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[ コラム ]
パワハラを防ぐ!管理職が押さえるべき対策3選
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職場のセクハラ対策を強化。人事・経営者が学ぶべき知識と実践方法
更新日:
「職場でセクハラが起きないか不安…」
「セクハラが起きる原因・防ぐ方法を知りたい」
「セクハラが起きない、安心な職場にしたい」
このような気持ちをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
組織でセクハラが起きると、社員からも世間からも不信感高まり、組織の成長が妨げられます。また、事後のフォローにも労力が割かれてしまいます。
本コラムでは、職場でのセクハラの定義を確認した上で、セクハラを未然に防ぐ方法をお伝えします。セクハラを未然に防ぎ、社員が安心して働ける環境をつくりましょう。
専門性:インタラクショナルデザインコーチング、キャリア開発、メンタルヘルス/レジリエンス
目次
1)職場におけるセクハラとは
厚生労働省が運営している明るい職場応援団のサイトによると、職場におけるセクシュアルハラスメントは、「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。
「職場」とは、労働者が通常働いている職場だけでなく、出張先や職務の延長と考えられる飲み会なども職場に該当します。
「労働者」とは、正社員だけではなく、契約社員、パートタイム労働者など、事業主が雇用するすべての労働者のことを指します。
セクシュアルハラスメントの行為者については、事業主、上司、同僚、後輩に限らず、取引先や顧客なども行為者になり得ます。
一般的に男性が行為者で女性が被害者になるイメージが強いですが、男性でも女性でも、行為者や被害者になる可能性があります。また異性に限らず、同性に対する性的な言動もセクシュアルハラスメントになります。
なお男女雇用機会均等法には次のように記されています。
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等)
第11条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
3 事業主は、他の事業主から当該事業主の講ずる第1項の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めなければならない。
<男女雇用機会均等法(抄)>
このように職場におけるセクハラは、誰でも行為者・被害者になる可能性があり対策が求められます。
2)セクハラの2つの種類
セクハラの種類は対価型と環境型の2つあります。
2-1.対価型セクシュアルハラスメント
対価型のセクハラとは、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換などの不利益を受けることです。
例えば次のようなものが挙げられます。
・経営者から性的な関係を要求されて、拒否したら解雇される
・上司が部下に対し、昇給や昇格を条件に性的関係を求める
・出張中の車中で上司から腰、胸などを触られたため抵抗した結果、地方に異動させられる
2-2.環境型セクシュアルハラスメント
環境型のセクハラとは、労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることです。
例えば次のようなものが挙げられます。
・職場で上司からお尻を頻繁に触られるため、また触られるかもしれないと思うと仕事が手につかない
・職場で性的なジョークやコメントが頻繁に行われ、職場全体の雰囲気が不快なものになっている
・一度性的な関係を持ったことのある社員が自分の性的な写真を様々な社員に見せており、いろんな人から卑しい目線を向けられるのが辛い
職場におけるセクハラは大きくこの2つに分けられますが、これらに当てはまらなかったらセクハラではない、ということではありません。
社員の状況に対してセクハラの可能性がある場合は、判例を参照したり、専門家に相談することをおすすめします。
【参考】ハラスメントの裁判例の参考サイト
裁判例を見てみよう|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト
【参考】ハラスメントチェックの参考サイト
どんなパワハラかチェック|ハラスメントで悩んでいる方|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-
3)セクハラの判断基準
セクハラをはじめ、ハラスメントに明確な判断基準はなく、その時の状況等によって判断が異なります。ただ、セクハラを判断する上でポイントとなるのは性的な言動であり、かつ業務範囲を超えた行為か否かの客観性です。
例えば、営業同行中に後輩の腰に手を回して歩く等は、必要な動作ではなく、業務範囲を超えています。他にも、業務をミスして叱る際に「そんなんだから結婚できないんだよ」という発言があるのも業務範囲を超えています。
このように客観的にみて、業務範囲を超えた行為か否かがセクハラか否かのポイントとなります。逆にいうと、被害を訴える方が不快を感じても、その言動が客観的にみて業務範囲を超えていると判断できなければハラスメントに該当しないということです。
ただ、セクシュアルハラスメントの状況は多様であり、判断に当たり個別の状況を斟酌する必要があります。
4)セクハラによって生じる7つのリスク
職場でセクハラが起きると組織としてさまざまなリスクを負うことになります。社員や世間が組織に対して不信感を持つためです。
具体的なセクハラのリスクとして次の6つのことが挙げられます。
①組織に対する金銭的負担の発生
パワハラが職場で起きた場合、加害者を雇用していた企業も、安全配慮義務違反(労働契約法5条)や使用者責任(民法715条1項)に基づき、被害者に対する損害賠償責任を負う可能性があります。
なお、セクハラが刑法上の犯罪に該当する場合は、企業や管理者が刑事罰を受ける可能性もあります。
②世間からのイメージダウン
世間から人格や常識に問題がある人がいる組織だと見なされて組織のイメージが低下し、将来の成長や存続にも影響することとなります。
このようなイメージダウンは、顧客や取引先、パートナー企業、そして社会全体からの信頼を失うことにつながり、組織の信頼性やブランド価値を損なう恐れがあります。
③社員から組織に対する不信感の向上
被害者や周囲の社員は、組織がセクハラを許容していると感じたり、適切な対応がされないと感じる場合、組織の考え方を容認できないと感じ不信感が募ります。
その不信感は、社員のモチベーションやエンゲージメントが低下し、離職率や組織内の不和につながります。
④人材の流出
セクハラ被害者やその周囲の社員は、安全で健全な職場環境を求め、セクハラが許容されている組織から離れようとします。
特に優秀な人材は不快な職場に所属し続ける意味が少ないため、より良い職場を目指して、組織を離れることを選択する可能性が高いです。すると組織の業績の悪化につながります。
⑤人材確保の難航
セクハラの横行による「世間からのイメージダウン」は人材確保にも影響します。
人材確保が難しくなると、組織力の低下、人員不足による問題の多発など、様々な問題に波及していきます。
⑥社員への被害
セクハラを受けた被害者だけでなく、周囲の社員にも深刻な被害が及びます。
セクハラ被害者は精神的な苦痛やストレスを抱え、職場での安全や尊厳を脅かされます。また、セクハラの被害にあったことが社員の間で広がると、職場に居づらくなる場合もあります。
周囲の社員は、被害者の休みによって急な職務変更が起きたり、仕事の分量が増えることがあります。また、セクハラ事件によって職場での信頼関係や協力関係が崩れ、コミュニケーションの円滑さが損なわれる可能性があります。
⑦生産性の低下
セクハラによるストレスや不安が業務に影響を与え、仕事のパフォーマンスが落ちます。特にセクハラ事件が職場内で公になると、さまざまな噂が飛び交いやすく、組織全体の雰囲気が悪化し、職場のモラルやモチベーションも低下しやすくなります。
このようなリスクを負わないようにするためにも、セクハラへの対策を行い、セクハラが起きない組織にする必要があります。
5)セクハラが起きる原因
セクハラが起こる原因として、次のことが考えられます。
組織の問題 | セクハラを容認するような組織文化がある |
---|---|
個人的な都合を容認している | |
性別や年齢に偏りがある | |
セクハラ対策をしていない | |
社員の問題 | セクハラについての知識が足りていない |
ジェンダー・ステレオタイプが強い |
順番に説明します。
セクハラを容認するような組織文化がある
組織としてセクハラを容認するような価値観を持っている場合、セクハラに値する言動が許容されると誤解され、セクハラが起きやすくなります。
組織にセクハラを容認する文化があると、社員はセクハラ行為を受け入れなければいけないように感じ、被害を受けても声をあげづらくなります。また、加害者は自らの行動が問題視されないと誤解し、増長された行動をとる可能性があります。
このように、組織がセクハラを容認する文化を持っていると、セクハラをしている自覚が弱かったり、被害者が声を上げづらくなり、セクハラが起きやすくなります。
個人的な都合が通りやすい
個人的な都合で他者の部署移動や昇進・降格を判断できてしまう組織は、客観的な基準やプロセスが欠如しているため、誰かに不利益を与える判断が実行されてしまいやすいく、対価型セクハラが起きやすいです。
上司の判断で部署異動や降格を決められてしまうとわかっていると、上司からの性的な要求に対して断りづらい状況が作られてしまいます。組織としては、このような状況を作らないようにする必要があります。
このように、組織が個人的な都合で他者の部署や降格を決められる状態だと、権力的に弱い立場にいる人がセクハラを受け入れるしかない状態になってしまいやすいです。
性別や年齢に偏りがある
性別や年齢に偏りがあると大多数を占める人の意見が採用されやすく、セクハラを訴える少数派の意見が掻き消されてしまい、セクハラが起きやすくなります。
セクハラ被害者は少数派に属していることが多く、被害者の意見や声が軽視されることがあります。少数派であることがセクハラの報告や対処を難しくし、被害者を孤立させる結果となります。
現実的に性別や年齢の全ての偏りをなくすのは難しいかもしれませんが、偏りがあるとセクハラのリスクは高まりやすいことを認識しておきましょう。
セクハラ対策をしていない
組織としてセクハラ対策をしていないと、セクハラが起きていることを自覚できていなかったり、危機感が弱いためセクハラが起きやすいです。
セクハラに対する危機感が弱い組織では、セクハラ行為を防止するための適切な方針やプロセスが不足しており、セクハラ行為が容易に生じる状況が生まれます。
組織がセクハラを認めないという意見の提示がなく、そのための施策も行っていないとで、社員はセクハラに対して危機意識を持てず、セクハラが起こりやすくなります。
セクハラについての知識が足りていない
社員それぞれがセクハラについての知識が足りていないと、セクハラをしている自覚・セクハラをされている自覚を持てないため、セクハラが起きやすくなります。
セクハラをしている自覚がない場合、加害者は自分の行動が不適切であることに気付かず、無自覚のうちに他者に害を与えてしまいます。また、セクハラをされている自覚がない場合、被害者は自分がセクハラの被害者であることに気付かず、不快な状況や精神的な苦痛を抱えたまま放置されることがあります。
このように各々がセクハラという自覚を持てていないと問題にならないため、対策やフォローができず、セクハラが続いてしまいます。
ジェンダー・ステレオタイプが強い
社員のジェンダー・ステレオタイプが強いと、無自覚のうちに相手を傷つけてしまう場合があります。
ジェンダー・ステレオタイプとは、社会的に広く共有される性別に関する固定観念やイメージのことを指します。
例えば「男性はボディタッチを喜ぶ生き物だ」「受付は女性の仕事だ」というような固定概念を持っている人が、その概念を実行したり伝えたときに、共感を得られないどころか受け手にとっては不快感を感じる人もいます。
このようにジェンダー・ステレオタイプが強くて性別によって何かを判断することが多いと、セクハラとしての問題になりやすいです。
セクハラが起きる原因を理解した上でセクハラへの対策を行いましょう。
6)セクハラを防ぐ5つの方法
セクハラを防ぐ方法を5つ紹介します。
①組織のハラスメント方針等を明確にし周知する
組織のハラスメント方針を明確にし、全従業員に周知することは、セクハラを防止するために重要な措置です。方針が明確であれば、従業員は自分の行動が適切かどうかを判断しやすくなるためです。
また、明確な方針を持つことは、セクハラの被害者が安心して相談できる環境を整備することにもつながります。
どのような行動がセクハラに該当するかを知り、被害者がセクハラの問題を報告しやすくすることは、セクハラの防止につながります。
周知の方法としては、社内の掲示板や社内報、会社のウェブサイトなどでの掲載や、入社時の説明会、ハラスメント研修などの機会を活用して伝える方法があります。
組織の方向性について質問があれば受付、答える体制も整えておきましょう。
このように社員全員に対して組織のハラスメントの方針などを理解してもらうことで、セクハラの発生を抑えることにつながります。
②評価や人事判断をする場合は複数人の意見を確認する
社員の評価や人事判断をする人が、個人の意見のみで判断するのではなく、複数人の意見を確認する必要があります。個人の主観や偏見が影響を及ぼす可能性を減らし、公平かつ客観的な判断をするためです。
特定の人に、あまりにも低い評価がつけられていたり、急な異動の発生が頻発する組織は要注意です。
社員の評価や人事判断をする人は、一人の意見だけでなく、他のメンバーや仕事で関わりのある他部署の人の意見ももらうなど、多様な複数の人の意見を聞いて判断するようにしましょう。
このように個人の都合を反映できないようにすることで、組織内の信頼と透明性を高め、職場におけるセクハラのリスクを低減できます。
③性別や年齢の偏りをなくす意識をする
組織の性別と年齢の偏りをできる限りなくす意識を持つことも、セクハラを防ぐ要因になります。人数による権力をなくすためです。
各部署や営業所ごとにできる限り性別、年代の偏りをなくせると、相談もしやすくもなり、一人で抱え込んでしまう状況も防げます。
現実的に性別や年齢の全ての偏りをなくすのは難しいかもしれません。しかし、偏りがあるということは、組織の多様性の不足という問題だけでなく、セクハラ防止という観点もあることは採用などにおいて必要な観点です。
④セクハラについて教育する機会を設置する
セクハラを防ぐためには、セクハラについての教育を行う機会も重要です。自分の行動がどのような影響を及ぼすかを認識し、適切な行動を取れるようになるためです。
セクハラの教育の方法としては、研修や動画学習、指定図書などがあります。
ただし、セクハラについては一人での学習はおすすめしません。セクハラは個人の考え方や感じ方の違いを知ることで理解が深まるためです。できれば公開講座など多種多様な人が集まる場を作れると良いでしょう。
アーティエンスでもセクハラに関する研修を実施しています。詳細について知りたい方は、こちらからお問い合わせ下さい。
セクハラについて教育する機会を設けることで、自身の言動や他者からの言動が適切なものであるのかを考えられるようにできるでしょう。
⑤相談・苦情に応じる体制を整える
セクハラが起きないようにする対策として、相談・苦情に応じる体制を整備ことも必要です。相談しづらい状況がフォローを遅らせ、セクハラを起こし続けるためです。
例えば、組織内に相談窓口につながるメールアドレスを用意して相談のハードルを下げて連絡しやすくする方法があります。このときに必ず守秘義務を約束しましょう。相談内容が漏れてしまうのではないかという不安があると相談できないためです。
また、相談窓口以外の社員はメール内容を見られない設定にしておくことも必要です。
他には、外部カウンセリングと契約してカウンセラーに相談できるようにする方法もあります。第三者だからこそ安心して話せる場合もあります。また、プロのカウンセラーのため受け入れてくれるだろうという安心感もあるでしょう。
このようにセクハラにあった時に安心して相談できる場所を設けておくことで、パワハラを阻止しやすくなります。
このような対策を行い、セクハラを未然に防ぐことが大切です。
7)セクハラが起きた時の組織としての対応方法
セクハラが起きた時は、次のプロセスで対応しましょう。
①事実確認を行う
ハラスメントの疑いが浮上した場合、まず組織は公平で客観的な立場から事実を確認することが重要です。
被害者や行為者からの話だけでなく、証人からの証言や関連する文書や電子メッセージの調査、監視カメラ映像の確認などを通じて、事件の全体像を正確に理解します。
事実確認は公平かつ中立的なプロセスで行い、透明性を確保する必要があります。
②処分やフォローを講じる
事実確認の結果、ハラスメントが確認された場合、組織は適切な措置を講じます。
加害者には懲戒処分や教育プログラムの参加を求めるなど、ハラスメントの内容に応じた懲戒処分を科すことになります。この処分については、法律も関わることのため、専門家と相談しながら慎重に行う必要があります。
被害者に対しては被害者の意向や安全を最優先に考慮し、適切にフォローアップします。精神的なフォローが必要な場合は産業医と連携して専門家の力も借りましょう。
特にセクハラで危ないのは二次被害です。「あの子セクハラされたんだって」「誰がセクハラされたのか?」といった噂話が本人を追い詰めます。公表する際は慎重に慎重を重ねて行う必要があります。
他の社員がハラスメント問題のことを認識している場合は、社員全体へのフォローも必要です。余計な不安を感じさせず、安心して業務に取り組める状態にすることを意識してフォローしましょう。
加害者と被害者、そしてほかの社員にとって、適切な処分とフォローすることで業務を遂行できる状態にします。
③再発防止策を検討し実施する
今後同様の問題が再発しないようにするために、組織は再発防止策を検討し実施します。
ハラスメントが起きたことで社員や世間からネガティブな印象を持たれていることが多いため、事実と対策を明確に提示し、再発防止と共に信頼を取り戻していくことが必要です。
これらのプロセスで対応し、セクハラの被害を最小限に抑えた上で、再発防止に努めましょう。
【参考】セクハラの裁判例
セクハラの裁判例については下記のサイトに詳しく掲載されています。
裁判例を見てみよう|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-
8)まとめ
本コラムでは、職場でのセクハラの定義を確認した上で、セクハラを未然に防ぐ方法をお伝えしました。
職場におけるセクシュアルハラスメントは、「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。
セクハラの種類は対価型と環境型の大きく2つに分類されます。しかし、これらに当てはまらなかったらセクハラではない、ということではありません。社員の状況に対してセクハラの可能性がある場合は、判例を参照したり、専門家に相談することをおすすめします。
セクハラを判断する上でポイントとなるのは性的な言動であり、かつ業務範囲を超えた行為か否かの客観性です。
セクハラによるリスクとして次の7つが挙げられます。
①組織に対する金銭的負担の発生
②世間からのイメージダウン
③社員から組織に対する不信感の向上
④人材の流出
⑤人材確保の難航
⑥社員への被害
⑦生産性の低下
セクハラが起きる原因は次の6つが考えられます。
・セクハラを容認するような組織文化がある
・個人的な都合が通りやすい
・性別や年齢に偏りがある
・セクハラ対策をしていない
・セクハラについての知識が足りていない
・ジェンダー・ステレオタイプが強い
このようなことが原因でセクハラが起きることを理解した上でセクハラへの対策を行いましょう。
セクハラを防ぐ方法を5つ紹介します。
・組織のハラスメント方針等を明確にし周知する
・評価や人事判断をする人は複数人の意見を確認する
・性別や年齢の偏りをなくす意識をする
・セクハラについて教育する機会を設置する
・相談・苦情に応じる体制を整える
このような対策を行い、セクハラを未然に防ぐことが大切です。
なおアーティエンスでもハラスメントに関連するサービスを実施しています。
貴社のお悩みに合わせて適切な対応・対策を行えるようにサポートしますので、お気軽にお問い合わせください。
セクハラのフォローに労力を割かれることなく、社員が安心して働ける環境をつくりましょう。
参考:セクハラはどのような環境で起きやすい?セクハラの事例や対処法を現役弁護士が解説|カケコム(事業対象:法律 事務所:東京都港区六本木5-9-20)