研修・セミナーレポート

2024年5月16日 仕事と自己成長をつなぐ研修ー公開講座研修レポート

本内容は、2024年5月16日に開催「仕事と自己成長をつなぐ研修」の公開講座研修レポートです。受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。

1)研修の目的・学びのポイント

 

研修の目的

新入社員と組織との関係性を高め、リアリティショックの軽減を図ることを目的としています。「日々の仕事の積み重ね」が自身の目指すキャリアや成果へとつながることを理解し、社会人として今感じている「ギャップ」を埋めていきます。

3つの学びのポイント

既存社員の活躍の背景や成功への道のりを知る

今活躍している既存社員も、これまでの仕事においては課題や困難があったことを理解します。また、活躍することでより多くの価値発揮ができることを理解します。

日々の積み重ねの先に成功・成長があることを学ぶ

成功や成長のためには、今目の前の仕事をしっかりとやり抜く必要があることを理解します。目の前の仕事の捉え方を変えてきます。

今感じる理想と現実とのギャップを整理し乗り越えていく

入社前に抱いていた理想と、現実とのギャップ(仕事内容・既存社員の様子・他者からの評価・人間関係)について整理し、乗り越えるためのプランを考えます。

2)受講者の研修の始めと終わりでの変化

研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。

研修初めのコメント

・4月の研修ぶり。4月の研修は今の業務にものすごく役立っている。なので今日の研修も楽しみ!

・他社の新入社員の皆さんが、どんな1か月を過ごしてきたのか楽しみです

・今日の研修「仕事と自己成長をつなぐ研修」とのことだけど、どういうものなのかイメージができなくてソワソワしている

研修終了時のコメント

・五月病の尾をようやく断ち切ることができた。同年代はこんなにも頑張っている。

・自分の環境がとても恵まれていることに気付き、感謝の気持ちが生まれた

・今のキャリアの目標が明確ではなかったが、それに悲観することなく、でも、チャンスが来た時に勝ち取るための準備は常にしておくことが大事だということ。

・一つひとつの仕事の質を上げていきたい。それが自分の今と未来、組織の今と未来を豊かにする方法だと感じた

・今後リアリティショックを感じることがあるかもしれませんが、「我慢する・思い詰め過ぎる」とは違う、「価値観のアップデート」という新しい視点をもらえた

3)研修内容

事前インタビューを基にした対話

今回の研修の事前ワークとして、自社の若手社員の先輩に対してインタビューを行っていただきました。

・先輩の入社理由を聞いて、自分とは全然違かった。インタビューをして自社にはこんな魅力があったんだ、と新たに知る機会になった

・先輩は自分の希望した配属先じゃなかったとのこと。その時に、なぜその配属先なのか?を社長や部署のリーダーに聞きに行ったり、いろんな人に相談したりして、今はこの部署でよかった、と話していた。そういうふうに、自分からアクションを取ることが大事だと感じた。


・コミュニケーションや人間関係の大切さについて改めて気付きがあった。


・ホウレンソウの大切さ、1年目でつまずいたの。タスク管理・スケジュール管理の大切さ

ワールド・カフェ

当社の新入社員研修では、新入社員のインサイドアウト(新入社員の内側からの変容)を促し、研修に主体的に取り組んでもらうためのきっかけとしてワールドカフェを行います。

※ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行う対話手法の一つです。

ワールド・カフェでは、社会人になってからの約一か月半をテーマに、嬉しかったこと・モヤモヤしていること・取り組んだこと・取り組めなかったこと…等、様々な切り口で振り返り、対話を重ねていきました。

▼ワールド・カフェの様子

▼ワールド・カフェの中で出てきたコメント

・報連相の時は「どうすればいいですか?」ではなく「こう考えているんですどこれで進めていいですか?」にすること。相手がはい/いいえで応えられて、負担にならないように心がけた

・結論から話すのがやっぱり苦手だなと感じた…皆さんはどうしてますか?

・周りからお客様扱いされて、何だか悔しかった。早く1メンバーとして認められたい!

・一度上司から厳しく指摘されてことがあって、かなり落ち込んだ時があった。でも、それがなければまた同じミスしていたと思うから、今となっては指摘してもらえてよかったと思う

・とにかく、インプットが多くて大変だった。アウトプットをする時間を計画的に取らないと、なかなか身につかないつかないと感じた

・もうそろそろ入社したての「新入社員」ではなくなってくると思う。その時、ちゃんと信頼されるメンバーとして仕事を任されたい

・もっと質問をたくさんしたいと思った。そうすることで、上司も確認できる。以前、上司にいろいろ質問をしたことがあるが、その時、何だか上司も嬉しそうだった

・皆それぞれ、いろんなことを考えて頑張っているから、ちゃんと自分をほめてあげたいと思った

講義・対話 ~リアリティショックとは~

事前講義として、『リアリティショック』に関する理解を深めました。

リアリティショックとは、「現実と理想のギャップに衝撃を受けること」で、自身が描いていたイメージと、実際の仕事内容や人間関係などに乖離があると、不安感や喪失感、諦めの気持ちを抱いてしまうことを指します。

リアリティショックは一般的には、大きく4種類に分類されますが、アーティエンスでは、「ワークライフバランス」を加えた以下の5種類だと考えています。

※仕事と自己成長をつなぐ研修テキストより抜粋

5種類について一つずつ解説したうえで、自分自身が今どのようなリアリティショックを感じているのか、丁寧に振り返っていきました。その後、全体で対話を行っていきました。

▼本ワークの中で出てきたコメント

・先輩たちや同期が優秀なので、自分は大丈夫かなっていうギャップは感じている…

・改めて5つのギャップを重みづけすると、自分が何を大切にしているのか整理できた

・希望した配属じゃなかったとき、どのようにモチベーションを保とう…?
・(上記質問に対して)顧客のことを想像するのがいいかも?今の自分の仕事はどうつながっているのか
・(上記質問に対して)部署同士のつながりを考えるは?希望の部署じゃなくても、その部署を支える部署だと見えると乗り越えられることもあるかも
・(上記質問に対して)もっと身近な人にどう還元されるのか?とかは?例えば、ペットやパートナーとか
・(上記質問に対して)自分なりにその仕事の楽しいところを見つけられるといいかも。あとは、ゲーム化してみるなど

・辛いときは、何かしら自分をほめてあげると乗り越えられると思う

・他者云々よりも、まずは自分自身に焦点を当てることも大事だと感じた

講義・ケーススタディ・対話 ~リアリティショックを外から見てみよう(スパイラル型キャリア論)~

次はケーススタディを通じて、リアリティショックを客観的に捉えるというワークを行いました。あわせて、新入社員のうちから知っておきたいキャリア論として、東京経済大学コミュニケーション学部准教授小山 健太氏が提唱するスパイラル型キャリア論をご紹介しました。

スパイラル型キャリア論では、リアリティショックを受けた際に、他者とのコミュニケーションを通じて、自身の役割認識や価値観を変容させていくキャリア論である。

▼本ワークの中で出てきたコメント

・実際に働いていくみて「この人みたいな仕事をしたい!」と思える社員の方が見つかった

・小さい時の夢を思い出して、それがヒントになって今の目標やビジョンに繋がっている

・地元に貢献したいという想いがあって、じゃあそこから逆算して、今何をすべきか、できるのかを考えている

・明確な目標がない中で、配属されることが不安に感じている

・いろいろ不安に感じていたけど、もっと気楽に考えてもいいのかも?気楽に考えることも一つの価値かもって思った

・皆さんの話を聞く中で、最初は目標なんて持っていない、と思ってたけど、日々「これを頑張ろう!」みたいな目標はあって、その積み重ねで大きな目標って決まっていくのかなって感じた

今、改めて話し合いたいことは…

ここまでのワークを踏まえて、自身が改めて考えを深めたいテーマや課題に対して、OST(※)という手法を通して、対話をさらに深めていきました。

※今回のOSTは、簡易版であり、本来のベーシックなやり方ではありません。

OSTとは数人から数百人全員が一堂に会して話し合い、人々のコミットメントを引き出し、主体的な話し合いを通して垣根を超えた問題解決への取り組みを促すファシリテーションのプロセスで、ハリソン・オーエン(Harrison Owen)氏が1985年に提唱しました。

最終的には7グループに分かれて、アウトプットが作成されました。グループごとに発表してもらった上で、問いを投げてさらなる探求を促しています。

【講師から】報連相といった基本でありながらも重要なコミュニケーションツールに着眼している点や、今までの学びのポイントをしっかり繋げているのが素晴らしい。「協働関係」ができた後、「共創」はどう育むといいだろうか?という点で考えてみては?

【講師から】目標の階段を創っている点、抽象と具体を行き来するのは思考のトレーニングになる点が素晴らしい。「社会構成主義」という考え方もあり、言葉にすることで世界は変わっていくので、ぜひ大切にしてほしい。今後は、目標の言葉自体をどう磨いていくのか?

【講師から】夢ってめちゃくちゃ重要。夢があるとそこに向けて頑張ろうと思えますよね。夢は「ありたい姿」であり、エネルギーの源泉にもなる。ただし、夢や目標が高すぎるとしんどくなる。(クリエイティブテンション)皆さんのありたい姿(夢)の適切なポイントはどこでしょうか?

【講師から】話し合いで、BigWhyや5W2Hなどこれまでに学んだフレームワークを駆使して考えている点がまず素晴らしい。皆さんが考えているように、不安があると本来のパフォーマンスを発揮できないので、本当に大切な考え方だと感じます。では、そんな不安がある中でも、自分の状態を整えるにはどうしたらいいだろう?(心理的柔軟性という考え方もヒントになるかもしれません)

【講師から】自分たちなりの独自サイクルを創り、それを回していこうという取り組みが素晴らしい。アドバイスとして、「意義付け」も重要だけど「意味づけ」も重要なので大切にしてほしい。4つのサイクルを回すとき、それぞれどこを一番注力したいですか?

【講師から】ワーク中もお二人といろいろとお話させていただいた。その中で、お二人の中には「ワークライフインテグレーション」という考え方があると感じた。これができると、人生の豊かさや幸せ度は大きくなる。お二人にはそれを達成してほしいが、ワークとライフをどう接着するのかを、今後考えてほしい。

※アウトプットに関して、「この場を共にする皆さんだから共有した」といった内容が含まれていたため一部加工しております。

【講師から】人の成長は精神的成長と技術的成長の2種類あって、今回の皆さんが話しているのは精神的成長と感じた。若手のうちは技術的成長で何とかなるけど、精神的成長がないとしんどくなる。そこに着眼しているのは素晴らしい。精神的成長を促していくために、皆さんはどういう存在でありたいのか?を考えてほしい。

4)講師・アテンド所感

アーティエンスの「仕事と自己成長をつなぐ研修」では、入社後の新入社員がぶつかるリアリティショック(入社前後のギャップ)を客観的に捉えながら、今の仕事と自身の今後のキャリアに対する考えを深めていきました。

仕事は「人生の全て」ではなく、皆さんの人生の中の一部分です。ただ、その仕事をどう捉え、どう取り組むか次第で、人生は大きく変わります。また、皆さんの「あり方」は、周囲や皆さん自身の人生にとても大きな影響を与えます。

ぜひ、定期的に振り返りを行い、自身の「あり方」を見つめていただければと思います。

※本研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。研修の詳細について詳しく説明しておりますので、ぜひダウンロードください。

今後も、新入社員がその時期によって持つ悩みに即した研修を提供していますので、よければご利用くださいませ。新入社員を対象とした公開講座スケジュールはこちらから確認いただけます。