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[ コラム ]
レベルアップのために知っておきたい!ファシリテーションの4つのコツ
- 「ファシリテーターとして、さらに力を発揮したいけれど、何をすれば良いのか分からない…」こうした思いをもって本コラムにたどり着いたのではないでしょうか。ファシリテーターとして、フレームワークや手法を用いて進めることに慣れてきた一方、もう一歩踏
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更新日:
2023/2/28作成ー
本内容は、2023年2月21日に開催した「ファシリテーター研修7日目」の公開講座研修レポートです。受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。(参加企業数:3社、参加人数:7名、オンライン形式1クラス)
▶【公開講座】会議の進行術を学べる!会議ファシリテーション研修 開催中
目次
ファシリテーター研修は全8回行い、全体を通して次の目的を達成することを目指しています。
今回はその7回目ということで、合意形成のプロセスを知り、意思決定の方法を学ぶことを目的に実施しました。
研修は、次のような流れで行いました。
研修の始めと終わりに、「今の正直な気持ち」や「気になっていること」「感想」などをありのままに、1分程度で話す時間を設けています。チェックインとチェックアウトの中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。
・この間、迫間さんにファシリテーターとして入ってもらった会議が、スムーズに前に進んでいる感じがあって、改めてファシリテーターの力ってすごいなと実感しました
・製造業なので、原料の卵がなかったり、値上げがあったりと、とても大変です
・他社の皆さんと、さまざまな意見交換をできることも楽しみです。皆さんとの交流も楽しみたいと思います
※ オンライン研修での受講生の様子
・正直難しいなと感じました。ただまずは基礎的な会議のデザインや目的・目標が大事だなと感じたので、そこの意識も忘れないようにしていきたいと思います
・ファシリテーター研修で学んだことが、営業とか、参加者としての会議の参加の在り方にも影響が出ているなと感じます
・ファシリテーター役の方をみていて、時間通りに進めないといけないという焦りが見えたので、臨機応変に広げるところは広げてもいいのかもしれないなと感じました。客観的に見えたこのことを自分も意識したいと思います
・お互いの価値観を覗きにいくことが大切だなと思いました。相手にとって大切なものは何かを知れたら、歩み寄れそうだなと感じました
・メンタルモデルを見ることの大切さを学びました
※ オンライン研修での受講生の様子
参加者の方が、ファシリテーターをする上であまり焦点を当てていなかった価値観の大切さに、気づきを得ている方が多くいることがチェックアウトのコメントから伺えました。
意思決定で困ることについて、対話を行いました。グループでの対話の中で出てきた内容の一部をご紹介します。
・これにしようと決まっても、権力者からの横槍でやり直しになることがある。打ち合わせの30分は何だったんだ、となることが多い
・全体がわからないと決められないからと言って、一つのことを決めるのに時間がかかる
・スピード感がない
・お客様の意志がなくて、全部お任せします、というスタンスでこられると、お客様の成長に繋がらないため、意思決定をお客様自身でできるように手伝うことがある
・専門用語とかが会議のなかで多く出てくると、何の話をしているのか理解が追いつかなくなり、意思決定にも影響が出ることがある
・目的は同じでも、プロセスの違いで意見が割れることもある。そうすると、好みとか自分のやりやすさみたいなことも出てくるので、方向性が決まりにくいと感じる
※ オンライン研修での受講生の様子
それぞれのグループの対話の中で出てきたことを全体でシェアし、講師からコメントをしました。
決めるのに時間が必要という認知を持ってしまっているのかもしれません。また、もし決めるまでのプロセスが複雑なのであれば、整理する必要も出てきます。
相手が言語化できていないこともあります。そういうときは、ありたい姿や共有ビジョンを描いていくと、意思決定するときの軸になり、意思決定がしやすくなります。
このときも、共有ビジョンを決めて、方向性を見えるようにすることがポイントになります。ただ、熱量の違いはどうしてもあるものなので、その差をどう扱えばいいのかを、今日の研修の中で学んでいただけたらと思います。
準備段階からどうやって上の人を巻き込んでいけばいいか、ということを考えられると見え方が変わっていくかもしれません。
意思決定で困ることに対して、ファシリテーターとしてどんな関わりができるのか、についてグループで対話を行いました。
・会議のアジェンダや概要、目的・目標を知らせておく。自分が参加者として、事前にそのような情報をもらえていると、自分の意見をまとめて参加できるので参加しやすいなと思う
・立場のある人の意見によって、会議の内容が覆ることもあるけど、積み上がってきたこともあるのでは?そこに目を向けることをファシリテーターができるといいのでは?
▶ただ、そのときは頭が真っ白になって、対立モードになってしまうんですよ。血が昇って、そういうことをいうなら自分でやってくださいという感じになってしまう。大人気ないかもしれませんが…
※ オンライン研修での受講生の様子
それぞれのグループの対話の中で出てきたことを全体でシェアし、講師からコメントをしました。
この会議の中の目的・目標、ルール、役割を決めておくとやりやすくなります。結論を入れるのはやらない方が良いです。仮説や自分の意見は持っていても良いですが、落としたい結論の方に誘導するやり方では、議論や対話の場の意味がなくなってしまいます。
重要なポイントですね。テーマ、課題を渡しておくと、ふとした時に議題について考えるということも起こるので、自分の意見を持ちやすく準備ができます。
熱量が心配な方に声をかけるのは、とても良いフォローだと思います。
会議をしていると、細部の話ばかりをしてしまうことがあります。その際は、ファシリテーターが「その話もいいですが、今日はこの目的・目標について話しませんか?」と話を戻すことも必要です。
意思決定・合意形成でよく起きる課題の原因は、大きく4つあります。
※ 当社ファシリテーター研修資料より一部抜粋
この4つの原因についての対策を具体的にお伝えしました。
※ 当社ファシリテーター研修資料より一部抜粋
講義の内容について、グループで対話を行いました。
・踏み込めていないから流されていってしまうんですかね…
・対立より先に進めていない感じがする
・熱量が高い人を7,8割にすると良いという話があったけど、熱量の低い人の熱量を上げるためにはどうすればいいんだろう…
それぞれのグループの対話の中で出てきたことを全体でシェアし、講師からコメントをしました。
大切なポイントですね。よくある2つのケースをお伝えします。
◎ケース1:お互いが相手側がWinになっていると認知しているケース
(例えば、開発部からみると営業が勝っていて、営業部からみると開発部の方が勝っていると認識しているなど)
一度、対立関係について、視覚化すると、共有認識を持てているのかを確認できます。視覚化して、お互いの認識が異なっていた場合は、なぜこの位置にいると思うのかを対話を通して確認していくと、お互いの理解を深めることができます。
※ 当社ファシリテーター研修資料より一部抜粋
◎ケース2:その場を取り繕ってしまうケース
(例えば、会議の場ではWinといっているけど、本音ではLoseと思っているなど)
このような場合は2つの解決方法を考えることができます。
【方法1】オープンに話す、ということをグランドルールにしておいて、会議の中で出てきたことを正として扱う
【方法2】発言者の言葉を紐解いていく
例えば、建前を言わないといけない状況を作り出している前提がない場合は、どう思いますか?などの問いを投げて、本音の部分を見れるようにするなど
※ 当社ファシリテーター研修資料より一部抜粋
話しやすい雰囲気作りが大切です。以前の研修で扱った、場の質を作っていく必要があります。
自利利他を持っている人を探して、その人を発端としてアプローチしていくと、影響度合いが高くなっていきやすいです。
ファシリテートする際には、自身が大切にしている価値観が影響されます。そこで、自身が大切にしている価値観を考えるワークを行いました。
※ 当社ファシリテーター研修資料より一部抜粋
自身の価値観を知るワークを行ったあとに、グループで気づいたことなどを対話しました。
・今まで会議の時に、自分の状態を気にしてはいなかったな
・自分が大切にしている物って、周りの人のものも大切にしているよなと思う(例えば、自分が家族を大切にしていたら、周りの人の家族も大切にしたりとか)
※ オンライン研修での受講生の様子
対立関係、価値観の違いを乗り越えるためにどうすればいいかを、実践して学んでいきます。会議のテーマの中で2つの主張を持った参加者がいるときに、ファシリテーターとして、どのように進めるかを実践してもらいました。
※ オンライン研修での受講生の様子
ワークを行った後に、グループで振り返りを行いました。
・時間が短いと、ある程度事前に参加者に意見を考えてきてもらったほうが良いかもしれない
時間が足りなくて会議の目標を達成することが難しそうだと感じたら、目標を変えていくこともときには必要になります。
まさに、意見を共有することが大切です。そうすることで、お互い理解し合おうとなっていきます。お互いを理解するためにはありたい姿の共有が大切になります。その際に、「素晴らしい〇〇とは一体どういう状態だろうか」と考えると善悪の意識がなくなります。個々で「良い〇〇とは何か」を考えてしまうと、良い悪いの二極化になるため、言葉の使い方にも意識を向けましょう。
※ オンライン研修での受講生の様子
今回は、合意形成のプロセスを知り、意思決定の方法を学ぶことを目的に実施しました。
参加者の皆さんが、対立する意見によって打ち合わせが進まなくなったり、空気が悪くなる経験をしており、今までの経験を元に生々しい話もされていたことが印象的です。会議で何か決定をしなければいけないときに、話し合いが進まなかったり、決定ができない状況が続く場合は、何か原因があるはずです。その原因をファシリテートしてみて、目的・目標を達成することを意識して行動してみましょう。
本日のワークで、自分が持っている価値観によって対立が起きているだけで、目指している方向性は一緒だ、ということを体感している方もいらっしゃいました。
人は自分が大切にしている価値観によって、意見や物事をみていることが往々にしてあります。そのため、相手はどんな価値観を大切にしているんだろう、という意識で相手と接すると今まで気がつかなかったことへの気づきも生まれやすいです。また、自分が大切にしている価値観を自覚することも、自分の意見や言動を客観的に見られるようになります。
ファシリテーターを行う際は、その自分が大切にしている価値観を自分で理解した上で行えると、より場全体が見えるようになっていきます。ぜひ今日学んだことを現場でも活かしていただけたらと思います。
本研修の内容及びファシリテーター研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。
1日1名様からのご参加が可能です。ご興味をお持ちの方は、ぜひダウンロードください。