ユニークな新入社員研修で参加意欲を高める！6つの具体例と注意点

「ユニークな新入社員研修を実施して、参加意欲を上げたい」
「記憶に残る研修にするために、ユニークな研修を実施したい」

こうした想いはあるものの、具体的なイメージや良し悪しの判断基準を持てずに困っていませんか？

新入社員研修に「ユニークさ」を取り入れることは、主体的な学びや関心を高める一方、研修効果が薄まる可能性もあり注意が必要です。

そこで本コラムでは、ユニークな新入社員研修の具体例6つと4つのメリット、さらに導入時の注意点とあわせてご紹介します。

ぜひ、自社の研修に取り入れられるヒントを見つけ、学びを実務に活かす設計を考えてみてください。
ユニークさを上手に活用すれば、新入社員が「ここで成長したい」と感じられる研修を実現でき、未来の組織力向上にもつながります。

１）ユニークな新入社員研修の具体例6選

ユニークな新入社員研修を6つ紹介します。

ビジネスゲーム

ビジネスゲームは、ゲームを通じて知識やスキルを学ぶ研修手法で、スキルの習得や知識の深い理解に有効です。

座学だけでは理解しづらい会社全体の流れや、自分の立場を客観的に捉えることができます。
特に新入社員は実務経験が少ないため、仕組みや役割を理解しづらいことから、効果が高い方法といえます。

例えば、アーティエンスの目標達成・コスト意識研修では、経営シミュレーションゲームを実施しています。

新入社員は売上を上げる難しさや会社にかかるコストを体感し、「自分は会社にとってコストでもある」という気づきを得ます。その結果、目標達成に向けた意識や主体的な行動姿勢が生まれます。

ビジネスゲームは新入社員研修に取り入れやすい一方で、自社でゼロから開発するのは難しいため、研修会社のプログラムを活用することをおすすめします。

寸劇・インプロ

寸劇やインプロ（即興劇）は、新入社員の内省を深め、新しい発想を促す研修方法です。

役を演じたり物語を作ることで、普段の思考枠組みから離れ、自分の強みや価値観に気づきやすくなります。そのため、研修で得た学びを現場に結びつける際にも効果的です。

テーマはさまざまで、営業部の一員や役職を演じて組織の課題に向き合うものもあれば、自分たちで自組織をメタファー（隠喩）化し、寸劇として表現する場合もあります。

アーティエンスの2年目フォロー研修では、AI（アプリシエイティブ・インクワイアリー）の要素を取り入れています。前向きな問いや探求を通じて、個人や組織の強み・成功要因を見出し、それを最大限に活かしていく仕組みを生み出すことが目的です。

研修では、互いの強みや価値観を対話で引き出し、それをオブジェとして形にした後、未来をテーマに寸劇を行います。

こうした普段と異なる創造的な体験が、新たな気づきや学びを生み出します。

寸劇やインプロも新入社員研修に組み込みやすいのが特徴ですが、「新入社員にどう成長してほしいのか」という目的を明確にした上で設計することが成功のポイントです。

スポーツ・アウトドアなどのアクティビティ

スポーツやアウトドア活動は、チーム力を育み、柔軟な問題解決力を高める研修方法です。

仲間と協力して体験に取り組むことで自然と信頼関係が築かれ、状況への対応力が鍛えられます。また、その体験を現場の課題意識と結びつけ、どのように扱い解決していくかを探求することで、学びを実務に応用できます。

具体的には、ラグビーや登山、ウォーキング、キャンプファイヤーなどがあります。活動を通じて得た気づきを共有することで、チームビルディングに大きな効果を発揮します。

ただし、体調や気候に合わせた調整が必要であり、事前の案内やフォロー体制を整えておくことが大切です。

スポーツやアウトドアをレクリエーションで終わらせず、現場への接続を意識して設計することが、新入社員研修を成功させるポイントとなります。

お寺での座禅

お寺での座禅は、集中力やリーダーシップ、メンタルヘルスを高める研修方法です。

日常を離れた静かな環境で心を整えることで、柔軟な思考や精神的な安定を得やすくなります。

お寺での座禅を経験することで、仕事において柔軟性や精神的な強さを養い、チーム全体の健全な機能に寄与することが期待されます。近年は新入社員のメンタルヘルスの問題が多くなっているため、その点に課題を感じている組織におすすめです。

ただし、宗教上の配慮が必要となる場合があるため、事前に参加者の確認を行うことが大切です。

モノづくり体験

モノづくり体験は、チームビルディングや新しい発想を促すために有効な研修方法です。
手を動かして協力することで、相互理解が深まり、内省や創造性が自然に刺激されます。

メーカー企業は、自社製品を分解して組み立てることで、自社製品の理解を深めることを目的としている場合もあります。

それ以外の具体的な例としては、オブジェや絵、醤油づくりなど食品をつくるケースもあります。

モノづくりの「過程」そのものが学びにつながるため、体験をどう設計するかが重要です。

作品鑑賞

作品鑑賞は、新入社員の感性を磨き、多様性理解やコミュニケーションを促す研修方法です。

同じ作品を見ても受け取り方は人によって異なるため、互いの価値観や考えを共有するきっかけになります。

例えば、ライオンキングを鑑賞して顧客満足の工夫を話し合ったり、アート作品を通じて多様性の理解を深めたりする取り組みがあります。その後、気づきを実務にどう応用するかを考える時間を設けることで、研修効果が高まります。

鑑賞で得られた感性や学びを業務に結びつける設計を行うことで、感性教育と実務教育を同時に実現できます。

---

今回紹介した6つのユニークな新入社員研修は、いずれも「体験」を通じて新入社員の成長を促す方法です。

重要なのは、体験をその場の楽しさで終わらせず、現場の課題や仕事の実務と結びつけて設計することです。そうすることで、新入社員は「自分の役割」を理解し、組織の一員として主体的に行動する力を身につけられます。

２）ユニークな新入社員研修を実施する4つのメリット

新入社員研修をユニークにするメリットは4つあります。

・研修への参加意欲向上
・学習の効果・定着度の向上
・コミュニケーションの活性化
・企業イメージの向上

これらのメリットについて順番に説明します。

研修への参加意欲向上

新入社員研修をユニークにすることで、研修への参加意欲を高めることができます。

ユニークさを取り入れた研修は、参加者の関心を引き付け、興味を喚起できるためです。
特に新入社員は学生から社会人へと環境が大きく変わる時期に研修を受けるため、ストレスや集中力低下といった影響を受けやすい傾向があります。

もし研修内容が難しすぎたり単調すぎたりすると、集中力や参加意欲がさらに下がり、期待する学びを得られません。一方でユニークさを取り入れると、内容に自然と興味がわき、自ら参加しやすくなります。

ユニークな新入社員研修は、新入社員が主体的に取り組める環境を整え、学びの効果を最大化するきっかけになります。

学習の効果・定着度の向上

ユニークな新入社員研修は、学習効果と定着度を高めます。

新入社員が積極的に参加しやすくなり、主体的に学ぶ機会が生まれるためです。
特に新入社員は社会人としての知識やスキルが不足している状態であり、「もっと知りたい」「早くできるようになりたい」という思いを刺激できれば、学習の吸収率が高まります。

受け身のまま研修を受けると、わからない点を放置したり、学びを本質的に理解できないリスクがありますが、ユニークさが加わると学習意欲が高まり、実務に役立つ意味のある知識として定着しやすくなります。

ユニークさによって新入社員の主体性を引き出すことで、単なる知識習得ではなく「仕事に活かせる学び」へと転換できます。

コミュニケーションの活性化

ユニークな新入社員研修は、新入社員同士のコミュニケーションを活性化します。

ユニークなワークを取り入れることで、自然と会話や交流が生まれるためです。近年の新入社員は、同期と仲良くなりたいと思っていても、自分から声をかけるのが苦手な方が多く見られます。

講師の話を聞くだけの受け身型の研修では会話の機会は少ないですが、ユニークな体験を取り入れると、会話のきっかけができて関係性を築きやすくなります。結果として、新入社員同士のつながりが深まり、心理的な安心感が得られます。

新入社員研修にユニークな要素を加えることで、コミュニケーションが自然と活性化し、新入社員同士の関係構築が促進されます。

企業イメージの向上

ユニークな新入社員研修は、企業イメージの向上にもつながります。

研修に楽しさや満足度を感じることで、新入社員が企業に対して抱く好感度が高まるためです。特に新入社員にとって、研修は会社を知る最初の機会でもあります。

研修が退屈で印象に残らないものだと、会社への関心やモチベーションが高まりにくいですが、ユニークな研修で「楽しい」「面白い」と感じられれば、企業への興味や愛着が増します。実際に感動や満足を伴う研修は、エンゲージメント向上にもつながります。

新入社員から見た企業の印象を良くするためにも、ユニークさを取り入れた研修は有効です。

---

新入社員研修にユニークさを取り入れることは、単なる「楽しい研修」を目指すということではなく、環境の変化に戸惑いや不安を抱える新入社員が主体的に学び、仲間とのつながりを築きながら組織へのエンゲージメントを深めるための大切な工夫です。

自社の文化や育成方針に合わせて、ユニークな要素をどのように取り入れるかを検討することが、研修をより効果的なものにします。

３）ユニークな新入社員研修を実施する際の3つの注意点

新入社員研修にユニークさを取り入れる際に注意すべきことを3つお伝えします。

・ユニークさを追求しすぎない
・研修の目的を明確に伝える
・学びや気付きを振り返る機会を設ける

ユニークさを追求しすぎない

新入社員研修で、ユニークさを追求しすぎないことが大切です。

「楽しい」「面白い」で終わってしまうと、学びが得られず本来の目的を見失うためです。

研修を企画、設計している際は、新入社員に楽しく学んでほしいという思いからユニークさを取り入れたつもりが、目的がすり替わり、いかにユニークにするかが目的となってしまうことが多いです。
研修を行うには何かしら新入社員に身につけてほしい知識やスキル、もしくは気づきがあるはずです。その目的を明確にして、研修の企画や設計を行うようにしましょう。

研修の目的が知識やスキルを学んでもらうことから楽しんでもらうことになってしまうと、満足度は高い研修になる可能性はありますが学びは弱くなります。

実際に筆者が聞いた話では、アートを用いて自己理解を深める研修を実施した人事担当者が「記憶には残る研修だったが、活かし方は分からなかった」と受講者に言われたケースもありました。

研修の目的を常に意識し、その達成に必要な範囲でユニークさを取り入れることが成功のポイントです。

研修の目的を明確に伝える

ユニークな研修では、目的を新入社員に明確に伝えることが重要です。

新入社員が目的を理解していないと、体験と学びを結びつけられず、意図した効果が出にくいためです。

特に新入社員がユニークな体験に夢中になっている時は、こまめに研修の目的を確認したり、目的を達成するための問いかけをするなど、目的を思い出す時間を挟むことが効果的です。

アーティエンスの目標達成・コスト意識研修では、ビジネスゲームの途中に組織のコスト構造を解説したり、「新入社員はコストという視点で組織から見た時にどう映るか」といった問いを投げています。これにより、研修の目的を思い出しながら取り組めるように工夫しています。

ユニークな体験に夢中になっている時こそ、目的を確認する時間や問いかけを挟むことで、新入社員研修によって達成したいことを実現できるようになります。

学びや気付きを振り返る機会を設ける

ユニークな新入社員研修の後には、必ず学びや気づきを振り返る機会を設けましょう。

体験だけで終えてしまうと、研修の目的とのつながりを理解できず、学びが浅くなるためです。

例えば、ウォーキング研修で「チームワークの強化」を目的にしても、ゴールに到達しただけでは「歩き切った達成感」で終わってしまう可能性があります。

そこで、終了後に「チームワークを強化するにはどうすればよいか」「この体験で得た気づきを言語化しましょう」といった問いを投げると、現場での具体的な行動（例：コミュニケーション量を増やす）に結びつきます。

体験を意味のある学びにするためには、解説や振り返りを通じて言語化することが欠かせません。

---

ユニークな新入社員研修は大きな効果を生みますが、その一方で「楽しさだけで終わらせない」ための工夫が欠かせません。

上記の3つを意識するだけで、ユニークな研修は単なるイベントではなく、成長と実務につながる有意義な場となります。

４）まとめ｜アーティエンスではニーズに合わせたユニークな研修も実施

本コラムでは、新入社員研修にユニークさを取り入れる意義や注意点について解説し、以下の6つの具体例をご紹介しました。

・ビジネスゲーム
・寸劇・インプロ
・スポーツ・アウトドアなどのアクティビティ
・お寺での座禅
・モノづくり体験
・作品鑑賞

ユニークな研修は、参加意欲を高め、学習の定着を促し、同期同士のつながりを深めるなど多くの効果があります。しかし、あくまでも目的達成のための「手段」であることを忘れず、体験を振り返り実務につなげる設計が欠かせません。

アーティエンスでは、経営シミュレーションを活用した「目標達成・コスト意識研修」をはじめ、貴社のニーズに合わせてユニークな要素を取り入れた新入社員研修を企画・実施しています。

新入社員が「学びを現場で活かす力」を身につけられるよう、実践的な支援をご用意していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

適切なユニークさを取り入れた研修は、新入社員が主体的に学び、企業の未来を担う人材として成長するきっかけとなります。貴社の新入社員が「ここで働き続けたい」と思えるような研修設計を、一緒に実現しましょう。

参考：金融サービスの口コミ・人気ランキングなら「SAVEE」