『対話型会議』で成果の質を高める!8つの効果と具体的な進め方を解説

「対話を取り入れた会議をしたいけど、進め方が分からない。そもそも議論と対話の違いもよく分からない」
「議論をただ戦わせるだけでは、若者が発言しづらく、会議が活性化しない。対話型会議がいいと聞いたので、詳しく知りたい」

研修やお客様との打ち合わせで、このようなお話をよくお聞きします。

近年は、VUCAと言われる正解のない世界となり、課題解決がますます困難になりました。
どんなにロジカルシンキングを用いた議論をしても、上手くいかないケースが多く見られます。

そこで注目されているのが対話型会議です。

対話型会議を行うことで、イノベーションが生まれやすくなったり、関係性の強化、仕事へのコミット度合いの向上により、成果の質を上げることが期待できます。

本コラムでは、対話型会議の効果や具体的な進め方について紹介します。本コラムを参考に対話型会議を行い、成果の質を高めていきましょう。

対話を用いた会議を進行したいと考えている方へ

対話を用いた会議を実施するためには、具体的なファシリテーションスキルと実践的なアプローチが必要です。
ファシリテーションスキルを付けることで以下のようなメリットがあります。

  • 会議の生産性が向上する
  • 新しいアイデアが出やすくなる
  • 対話が生まれる会議のつくり方が分かる
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執筆者プロフィール
迫間 智彦
X:@tohaza_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

1)対話型会議とは

対話型会議とは、お互いの背景(意見・感情・価値観など)を理解しあうことで、新しいアイディアを生み、また合意形成を行っていく会議です。

今まで良いとされていた議論型会議では、なかなか乗り越えられない議題にもアプローチできるため、近年活用度合いが増えています。

例えば、新規プロジェクトの商品企画会議の場面。本会議を議論型で行うと、過去の参考資料や市場情報などの資料を持ち寄って、新しい商品を決めていく流れになるでしょう。
もちろんそのような部分も必要ですが、過去の経験を重視して話を進めるため議論型会議では新たなイノベーションは起きづらいです。

一方、対話型会議で行うと、「どういう商品があったら嬉しいか」を皆で対話を通しながら深めていく、という流れが生まれます。お互いの背景も理解しあうことで、認知が広がり深い思考が可能になります。
すると、対話の中で今まで考えもつかなかったアイディアが出てきて、参加者全員が「その商品を作りたい!」という強い思いを持ち、実行に向けてコミット高く取り組む、という状態が生まれます

このように、対話型会議を行うことで、今まで考えつかなかったアイディアが出てきたり、対話の中でお互いを知るため相互理解が促されたり、仕事へのコミット度合いが高まるなど、さまざまな効果を得られます。

【参考】対話と議論の違い

●対話
参加者間での理解を深めて共通の認識を築くためのコミュニケーション。理解や気づきを得ることが重要で、対話のプロセスそのものが価値を持ちます。
〈有効な場面〉チームビルディング/ビジョンやミッションの共有/ブレインストーミング/問題の深掘り/組織文化や価値観の共有

●議論
意見を出し合い、最適な意思決定を行うことを重視するコミュニケーション。一定の時間内に結論や意思決定を出すことが重要で、結論や意思決定そのものが価値を持ちます。
〈有効な場面〉明確な意思決定/問題解決/計画立案/戦略の策定

【参考】対話を深めるためのグランドルール

対話を深めていく場合は、正解探しをするのではなく、探求を深めていくことが重要です。お互いの違いを認めることで、自身と仲間の認知を広げ、深い内省が可能になり、時には生成的なアイディアも生まれます。

対話型会議ではグランドルールを設けるとそのような場つくりをしやすくなります。

参考までにアーティエンスが対話型会議で使用しているグランドルールを紹介します。

 本日のルール※ 当社、組織が動く会議術|ファシリテーション力向上研修のテキストより抜粋

当社では、上記の内容をワークショップの目的・目標に応じて、カスタマイズしていきます。

2)対話型会議で得られる8つの効果

対話型会議で得られる効果8つについて具体的に紹介します。

・関係性の強化
・認知の広がり
・チーム力強化
・アイディアの生成
・チームとしてのコミットの向上
・チームレジリエンスの向上
・シェアドリーダーシップの醸成
・チーム学習の強化

関係性の強化

対話型会議を行うことで関係性を強化できます。参加者全員が否定されることなく、自由に意見を述べやすく、相互理解が生まれるためです。

対話型会議ではお互いの背景を理解し合うことが求められるため、言葉をうまくまとめる必要はありません。そのためリラックした状態になり、率直な意見を話せる人が多いです。

一方、議論型の会議では、効率化に進めることを求められるため、結論を端的に伝えることが求められます。一見、相手の意見だけではなく人格さえも否定しているととらえられるケースもあります。

言葉がまとまっていなくても今あるものをそのまま出してもらうことで、他の参加者から質問があったり、理解を確認していく動きが出て、関係性の構築に繋がります。

例えば、プロジェクト遅延の課題を解決する会議を行うとします。その際に、対話型で行うと、お互いの背景を確認しあうなどの対話を行うことになり、関わっている人の想いや背景が見えてきます。
家族の介護のために残業ができずに仕事が溜まっている人がいるかもしれません。他にも、AさんとBさんがお互いのことをよく思っておらず、連携が崩れていることが影響しているかもしれません。
そのようなことがわかると、今後遅延を起こさないために、人を増やして仕事量を減らしたり、AさんとBさんの不満を解消して連携をしやすくする、という本質的な対策を行えます。
また、お互いの立場や状況を理解する過程で関係性が深まり、関係性の強化にも繋がります。

認知の広がり

対話型会議を行うことで参加者の認知が広がります。対話を通してチームでの内省の機会を得て、また他者の意見も知れるためです。

対話型会議では、参加者それぞれの意見を聞ける時間が設けられていることが多いため、異なる視点をもらうことが多くなります。
一方、議論型の会議だと時間が限られているため、議論のテーマに関わる人や声の大きい人しか意見交換をしない状態が生まれやすいです。

例えば、さまざまな部署が関わる新商品の開発プロジェクトについて対話型会議を行うとします。さまざまな部門のメンバーが意見を交換する対話型会議では、製品開発部が営業部からの意見を聞くことで、今までのやり方を見直すきっかけになったり、製品の改善点や市場の需要の変化に気付けるかもしれません。

対話型会議では、全く領域の異なる人など他者の意見や経験を聞くことで、考え方や価値観が拡がり新たな視点を得られるため、結果として認知が広がります。

チーム力強化

対話型会議を行うことで、チーム力も強化できます。多様性を受容し活用する文化が形成されるためです。

対話型会議では、異なる視点を尊重し、共感や理解を深めることで、チーム全体の連帯感が生まれます。
一方、議論型会議では、効率的に意思決定を行う議論を進めるために、良い悪いが明確になる場合があります。そのため、チームの分断が生まれることもあります。

例えば、チーム内の効率化を高めるための会議があるとします。
その会議に参加している部長、社員5名は全員年齢がバラバラです。効率化のために新しいチャットツールAの導入の話が出ていますが、部長は新しいチャットツール Aの導入に前向きではなく、新入社員は前向きです。
このような際に、なぜ部長は前向きではないのか、なぜ新入社員はそんなに導入を推し進めるのかという背景を対話と通して理解し合います。すると、お互いの価値観が見えて、それらを統合すると、チャットツールAではなくチャットツールCであれば皆が納得できることがわかり、全員が納得感を持って意思決定できます。

チームメンバーがお互いの違いを受容し、尊重する文化が醸成されることで、チーム全体の協力や共同作業が円滑に進むようになります。

アイディアの生成

対話型会議を行うことで、アイディアが生まれやすくなります。対話の中で自然と共創・協働が育まれていくためです。

議論型会議だと、アイディアの実現性などには向いていますが、アイディア出しの際は否定されることも多いので、アイディアの数が出ないこともあります。

対話型会議では、一人のメンバーが提案したアイデアが、他のメンバーのアイデアの原動力となり、新たなアイデアを引き出すきっかけとなり、相互にインスピレーションを与え合う状況が作られます。すると、さまざまな人のアイディアが重なり、一人では考えつかないアイディアが生まれやすくなります。

ブレインストーミングなどアイディアを生み出すことを目的とした会議は、対話型が用いられることが多いです。

チームとしてのコミットの向上

対話型会議を行うことで、チームとしてのコミットが向上します。参加者が自分の意見やアイデアがチームの成果に直結すると感じるためです。

対話型会議では、基本的に皆が主体的に参加し、コミュニケーションをとる環境が整えられているため、それぞれのメンバーの意見が意思決定に反映されやすく、チーム全体的なコミット度合いが高まります。
一方、議論型会議では、理解はできているが、納得度合いが低い場合もあります。その場合は、チームの中でコミットの高い人とそうでない人が生まれます。

また、コミュニケーションの場が積み重なることで、チームメンバー間の信頼関係が構築され、チーム全体としての結束力が高まることも期待できます。

チームレジリエンスの向上

対話型会議は、チームレジリエンスの向上にも効果的です。オープンなコミュニケーションを行うことで、お互いを支え合う関係性が構築され、チームが困難な状況に直面した際に、互いに助け合い、共に乗り越えようとする意欲が生まれるためです。

対話型会議では、コミュニケーションを重ねる中で一体感や結束力が育まれ、共創・協働が生まれやすいです。
一方、議論型会議ではお互いの背景を理解し合う時間がないことが多く、ともに乗り越える意欲を生成できていないケースもあります。

例えば、クライアントからの納期の前倒しの依頼があった時に、チームとして、お互いに支援できることを率先して確認して対応していきます。

誰か一人だけの負担が重くなるのではなく、負担を分けてチームみんなで乗り越えようとする動きが見えます。

シェアドリーダーシップの醸成

対話会議を行うことで、シェアドリーダーシップが醸成されます。

シェアド・リーダーシップとは「リーダーシップをシェアする」という考え方です。

全員発揮のリーダーシップとも言われます。その場その場で、最適だと思われるメンバーがリーダーシップを発揮して、他のメンバーはフォロワーシップを発揮するという考え方です。リーダーとフォロワーが流動的になります。

【参考】アーティエンスでのリーダーシップの定義

リーダーシップは、「引っ張る」や「決める」などの文脈で使われがちです。ただ学術的には「目的・目標に影響を与えること」という考え方が主流です。

アーティエンスでは、さらにリーダーシップを次のように定義しています。
「人や組織に対して、ポジティブな影響を与え続け、その上で自身の未来も今も幸せであること」

目的・目標に影響を与えるだけでは、どうしても主体性を育むアプローチが弱くなります。本来、リーダーシップは相互作用を産んでいきます。そのため、リーダーシップを発揮することで、自身にもポジティブな影響が戻ってくるとしています。

例えば、あるトピックでは、Aさんが中心となって対話が進められ、別のトピックになったらBさんが進行役になるなどです。

進行する人以外にも、出てきた意見を深掘りする人や共感してくれる人、書記として内容をメモする人など、自然発生的に自身の特性を活かしたリーダーシップが発揮されやすいです。

議論型の会議では、役割や立場が明確になっていることが多いため、このようなことが起こりづらいです。一部の人が引っ張るという文脈になることも見受けられます。

議論型とは違い対話型会議は、自分が周囲に対してポジティブな影響を与えようとすることを醸成できることもあります。

チーム学習の強化

対話型会議は、チーム学習を強化させます。対話によって、お互いの背景を理解しあることにより、視点や経験が交換されるためです。

対話型会議では、対話の中で認知を広げていくことが可能です。

議論型会議では、ロジカルシンキングを用いた学びは深まりますが、システム思考などを用いた認知を広げる思考には適していません。

例えば、チームが過去のプロジェクトや取り組みについて振り返り、成功要因や課題点を共有する会議があるとします。対話型会議を行うと、問題分析を行って改善策を考えるだけではなく、問題がそもそも起きる構造(システム)を見に行けます。どのように成功体験を強化していくのか、また表面的な再発防止策だけではなく、課題そのものがなくなるにはどうしたらいいかを考えるようになるため、同じような間違いを繰り返すことなく、チームとして成長していけます。

【参考コラム】システム思考とは|「複雑な課題」を解決に導く思考法を事例で解説!

このような効果を得たい場合は、対話型会議を実施することをお勧めします。

対話を用いた会議を進行したいと考えている方へ

対話を用いた会議を実施するためには、具体的なファシリテーションスキルと実践的なアプローチが必要です。
ファシリテーションスキルを付けることで以下のようなメリットがあります。

  • 会議の生産性が向上する
  • 新しいアイデアが出やすくなる
  • 対話が生まれる会議のつくり方が分かる
  • ネクストアクションの解像度が上がる

今すぐファシリテーション力向上研修のサービス資料をダウンロードして、会議の質を向上させる一歩を踏み出しましょう。

3)対話型会議の具体的な進め方とポイント

対話型会議の具体的な進め方とポイントについてお伝えします。

会議の準備 インビテーションを送る
適切なレイアウトの設定
備品の準備
会議中 ルールを設ける
チェックインをする
ファシリテーターが対話をホールドする
チェックアウトをする
会議後 バトンメールをする

会議の準備

参加者の当事者意識と主体性を促せる状態にしておくことがポイントです。対話は誰かに言われて行うものではなく、参加者の内側から出てくるものを大切にしているためです。

参加者の当事者意識と主体性を促すための具体的な方法をお伝えします。

インビテーションを送る

目的・目標・アジェンダを明確にし、対話型会議であることをインビテーションを通して知らせましょう。
対話型会議であることが事前にわかっていると、無意識的にも対話をする心の準備が整います。

なお、対話型会議は時間を気にし過ぎると、対話を深めていけないため、議論型と比べて時間を多めに確保しておくことをお勧めします。

適切なレイアウトの設定

対話型会議に適切なレイアウトに設定しましょう。対話会議を行う際は、参加者同士の顔が見えるレイアウトの島形式やバズ形式、サークル形式がおすすめです。

※ 当社、ファシリテーション研修のテキストより一部抜粋

顔が見えていると、表情や視線、ジェスチャーといった非言語的なサインを読み取れます。これらのサインは、言葉だけでは伝わりにくい感情や意図を補完し、コミュニケーションを円滑にします。

例えば、相手の笑顔やうなずきは、話し手に対して理解や同意のサインを送り、安心して意見を述べる手助けとなります。

なおグループに分かれて対話をする場合は、くじを用意しておくのも一つの方法です。普段話さないような人と出会う機会が広がり、視野が広がりやすくなります。

備品の準備

対話のために必要な備品もあらかじめ用意しておきます。備品の内容は会議の内容によって変わりますが、参考として下記のリストを紹介します。

ペンや付箋は、いくつかの色を用意しておいて、参加者に選んでもらうようにすると、このような些細なことでも、参加者の主体性を促すことに繋がります。

また、リラックスした状態で行いたい場合は、音楽をかけたり、手軽につまめるお菓子や飲み物を用意しておくこともあります。

会議中

安心して対話を行える場を作ることがポイントです。場に安心できていないと、自身の率直な思いを伝えきれず、対話が深まりません。

参加者が安心感を感じながら、対話が活性化するための方法をお伝えします。

ルールを設ける

対話が生まれやすい環境を作るためのルールが必要です。例えば、次のようなルールが対話を行う際にあると、安心安全の場が整いやすくなります。

会議のルールは内容に合わせて調整が必要です。詳しいルールの作り方についてはこちら「プロファシリテーターが伝授!失敗しないグランドルールの作り方と扱い方」のコラムをご覧ください。

チェックインをする

チェックインとは、会議におけるアイスブレイクの一つで、会議で参加者の緊張を和らげ、その後のコミュニケーションを円滑にしたり議論を活性化させたりする効果があります。

会議に参加している人全員が対話に入れるようにするために、チェックインで声を出しておくことは重要です。

チェックインについて詳しく知りたい方は「例文つきで今すぐ実践できる!会議での効果的なチェックイン・チェックアウトの具体的な進め方」のコラムをご覧ください。

ファシリテーターが対話をホールドする

対話に慣れていないと、対話のやり方がわからない方が多いです。そのため、必要に応じてファシリテーターがサポートして、対話の場を作り、ホールドします。

その際の方法として次のことが挙げられます。

●傾聴する
話し手の方を見ながら頷くなどして、あなたの話を聞いています、というメッセージを送ります。真剣に聞いてくれている人がいることが伝わると、話し手は話しやすくなります。なお、話を聞いていてわからないことがあれば「もう少し詳しく教えてください」などと反応しても大丈夫です。

●問いを出す
対話が停滞してしまった場合などは、「〇〇の点についてはどう思いますか?」などと考える観点を渡すような問いを出すと、場が動いていきやすくなります。

●内省の時間を設ける
会議の中でいきなり対話の時間とすると、自分の思考がまとまっていない人もいて対話が停滞しやすくなります。そのため、対話の前に内省の時間を設けて、自分の思考を整理し言語化し、対話できる状態にすることもおすすめです。

●視覚化する
対話は主に言葉で行うもので、視覚的に見えるものではありません。そのため、話が複雑になると、今何の話をしているのかがわからなくなったり、頭が混乱してきます。そのような場合は、ホワイトボードなどを用いて、現状を視覚化しましょう。状況が整理され、対話が生まれやすくなります。

●支援する
対話では、言語化しきれていない意見も場に出てくることが多いです。そのような際は、意見を要約したり、「〇〇という理解であっていますか?」と確認するなどして、話し手が伝えたいメッセージを支援しましょう。

なお、対話に慣れていない組織は、議論になってしまいやすいため、対話ではなくなってきたと感じた場合も、上記の関わり方でファシリテーターとして介入して対話の場に戻していきましょう。

【参考】ファシリテーターは場をコントロールしすぎようとせず、参加者を信じることも必要

ファシリテーターは場をコントロールしすぎようとせず、参加者を信じて参加者に場を委ねることも必要です。自分がどうにかしようとしすぎず、参加者が会議の目的に向かって適切な対話を行えるだろうと信じて見守ります。

対話型会議でのファシリテーターは、自身が何もしなくても良い対話が生まれていたな、という状態になるほうが、良い場作りができていたと言えます。

チェックアウトをする

チェックアウトは、会議の終わりに今感じていることや今後について参加者全員が発言をすることで、会議が締まるだけでなく、改めて、今日決まったこと、課題の理解が深まるなどの効果があります。

会議の終わりのチェックアウトで率直な思いを出してもらうことで、よりお互いを理解し合い、協働していく仲間として良い関係を築いていけるようになります。

(参考)会議後

会議後は、会議の熱をいかに維持できるかがポイントです。会議は会議自体が目的であることは少なく、会議の後には何かしら行動が必要なことが発生するためです。

会議で築かれた思いや熱を維持するための方法として、バトンメールがあります。

バトンメールをする

バトンメール®は、アーティエンスが開発した、会議後や研修後のフォローツールです。

参加者4~5名のグループになり、1週間に1回、会議で決めたことについて実践してみた経験や、難しさを感じていることなどを書いて、次の人に回していきます。実施方法はメールではなく、チャットなどでも大丈夫です。

※ 当社資料より一部抜粋

会議後に参加者と一緒にバトンメール®を行うと、会議での意思決定を度々思い出すため、会議の熱量を維持しやすいです。また、会議後の行動変容・認知変容を、会議の参加者同士で促すこともできます。それが現場での実行力や次の会議に繋がります。

対話型会議を行う際は、これらのポイントを意識して実施することで、会議の質を高められます。

(参考)対話型会議に向かない会議とは?

対話型会議に向かない会議もあります。それが次の4つの会議です。

・短時間で結論を出す必要がある会議
・決定事項の伝達会議
・反復的な業務報告会議
・高度に専門的な技術会議

短時間で結論を出す必要がある会議

災害やシステム障害などの緊急事態では、迅速な意思決定と行動が求められます。時間をかけて意見を集約する余裕がないため、対話型会議は適していません。

このような状況では、議論でスピーディーに進めたり、もしくは経営者が強いリーダーシップで引っ張っていくことも必要です。

決定事項の伝達会議

既に決定された事項を伝達するだけの会議では、意見交換や議論は必要ありません。情報を迅速かつ効率的に伝えることが目的なので、対話型会議の形式は適しません。

反復的な業務報告会議

業務の進捗を報告するだけの会議では、情報の一方的な共有が主目的となるため、対話型会議の形式は不要です。必要な情報を簡潔に報告し、次のステップに進むことが重要です。

高度に専門的な技術会議

特定の技術的な問題に関するエキスパートミーティングなど、高度な専門知識が求められる場合には、専門家が集中して解決策を見つける方が効率的です。広範な意見交換よりも専門的な知識の共有によって課題が解決されることが多いです。

これらの場合には、迅速かつ効果的な意思決定や情報共有が重要となるため、対話型会議の形式は適していません。会議の目的を意識して、使い分けましょう。

4)まとめ|対話型会議の質を高めるにはファシリテーションスキルが必要

本コラムでは、対話型会議の効果や具体的な進め方について紹介しました。

対話型会議とは、お互いの背景(意見・感情・価値観など)を理解しあうことで、新しいアイディアを生み、また合意形成を行っていく会議です。

今まで良いとされていた議論型会議では、なかなか乗り越えられない議題などにもアプローチがされるため、近年活用度合いが増えています。

対話型会議で得られる効果は次の8つのことです。

・関係性の強化
・認知の広がり
・チーム力強化
・アイディアの生成
・チームとしてのコミットの向上
・チームレジリエンスの向上
・シェアドリーダーシップの醸成
・チーム学習の強化

このような効果を得たい場合は、対話型会議を実施することをお勧めします。

対話型会議を進める際のポイントとして次のことを意識すると良いです。

・会議の準備:参加者の当事者意識と主体性を促せる状態にしておく
・会議中:安心して対話を行える場を創る
・会議後:会議の熱をいかに維持する

対話型会議を行う際は、これらのポイントを意識して実施することで、会議の質を高められます。

ただ、このようなポイントをしっかりと会議に落とし込み、期待する効果を得るためには、ファシリテーションスキルが重要です。

主なファシリテーションスキルは次の4つです。

①場のデザインのスキル
②対人関係のスキル
③構造化のスキル
④合意形成のスキル

これらのスキルを身につける場を設けるために、アーティエンスでは会議ファシリテーション研修を実施しています
ぜひ、以下より資料をご覧いただければと思います。


▶【公開講座(オンライン)】『会議ファシリテーション力向上研修』を見てみる

対話型会議を行うことで、成果の質を高められるようにしましょう。

会議ファシリテーション研修について詳しい情報を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください