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[ コラム ]
組織の期待通りの成長へ!目的に沿った新入社員研修の内容例【事例付き】
- 「新入社員研修でどんな内容を取り入れれば効果が出るのか知りたい」「毎年新入社員研修をやっているが、成果につながっていない気がする」そんな課題を感じているのではないでしょうか。新入社員が組織の期待通りに成長できるかどうかは、研修の設計次第で大
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新入社員研修の費用相場を確認!費用対効果を高める算出方法を解説
更新日:
「新入社員研修って、だいたいどれくらい費用がかかるのだろう?」
「できるだけコストは抑えたいけど、質も妥協したくない…」
そんな悩みを抱えながら、情報収集をしているご担当者の方も多いのではないでしょうか。
新入社員研修の費用は研修の目的や内容、実施形式によって、必要な費用は大きく変わってきます。
本コラムでは、新入社員研修の費用相場や費用に差が出る理由、さらに予算を適切に見積もるための2ステップをご紹介します。あわせて、費用に関するよくある疑問にもお答えします。
費用感を正しく理解し、自社にとって最適な投資判断をすることで、新入社員の成長と早期戦力化につなげていきましょう。
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1. 新入社員研修の費用の相場と事例
新入社員研修の費用は、開催形式と依頼先によって相場が異なります。主な組み合わせと一般的な金額の目安は以下の通りです。
| 開催者 | 受講料金 | |
|---|---|---|
| 公開講座(集合研修) | 研修会社 | 20,000円~35,000円/人 |
| 講師派遣 | 研修会社 | 350,000円~600,000円/クラス |
| 個人事業主 | 50,000円~300,000円/クラス |
公開講座は、費用は受講人数によって変わります。
講師派遣型の場合、たとえば講師が2名体制で行う研修は、その分人件費がかかるため費用が高くなります。一方で、顧問の社労士などが簡易的に実施するケースでは、比較的低価格で提供されることが多いです。
また、大人数で実施する研修は、1人あたりの費用を抑えやすくなりますが、その分、一人ひとりへの関わりが薄くなり、品質が低下する可能性もあります。
研修の品質を保つためには、「1教室あたり最大6グループ×6人=36人程度」を上限として考えておくとよいでしょう。
以下に具体的な新入社員研修の事例を紹介します。
【事例1】アーティエンスの公開講座を1年間(12講座)実施している会社
●費用:3,120,000円
●内訳:20,000円/講座×12講座×13人(新入社員の人数)
●アーティエンスの対応範囲:
企画、テキスト等の準備、講師とアテンド2人体制での研修実施、研修レポート作成、
研修後フォロー など
●研修目的:新入社員への充実した研修による、独り立ちの早期化
アーティエンスの公開講座料金は、シミュレーションページですぐに確認できます。
【事例2】アーティエンスの派遣型研修を3日間(4月2日間、9月1日)実施している会社
●費用:1,260,000円
●内訳:42万円/クラス×3日程
●アーティエンスの対応範囲:
課題感に沿った研修提案、テキストの準備、講師とアテンド2人体制での実施、
研修レポート作成、研修後フォロー など
●研修目的
4月2日間:社会人への切り換えと実践研修によるビジネススキルの習得
9月1日間:成長実感と不安/不満への対応、成長促進
このように、新入社員研修の費用は、講師体制や研修形式、受講人数などの要素によって大きく変わってきます。
費用の違いを見極める際は、金額だけでなく「なぜその価格なのか」という背景にも目を向けることが大切です。
2. 費用対効果を高める!新入社員研修の費用算出2ステップ
新入社員研修の予算を適切に設定するためには、まず研修の中身を具体化し、そのうえで必要なコストをもれなく洗い出すことが重要です。
以下の2ステップで進めると、現実的で納得感のある費用算出ができます。
2-1.研修内容と期間を決めて、研修費用を見積もる
2-2. 研修以外にかかるコストも洗い出して合算する
それぞれ説明していきます。
2-1.研修内容と期間を決めて、研修費用を見積もる
新入社員研修の費用を見積もるには、まず「育成ゴール」「研修期間」「研修内容」を明確にする必要があります。これらが定まっていない状態では、具体的な金額感を把握することは難しいため、予算を組む前にしっかりと企画を行うことが重要です。
以下は、当社のお客様(地方銀行・従業員約2,500名)の事例です。新入社員50名を対象に派遣型研修を実施するにあたって、段階的な育成ゴールを設定しました。
【育成ゴールの例】
1年後:「○○さんには安心して仕事を任せられる」と言われる人材になる
半年後:「これから仕事を任せていきたい。成長が楽しみだ」と期待される存在に
1か月後:「報連相がしっかりしていて助かる」と感じられる土台をつくる
配属直後:「積極的に働きかけてくれる新入社員」と周囲から信頼される状態に
この企業では、5月中旬から各配属先での勤務が始まる予定だったため、4月中は「社会人としての基本的な姿勢やスキルの習得」に重点を置き、5月以降は「業務に直結する専門知識の習得」に力を入れるように研修期間を設計しました。
このように、育成ゴール・研修期間・内容を明確に整理することで、研修実施日数(=講師の稼働日数)や実施内容の全体像が見えやすくなり、適切な費用を見積もることが可能になります。
一方で、「予算ありき」で研修を組まなければならない場面もあるでしょう。その場合も、まずは理想的な育成ゴールと必要な研修内容を洗い出したうえで、優先順位をつけて調整していくことが重要です。
もし「現状の予算では、求められているレベルの育成が難しい」と判断される場合は、補正予算を相談することも視野に入れるとよいでしょう。
(参考) ゴールや、研修期間、内容をより詳しく知りたい方へ
新入社員研修の期間を決めよう【期間別】実現できること、できないこと
【事例・Q&Aあり】新入社員研修カリキュラムの設計法
新入社員研修の合宿にはリスクあり!注意点と効果的なプログラム例
2-2. 研修以外にかかるコストも洗い出して合算する
研修のゴール・内容・期間が決まったら、次は新入社員研修を実施するために必要な費用全体を見積もっていきましょう。
研修費用は、研修そのものだけでなく運営にかかる周辺コストも含まれるため、項目ごとに丁寧に洗い出すことが大切です。
以下に、主な費用項目を整理しました。
| 項目 | 内容 | 備考・目安 |
|---|---|---|
| 研修費 | 研修会社に支払う費用。コンテンツ内容と日数によって決まる | ― |
| 交通費 | 受講生・講師の往復交通費を、のべ人数から算出 | 社内開催・定期圏内であれば不要 |
| 宿泊費 | 宿泊が必要な場合、のべ宿泊数に応じて計算 | 目安:1人あたり1〜1.5万円/日 ※宿泊不要なら不要 |
| 会場費 | 自社会議室が使えない場合や、外部会場を借りる際に発生 | 目安:5万円〜100万円/日 |
| 備品費 | 研修で使用する物品をリストアップして算出 | 例:講師用の水、名札、ペン、テキスト印刷費、昼食代など |
これらの項目をもれなく確認し、研修費とあわせて総額を把握することが、現実的な予算設計につながります。
3. 新入社員研修の費用に関する3つの疑問
よくいただく下記3つの質問にお答えします。
Q1. 研修費用を削減するには、どのような方法があるのか?
Q2. 金額の安い研修会社を選んでも問題ないか?
Q3. 助成金を申請すれば、確実に受給できるのか?
Q1. 研修費用を削減するには、どのような方法があるのか?
複数の研修をまとめて依頼したり、会場や宿泊先を工夫することで、全体のコストを抑えることが可能です。
■ 研修費の削減方法
新入社員研修だけでなく、管理職研修や中堅社員研修など、他の階層向けの研修も同じ研修会社に依頼することで、ボリュームディスカウントの相談が可能になる場合があります。
割引の可否や条件は研修会社によって異なるため、まずは相談してみるのがおすすめです。
■ 会場費・宿泊費の削減方法
合宿形式や会場手配が必要な場合は、国立オリンピック記念青少年総合センターなどの公共施設を利用することで、一般的な民間施設よりも大幅にコストを抑えることができます。
■ 宿泊費の工夫
ホテルではなくウィークリーマンションを手配することで、連泊時の宿泊費を抑えるケースもあります。長期間にわたる研修で特に有効です。
Q2. 金額の安い研修会社を選んでも問題ないか?
ゴールを達成できるのであれば、金額が安い研修会社を選んでも問題ありません。ただし、なぜ安いのか、その理由を確認することが大切です。
新入社員研修をなるべく安く抑えたいという思いはよく理解できますが、安さを優先しすぎて肝心の育成効果が得られなければ、本末転倒です。
そのためにも、まずは「この研修でどんな状態を目指したいのか」という育成ゴールを明確に設定することが欠かせません。たとえば、最低限のビジネスマナーを身につけさせることが目的であれば、フリーランス講師に依頼するなど、比較的低コストで実施する選択肢もあります。
しかし、「社会人としての自覚を育てたい」「主体性を引き出したい」といった意識や行動の変容を狙う場合は、単にマナーの“型”を教えるだけでは不十分です。
新入社員研修は、多くの場合「一度きり」の重要な機会です。初期の育成が丁寧に行われれば、その後の早期立ち上がりや定着率に大きく影響します。
逆に、最初をおざなりにしてしまうと、立て直しに時間とコストがかかる上、新入社員自身の自己肯定感やエンゲージメントが下がり、早期離職につながるリスクも高まります。
だからこそ、価格だけで判断せず、「どんなゴールを達成したいのか」「そのために何が必要か」から逆算して選ぶことが重要です。新入社員の将来と組織の成長を見据え、最適な投資判断を行いましょう。
Q3. 助成金を申請すれば、確実に受給できるのか?
助成金は申請すれば必ず受給できるわけではありません。また、安易な活用はおすすめできません。
助成金にはそれぞれ目的や趣旨があり、それに沿った内容・手続きを正しく踏む必要があります。制度を誤って活用すると、不支給になったり、意図せず不正受給とみなされたりするリスクもあるため、「確実に受け取れる」とは言えません。
さらに、過去に不正受給が多発した経緯もあり、審査は年々厳格化しています。申請書類も複雑で、想像以上の工数がかかるケースも多く見られます。
実際にお客様から伺った声としては、
「助成金専門の社労士から“ほとんど手を煩わせない”と聞いていたのに、実際には自分たちで書類対応することになり、通常業務に支障が出た」
「事前に聞いていた支給額を下回り、想定よりも負担が大きくなった」
などのケースがあります。
そのため、助成金を活用する場合は、
・制度の意義に合致していること
・申請や管理のリソース(人・時間)を確保できること
の2点を満たせる場合に限って、慎重に検討することをおすすめします。
「助成金ありき」で予算を組むのではなく、まずは自社に必要な育成内容を明確にした上で、必要に応じて助成金の活用を検討するという順序が大切です。
まとめ|「費用」ではなく「価値」で選ぶ新入社員研修を
新入社員研修の費用は、形式・講師体制・実施規模などによって大きく変動します。一見すると高額に感じる研修でも、「何を目指すか(育成ゴール)」によっては、むしろ必要な投資であることも少なくありません。
本コラムでご紹介した通り、適切な費用を見積もるためには、
・育成ゴール・研修内容・期間を明確にすること
・研修以外にかかる運営コストも含めて全体像を把握すること
・金額だけでなく、「なぜその価格なのか」という背景に目を向けること
が欠かせません。
また、費用を抑える工夫は可能ですが、「安さ」だけを軸に選ぶことで、本来得られるはずだった効果が薄れてしまうこともあります。
新入社員研修は一度きりの貴重な機会。将来の成長と定着につながる“意味ある時間”にするためには、価格ではなく“価値”で選ぶ視点が重要です。
アーティエンスでは、企業ごとの育成ゴールに合わせて、新入社員研修設計から運営・フォローまでを一貫してご支援しています。
費用面のご相談はもちろん、「この予算で何ができる?」「目的に合ったプログラムを探している」といった段階からのご相談も歓迎です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
なお当社での新入社員研修の費用は下記の通りです。
【講師派遣型】
【公開講座】
※アーティエンスの公開講座料金は、シミュレーションページですぐに確認できます。
新入社員研修の費用相場を把握し、自社に合った研修予算を見積もることで、新入社員に最適な学びの機会を提供し、その成長をしっかりと支援していきましょう。




