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[ 研修・セミナーレポート ]
2022年8月26日 若手社員フォロー研修ー公開講座研修レポート
- 2022/9/2作成ー本内容は、2022年8月26日に開催した「若手社員フォロー研修」公開講座研修レポートです。受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。(参加受講者:若手社員(3~6年目社員
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更新日:
2022/9/14作成ー
本内容は、2022年9月8日に開催された「新入社員・OJTトレーナー合同研修」の公開講座研修レポートです。 (参加受講者 : 新入社員・新入社員の担当トレーナー、参加企業数:3社、参加人数:17名、4グループ、オンライン1クラス)
新入社員が「自らの成長・変化を実感」し、「どのように成長スピードを上げていくか」を新入社員とOJTトレーナーと共に探求することを目的とした研修です。
新入社員は半年間の成長を振り返り、OJTトレーナーはOJTの役割を改めて考え、新入社員の成長を促すことができていたのかを振り返ります。 仕事が忙しくなると、現時点で成長できているのかを振り返る時間は持てなくなりがちです。しかし、成長を実感できていなければ、これから自分が成長していく予感もなくなってしまい、結果的にこのままこの会社にいても意味がないかも…という考えに陥ってしまいます。
そのため、自身の成長を実感し、これからも成長していくことができるという感覚を、この研修を通して持っていただけるように設計しています。
※ 当社研修資料より抜粋
今思っていることを率直に話して頂きました。
・自分もある程度仕事をできるようになってはいるけど、先輩との差を凄く感じています
・これまでの半年間、部署移動とか担当変更とか色々あって忙し過ぎて振り返る時間がなかったので、今日の時間は大切にしていきたいと思います
※ オンライン研修での受講生の様子
・リモートワークが増えて、対面で会うことが少なくなったので、他社さんがリモートでどんな教育をおこなっているのか気になっています
・他社の方と話をする機会が無いので、OJTをどう行っているのかが色々教えて頂けたらなと思います
※ オンライン研修での受講生の様子
・新入社員とトレーナーですれ違いが起きていたなと感じました。お互い歩み寄りたいと思っているけど、遠慮が邪魔していると感じたので、遠慮と配慮を上手く使い分けられると成長していけるのかなと思いました
・自分がこの半年間で成し遂げたこと、できなかったこと、もやもやしたこと、心がけたことをしっかり把握することができました。自分のモチベーションの浮き沈みがどこにあるのか、それによって仕事のパフォーマンスに影響を出してしまうということにも気づけました。
・日頃の業務に追われて、対話の機会を逃していたので、今回の研修を通じ、先輩社員と意見交換できたことは非常に貴重な経験になりました。フィードバック制度が不完全であるならば、それを言い訳にせず、自分で働きかけて関係を構築する必要があると学びました。
・今回のように率直に意見を伝える場を設けることで、新入社員側の悩みを減らすことができるのではないかという学びがありました
・トレーナーから、成長した点や伸ばせる点を伝えてあげるのが重要だと感じました。新人さんは業務に追われ立ち止まってしまうこともあると思うので、背中を押してあげたいです。また、アピールするために、その機会を増やしてあげるのも、また重要だと感じました。
・トレーナー側の5か月間の話を聞いたり、自分のやってきたことを振り返ることで、今後の後輩との関わり方や気に掛ける点を見つけ出すことができました。もっと積極的にコミュニケーションを取ろうという考えの変化が生まれました。
午前中、新入社員同士で共有していた不安について、午後のトレーナーに確認できている人もいて、モヤモヤしていた不安が解消されている様子も見られました。
本日の研修で、新入社員の皆さんは、ありたい姿になるために、今どのようなアクションを起こせばいいのかを考えるきっかけになっているように感じました。
OJTトレーナーの皆さんは、新入社員のありたい姿と会社から求められている姿をいかに統合し、新入社員との関係を築いていけばいいのかということについて、他者の取り組みをヒントとして考えるきっかけになっていると思います。
4月の研修から一貫して伝え続けているセルフマネジメントについて学び直し、セルフマネジメントを起点としてダイアログを行いました。 ※ 当社研修資料より抜粋
・先輩が近くにいないからこそ自分で何とかしなきゃという感覚を強く持っているのかも
・ただ出社していると先輩との関係を築くとか、ちょっとしたことも聞きに行くことが出来たりすると思うので、それぞれのメリット、デメリットがあるんだなと思います
・自分では良くないなと思っていたところを、他の方から見ると凄いと思うという声をもらったので、業務形態による成長の違いを感じてなるほどなと思いました
・周りの環境によって成長の質が変わるなと思います。先輩がポジティブだと成長が早まり、ネガティブだと成長しづらくなるような感じがあります
事前課題としていた振り返りシートをグループでシェアし、自身の成長に対する振り返りを対話を通して行いました。 ※ オンライン研修での受講生の様子
対話を通して、それぞれが抱えている不安を共有し、共感しあっている様子が多く見られました。
新入社員から出ていた課題・悩みについて、多くの方が話していたのは大きく3点ありました。
・今の配属が自分のやりたいことと違って、そこに対して目的意識や意味付けすることが難しい
・入社してすぐは成長を感じていたけれど、今はそこまで感じず伸び悩んでいて、不安を感じる
午前中の対話の中だけでは答えは見つかりませんでしたが、モヤモヤした想いを共有することで、対策を考えるというステップに進めていたように思います。
OJTを行う意味について学び直し、新入社員の成長のための支援ができているのかを考え、ダイアログを行いました。 ※ 当社研修資料より抜粋
・新卒だけではなくて、他部署との関わりが減ってしまっています。対面出社だと、その人のオーラとか雰囲気とかが分かりやすいのと情報量が多いので、リモートでは感じ取れない空気感が分かるなと感じます
・新入社員の教育は2年目なのですが、今担当している子が性格をつかみづらい個性のある子だったので、苦労したことはありました。教える側も大変ですが、新入社員側も大変だよなと思います
・昨年入社した子は積極的に話しかけてくれる子でしたが、今年の子はこちらから働きかけが必要になっているなと感じます。
・オンラインでの悩みとして、トレーナーだけでなくて周囲の人(同期や同部署のメンバー)たちからのフィードバックが難しいこともありそう。そんな状況の中で、育成に携わる人間は新入社員に声をかけないといけないことはわかるが、育成に関わったことが無い方への声変えの仕方ができていないかもしれない。
・2週に1回トレーナー同士で情報共有をしているが、業務と絡めた話がなかなかできないと思います
事前課題としていた振り返りシートをグループでシェアし、新入社員育成に対する振り返りを対話を通して行いました。 ※ オンライン研修での受講生の様子
対話の中では、テレワークでの育成の難しさについてお話しされている方が多くいらっしゃいました。しかし、対話やリフレクションシートの共有などで他の会社の方での取り組みを聞き、具体的な施策のヒントを得ていらっしゃる様子が見受けられました。
午後からは新入社員とOJTトレーナーが合同で研修を行います。午前の部を終えて、今思っていることを率直に話して頂きました。
【OJTトレーナーの方】
・他社の新入社員の方と触れ合う機会はないので、楽しみです
・午前中は他社の方と話して悩みを共有していました。午後は新入社員の方からの意見も聞けると思うので、どんな話があるのか楽しみです
午前中の対話を見ていると、新入社員が希望していた部署や業務ができずモチベーションの維持が難しいというお話がありましたので、参考として、スパイラル型キャリア論についてお伝えしました。 ※ 出典:東京経済大学 コミュニケーション学部 准教授 小山健太氏
積極的適応になるためにも、トレーナーの方はご自身の失敗談を新入社員の皆さんに語って頂くと、新入社員が先輩もそういうことを乗り越えてきたんだということを新入社員が想像しやすくなります。
新入社員も今自分がどういう状態なのかをトレーナーの方に話してみると、課題が分かり対策を考えることができますので、勇気がいる事かと思いますが、自分の状態を伝えるということをしてみてください。
カフェで話しているような感覚で、グループを入れ替えながら次の3つのテーマについて対話をしました。新入社員もトレーナーも対等な立場でお話しして頂いています。 ※ 当社研修資料より抜粋 ※ オンライン研修での受講生の様子
対話の中では、事前課題となっていたGrowth※の回答も参考にしました。
特に新入社員とトレーナーのギャップがある設問については、なぜギャップがあるのかを考えることで課題に感じている事への解決策へのヒントとなる情報があるかもしれません。
※ 当社研修資料より抜粋
対話の中で次のようなアウトプットが出てきました。
※ 受講生のアウトプット
ワールドカフェで3回の対話を行う中で様々な意見を受け取ったため、一度個人で内省し、その後グループと全体でダイアログを行いました。 ※ オンライン研修での受講生の様子
・自分が悩んでいた課題に対して、まずコミュニケーションを取るということを仰っていたので、まずコミュニケーションを大事にしていく必要があるのかなと思いました
・会社全体的にコミュニケーションが活発ではないので、自分がコミュニケーションのハブになれるといいのかなと思いました
・トレーナーもトレーニーもお互いが遠慮しあっていたのかなと思いました。これからは遠慮しすぎず伝えることを意識したいです
・自分の変化に気付くために心がけていることとして、客観的に見てくれる人からのフィードバックを参考にしていることが多いです
・組織全体や、それぞれの部署、人事で新入社員にどう成長して欲しいのかなどの認識を合わせていくことが重要だと思いました
上記のようなダイアログを聞いて講師から2つのことについてお伝えしました。
まず、成長実感は忙しいと感じづらくなります。また、ストイックな性格だとできないことにしか目が向かなくなるということも起きます。そのため、意識的に出来たことを探す、ということも行ってみて下さい。
また、先ほどダイアログの中で話が出ていた、新入社員の成長する姿を会社全体で共有することはとても大切だと思います。ただ、最近の新入社員は目指す姿がない場合もあるので、その場合は、他の社員の方と触れ合う機会を作るなどして目指したい姿を一緒に見つけていけると良いと思います。
フラットに自分の状態を感じ、自分とおなじ状態のメンバーと自分がなぜ今この状態にいるのかについて対話を行いました。 ※ 当社研修資料より抜粋 ※ オンライン研修での受講生の様子
場所の良し悪しはなく、どこにいても大丈夫です。
重要なのは、自分がこういう状態であるということを認知することです。今の状態を認識したうえで、対応策を考えて頂けたらと思います。
新入社員・OJTトレーナー共に、お互いの考えや想いを伝えるために、手紙を書いて伝えるワークをおこないました。書いた手紙を声に出して伝え、手紙を渡す、ということを新入社員とトレーナーで行います。
オンラインではお二人の時間ということで様子をお伝えすることは出来ませんが、対面ではこのように実施しています。 ※ 対面でのイメージ
・自分の状態を把握するワークで自分が③になったのは自分の視野が狭かっただけかもしれない。認知が変わると、ネガティブがポジティブに変わるかもしれないと思いました
・普段から考える時間をつくらなきゃと思いながらもできていなかったので、今自分と向き合えたことが良かったです
・自分は成長できている感覚はなかったけど、トレーナーの方からの手紙で、自分がしてきたことが一つの成功体験になったなと思いました
・これからの社会人人生にとって大切な言葉を頂けたので大切にしたいです
・意外とネガティブに考えていることもあるんだなと初めて気がつきました。トレーナーの立場からすると、たくさん挑戦して欲しいという気持ちが強いので、そこで失敗してもしっかりと受け止めてあげたいなと思っていることを伝えられたかなと思います
最後に、次の問いに対してグループで対話を行いました。 ※ 当社研修資料より抜粋
・ただ与えられたことをやるだけじゃなくて、与えられたことを自分でどう活かしていくかを考えて仕事をすると新しいトビラが開くかもしれないという言葉が特に印象に残都っています
・より良い関係性になりたいのでコミュニケーションの時間と量を増やすことをしたいです
・遠慮と配慮の使い分けを学んだので、現場でも良くするためにという想いを持って本音で伝えるとことは伝えてみたいです
1日を通しての対話や手紙のワークを通じて、様々の方と対話を行い、たくさんの新しい考え方に触れた方が多くいらっしゃったと思います。
研修で学んだことを現場に繋げてもらうための振り返りシートを記載し、グループでシェアして頂いて終了となりました。
ブリッジシートを一部ご紹介します。 【新入社員のブリッジシート】
【OJTトレーナーのブリッジシート】
午前中の新入社員の皆さんは、立ち上がり時点では、おとなしく発言も控えめな様子でしたが、リフレクションワークを行うと、同じ悩みを共有できたことで、発言に当事者意識も持てていました。
OJTトレーナーの皆さんは、前向きに受講されている方と受け身で受講されている方がいて、受講姿勢に差がありました。ただし対話を進める中で、自身の新入社員への想いが強くなり、OJTトレーナー全員の方が前向きな受講姿勢になっていきました。
午後からは他社のトレーナー・新入社員の方と対話をする時間を多く作っています。
普段、他社の方と会話する機会がない中で、お互いの会社での取り組みや環境の話に興味を深く質問しあっている様子がありました。自身のトレーナーには聞きにくい評価の仕方について、他社のトレーナーの方に質問していた新入社員の方は、他者との比較ではなく自身の中での成長を見てくれているということに安心感を感じ心が軽くなったと言っている方がいました。
また、もっと厳しいフィードバックを欲しいのに、ポジティブフィードバックがほとんどなので、自分が成長できていない気がするというコメントを伝えている新入社員もいらっしゃり、トレーナーの方も人によってフィードバックの仕方を考えないといけない、という気づきを得ていました。
この研修では「内省と認知」で、自分が見ている世界を広げていく作業を行っていました。世界を広げる際は、決めつけてしまうと上手くいかないため、さまざま人の意見に触れ、しっかりと内省して頂きたいと思います。
内省と言いながら、一人で内省を行っていると反芻になってしまっていることが多々あります。
ぜひ1on1やチームのメンバーでリフレクションするなど他者と行う時間を設けてみてください。その際に、異質の目といって、他の部署や他の会社の方と対話を行うというと新しい意見を聞くことができ、認知が広がりやすくなります。
また、書いて、話して、他の方から問いやポジティブフィードバックをもらうことで内省を深めることができます。
これは1on1でも使えるやり方ですので、ぜひ実践してみてください。
今回の研修をきっかけに、新入社員の成長が促進されることを願っています。
本研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。
ご興味をお持ちの方は、ぜひダウンロードください。