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[ コラム ]
新入社員が抱えやすいコミュニケーションの5つの悩みを徹底解説
- 新入社員が上司へ報連相をしない…新入社員が同僚に声を掛けに行かない…新入社員とクライアントとのコミュニケーションを見て不安になる…新入社員のコミュニケーションついて、このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?リクルートマネ
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更新日: ー
作成日:2023.6.14
本内容は、2023年6月7日に開催された「関係性構築力研修」の公開講座研修レポートです。
(参加受講者 : 新入社員・若手社員、参加企業数:4社、参加人数:24名、6グループ、対面型1クラス)
目次
本研修は「自身の在り方を見つめ、関係者とのコミュニケーションをより円滑にする方法を学ぶ」ことを目的に実施しました。より詳しい研修内容は、関係性構築力研修をご覧ください。
研修開始時、受講生からは下記のようなコメントがあがっていました。
研修終了時の受講生の発言や終了後のアンケートでは、下記コメントがありました。
・お互いの価値観を受け入れ合うことが、関係性構築で大切だと考えた。また受け入れようと思う意思だけではなく、相手に伝わるように行動していくことが必要
・自分が感じていることと、上司が感じていることには違いがあるかもしれないと気付いた。すぐに決めつけないようにしたい
・良い悪い・好き嫌いなど、判断を早まることで間違った関係性構築に繋がってしまう。判断を一度置いておく判断保留を大切にしていきたい
・判断保留という概念を学べた。私は、白黒や、0か100というところがあってすぐに判断をしてしまうが、そういった弱みを補うためにも、判断保留を大切にしたい
・先輩を恐れずにコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。先輩にうざがられるくらいコミュニケーションを取りたい
「周囲と素晴らしい関係性を構築していくためには」をテーマにワールド・カフェで対話を実施しました。
※ワールド・カフェとは:『カフェ』のようなリラックスした雰囲気の中で、 少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行い、他のテーブルとメンバーをシャッフルして 対話を続けることにより、参加した全員の意見や知識を集めることができる対話手法の一つ です。
引用:ワールド・カフェの手引き
対話開始時は、「上司とは対等な立場であるべきだ」や、「まずは上司の言うことを聞いたほうがいい」などといった意見が出ていました。
いろいろな意見に耳を傾け、対話を深めていく中で、最終的には「自己開示をして、自分から歩み寄ったほうがいい」や「相手に一方的に期待するだけでなく、期待していることをまずは自分から行っていくことが大切だと気付いた」などの発言が出てきていました。
周囲と良好な関係性を築いていくためには、まずは自分自身が大切にしている価値観を理解することが第一歩になるとし、自己理解を促すワークシートを作成しました。
その上で、それら価値観によって周囲にポジティブな影響を与えた経験とネガティブな影響を与えた経験をフラットに振り返り、グループで対話をおこなっていきました。
全体共有では、「学生時代は強みになると思った価値観も、社会人だとそうではないかもしれない」「人によって大切にしている価値観は本当に多種多様だと感じた」などのコメントがありました。
次に、「同じ出来事であっても、自分と相手では捉え方が異なる・見えている世界が異なる」ことがあると、講義を通して理解していただきました。
その上で、これまでの業務において新入社員自身がネガティブに感じた一場面を丁寧に振り返り、その時の自分、上司・トレーナーはどのように捉えていたのか、を見つめていきました。
⇑研修テキストの一部。氷山モデルを用いて、「一つの出来事に対しても人によって認知が異なる」ことに気付き、自身の認知を広げていく体験をしていきました。
周囲と良好な関係性を構築していくために、「判断保留」という概念についてワークを通して学びました。判断保留を行うことで、相手への興味・関心の質や傾聴の質が高まります。
※ 判断保留:「良い悪い・好き嫌いなどの判断を保留して、ありのままに受け止めて、観ること」と研修内では定義しています。
ワークでは、「判断保留ができているかどうかわからない」というコメントも出ており、難しさがあったようです。しかし、判断保留に取り組むことで、「上司は実はこういう風に感じているのかもしれない」「自分が勝手に決めつけていただけかもしれない」などのコメントもありました。
ペアワークでストロークを体感していきました。相手に興味・関心を持ってコミュニケーションをとっていくための具体的手法についてお伝えしました。
ここまでのワークを踏まえて、自身が現場で抱えている課題や悩みに対して、OST(※)という手法を通して、対話をさらに深めていきました。
※今回のOSTは、簡易版であり、本来のベーシックなやり方ではありません。
OST:ハリソン・オーエン(Harrison Owen)氏が1985年に提唱。数人から数百人全員が一堂に会して話し合い、人々のコミットメントを引き出し、主体的な話し合いを通して垣根を超えた問題解決への取り組みを促すファシリテーションのプロセスです。
最終的には、7グループに分かれて、下記のようなアウトプットが出てきました。
それぞれにグループに、講師から問いを投げて、さらに探求を促すように伝えていきました。
講師から問いかけは、下記のとおりです。
・共通点探しの時間が取れない場合はどうしたらいいのか?
・周囲との共創・協働がポイントになりそうだが、どのように取り組む?
・この行動指針を継続していくと、皆さん自身の価値観にはどのような変化があるのだろう?
講師から問いかけは、下記のとおりです。
・(行動指針のみを見ると)皆さんからの一方的な行動が多いのでは?
・上司への興味・関心はどうか?
講師から問いかけは、下記のとおりです。
・色々と出していますが、全部実施できますか?自信を持つためには何から始めたらよい?
・本当に相手に伝わっていないのだろうか?認知をどのように捉えていくか?
講師から問いかけは、下記のとおりです。
・この行動指針を継続し、フィードバックを受け止めていくことで、自分自身にどのような変化がおきそうか?
・短期的視点と中長期的視点で考えるとどうか?
講師から問いかけは、下記のとおりです。
・そもそも「ありのままの自分」でないといけないのだろうか?(「分人」という考え方を調べてみるとよいかもしれません。)
・変化が見えるにはタイムラグがありそうだが、そのあたりはどう考える?
講師から問いかけは、下記のとおりです。
・それぞれ、どこを歩み寄るのか?具体的に考えられるとよいかもしれません。
・自分自身のことを大切に思っていらっしゃいますが、相手のことはどれくらい大切に思えているのか?同じくらい思えているのか?
講師から問いかけは、下記のとおりです。
・判断保留をするための具体的な対策は?
・「めげない」が精神論になっていますが、具体的な行動や習慣に落とし込むには?
既に配属されている新入社員、配属前の新入社員の方で、関係性構築の受け止め方が異なった部分がありました。既に配属されている方は、報連相や上司・トレーナーからのフィードバックで悩んでいる場面が見られ、配属前の新入社員はまだ人事の方から手厚いフォローを受けているようで、関係性構築への感度が低い場面も見受けられました。
ただし、ワークを進めていくうちに、配属前の新入社員の方も、多くの気付き・発見があり、「今のままの捉え方ではよくない。配属前に、判断保留など知れてよかった」などのコメントもありました。
コロナ禍を経て、働く人の価値観や働き方も多様化しました。「職場の人と良好な関係性を築かなくても仕事はできる」と考える方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、そういった働き方も選択肢のひとつであると思います。
しかし、新入社員時代は、周囲からのフィードバックや何気ないコミュニケーションを通して、さまざまなことを教えてらもらい、自らで気付き、時にはネガティブな感情を抱きながらも、成長していく期間だと考えます。
新入社員時代の周囲との関係性の中での学びは、ビジネスパーソンとして活躍していくためには貴重な糧になります。
今回の関係性構築力研修で学んだことを活かしながら、現場で様々な経験を積んでいただきたいと思います。
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本研修の内容及び23年度新入社員研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。