研修・セミナーレポート

2024年9月19日 新入社員・OJTトレーナー合同研修ー公開講座研修レポート

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本内容は、2024年9月19日に開催された「新入社員・OJTトレーナー合同研修」の公開講座研修レポートです。

1)研修概要

研修目的・学びのポイントと、当日のアジェンダ

本研修は、新入社員が「自らの成長・変化を実感」するとともに、今後「どのように成長スピードを上げていくか」を新入社員・OJTトレーナーが共に探求することをテーマに実施しました。

2)受講者の研修の始めと終わりでの変化

研修開始時のコメント

研修開始時、受講生からは下記のようなコメントがあがっていました。

新入社員】
・より本格的な業務が入ってきている中、どんなことを持って帰れるか楽しみ。
・前回の研修でもご一緒したみなさんなので、今日も楽しみです。
・昨日まで兄の結婚式でバリに行っていて時差はないけどハッピーボケ…しっかりやりたい
・仲の良い先輩が今日退職(当初は今日の研修を一緒に受ける予定だった)気持ちを入れ替えてがんばりたい
・昨日まで東北に営業に行っていて、コミュニケーションの難しさと先輩のアドバイスの大切さを実感している。色々学びたい。
OJTトレーナー】
・関係性はできているので、それほど心配はしていない。他社のトレーナーの話を聞きたい
・新入社員との距離感に悩んでいる。世代も違えば、性別も違うので、悩ましい
・トレーナーがどうしても外せない仕事があるというので、代理できました(管理職)
・トレーナー業務と、自分の仕事のバランスで悩んでいる

研修終了時のコメント

研修終了時の受講生の発言や終了後のアンケートでは、下記コメントがありました。

【新入社員】
・新入社員(同期)の方が悩んでいることを聞く機会はいままでの研修でもあったけど、トレーナーの方が悩んでることを聞けてよかった。
・これまで自分が「何が出来ているのかな」と思っていたけど、今日目に見えていないことで返せていることがあったと知れてよかった。
・悩み、モヤモヤ、コミュニケーションの話が午前中に出てきたことにあまり共感できていなかった。自分は細かくコミュニケーションを取ってもらえて恵まれているその環境の中で成果を出せなきゃ、自分の責任だな、と。それでもまだ認識の違いがあった。コミュニケーションの質を高めていきたい。
・いままで外部研修を受けてきた中で今回が一番、自分にとってよい機会だと感じた。ここでよかったで終わらせるのではなく、今後どうやっていけるか、行動に移すことができれば半年後、また変われるのではないか
【OJTトレーナー】
・正直、見て見ぬふりをしていた部分、新入社員に負荷を掛けていた部分があったので、設計を見直していきたい
・今日一日だけでもより成長した姿を見ることができたのが嬉しかった
・今日得たことはチームにも共有していきたい。新入社員の成長・未来を預かっているという意識。飲み会にもがんばって誘いたい(笑)
・他の方の話を聞いて、改めて気を付けなくてはいけないところなどに気付けた。今回の研修の案内が来るまで誰が社内でメンターをやっているか知らなかったので、これを機にメンター同士も交流を持っていきたい。
・休憩時間にポジティブイットを見返して、嬉しさと共に自分の強みを知ることができた

3)研修での受講生の動き

本研修は、第一部と第二部に分けて実施しました。第一部は新入社員・トレーナーが別クラスで、第二部は両者合同で実施しています。

第一部(新入社員クラス)

新入社員に身に付けてほしい「セルフマネジメント力」について講義を基に、全体ダイアログを行った後、一人ひとり入社してから5か月間の振り返りを行いました。

・普段の業務に持ち帰れるヒントをみなさんの話からたくさんもらえました。
・トライ&エラーの言語化の話がよかった!
・自分の能力でなく、行動を反省するという考え方が響いた!
・自分ひとりでコントロールできない1日のフローに悩んでいたけど、優先順位の付け方や、余白の持ち方、絶対に守る自分との約束など、色々な考え方を知ることができた!

第一部(トレーナークラス)

OJTの基本的な考え方や最近の新入社員の傾向や育成ポイントなどの講義を基に、全体ダイアログを行った後、一人ひとり入社してから5か月間の振り返りを行いました。

・内省により、自身が思ったより新入社員に働きかけられているのではないかと思った
・私自身も4年目で、入社式がコロナだった。上司の当たり前とも、新入社員の当たり前とも異なるので、何が一般的かわからない
・午後からの新入社員との対話が楽しみ。他社のトレーナーとの対話で、これほど学ぶことが多いと思わなかった

第二部(新入社員・トレーナー合同開催)

昼食休憩後の第二部は、新入社員・トレーナーが合同で研修を進めていきました。

ワールド・カフェとGrowthを基にした振り返り

「一年目が終わる頃に心から望む成長」をテーマとした3つの問いを渡し、ワールド・カフェ形式でダイアログを行っていきました。

また、対話と対話の間で、事前ワークで実施いただいたGrowthサーベイの個別データ(新入社員・トレーナーが対になったグラフ)を共有しています。

ワールド・カフェやその後の全体ダイアログで出てきたコメントをいくつか記載します。

【ワールド・カフェ】
・新入社員としては早く独り立ちしたい。自立したいと思う。自立=成長なのかな?
・社会全体でも、グループの中でもそこにいる意味を持ちたい。
・社会人になった途端に「成長」という言葉がたくさん出てきた。人によって「成長」の捉え方、意味が違う
・新入社員はトレーナーにもっと厳しく接して欲しいと思っている。時代背景的に上司の方のほうが恐る恐る接してくれている気がする。
・成長ジャンキーになっている気がする。いまはすぐに超えられるハードルを与えてもらっていると思う。成長している実感をすごく感じるが、大きな壁に向かった時にどうなるか…
・1年目のうちに泣くほどの失敗をしておいて欲しい
・新入社員のうちにぬるま湯で過ごしていると、いつの間にか30代になっている。そこからの失敗の方が大変
・本人の目標に向かって必要なことを発言する分には、相手に伝えることに躊躇はない
・新入社員本人がどうなりたいのか、しっかりヒアリングして共通認識を持つことが必要かも
・強めのフィードバックをしたとしても、自分がしてもらいたいフィードバックを考える

【全体ダイアログ】
・伝え方についての話。上司側がすごく気を使って遠まわしな言い方をしてくれる。新入社員側からすると、もっとはっきり言ってくれていいのに、と思う
・新入社員側からも「もっとはっきり言って欲しい。強く言ってほしい。」というのは伝えた方がいいと思う
・トレーナー側からの「OK」「いいよ」の質や、パーセンテージは考えるべき 例:いまは80点、あと20点をカバーするためにはどうすれば?
・自分の中で(ネガティブな方に)考え込んでしまうタイプ。トレーナーとの成長実感に差があった。話す時間がとれていないので、今後話せると嬉しい→毎日1on1する?(笑)
・コミュニケーションの取り方にはみんな課題を抱えている。仲良くいい感じにはしたいけど、行き過ぎるとセクハラ・パワハラ…その線引きが難しい
・いままでの固定観念ではなく次のステップに進めるきっかけになったかな
・Aさんはこう言ってる、Bさんはこう言ってる、みたいな話は多い。世の中に絶対的な正解はない。お互いにとってのベストを探れるといいなと
・今日の対話を通して、共通の話題が持てた
・いままでお互いで話す機会は合ったけど、共通を持つ場がなかった
・GrowthQ6、成長について→自分の成長を実感するために何かヒントになることはないか、教えて欲しい
・半年前に言われてわからないかった戦略がわかってきた。上長が変わったが、その考え方に近づけたんじゃないかと思う。
・新入社員が成長していることを周囲は感じていても、本人に実感がないことがよくある
・(講師から)成長の曲線はストレートではない。下がる時もある。色々な要素が絡み合っている。

自身の状態を把握しよう

次に、今の自身の状態を下記四現象に分類するとどこに位置するか?それはなぜか?を内省し、小グループごとにショートダイアログを行っていきました。

①業務が多いと感じている・成果も多いと感じている
②業務が多いと感じている・成果は少ないと感じている
③業務が少ないと感じている・成果は多いと感じている
④業務が少ないと感じている・成果も少ないと感じている

ショートダイアログで出てきたコメントをいくつか抜粋します。
・自分たちのチーム以外の環境に身を置くことで得られることも多いのではないか
・目覚ましい成果(数字)を上げているということだけではなく、定性的な成果(前にミスをした→ミスをしなくなった。ミスをしない環境を自分で作れた)をあげている
・今やってることが先の成果に繋がっているか、を考えられるとさらに成果を考えられるのではないか
・アウトプットは出しているけど「成果」と言われると困る
・新入社員への期待値が高い。こちらのフォローの仕方でもっと価値を高めてあげられる

四現象のどこなら良い・悪い、という話ではありません。重要なのは、自分の今の状態をフラットに捉え、認知することであり、認知した上で、ネクストアクションを考えていくことです。

手紙を書こう

最後のワークとして、新入社員・トレーナーがお互いに手紙を書いて、言葉で伝え合うというワークをおこないました。

ワーク終了後の全体共有では、下記のコメントが上がっていました。
・人によって性格が違ったり、性質が違ったりするので、一概に「正解」はない。だから自分を出す。自分の意見を言う。わかってくれと思っているだけじゃダメなことがわかったので、定期的にコミュニケーションを取っていきたい。
・メンターの立場でいうと話しやすい環境を作っていくことの大事さを改めて感じました
・空間(時間)さえあれば、話すことができるのかな、と。話しやすい雰囲気だけでなく、場を作って欲しい。
飲み会もして欲しいという文脈が復活してきている(関係性が出来た上でという条件付き)
・不思議な関係性。先生と生徒でもないし…受け身になり過ぎていたと感じた。自分も何か返せることがあるはず。いい循環ができるようにがんばっていきたい
・メンターであっても、メンティーから自分の経験したことのないことを学べる機会があると感じている。対等な立場でいたい

4)講師・アテンド所感

午前中は、新入社員とトレーナーに分かれ、それぞれ別クラスで丁寧に振り返りを行っていきました。振り返りを共有していく過程で、日々の悩みや不安に共感したり、他社の同じ立場の人の考えや想いに勇気をもらい、自身の成長を実感できる機会となったように思います。

午後からの合同クラスでは、新入社員とトレーナーの「認知のギャップ」が一つのテーマになったように感じます。お互いに分かり合えているつもりでも、Growthサーベイで数値化したり、対話を深めていくことで、認知のギャップを気付く機会となりました。

認知のギャップを埋めるには、対話は不可欠です。今回の研修だけで、全てのギャップを埋められたわけではありませんが、新入社員・トレーナーそれぞれの小さくも大きな一歩となれたことを強く実感しています。

今回の研修をきっかけに、新入社員の活躍や成長がさらに促進されること、また、トレーナー自身も成長し、人生がより一層豊かになっていくことを、心から願っています。

本研修の内容のより詳しい内容は、こちらからお問い合わせいただけます。