とした不安がある
・成人式を迎えられた方がいて、自分も新たな気持ちで3年目を迎えたいなと思った
・前はできていたことでミスしてしまったこともあり、情けないなと思っている

研修終了時のコメント

研修終了時の受講生の発言や終了後のアンケートでは、下記コメントがありました。

・事前課題をしていて「やばい、成長できていないかも」と不安を感じていたが、みんなも同じ悩みを抱えていて安心感を持てた
明日からこうしてみたいということが見つかったので実践していきたい
・仕事では同世代と話す機会がないので、今日同期と久しぶりに話せて、同じ悩みを共有できてよかった
自分が今後どうしていきたいのかを、今日の学びやフィードバックを踏まえて考えていきたい
・仕事を頑張る理由ってなんだろう?仕事って楽しいですか?という問いを持って参加したが、自分のありたい姿と会社への貢献の統合について考えることで、少し答えが見えたような気がした
・現場に対して悩みがない状態だったけど、チームで話していく中で、自覚していなかった悩みや、こうしたい!と思うことが出てきて、大きな変化があった時間だった

※ オンライン研修での受講生の様子

同期の仲間と共に不安を語り合うことで安心感をもち、自身の成長に自覚的になれて、自身の仕事をより良くしていくきっかけを得られていました。

3)2年目フォロー研修(2日目)の内容

インタビュー(事前課題)のシェア

研修の事前課題として実施していたインタビューワークの気付きや感想を受講生同士で共有し合いました。事前課題のインタビューは、普段一緒に仕事をしている身近な先輩や上司、他部署の先輩などに実施してもらっています。

インタビューをきっかけに、感謝の言葉や、改善すべきフィードバックを受けるなど、受講生にとって自身を振り返る良い機会になっていました※ オンライン研修での受講生の様子

インタビューシェアでのグループシェアと全体シェアでのコメントを一部紹介します。

【インタビューシェアで気づき(一部抜粋)】

・インタビューで褒めてもらったことで、自分できるようになっていたなと気づけた
・自分はまだ後輩がいないのですが、来年くらいにくる予定なので、仕事を教えられるようになって、責任感を持って仕事をやってほしいと言われた
・転職について話が出て、3年目にあたって自分のキャリアを考える時期なのかな。他の業務も見て、あんなこともやってみたいよね、という話が出ていた
・営業の先輩から、一人で捌ける仕事が増えてきたと思うと言ってもらえた
・助けになったことを聞いた時に、仕事のことではなかったため、あれ…?と焦りを感じたけど、プライベートで一緒に飲むことでリフレッシュすることができていると言ってもらった
スピード感やミスの多さを指摘されたので改善しなくてはと思っている
・自分が思っている以上にいろんなことができるようになっていた
自分が思ったよりも役に立てていることがあると気づけた

リフレクション

事前課題として記載してもらった振り返りシートをシェアしながら、自身の成長を振り返りました。シェア後は、メンバー同士で感想や質問を伝え合いました。

事前課題として自身で内省しながら書き出すことで1回、シェアすることで2回、フィードバックをもらって考えることで3回と、計3回リフレクションを行うことになり、深くまで振り返えることができます。
※ オンライン研修での受講生の様子

リフレクションのシェアを終えて、次のような気づきを得ていました。

【リフレクション シェア後の気づき(一部抜粋)】
・業種や職種は違くても悩んでいることは一緒なんだなと気づいて少し安心した
・自分はいろんな不安を抱えているんだなと思った。みんなで話し合うことで少し気持ちが和らいだ
・今日の機会があって初めて他の人も自分と同じような悩みを抱えていることに気づけた
・褒められたことについて本当に思ってる?って感じてしまうので、評価してもらったことを受け入れるようになることが今後の課題だなと思う
・自分だと成長に気づけなくても、周りから成長したところを言ってもらえると自信に繋がるし、改善計画を立てられるから、インタビューいいなと思った

他者と対話しながら振り返ったことで、自身の成長を改めて実感できたようでした。

ワールド・カフェ

「素晴らしい成長って何だろう?」というテーマで、ワールド・カフェを行いました。

ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行う対話手法の一つです。

アウトプットの一部を紹介します。

ワールド・カフェでの対話を終えて、次のような気づきを得ていました。

【ワールド・カフェ後の気づき(一部抜粋)】
・仕事を依頼されたときに意義を見つけないと仕事へのやる気がなくなってしまう。意義付け力を大切にすべきかなと思った
・自分の在り方と会社への貢献を統合することがいいのかが自分の中では見えない
楽しむができたらいいですよね
・自分でやりたい仕事を発信していくことも大事
仕事の目的を見失うと楽しめなくなってしまって、全てにおいて良くない結果につながってしまいやすいから気をつけたい

ワールド・カフェを終えて、モヤモヤを抱えている人が多いように感じました。このモヤモヤを、次のワークで徹底的に話し合ってもらいます。

3年目に向けて・ネクストアクションの検討

『自らのありたい姿と、会社への貢献につながるため』に関して受講生が今話したいテーマを出し、似たテーマを出した人同士でグループに分かれ、アウトプットを出してもらいました。

この手法はOSTと言われ、人々のコミットメントを引き出し、主体的な話し合いを通して垣根を超えた問題解決への取り組みを促すファシリテーションのプロセスです。今回の研修では簡易版で実施しています。

今回、受講生の皆さんが出したテーマとアウトプットを紹介します。

テーマ:ありたい姿と会社への貢献を統合すべきかどうか

【講師からのコメント】
統合というより融合の状態を求めているのかなと感じました。何%できているか?という問いを持って現場を捉えていて素晴らしいです。

事実として、自身のありたい姿と会社への貢献を100%統合できている人もいます。ただ、年齢が上がる方が統合しやすい傾向にあります。100%統合できると満足度が上がりやすいため、皆さんも少しずつ近づいていけるといいなと思いました。

また、会社への貢献意識だけでなく、会社を利用する意識も持つと、統合しやすくなるのではないかと思いました。

<参考>
今の若手社員に『権利と義務』は通じない!『利用と貢献』で成長を促進

テーマ:三年目のあるべき姿や目標

【講師からのコメント】
あるべき姿よりありたい姿を見ているのかなと思いました。

あるべき姿よりありたい姿である方が、パワフルになるので、素晴らしいと思います。
また、技術的成長と精神的成長の両方に触れていて、それを現場レベルに落としているのも良いですね。
コミュニケーションと言っても、ヒアリングスキルやトーキングスキルなど様々なスキルに分解できます。そのため、サブスキルを考えてみると、やることがより具体的になるかなと思います。
<参考>
【部下育成マネジメント】部下の成長を速める育成方法は「○○能力」を意識!

テーマ:正しい自己評価をする方法

【講師からのコメント】
自分の意思を持ていることは素晴らしいですね。

目標を高く設定しすぎてしまうということなので、具体的な目標を作る際は、中間目標を作ることをおすすめします。目標設定は「【よい例・悪い例あり】管理職が知っておくべき目標設定を徹底解説」を参考にしてみてください。

また、メンタルモデルの本も参考になりそうなのでお伝えします。もしかしたら自分のダメな部分とか自分のダークサイドと向き合って受け入れることも必要かもしれません。

テーマ:将来のキャリア設計

【講師からのコメント】
優先事項は今と未来をフラットに見て決めてもらいたいなと思いました。
また、キャリアの8割は偶発的にできているという、計画的偶発性理論という考え方があります。

将来設計をする際は、SNSや周りの意見に振り回されず、自分が大切にしたい価値観を見てほしいなと思います。価値観を知る際は、次の資料を参考にしてみてください。

テーマ:仕事を楽しむためには

【講師からのコメント】
Big Whyを活用して深掘りして考えていて素晴らしいです。

もしかしたら、リアリティショックをひきづっている方もいるかもしれません。
リアリティショックとは「現実と理想のギャップに衝撃を受けること」です。自身が描いていたイメージと、実際の仕事内容や人間関係などに乖離があると、不安感や喪失感、諦めの気持ちを抱いてしまいます。

消極的適応が続くとしんどくなるため、積極的適応できるようになるためにも、自身と会社との統合が必要になります。憧れている先輩や上司に話を聞いて、どのように実力をつけたのか、キャリアを築いたのかの話を聞いてみるといいかもしれませんね。

4)講師・アテンド所感

受講生の皆さんが、今抱えている不安を共有できたことで安心感を得ていた姿が印象的でした。
2年目が終わりに近づき、3年目を迎えるこの時期は、さまざまな不安を感じやすいです。そのような状態のまま先に進むのは難しいため、今回の研修のように不安を吐き出し、皆で解決策を考える時間を設けることは非常に大切です。

また、丁寧に振り返りを行うことも重要です。振り返る機会がないと自身の成長に気づきにくいためです。自身の成長に自覚的になり、自信を持てるようになると、次の成長に向けて積極的に動けるようになります。

今回皆さんのお話を伺って、前回と比べて大きく成長されていると強く感じました。中堅社員になっていく準備が整いつつあるのだと思います。
今の努力が未来を作るので、ぜひ「今」を大切にしながら進んでいっていただきたいと思います。