アサーティブコミュニケーション研修で風通しの良い職場環境を作ろう!

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若手社員 コミュニケーション研修

「アサーティブコミュニケーションの重要さを最近よく耳にするけど、どうやったら身につけてもらえるんだろう…?」
このようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

アサーティブコミュニケーションとは、相手を尊重しながら、自分の気持ちや意見を率直に伝えることを目的としたコミュニケーションスキルのことです。身に付けることで、社内の人々との良好な人間関係を築いていけます。また、自分の意見を我慢しなくて良くなるため、ストレスフルな職場環境作りにも繋がります。

そんな風通しの良い職場環境を作れるようになるために、本コラムではアサーティブコミュニケーション研修について詳しく解説していきます。

合計500社以上の導入実績を誇るアーティエンスでは「管理職がプレイヤーから抜け出せていない」「管理職が昔の気質のままで変われない」といった企業さまへ「研修成功事例集」を作成しました。
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このコラムで分かること

  • アサーティブコミュニケーション研修で学ぶ3つのこと
  • アサーティブコミュニケーション研修を通じて解決できること
  • アサーティブコミュニケーション研修の受講を推奨する対象者
執筆者プロフィール
近藤 ゆみ
アーティエンス(株)にて、研修講師、組織開発・人材育成のコンサルタント、コラムの監修・執筆などに従事。前職の大手人材紹介会社では、転職希望者のキャリアカウンセリングから転職サポートまでを一貫して担当。

専門性:新入社員・若手社員、採用・育成


研修成功事例集

1)アサーティブコミュニケーション研修で学ぶこと

アサーティブコミュニケーションを身につけるためには、次の3つの要素が必要です。

・向き合い方
・聴き方
・伝え方

これらの要素があると、相手を尊重しながら、自分の気持ちや意見を率直に伝えることを目的としたコミュニケーションを行えるようになります。
それぞれについて具体的に説明します。

向き合い方

アサーティブコミュニケーションを学ぶために、まず相手との向き合い方から考えます。コミュニケーションをする相手に対して、どのように向き合っているのかは無意識の中で言動に現れるためです。

どんなに丁寧な口調で伝えても、心の中で相手を見下していたり、不信感を持っていると、その思いはコミュニケーションを通して相手に伝わります。

例えば、相手を見下していると、言葉は意識して丁寧な言葉遣いかもしれませんが、少し口調が強く、威圧感が強くなっている場合があります。

特に対面でのコミュニケーションは言葉だけではなく、その時の表情や口調、目や体の動きも合わせて伝わります。そのため、相手にどのように向き合い方を意識することがアサーティブコミュニケーションを行うためには大切です。

相手を尊重しながら、自分の気持ちや意見を率直に伝えるアサーティブコミュニケーションを行うためには、次の4つのことが重要です。

誠実

誠実さは、正直さや真実を伝えることを意味します。自分の考えや感情を誠実に伝えることで、相手も誠実に対応しようとする意識が生まれ、信頼関係を築けます。

素直

率直さは、直接的で明確なコミュニケーションを行うことを意味します。自分の意見や要求を遠回しせずにはっきりと伝えることで、誤解や混乱を避け、相手に伝わる言葉になります。

対等

対等さは、相手と自分を対等な立場として扱うことを意味します。会社という組織の中では、役職や立場という枠という中で上下が存在している部分もあります。しかし本来、人として上下関係は存在しません。他者の尊厳や権利を尊重し、互いに尊重しあう姿勢が重要です。

自己責任

自己責任は、自分自身の行動や結果に対して責任を持つことを意味します。自分の意見や行動について責任を持ち、自分の選択に対する結果にも責任を持ちます。

この4つのことを意識することで、アサーティブコミュニケーションの大前提となる相手と向き合える準備を行えます。

相手を尊重しながら自分の気持ちや意見を率直に伝えられるようになるためにまず必要なのは、スキルではなく、自分の心の状態を整えることなのです。

聴き方

アサーティブコミュニケーションにおいて、聴くことも不可欠です。相手の話について言葉で話される上辺の部分だけではなく、相手の感情や心の状態も一旦受け入れられるようにするためです。

人は自分の感情とは異なることを言葉で伝えてしまうことがあります。
例えば仕事の中でよく聞く「大丈夫です」という言葉も、文字通りの意味で使われないことが多いです。言葉通りに受け取れば「大丈夫」なはずですが、この言葉をいうときに自信を感じられなかったり、適当に言っているなと感じたことがある人も多いと思います。
心の中では「これ以上仕事が増えると遅くまで残業しないといけなくなっちゃうよ…。本当や受けたくないけど、どうせ自分がやらないといけないんだろうな…。はぁ…。」と思いながら「大丈夫です」という言葉が発せられることもあるのです。

このように相手の話を聴くときは、言葉をそのまま受け取るだけでなく、相手の感情や心の状態にも興味を持って聴く必要があります。

言葉だけではなく心の声も聴けるようにするために、アーティエンスの関係性構築力研修では、次のようなことをポイントとして伝えています。

このようなことを意識することで、心にも意識を向けて聴くということを実践しやすくなります。

なお、自分が正しく理解するために、もう少し情報が必要だというときは、次のようなクッション言葉を使うことで、相手のことをより理解しやすくなります。

相手を尊重して話を聴くために、相手への興味を持って、言葉だけではなく心の声にも意識を向ける聴き方が必要です

伝え方

伝え方を知ることもアサーティブコミュニケーションに必要です。適切な伝え方を知ることで、相手が自分の意図や感情を理解しやすくするためです。

どのように伝えるかで印象は大きく左右されます。

例えば、部下に依頼している仕事の状況がわからないときに「〇〇さん、Aのプロジェクトについて状況どうなってる?ちゃんと報告してくれないとわからないんだけど。」とイライラして伝えると、部下は言いたいことがあっても「すみません」としか言えない状況にしてしまいます。これでは対等に話せていません。一方的に怒りを伝えている状態になってしまっていて、本質的な解決が何もなされていません。

上司が望んでいることは、部下が定期的に仕事の状況を報告してほしいということです。この事実を相手の状況を伺いながら適切に相手に伝えて、一緒に対処法を考えられるようにすることが必要です。

そのためには、アサーティブコミュニケーションをトレーニングするためにアメリカの心理学者ゴードン・バウアーらによって提唱された「DESC法」が有効です。DESC法とは、4段階に分けて自分の意見を主張する方法を指します。DESCは、「Describe」「Express」「Suggest」「Choose」の頭文字です。

【DESC法】

(1)描写(Describe)
客観的な事実のみを具体的に描写します。自分自身の感情、相手に対する評価、推測などは交えず、起きている事実のみを伝えます。

(2)表現(Explain)
「描写」で述べた客観的事実に対して、自分の感情を素直な言葉で伝えます。その際、感情的・攻撃的な言葉遣いは控え、相手の気持ちを思いやり、誠実さと率直さを心がけながら意見を述べることがポイントです。

(3)提案(Specify)
問題の解決策や自分が求めている事を具体的に提案します。命令するのではなく、相手の同意を得られるよう、あくまでも提案・依頼という形を取るようにします。

(4)選択(Choose)
提案を受け入れてくれた場合と、そうでない場合に合わせてその後自分が取るべき行動を示します。相手の意見を受けてお互いの最適解を考えたり、再度提案する気合いをもらうなど、柔軟に対応することが大切です。

先ほどの例をDESC法に当てはめると、次のような会話が生まれるようになります。

「〇〇さん、前回からAプロジェクトの件について現状報告をもらっていなくて(描写)、期限内に問題なく終わるのかが不安になっているんだ(表現)。これから少し時間をもらって現場について教えてもらうことってできる?(提案)」

「はい、大丈夫です」

「ありがとう。(選択)間違ってたら言ってほしいんだけど、もしかしたら〇〇さんは完成してからじゃないと報告できないって思ってる?」

「あぁ、そうですね。途中の段階だと先輩は何を確認すればいいのかわからないかと思って…」

「そっか。そうだったんだね。私は期限までに問題なく終わるのかについて心配しているから、進捗状況を教えてもらいたいと思っているんだよね。もし方向性がズレていたら早い段階で気づけるし、私の今までの経験から伝えられることがあるかもしれないし。だからこれからはどの仕事においても、月・水・金に15分くらい報告する時間を設けてほしいと思っているんだけど、どうかな?」

「そうだったんですね。報告についても、わかりました。」(表情は暗く、先輩ではなく下を剥きながら話している様子)

「もし気になることがあれば素直に言ってもらえると、お互いこれからやりやすくなるかもしれないから、もしあったら言ってくれたら嬉しんだけど、何かある?」…続く

このように適切な伝え方を用いることで、誤解や衝突を避け、本質的な解決を導けるようになります

アサーティブコミュニケーション研修で「相手との向き合い方」「聴き方」「伝え方」を学び、相手を尊重しながら自分の気持ちや意見を率直に伝えられるようになりましょう。

2)アサーティブコミュニケーションで解決できること

アサーティブコミュニケーション研修によってアサーティブコミュニケーションが身につくと組織の風通しが良くなります。具体的には次のようなことが解決されるためです。

ストレス軽減

アサーティブコミュニケーションを行えるようになるとストレスが軽減されます。相手の気持ちや立場に配慮しつつ、自分の気持ちや要望を率直に伝えるられるようになるためです。

相手に遠慮して自分の主張を押し殺してばかりいると、ストレスが溜まりやすくなります。そしてそれが関係性や仕事の質の低下にもつながります。

関係性の向上

アサーティブコミュニケーションによって関係性も向上します。相手の言い分や批判、対立意見をいったん受けとめた上で、適切に対処できるようになるためです。

社内のコミュニケーションも活性化します。特に意見の異なる人・部署同士や、上司と部下という関係性において効果を感じやすいでしょう。

お互いの状況や考えを理解できると、お互いにとってより良い対応方法を考えられるようになり、コミュニケーションを取ればとるほど関係性が向上するようになります。

仕事の質の向上

仕事の質もアサーティブコミュニケーションによって向上します。チームワークが強化されるためです。また、自分の意見や、やりたいことを我慢せずに伝えることで、主体的に仕事に関わりやすくなります

要望や考えが明確になることで、問題の本質に焦点を当て、解決策を見つけ出せます。

このようにアサーティブコミュニケーションを行えるようになると、関係性や成果の向上も期待できます

【参考】関係の質と仕事の質の関係性について
関係の質が高まれば、思考の質が高まり、行動の質が高まり、結果の質が高まる、そしてさらに関係の質が高まという好循環が生まれます。この考えは成功循環モデルと言って、MIT組織学習センター共同創始者ダニエル・キム氏が提唱した考え方です。

3)アサーティブコミュニケーション研修におすすめな受講者

アサーティブコミュニケーション研修は、どの階層の方にもおすすめです。日本人は文化的に自分の意見を伝えることが苦手ですし、相手を理解しようと意識して話を聴けている人も少ないためです。
離職の主な理由が人間関係であることからも言えると思います。

特に組織内に次のような人が多くいると感じる場合は、アサーティブコミュニケーション研修の受講を検討することをおすすめします。

仕事を断れず、一人で多くの仕事を抱え込んでしまう人

仕事を断れず一人で多くの仕事を抱え込んでしまう人は、自分の意見や状況を周囲に伝えられず、相手の意見を受け入れることしかできません
その状態が続くと、業務や悩みを抱え込んでしまい、ストレスから精神的に追いつめられてしまうケースもあります。

アサーティブコミュニケーションを身に付ければ、他人から言われたことをただ受ける状態から、自身の意見や考え、気持ちを率直に伝えられるようになります。このように自ら、自身の状態や仕事を調整できるようになると、フォローの負担が減り、周囲のメンバーも働きやすくなります。

会議中は何も発言しないのに、会議後に文句を言う人

会議中は何も発言しないのに会議後に文句を言う人は、自分の意見に自信を持てていなかったり、言っても無駄だと感じてしまっています
その状態が続くと、チーム力が低下し、仕事の質も下がります。

アサーティブコミュニケーションを身につけることで、自分の意見が受け入れなくてもそのことに対して責任を負えるようになります。また、相手が興味を持ってもらうように伝えてみようと自分ができることから改善していこうという姿勢も見えるようになります。
すると、チームとして関係性も仕事の質も高まります。

自己主張が激しく、周りから反感を買いやすい人

自己主張が激しく周りから反感を買いやすい人は、相手のことを考えた伝え方ができていません。この状態では、関係性を築けず、孤立してしまう可能性があります。

相手を尊重した上で自分の意見を伝えるアサーティブコミュニケーションを身につけることで、関係性の悪化を防げるようになります。周囲のストレスが軽減し、関係性が向上することで、仕事の質も自然と高まっていきます。

相手のことを理解しようとせず、自分の価値観で評価・判断する人

相手のことを理解しようとせず、自分の価値観で評価・判断する人は、自分の固定概念が強すぎたり、相手にも自分と同じ価値観を押し付けています
そのような人がいると、受け手は自分を否定されているように感じ、関わりたくないと感じるようになります。

このような人がアサーティブコミュニケーションを身に付けることで、相手と自分は違う存在で大切にしている価値観や考え方も違うということを理解できます。そのため、自分の価値観を押し付けようとせず、相手のことを理解しようという言動が見え始めるようになります。

部下に対してどのように伝えたらいいのかがわからず育成に悩んでいる人

部下に対してどのように伝えたらいいのかがわからず育成に悩んでいる人は、自分の言動によって部下のモチベーションを下げてしまったり、ハラスメントとして訴えられるのが怖いと感じていることが多いです。しかしそのために適切な指導がなされないと、部下は成長できず、組織としての成長も抑制されてしまいます。

そこで必要になるのがアサーティブコミュニケーションです。部下を見下すことなく誠実に向き合う姿勢を持ち、部下の声を聴きながら、DESC法を用いて伝えると、部下は納得して指導を受け入れられます。

ここで挙げた例は一部ですが、このような人たちはアサーティブコミュニケーションを身につけることで、変わることを期待できます。

自組織の課題についてもアサーティブコミュニケーション研修で解決できるのか知りたい場合は、ぜひアーティエンスにご相談ください。貴社の状況を伺いながら貴社に適切な研修についてアドバイスいたします。

4)まとめ〜アーティエンスではアサーティブコミュニケーションに関する研修をご用意!〜

本コラムではアサーティブコミュニケーションを身につけるための研修についてお伝えしました。


アサーティブコミュニケーションを身につけるためには、「相手との向き合い方」「聴き方」
「伝え方」という3つの要素が必要です。
これらの要素があると、相手を尊重しながら、自分の気持ちや意見を率直に伝えることを目的としたコミュニケーションを行えるようになります。

アサーティブコミュニケーションで解決できることは次の3つです。
・ストレス軽減
・関係性の向上
・仕事の質の向上

アサーティブコミュニケーション研修によってアサーティブコミュニケーションが身につくと組織の風通しが良くなります。

研修のプロとしてアサーティブコミュニケーション研修の受講をお勧めする組織は次のような方が多くいる組織です。



・仕事を断れず、一人で多くの仕事を抱え込んでしまう人
・会議中は何も発言しないのに、会議後に文句を言う人
・自己主張が激しく、周りから反感を買いやすい人
・相手のことを理解しようとせず、自分の価値観で評価・判断する人
・部下に対してどのように伝えたらいいのかがわからず育成に悩んでいる人

ここで挙げた例は一部ですが、このような人たちはアサーティブコミュニケーションを身につけることで、変わることを期待できます。

自組織の課題についてもアサーティブコミュニケーション研修で解決できるのか知りたい場合は、ぜひアーティエンスにご相談ください。貴社の状況を伺いながら貴社に適切な研修についてアドバイスいたします。



また、当社の関係性構築力研修ではアサーティブコミュニケーションを扱い、自己理解と他者理解を通じた、円滑なコミュニケーション方法の習得を目指した研修も用意しています。こちらの詳細について知りたい方もお気軽にお問い合わせください

アサーティブコミュニケーションによって、関係性と仕事の質の高められるようにしましょう。

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