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[ コラム ]
中小企業必見!成功した組織改革・変革【事例6選】│簡単な施策から大胆な変革まで
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経営者必読!事例で学ぶ中小企業の経営課題の解決方法
更新日:
「経営課題を解決したい。他の中小企業は、どうやって経営課題を解決しているだろうか?」
このように考えて、中小企業の経営者が本コラムにたどり着いたのではないでしょうか。
多くの中小企業をご支援するなかで、経営者自身が、経営課題の解決に向けて施策を行っているケースを多く見ます。良かれと思ってやったことが、現場を混乱させ、経営課題をより困難なものにしているケースもありました。
そのような状況を見ると、とても苦しくなります。悪人は一人もおらず、経営陣も含めて組織を良くしようとしているにもかかわらずです。
とはいえ、「悪人は一人もいないのに、状況が悪化する」というのは、中小企業のあるあるです。
経営課題を解決するには、状況を正しく把握し、対応策を考えることで、より発展的な施策を打つことが可能になります。
本コラムを最後まで読んでいただければ、中小企業の経営課題に対してのアプローチや解決策が分かります。具体的な事例を通して、お伝えします。
ぜひ最後まで読んでいただき、自組織の経営課題を解決してください。
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1. 中小企業の経営課題は、経営者が引き起こしている
まずはじめに、とても苦しいことですが「中小企業の経営課題は、経営者が引き起こしている」と考えることがスタートです。
中小企業は良くも悪くも、経営者の判断や価値観が組織に大きな影響を与えます。
まず、「中小企業の経営課題は、経営者が引き起こしている」と考えることで、効果的な解決策を考えやすくなります。
とはいえ、全ての課題に、盲目的に自責思考を持つ必要はありません。
極端な例ですが「雨が降ったことも、自責でとらえろ」というのは無理な話です。経営者が影響を及ぼす範囲で考えることが重要です。
これまでの自身の選択自体や、その選択が組織にどのような影響を与えたかを、事実ベースで振り返ることが必要です。
2)中小企業の経営課題が起きる3つのパターン
中小企業の経営課題に経営者自身は、どのように関わっているのでしょうか。
そこには3つのパターンがあります。
・経営者が課題を見て見ぬふりするして、課題が悪化
・経営者の判断により、経営課題が起きる(悪化する)
それぞれ説明していきます。
経営者が気づけていない経営課題が存在している
そもそも経営者が課気付いていない経営課題が存在している場合があります。
例えば、新規事業の立上げに意識が強くいき、既存事業がおざなりになるケースです。
既存事業にある課題把握ができなくなります。
意識がいっていないので、情報は入ってこない場合もあれば、情報が入ってきても無意識的に優先度を下げてしまっている場合があります。
これでは、経営課題に気付くことはできなくなりますし、気付いたころには経営課題は悪化しているでしょう。
課題を見て見ぬふりをし、経営課題が悪化する
経営課題が起きるのは、経営者が課題に対して、見て見ぬふりをするということもあります。忙しさから見て見ぬふりをしたり、また自身の弱さから見て見ぬふりをします。
例えば、残業が多くなり現場の業務負担が多くなっているケースです。経営者本人としては「今は耐える時期だから仕方ない。経営陣もフォローしている余裕がない」といった理由もあるでしょう。
また事業責任者のパワハラ・セクハラに気づいていても、該当社員が売上・利益を上げているからという理由で、大きな問題になるまで見て見ぬふりをするというケースもあるかもしれません。この程度であれば、許容範囲だろうと言い聞かせて、見逃しているのです。
見て見ぬふりをしていては、経営課題が解決されることはありません。
経営者の判断により、経営課題が起きる(悪化する)
経営者の判断により、経営課題が起きたり、悪化することもあります。
筆者の経験上、経営者が良かれと思って反応的に行った対応や施策によって、よく起こります。
例えば、離職率が高くなっているので、エンゲージメントサーベイを行う施策をしたとします。この後、サーベイの結果を見て「現場の責任者を詰める(犯人探しをする)」や、「サーベイを取ったが、特に対策をしない」などのケースもよくあります。
これでは、解決しないどころか、経営者への不信感が強まります。離職率を改善することは難しいでしょう。
経営者の判断により、経営課題が起きたり、悪化します。
こうした状況を解決するためにも「中小企業の経営課題は、経営者が引き起こしている」と考えることがスタートです。
課題はギフトという言葉があります。課題を解決すれば、成長・発展・進化できるからです。
ただしこの時に注意したほうがいいのは、課題をどう解決していくかです。
例えば、残業が多いときに「残業を無くす」と掲げても、解決は難しいでしょう。「業務の生産性を上げて残業を減らしつつも、社員のやりがいを創る」という風に課題を設定すると、施策も変わってきます。
経営者がどれだけ課題を発展させられるかで、組織の未来は変わってきます。
3)中小企業によくある経営課題
大阪信用金庫の調査結果として、2024年の中小企業の経営課題の一位は「販売価格の見直し・価格転嫁」でした。2位以下の順位は、以下からご覧いただけます。
自組織の状況と照らし合わせてもいいでしょう。
(出典) 第198回景気動向調査 特別調査「中小企業が直面する経営課題 -2024年業況予測」
なお事業課題と組織課題に分けて、自組織のどこに課題があるかを把握する方法もあります。当社がよくお聞きする代表的なもの記載します。
事業課題
・資金調達
・マーケットでの優位性
・顧客獲得と維持
・新規事業開発
・ブランド認知度
・サプライチェーンの管理
・規制遵守
・グローバル展開
・AIなど最新テクノロジー
・コスト管理
組織課題
・人材確保と育成
・組織文化の醸成
・リーダーシップの強化
・コミュニケーションの改善
・業務プロセスの効率化
・組織の柔軟性と対応力
・パフォーマンス評価と報酬制度
・従業員のエンゲージメント
・メンタルヘルス
・知識の共有と継承(ナレッジマネジメント)
4)事例で解説|中小企業の経営課題の解決に必要な4つプロセス
中小企業の経営課題を解決するには、下記の4つのプロセスをふむといいでしょう。
2. システム図をもとに、緊急対応と根本的解決を考える
3. 現実的な課題解決策を考える
4. 定期的に振り返りを行い、進捗を確認する
それぞれ説明していきます。
4-1. システム思考で、課題を俯瞰する
粒度関係なく、課題を洗い出します。その後に、課題がどのようにつながっているかを、システム思考を用いてシステム図を作成し、把握します。
下記は、200名の中小企業の例です。
【システム図】
4-2. システム図をもとに、緊急対応と根本的解決を考える
システム思考で考えたら、短期的に打ち手が必要な緊急対応と中長期視点で打ち手が必要な根本的解決策を考えます。
先ほどの事例の続きをお見せします。
4-3. 現実的な課題解決策を考える
最後に阻害要因などをふまえて、現実的な対応策を考えていきます。
この時は、関係者で議論と対話をしっかり行うことが必要です。
4-4. 定期的に振り返りを行い、進捗を確認する
対応策が走り始めたら、定期的に振り返りを行うといいでしょう。オーナーを決めて、プロジェクトとして扱って行くことをお勧めします。
課題の大きさによりますが、定例の経営会議のアジェンダに入れてもいいでしょう。
5)経営者が成長することで、中小企業の経営課題は発展していく
経営者が成長することで、中小企業の課題は発展していきます。経営者の視座が高まることで、物事の捉え方が変わるからです。
例えば、「AIで、今、何ができるのか?将来、事業にどのような影響を与えるのか?」などを考えるための最低限のAIの情報があるだけでも、課題の捉え方や解像度が変わってきます。
また人としても成長(成人発達理論でいう垂直的成長)によって、世の中への影響度合いも変わってくるでしょう。
自利利他を高めていくことで、組織は世の中により素晴らしい影響を与えていきます。「自分がいかに儲けるか」から「世の中に素晴らしい影響をどう与えていくか」という課題設定になっていきます。
精神的成長が高まることで、見えている世界が広がり、個人・組織の影響が高まっていきます。
【参考】自利利他とは?
6)まとめ
本コラムでは、「『中小企業の経営課題は、経営者が引き起こしている』と考えることがスタート」という話から、具体的な解決策をお伝えしました。
「中小企業の経営課題は、経営者が引き起こしている」原因としては、下記の3つがあります。
・課題に気付いていない
・課題を見て見ぬふりする
・経営者の判断により、経営課題が起きる(悪化する)
これらを解決するには、下記プロセスが必要です。
1. システム思考で、課題を俯瞰する
2. システム図をもとに、緊急対応と根本的解決を考える
3. 現実的な課題解決策を考える
4. 定期的に振り返りを行い、進捗を確認する
そして、よりよい課題を設定するには、経営者の成長は欠かせません。
なお、本コラムでご紹介した経営課題の整理を実施してみたい、また、興味がある、という方はぜひ当社までご連絡いただければと思います。
御社の課題解決と、素晴らしい未来が切り拓いていくことを、ご一緒できればうれしく思います。