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2023年4月7日 ビジネススキル研修ー公開講座研修レポート
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「厳しい新入社員研修」のリスクと変化を実現する3ステップ
更新日:
「新入社員が全然主体性を発揮しない…。厳しい研修で引き締めるべき?」
このようなお悩みを抱える人事担当者の方が多いのではないでしょうか。
新入社員が指示待ちの姿勢を見せ、積極性に欠ける場合、厳しい研修で引き締めるべきだと考考える方もいるかもしれません。
しかし、最近の新入社員に「厳しい研修」を実施しても、会社への信頼感やモチベーションが低下し、離職のリスクすら高まる恐れがあります。
本コラムでは、厳しい新入社員研修研修が本当に必要かどうかを見直し、社員の成長を促す研修の設計方法をご紹介します。
本コラムを参考に「厳しい研修」の必要性を見直しを進め、望む変化を実現できる研修を実施しましょう。
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目次
1)おすすめできない、厳しい新入社員研修とは
おすすめできない厳しい新入社員研修とは、「高圧的・一方的・理不尽・宗教的要素の強い研修」のことです。
おすすめできない厳しい新入社員研修には、具体的に以下のような研修があります。
※ 本事例は、アーティエンスが実施している研修ではありません。
経済成長が本格化した1960~1970年代に、根性重視、会社への忠誠心を養うことを目的に行われていました。国民は「一億総中流」に向かい、企業はがむしゃらに働く人を育成方針としていきます。この頃、「深夜の行軍」や「富士登山」「滝行」といった研修ありました。頑張れば頑張るほど成果が出た時代に、機能した研修でした。
【例②:大きな声での声だしや名刺集めを行う研修】
バブルがはじけた 1990年代に、即戦力化を目的に行われていました。
「予算は無い。ただし即戦力になってほしい。」という状況で、すぐに成果に直結する研修内容が企画されました。
例えば、「駅前での名刺交換100枚」、実践研修としての「飛び込み営業」などです。
【例③:絶対できない課題を行う研修】
IT革命が起きた2000年前後に、指示命令を愚直に行う人材育成のために、理不尽な厳しさに耐えることを目的に行われていました。例えば、会社のビジョン・ミッションを自分の限界まで、大きな声で暗記させます。自分では大きな声を出しているつもりでも、限界まで大きな声ではないと判断されると怒鳴りつけられます。課題への定量的な評価は無く、できないことに対し理不尽に詰めることで、精神論を鍛える研修でした。
【例④:社会人・仕事への目線を、強引に上げる研修】
「ゆとり教育」世代が新入社員になる2000年中盤に、社会人・仕事への目線を強引に上げることを目的に行われました。今でもこの方法は多くの研修会社で見られます。
例えば、個人・グループワークで、納期に間に合わない量の課題を課したり、10年戦士でも難しい難易度のワークを行わせました。納期に遅れる、ワークの成果物のレベルが講師の期待に添わないと、厳しいフィードバックを受けます。
これらの研修は「新入社員に社会人の自覚を強く持たせて、できるだけ早い成長を期待」するために実施されていました。
しかし、現在の新入社員には、高圧的・一方的・理不尽・宗教的要素の強い厳しい研修やフィードバック研修を行っても、新入社員の成長を促すことはできません。
2)最近の新入社員には、厳しい新入社員研修はNG
最近の新入社員には厳しい新入社員研修をおすすめしません。なぜなら、厳しい研修を受けても新入社員は納得感を持って受け止められず、効果がないどころか会社への不信感を生む可能性が高いためです。
社会心理学者のシャインらが行った研究によると、強制的な説得方法には以下のような問題点が指摘されています。
強制的な説得や高圧的な方法による行動変容は、一時的な効果しか得られず、内面的な価値観や態度の真の変化にはつながらない
・心理的抵抗と不信感の醸成
強制的なアプローチは、対象者に深い心理的抵抗を生み、施策の目的やその背後にある組織への不信感を助長する可能性がある
・人間関係の破壊
高圧的で理不尽な指導は、指導者と対象者の間に敵対的な関係を作り出し、長期的な信頼関係を築く妨げになる
・個人の内発的動機の損失
外部からの強制による動機付けは、対象者の内発的な成長意欲を削ぎ、主体性を損なう結果につながる場合が多い
参照:Shein, E., Schneier, I., Barker, C. H., 1961, Coercive Persuasion
このような心理的影響を考えると、高圧的・一方的・理不尽・宗教的要素の強い研修は長期的に見て意味がないことがわかります。
特に最近の新入社員は、「何のために?」という本質的な問いを大切にし、納得感がないと行動しない傾向があります。さらに、SNSでの共感や多様性を重視する時代背景を考えると、厳しい研修や集団行動の価値観には共感できないことが多いです。
実際、あるクライアントからは、厳しい研修が原因で新入社員がモチベーションを失い、立ち上がりが遅れたという事例も聞いています。講師からの暴言や理不尽な発言により、新入社員がミスを恐れる姿勢が強まりました。結果、研修内でチャレンジできず、また、疑問を解消することもできなず、消化不良に陥ったとのことでした。
その後アーティエンスにご相談いただき、研修を見直して、翌年は1年間を通して当社で新入社員研修を実施させて頂きました。次年度の新入社員はモチベーションを持った状態で仕事に取り組み、現場での成長も促進されました。
新入社員の成長を促せず、会社への不信感を生む可能のある厳しい新入社員研修ではなく、納得感を持って学び、新入社員が自ら成長したいという意欲を引き出せるような研修を実施することが重要です。
3)厳しい新入社員研修が必要と思ったときに考える3つのステップ
厳しい新入社員研修が必要だと感じたら、まずはその背景と目的を整理することが大切です。これにより、本当に厳しい研修が必要なのかを冷静に判断できます。
新入社員に望む姿に成長してもらうために厳しい研修が必要であるかは、次の3つのステップで判断しましょう。
①「なぜ厳しい研修が必要だと思ったのか?」を考える
②「どうなって欲しいか?」を考える
③「どんな研修内容が良いのか?」と手段を考える
この3つのステップを踏むことで、効果的で新入社員にとって価値のある研修を設計できるようになります。
具体的に説明します。
①「なぜ厳しい研修が必要だと思ったのか?」を考える
「なぜ厳しい研修が必要だと思ったのか?」を考えると、新入社員に対して課題に感じていることが明らかになってきます。
例えば、厳しい研修が必要だと感じた理由が、
・新入社員がお客様気分が抜けきれず、仕事に対して受け身の姿勢を取っている
・業務に対する積極性が不足しており、指示を待っているばかりで、自分から動こうとしない
といった、状況から厳しい研修が必要だと感じたなどです。
このように、「なぜ」を考えると、新入社員に対する課題が見えてきます。
②「どうなって欲しいか?」を考える
新入社員に対する課題に対して、どうなって欲しいかを考えることで、新入社員に望む姿が明らかになります。
①の例の状態から考えると
新入社員が自分から積極的に業務を進め、現場の社員と協力しながら、業務に責任を持って取り組む
が新入社員に望む姿になるかもしれません。
「どうなって欲しいか?」を考えることで、具体的に必要な研修内容が明確になり、厳しい研修をすることだけが手段ではないことに気づきます。
③「どんな研修内容が良いのか?」と手段を考える
新入社員の課題と望む姿が明確になったところで、どのような研修を行えばよいかを考えます。重要なのは「厳しさを導入すること」が目的ではなく、最終的に「望む姿に成長すること」であるという点です。
例えば、①②の状況から考えると
・業務に受け身であることのデメリットを伝える
・周囲に迷いなく報連相するために必要な型を実践的に学ぶ
・上司や先輩に自分の考えを、自信をもって提案できるスキルを学ぶ
などが必要だとわかります。
このように研修内容を明確にすることで、期待する新入社員への成長を研修を通して手助けできます。
新入社員の中には、厳しい研修を実施しないと変わらない社員も一定数いるのではないかと感じることもあるでしょう。もちろん社会人や組織の一員として仕事をすることに対する厳しさを伝えることは必要です。
しかし、高圧的・一方的・理不尽などの要素でただ厳しくすることは本質的な課題解決には繋がりません。
新入社員に本質的な変容を促したい場合は、課題と望む姿を明確にし、それに合った新入社員研修を設計することが重要です。3つのステップを踏むことで、新入社員にとって本当に価値のある研修を提供できるようになります。
4)新入社員研修で「社会人に待ち受ける厳しさ」を伝えることは重要
「厳しい研修」は最近の新入社員に合いませんが、新入社員に「社会人に待ち受ける厳しさ」を伝えることは必要です。
ここでいう「厳しさ」とは、仕事の中で直面する困難や苦労を指します。この「厳しさ」を伝えることで、困難に直面した時に冷静に受け止め、前向きに乗り越える心の準備ができます。
ただし、ただ厳しいことだけを伝えると、新入社員が不安になってしまうため、安心感や希望を感じられるように伝えることが大切です。
新入社員研修で厳しさを伝えるための具体的な方法を2つ紹介します。
ヒーローズジャーニー
ヒーローズジャーニーとは、人の内面の葛藤やその葛藤を克服するプロセスをストーリーのように伝える方法です。米国の神話学者ジョーゼフ・キャンベル氏が提唱しました。
例えば、2年目の先輩から「新入社員の時に発注ミスをして焦ったが、先輩の助けで乗り越え、その後同じミスをしなくなった」といった経験を共有してもらいます。
先輩が乗り越えた困難をストーリーとして伝えることで、新入社員が現実的に社会人の厳しさを理解でき、覚悟を持つことができます。
なお、経験を共有は、聞き手が映像を想像できるように、下記のように具体的でリアルな情報を入れ込むとより意識が変わりやすいです。
【ヒーローズジャーニーの例】
新入社員の時に発注ミスをしてしまって、50個必要なのに20個しか発注できていなかった時は、とても焦ったし、このまま消えてしまいたいと思うくらいだった。実際に納品のスケジュールが間に合わず上司と謝りに行ったり、先輩方に協力してもらって30個かき集めてきて納品した経験があった。この時はもうダメだと思ったけど、その経験をしたからこそ、発注の確認は徹底するようになって、その後同じミスをすることは無くなった。
先輩・上司との座談会を開催
先輩・上司との座談会で先輩や上司に自分の不安を質問して、実際にどう乗り越えたかを聞くことも効果的です。新入社員は、実際に経験した先輩や上司からアドバイスをもらうことで、自分の悩みや不安に対する具体的な解決策を見つけやすくなります。
例えば、新入社員が仕事におけるプレッシャーや失敗への不安を抱えている場合、先輩が「私も最初は失敗ばかりで、こんな失敗もしてしまっていたけど、その失敗を学びに活かせたから今の成長に繋がっていると思う」という体験談を共有することで、新入社員は自分も乗り越えられるという自信を持つことができます。
ヒーローズジャーニーと座談会の最適な実施時期は、新入社員が最も不安を感じやすい配属前や配属から半年後のタイミングが良いでしょう。このタイミングで、厳しさを乗り越えた先輩たちの話を聞くことで、新入社員は安心して成長できる心の準備が整います。
新入社員に対して高圧的・一方的・理不尽・宗教的要素の強い厳しい研修をするのではなく、社会人としての厳しさを伝えることで、新入社員が主体的に成長し、責任を持てるようにすることが大切です。
5)まとめ・新入社員研修はアーティエンスに相談
新入社員の大きな変化を求めて、高圧的・一方的・理不尽・宗教的要素の強い研修などの厳しい新入社員研修は、最近の新入社員にはおすすめできません。
滝行や過酷なノルマ、無理難題を課すワークなどの「厳しい研修」は、新入社員にとって納得感を得られないばかりか、会社に対する不信感を招く結果となる可能性があるためです。
厳しい新入社員研修が必要だと感じた時は、なぜ厳しい新入社員研修が必要だと思ったのかを深掘りして考えてみましょう。
次の3つのステップの順に考えます。
①「なぜ厳しい研修が必要だと思ったのか?」を考える
②「どうなって欲しいか?」を考える
③「どんな研修内容が良いのか?」と手段を考える
厳しい研修を行うことだけが新入社員の成長を促す方法ではありません。3つのステップで課題を適切に見極め、それに合った内容の研修を実施することで、新入社員の成長をサポートできます。
私たちアーティエンスでは、新入社員の主体性を促し、行動変容を支援する新入社員研修を提供しています。社会人に待ち受ける厳しさは伝えつつも、今の時代にあった手法で効果的に新入社員の成長を促す内容となっています。
興味のある方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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