管理職が変化を乗り越えるために大切な”良質な振り返り(内省)”と実践を阻む3つの要因

更新日:

作成日:2021.7.21

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「変化の激しいビジネス環境を乗り越えるために、管理職に必要なことは何だろう…」 そのような想いがあり、このコラムに辿り着いたのではないでしょうか。

生成AIやコロナによるビジネスのオンライン化などを筆頭に、現在、ビジネスを取り巻く環境は目まぐるしく変わってきています。 そうした環境下で成果を出し続けるためには、自身が成長することで、今までの枠組みや考えから脱し、アジャイルに物事を進め、変化を乗り越えることが必要です。

そのためには、管理職が変わり、チームが変わる。そして部下が育つという環境を創っていく必要があります。

本コラムでは、管理職自身の成長のために必要な経験学習という考え方と、ビジネス環境の変化を乗り越えるために大切となることについて、考えていきます。

1)管理職自身が成長していくために必要なことは、'良質な振り返り'

まずはじめに、成長するために必要な経験学習(デイビット・コルブによって提唱) を説明します。 width="50%" ※ 当社「チームビルディングワークショップより抜粋」
人は、「経験」をして、その経験を「振り返り」、「気付き」を得て、新しい場面において気付きをもとに「行動」することを繰り返して、学んでいきます。

管理職、経営者、新入社員などの階層にかかわらず、成長する人は、このサイクルを品質高く回し続けています。

特に、振り返りの品質の高さに、このサイクルの品質は影響されます。 # 経験の質も影響されますが、自身でコントロールできない部分もあるので、今回は振り返りをメインに言及していきます。
「振り返り」をしなければ、ナレッジは積みあがりません。「なぜ成果を出せたのか、出せなかったのか」が分からないため、ノウハウとして組織に展開できないためです。

2)管理職の「振り返り」の実践を阻む3つの要因

多忙な管理職は振り返りの機会が持ちづらく、自身の成長の優先度が(無意識的にも)下がってしまうことは多くあります。
その理由として、アーティエンスでは、3つのポイントがあると考えます。

●振り返る時間の少なさ:そもそも振り返る時間が取れない
●振り返りの質の低下:目標数字など結果のみの振り返りになっている
●持論への固執・チャレンジへの制限:昔の成功体験に引きずられている

振り返る時間の少なさ:そもそも振り返る時間が取れない

管理職の役割は多岐にわたり、責任もとても重いです。一般的に下記の役割があると言われています。
width="70%" これだけの役割があり、そして重い責任があれば、余裕がなくなります。さらにコロナ禍という状況が生まれて、管理職の負担と負担感は高まるばかりです。 品質の高い振り返りをしようと思っても、なかなか時間は取れないでしょう。

振り返りの質の低下:目標数字など結果のみの振り返りになっている

KPIなど数字だけを追いかけている会議はよく見られます。「達成した・達成していない」はもちろん重要です。 ただし、「なぜ達成できたのか?できなかったのか?」をどれだけしっかり振り返られているでしょうか。

氷山モデルと言われる考え方があります。
下記のように結果だけではなく、自身の認知まで振り返っていくことが必要です。 結果だけ見て対策を打つのと、認知の状態まで見て対策を打つのでは、解決策の内容が変わってきます。

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#当社「ファシリテーション研修」から一部抜粋

持論への固執・チャレンジへの制限:昔の成功体験に引きずられている

振り返りの機会が少なく、振り返りが浅いと、振り返りの有用性を感じられず、結果、良質な示唆出しができず、過去の成功体験に固執しがちになります。

また、管理職は、成果が予測しづらい新たなチャレンジや動きを無意識的にも避ける傾向が現れがちです。
そうすると、過去の成功体験で何とかしようという意識が高くなります。

今までのやり方を行っているだけでは、新たな学びは得づらくなります。また、時代の変化に対応していない施策を進めることで成果が出ないという悪循環に陥ります。

ある大手メーカーでは、管理職が昔の成功体験に囚われ、若手社員のモチベーションや仕事の品質を落としているということがありました。 管理職が若手の時代は、「営業の数」に比例して「売上」が上がる。それが「成功体験」や「評価」されることで、「モチベーション」が上がり、また上司との「信頼関係」も高まるので、「仕事へのコミット」や「上司の指示命令を受けとめる前向きさ」、さらに「営業の数」が増え、「売上」が上がるという好循環でした。
width="70%" しかし、今は時代が変わり、物を作れば売れる時代でもなく、また外資など競合も増える環境で、売上も下がってきました。そのような状況で、「営業の数」に比例して「売上」は上がらなくなりました。
対策として、組織は営業の質(ソリューション営業・インサイト営業)を高めようとしました。しかし、管理職に余裕がなく昔の成功体験に依存してしまいました。

結果、若手は会社の方針と管理職が行っていることが異なり、信頼関係を無くし、モチベーションが下がりました。仕事へのコミットも下がり、マネージャーの指示受けとめも素直にしないので、営業の質は下がるばかりです。より状況が悪化するということが起きたのです。
この事例では、管理職が過去の成功体験に囚われたことが、売上の低下・停滞だけではなく、「営業の質(ソリューション営業・インサイト営業)を高める」という新しいチャレンジにも制限をかけました。 width="80%"  

3)管理職自身が成長し、変化を乗り越えるために大切なのは'管理職像'のアップデート

企業を取り巻く環境は、with コロナにより、複雑性・難易度はさらに高まっています。管理職の多忙さは今後も増していき、視野狭窄による過去の成功体験への固執は高まっていくことが予想されます。では、どう解決してくと良いのでしょうか。

私たちは、管理職のイメージを、管理職本人も、そして組織も見直していくこと。そして、チームでの成果創出にシフトしていくことが必要であると考えています。

「強い管理職でなければならない」、「管理職が引っ張っていくべきである」などという管理職一人に依存する昔の文脈では立ち行かなくなっています。まず始めに、自身がどんな存在でありたいかを探求したり、自身が抱えている課題と向き合うことが必要です。

#「自身が抱えている課題と向き合うこと」に関して、詳しく知りたい方は下記コラムを参考にしてください。 今、管理職に渡すべき'課題の分け方・向き合い方'ー技術的問題と適応課題ー

その後、「チームと共に成長していく」という考えを持つことで、下記課題意識に対応していくことができます。 ●振り返る時間の少なさ:そもそも振り返る時間が取れない
┗管理職が抱え込むのではなく、チームで課題を乗り越えるという考えを持つことで、負担や負担感を少なくしていきます

●振り返りの質の低下:目標数字など結果のみの振り返りになっている
┗自身とチームの振り返りの質を上げることで、チーム・自組織のナレッジの質を高め増やしていきます
●持論への固執・チャレンジへの制限:昔の成功体験に引きずられている
チーム学習をすることで、新しい考えを取り入れて、持論をアップデートし、新しいチャレンジへのコミットもチームメンバー共に高めていきます
▽具体的な方法にご興味がある方は、下記リンクからダウンロード可能です。
【資料】チーム学習を促すための振り返りツール

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    4)まとめ

    振り返りの質が高くなければ、管理職もチームも組織も成長は難しいです。振り返りの質を高めていくためにも、チームで振り返っていくことが必要です。

    アーティエンスでは、チームで振り返り管理職が自身の成長と向き合うための内容も含めた半年間にわたる管理職研修『困難を乗り越えるリーダーシップ開発コース』を提供しております。

    最近は益々ビジネス環境の変化が大きくなっています。今までのやり方・考え方では、上手くいかないことが圧倒的に多いです。

    PDCAをただ回すだけではうまくいきません。結果・成果と向き合い、「その経験から何が学べるか?」、自身・チーム・組織の常識や前提を捉え直していく必要があります。「常識や前提」を捉え直していくには、チーム学習が必要です。

    本コースでは、チーム学習を体験し、習得していきます。ご興味がある方は、ぜひお問い合わせいただければと思います。

    ▽振り返りの具体的な方法にご興味がある方は、下記リンクからダウンロード可能です。
    【資料】チーム学習を促すための振り返りツール:セルフマネジメントシート

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