研修・セミナーレポート

2025年7月10日 2年目フォロー研修1日目ー公開講座研修レポート

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本内容は、2025年7月10日に開催した「2年目フォロー研修 1日目」の公開講座研修レポートです。受講内容や、受講前と後の変化をまとめています。

1)研修概要

全2回の2年目フォロー研修の1日目として、導入セッションを行いました。

 

2年目フォロー研修の目的

アーティエンスの2年目フォロー研修自社における自身のビジョンを明確にし、当事者意識と主体性を持って仕事を楽しむことを目的としています。

単なるキャリアの押しつけではなく、「自分はどう成長したいのか」「どんな仕事の仕方をしたいのか」をじっくり考え、言語化していく研修です。

忙しい日々の中で、「自分が成長している実感が持てない」「将来について考える余裕がない」と感じている2年目社員は少なくありません。
しかし、自分が何のために働いているのかが分からないと、仕事のモチベーションは下がってしまいます。

さらに、成長実感がなければ、これからの成長への期待(=成長予感)も育まれず、結果として離職につながるケースもあるという調査結果もあります。この研修では、以下のようなステップで、自身のキャリアを描いていきます。

・1年目を振り返り、自分の成長を実感する
・2年目にどう成長したいかを探求する
・「今、自分はどう在りたいか(自己マスタリー)」を明確にする
・会社にどのように貢献していくかの方向性を見出す

こうしたプロセスを通じて、仕事を楽しむ気持ちと同時に、仕事の大変さにも向き合える力を育んでいきます

2年目フォロー研修での学びのポイント

クリエイティブテンションを育む

自身の大切にしている価値観を仲間と共に掘り下げ、その上で今考える素晴らしい未来を探求します。

ポジティブリフレクションを通して成長予感を育む

ポジティブリフレクションを通して、成長実感を得て、さらに成長予感を育みます。

当事者意識・主体性を解放するアクションプランを創る

サーベイ結果を通して、今最も自身の関心がある課題に対して、徹底した対話を通して、当事者意識・主体性の高いアクションプランを考えます。

2年目フォロー研修 当日のアジェンダ

1. チェックイン
2. 素晴らしい2年目社員/そうでない2年目社員の考察
3. 相互インタビュー
4. ポジティブコアの作成
5. 素晴らしい未来の探求・宣言文の作成
6.チェックアウト

2)受講者の研修の始めと終わりでの変化

研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから変化を感じられます。

研修開始時のコメント

・1年目フォロー研修からあまり時間が経っていないけど2年目にはなっているので、そろそろ意識を変えていかなければと感じている

・最近は仕事が忙しく、焦りを感じることもあり、どうすればもっと効率的に進められるかを考えている

・2年目にはなったけど、まだ自分からやることを見つけるというよりは、任されたことをこなしているという感覚が強い

・毎日楽しく働けている一方で、自分なりの課題を見つけて取り組んでいけたらと思っている

研修終了時のコメント

改めて「2年目であること」を自覚し、2年目としての在り方・見られ方を意識しなければならないと感じた

・どんな仕事をするかも大事ですが、誰とどんな風に働くかが自分にとって重要な価値観なんだなと実感した

・2年目になり環境が変化し、自身のやるべきこと、やれることが増えてきている中で、いかに自身の成長につなげながら、自身の社内外でのポジショニングを確立していくかを考えていこうと思った

・正直まだ2年目の自覚がなかったのですが、今回の研修を受けて、1年目と同じようにやるのではなく、自分なりの目標を立てて成長したいなという気持ちに変化した。

※オンラインでの実施の様子

研修を通じて、2年目としての「役割の自覚」と「主体性」、そして「周囲との関係性への意識」が高まりつつあることが伝わってきます。

この変化は、単なる知識の習得ではなく、在り方や視座の変化を意味しており、自ら成長していくための起点となります。

3)2年目フォロー研修(1日目)の内容

素晴らしい2年目社員/そうでない2年目社員の考察

「素晴らしい2年目社員」と「そうでない2年目社員」とはどんな状態かを想像しながら、自分なりに言語化して書き出していただきました。

※受講生のアウトプットの一部

その後、グループや全体での対話を通じて、次のようなコメントが出てきました。

【参加者コメントの一部】

・他人の意見を汲み取りつつ、自分の意思もきちんと伝えられる姿こそが、素晴らしい2年目のあり方だと思う
・まだ仕事を覚えている途中で、覚えることで精一杯。今はとにかく目の前のことに全力で取り組む段階
・このワークをやってみて、あまり書けなかったので、自分が2年目であることを意識できていないのかもしれないと痛感した
・興味を持たなければ、そもそもコミュニケーションは成り立たないので、相手に興味を持つ、というコメントに共感した
・いつもギリギリに仕事を進めて上長への確認をお願いしている自分に対し、余裕を持って仕事に取り組めるのが理想的な2年目の姿だと感じた

2年目になり、理想の姿を意識し始める一方で、目の前の業務に精一杯な現状とのギャップを感じている様子がうかがえます。

他者との関わり方やコミュニケーションの質を高めたいという意識も見られ、周囲への視野が広がり始めている段階ともいえます。

自らの強み・可能性の探求

自分自身の強みや可能性を探るために、「ポジティブインタビュー」を実施しました。

オリジナルのインタビューシートを活用しながら、自分と自分を取り巻く世界の「過去・現在・未来」を丁寧に掘り下げていきます。

インタビューという対話のプロセスを通じて、自分では気づきにくかった強みや可能性にも目を向けやすくなります。

※オンラインでの実施の様子

幼少期から現在までを振り返る中で、自分の歩みを丁寧にたどろうとする姿が印象的でした。インタビューのあとは、ペアで聴いた相手の話をリストーリーとしてグループで共有しました。

インタビュアーとのやりとりや、グループでの共有を通じて、「言われてみれば、確かにそうかもしれない」と、自分では気づいていなかった新たな気づきや発見が生まれていました。

ポジティブコアの探求・作成

インタビュー・ダイアログを終え、気づいた点や学んだ点、大事だと感じたことを、そして、私・私たちの、強み・可能性をキーワードで書き出して整理してもらいました。
その後、整理した情報を元にイメージ画像を作成し、発表してもらいました。

【Aグループ】

ポジティブはポジティブに。ネガティブもポジティブに

<Aグループによる解説>
グループのメンバーで過去のネガティブな経験や要素を今の仕事に活かしている点が共通していたため、ポジティブな面だけでなく、ネガティブな面も前向きに活かしていきたいという想いを表現した。

【Bグループ】

<Bグループによる解説>
初心な気持ちや素直さを「真っ白な本」、これまでの経験からくる余裕を「水」に例えた。その両方がそろうことで、自分自身が芽を出し、成長していけるのではないかと考えた。

【Cグループ】

<Cグループによる解説>
負の感情をなくす行動も、やりたいことを達成する行動も、どちらも「自分が率先して動くこと」が大切なのは同じだと気づき、その視点から考えてみた。

【Dグループ】

<Dグループによる解説>
自分たちは「自分のために頑張りたい」という想いと、「仲間のために頑張りたい」という2つの想いを持っていたので、それをマラソンや駅伝に例えて表現した。

【Eグループ】

<Eグループによる解説>
苦手なことに焦点を当てるのではなくて、自分の得意なことに目を向けようというメッセージを、さまざまな形で表現した。

【Fグループ】

<Fグループによる解説>
ストーンスープという民話をもとに、「誰もが与える側であり、同時にスープをいただく仲間でもある」ということを表現した。

ポジティブコアが仕事の仕方に結びつくと、皆さんの自信が高まり、熱意やエネルギーが向上ます

「ありたい姿・未来像」の表現

「私たちのポジティブコア」が最大限に発揮されたときの、最高の未来の姿を思い描き、そのイメージを物語として表現していただきました。

アウトプットで出てきた物語の一部を紹介します。

その後、自分たちのグループの振り返りや、他のグループの発表を見たうえで、「ありたい姿・未来像」にどんな共通点やテーマがあるのか、またどんな気づきや発見があったのかを、グループで話し合いました。

次のようなコメントが出てきました。

【参加者コメントの一部】

・優秀な後輩の存在に刺激を受ける感覚が、リアルで印象に残った
・同期と働いていて、後輩が他の同期を慕っている、という描写があって後輩との関わり方の大切さを感じた
・2年目になり少し相談しづらさを感じつつも、素直さを大切にしたいと思った
・2年目だからといって構えすぎず、疑問に思ったことはこれまで通りすぐに聞くスタンスでもよいのかもしれないと思った

具体的な場面を想像することで、自分たちのポジティブコアが仕事の中でどのように活きるのかを、よりリアルに描けるようになります。

「目指したい姿の宣言文」作成

私たちの夢を実現し、現実的に達成したい状態に到達するために、職場を具体的にどう変えたいかについて、メンバーを喚起させる宣言文をグループで作成しました。

「目指したい姿の宣言文」を皆で考えることにより、各人がどんな想いをもっているのか、現実的にどんな状態を実現したいのか、そのためにどのようなことに取り組んでいきたいのかが、その背景とともに共有できます。

【Aグループ】

【講師からのコメント・問い】
自分を信じる力を持っていてほしいと思いました。
また、深くネガティブな状態に陥ったときに、どう状態を整えるかは考えておいてほしいです。

【Bグループ】

【講師からのコメント・問い】
素晴らしい2年目の要素が詰まっていると感じました。
自分の中に余白を持っておくことで、何に選択と集中をするかが見えやすくなると思います。

【Cグループ】

【講師からのコメント・問い】

先輩から可愛がられ、新入社員が入ってきたときには、きっと寄り添える先輩になれるだろうと感じました。
努力するって宣言してくれているので、毎日10,15分続けられる努力は何かを考えて具体化して行ってほしいです。

【Dグループ】

【講師からのコメント・問い】
「頼ること」と「自分でやり切ること」は一見矛盾していますが、どちらも大切です。だからこそ、そのバランスをどう取るかを考えてみてもらえるといいなと思います。

【Eグループ】

【講師からのコメント・問い】
自分の強みを活かすとパフォーマンスが高くなります。ストレングスファインダーなどのツールを使って、客観的に強みを見つめるのも一つの方法です。
一方で、苦手なことを放置していると後で苦労する場面もあるので、どこまで向き合うかを考えておきましょう。

【Fグループ】

【講師からのコメント・問い】
強みを活かして仕事を楽しめるって、最強ですね。
お互いを潰し合うのではなく、強みを引き出し合い、輝かせ合うにはどうしたらいいか、そんな視点を持って仕事をしてみてほしいと思います。

4)講師・アテンド所感

研修前には、全体として「2年目」というよりも「1年目の延長線上にいる」という感覚を持つ受講者が多い印象でした。しかし、対話やワークを通じて「2年目としてこのままではいけない」という気づきを得た様子が多く見られました。

今日グループで考えた「目指したい姿の宣言文」を、少しずつでも日々の行動に落とし込んでいってくれることを期待しています。

研修の中でもお伝えしたように、どうか自分の可能性に蓋をせず、強みや個性を信じて、前向きに仕事に取り組んでいってほしいと思います。

本研修の内容及び2年目フォロー研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。 ご興味をお持ちの方は、ぜひダウンロードください。