心理的安全を高める│職場で信頼関係を築くために必要な「8つのこと」

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「職場に信頼関係がなく、なんかトラブルがあったら責任を誰かに押し付け合うのが嫌だ…」
「職場で後輩が本音で話してくれていない気がする…」
「意見を言ってって言われるけど、どんな反応が帰ってくるかわからない怖さで言えない…」

このようなお悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

仕事はチームで協力しながら行うことが多く、その際に欠かせないのが職場での信頼関係です。

信頼関係があると、それぞれが自分らしく仕事をすることができ、仕事のパフォーマンスも高くなりやすいです。

しかし多くの組織では、信頼関係を築くことをおざなりにしているように感じます。

そこで、本コラムでは、職場での信頼関係がある状態を知り、信頼関係を築くために必要な8つのことを紹介します。今悩んでいることが信頼関係を築くことで解決できるものもあるでしょう。

信頼関係は自分と相手によって成り立つものですが、相手を変えることはできません。このコラムを読んで、まずは自分ができることから始めましょう。
信頼関係はすぐに築けるものではないですが、自分が変わることで徐々に関係性が変化していきます。

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    監修者プロフィール

    近藤 ゆみ

    アーティエンス(株)にて、研修講師、組織開発・人材育成のコンサルタント、コラムの監修・執筆などに従事。前職の大手人材紹介会社では、転職希望者のキャリアカウンセリングから転職サポートまでを一貫して担当。
    youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル

    1)職場に信頼関係がある状態とは

    職場に信頼関係がある状態とは、次の5つがある状態です。

    ・困ったときに助け合える
    ・建設的な議論ができる
    ・仕事を任せられる
    ・人間関係でのストレスが軽減される
    ・協働できる

    これらの状態が作れると、信頼関係がつくられ安心感を感じることができます。
    これらの状態について具体的に説明します。

    困ったときに助け合える

    職場に信頼関係があると、困った時に助け合えます。メンバー同士が信頼し合っていると、問題や課題に直面した際に素直に助けを求められるためです。

    例えば、自分の仕事量が多く、スケジュール通りに進められない可能性が出てきた場合を考えてみます。この時に信頼関係があれば、そのことを素直に上司やメンバーに共有して適切な解決方法を考えようとします。
    しかし、信頼関係がないと「できない人だと思われたらどうしよう…」「怒られるの嫌だな…」などと不安の方が大きくなり、素直に助けを求めるのが難しいです。そのため、自分が長時間残業したり、質を落としてでもなんとかやろうとしたり、スケジュールに間に合わない、というような結果となります。

    このように信頼関係があると困った時に助け合える状況が生まれ、これが安心感をもたらします。

    建設的な議論ができる

    職場に信頼関係があると、建設的な議論をできます。メンバーがお互いを尊重し、信頼していると、異なる意見やアイディアを提案しやすくなるためです。

    例えば、クライアントへの提案内容についての議論をしているとします。その際に信頼関係があれば、自分の意見を素直に伝えることができます。クライアントのことを自分なりに考えた上の意見であれば、それを伝えることに躊躇することはありません。もし、自分の意見が通らなくても、素直に受け止めることができます。
    しかし、信頼関係がないと、「自分の意見を言っても意味ないよな…」「自分の意見を否定されたら嫌だし言わないでおこう…」などと意見を伝えることも難しくなります。そのため、議論した結果についての納得感も弱く、仕事の質が下がっていきます。

    このように信頼関係があると、メンバーそれぞれの意見やアイディアによって建設的な議論を行うことができ、仕事へのやりがいを感じながら働ける状態になります

    仕事を任せられる

    職場に信頼関係があると、安心して仕事を任せられます。相手の期待に答えたいという責任感を持って仕事に取り組み合うためです。また、仕事を受ける側も何かあったら相談したり協力してもらえると思っているため、仕事を任せてもらうことに対して不安が大きすぎることがありません。

    例えば、「会議の資料を明日までに作成してほしい」と仕事を任せる時に、相手に対して会議の資料の作成は今まで問題なくできていたし、納期もちゃんと守る人だと思えていると、安心して仕事を任せることができます。
    一方、信頼関係がないと、「作ってほしい資料のイメージを渡したけど、ちゃんと理解しているかな」「納期が守られなかったらどうしよう。3日後くらいに念の為状況確認した方がいいかな」などと不安要素が多く生まれ、仕事を任せ切ることができない状況になります。

    このように信頼関係が築けていると、安心して仕事を任せることができます

    人間関係でのストレスが軽減される

    職場に信頼関係があると、人間関係でのストレスが軽減され、安心感を持って仕事をできます。コミュニケーションが円滑に行われ、誤解や意図しない衝突が減少するためです。また、信頼関係があると、メンバーは適切にサポートし合うため一人でストレスを抱え込みすぎることもなくなります。

    人間関係のストレスでよくあるのは、他の人の考えと自分の考えが異なった時に衝突が起きてどちらかが折れることになり、そのことに対してもやもやを感じるという状況です。この状況の時に信頼関係があると、考えの背景を確認しお互いの考えを理解しようとします。そして、それぞれの考えを統合してより良い考えにしていけます。

    このようにメンバーがお互いに尊重し、相手の考えを理解しようとし合うことで人間関係でのストレスが軽減され、安心感が生まれます

    協働できる

    職場に信頼関係があると、協働するようになります。お互いの特性を理解し、それぞれ異なる特性を最大限に活かすことができると、仕事の質が高まることを理解しているためです。

    例えば、クライアントへのプレゼンを行う際に、信頼関係が築けていると、資料作りが得意な人、話すのが得意な人、細かいところのサポートに気が付く人などとそれぞれの特性を活かして協働することで、一人で行う以上のアウトプットを出すことができます。
    一方、信頼関係がないと、自分でやった方が早いという考えになり、できる限り一人で作業をしようとします。もちろんそれでうまくいく場合もありますが、自分以上のアウトプットの質になることはありません。

    このようにお互いの特性を理解してそれを認め合えていると、自然と協働し、それぞれ自分がこのチームにいる意味を感じながら仕事をできるようになります

    職場に信頼関係があるとこのような状態になり、安心感を持って仕事をすることができます。その結果、自分が持つ最大限の力を仕事に出すことができるため仕事の質も高まります。

    【参考】心理的安全性の重要性について
    心理的安全性とは、メンバー同士が自然体で恐れることなく意見を伝えあい、より良くするための意識・行動ができる状態のことです。メンバー同士がただ仲が良い状態ではなく、挑戦や学習が行われる状態(Leaning Zone)になっていることが心理的安全性がある状態だと言えます。

    アーティエンスでは、チームの挑戦と学習、そしてパフォーマンスの向上へとつなげるための心理的安全性向上研修を実施しています。ご興味のある方はお気軽に資料請求無料相談をご利用ください。

    2)職場で信頼関係の築くために必要な8つのこと

    職場で信頼関係を築くために必要なこととして以下のことがあげられます。

    ・約束・納期を守る
    ・自身に非がある時は素直に謝る
    ・他者を非難しない
    ・積極的にサポートする
    ・時には周囲を頼る
    ・自己開示をする
    ・周囲のメンバーに関心を持つ
    ・感謝を伝える

    順番に説明します。

    約束・納期を守る

    約束・納期を守ることで信頼関係を築くことができます。約束を守られないと、自分をおざなりにされていると感じてしまうためです。

    よくあるのが元々部下との予定が入っていたところに、クライアントとの予定を入れてしまい、部下に日程の再調整をしてもらう、ということです。もちろんどうしても仕方がないこともありますが、このようなことが続くと、自分を後回しにされていると感じ、信頼関係から遠ざかってしまいます。

    また、約束までとはいかなくても発言したことと行動が食い違っていると、信頼が揺らぎ、信頼関係が損なわれます。

    仕事で関わり方で、「クライアント>社内の人」という公式を持っている人が多いですが、同じ人同士です。人として対等に接し約束を守ることで信頼関係を築きましょう

    自身に非がある時は素直に謝る

    信頼関係を築く上で、自分に火がある時は素直に謝ることも一つのポイントです。ミスに対して謝ることをせずに言い訳をされると信頼できなくなってしまいます。これは、立場に関係しません。

    例えば、上司が打ち合わせの時間を間違えていて部下を待たせてしまったという時や、すべきことを失念していて部下が予定通りに仕事に取り組めなくなった時などは、素直に上司が部下に謝罪をする必要があります。恥ずかしい思いはあると思いますが、言い訳をするのではなく謝ることが必要です。
    ちゃんと謝罪をすると、場合によっては「上司でもミスすることあるんだ」と部下が親近感を覚えたりもします。

    人はいつになっても失敗やミスをします。その時に、素直に謝ることができるか否かが信頼関係につながります

    他者を非難しない

    信頼関係を築くためには、他者を非難しないようにしましょう。他者に対する愚痴などを話しているということを知ると、自分も裏では悪く言われているのではないかと不信感に繋がります
    誰かに悪く思われないように、という意識が働くと、自身の意見をオープンに伝えることも難しくなります。

    会社で家族についての愚痴を話している方がいますが、このような話も周囲に人がいるような場では控えた方が良いです。当人がいない状況で悪く言われている可能性を他のメンバーに考えさせてしまうためです。

    お互い正直でオープンなコミュニケーションをとれるようにするためにも、悪口と捉えられてしまうような発言は避けるようにしましょう

    積極的にサポートする

    積極的にサポートすることで信頼関係が築かれます。サポートしてもらえることへの感謝から良い関係性が生まれ協力関係を強化できるためです。

    例えばコピー機の使い方がわからずに困っている人がいたときに助けることもサポートの一つです。他にも、会議で発言したそうだけどできていない人に話を振るのもサポートとなります。

    自分の利益だけでなく、職場のメンバーとして職場の関係性や状態を良くするために動く意識が必要です。サポートの内容自体は小さいことでも、これらのことを積み重ねていくことでお互いを想い合う力が強くなり信頼関係の構築につながります

    時には周囲を頼る

    信頼関係を築くために、時には周囲の人を頼ることも一つの方法です。頼りにしてもらっていることに対して嬉しさや誇らしさ、信頼してもらえている感覚を得るためです。

    頼るのは同僚や上司だけでなく部下にも積極的に頼りましょう。部下に頼る部分は小さくても大丈夫です。例えば、「営業資料のこの文章、どっちの方がお客さんに伝わると思う?」と2択を選んでもらうことも頼ることになります。

    周囲のメンバーを頼ることは、問題や課題を共有し、協力して解決策を見つけるための土台となり、オープンで率直なコミュニケーションを促します

    自己開示をする

    自己開示をすることも職場で信頼関係を築くために必要なことです。人柄を知ることで信頼度が増すためです。具体的には、今までの経験や弱み、自身の考えや背景、感情などを開示することで、今までほかの人からは見えていなかった部分が見えてきやすくなります。

    例えば、上司が営業の仕方について自身の苦労した経験をもとに伝えることで、話している内容に対する納得度が高まり、また、上司の人柄の理解につながります。人柄を知れると、その人なりの仕事のスタイルも見えてきやすく、スムーズなコミュニケーションがやりやすくなります。

    ただ、自己開示の度合いが多すぎると自分の話ばかりする人だと思われてしまうため、適切な量にすることは必要です。
    自己開示をしていくことで自分に対して理解が深まり、コミュニケーションのしやすさや関わり方に変化が見えてきます

    周囲のメンバーに関心を持つ

    信頼関係を築くためには、周囲のメンバーに関心を持つことも必要です。相手を知ることで発言の意図を理解しやすくなったり、相手がなりたい姿になるための支援をしやすくなるためです。

    例えば、相手の得意なことを理解していたら、その得意を活かせる仕事を依頼することでたくさんの感謝が生まれます。まず、依頼した人は自分にはできないことをしてもらうことへの感謝が生まれます。そして依頼された人は、自分の得意を活かせることに感謝が生まれます。その結果生まれた良い質のアウトプットによってクライアントや組織からも感謝してもらえる状態が生まれます。

    このように周囲のメンバーに関心を持って理解を深めることで、お互いの特性を活かし合いながら良いチームとなっていくことができます

    感謝を伝える

    信頼関係を築くために、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。感謝してもらうことで、役に立てたという嬉しさや、自分がいる意味を実感できるためです。

    ただ、もちろん嘘を伝えてもその想いは伝わりません。そのため、どんな些細なことでも心から感謝していることを見つける意識が必要です。

    例えば、ゴミを片してくれて助かったとか、打ち合わせの時間をリマインドしてくれて助かったとか、議事録がわかりやすくて助かったなど細かいことで大丈夫です。

    感謝の気持ちを伝えるためには、普段から周囲の人のことをよく見ていないと難しいです。日頃からの様子を見て、感謝を伝えられることを探しておきましょう

    今回紹介したようなポイントを意識して、職場で信頼関係を築いていきましょう。そうすることで、自分も仕事をやりやすくなりますし、チーム・組織全体のパフォーマンスも高まっていきます。

    3)まとめ〜アーティエンスでは研修を通して職場の信頼関係向上をサポートします〜

    本コラムでは、職場での信頼関係がある状態を知り、信頼関係を築くためにおすすめの方法を紹介しました。
職場に信頼関係がある状態とは、次の5つがある状態です。

    ・困ったときに助け合える
    ・建設的な議論ができる
    ・仕事を任せられる
    ・人間関係でのストレスが軽減される
    ・協働できる

    これらの状態が作れると、信頼関係がつくられ安心感を感じることができます。

    職場で信頼関係を築くために必要なこととしては以下のことが挙げられます。

    ・約束・納期を守る
    ・自身に非がある時は素直に謝る
    ・他者を非難しない
    ・積極的にサポートする
    ・時には周囲を頼る
    ・自己開示をする
    ・周囲のメンバーに関心を持つ
    ・感謝を伝える

    今回紹介したようなポイントを意識して、職場で信頼関係を築いていきましょう。そうすることで、自分も仕事をやりやすくなりますし、チーム・組織全体のパフォーマンスも高まっていきます。

    なお、アーティエンスでは研修を通して職場の信頼関係向上をサポートしています。

    【職場の信頼関係向上につながるお勧め研修】
    関係性構築力研修
    自己理解と他者理解を通じた、円滑なコミュニケーション方法の習得を目指します。

    メンバー向けチームビルディング研修
    チームの一員としての当事者意識醸成と、チーム力を高める仕組み創りの習得を目指します。

    困難を乗り越えるリーダーシップ開発コース
    “チーム創り”に絞ったスキル提供で、管理職とチームの変容を促します。

    研修についての詳細をお送りすることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

    信頼関係は自分と相手によって成り立つものですが、相手を変えることはできません。このコラムを読んで、まずは自分ができることから始めましょう。信頼関係はすぐに築けるものではないですが、自分が変わることで徐々に関係性が変化していきます。

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