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[ 研修・セミナーレポート ]
【内定前後・入社後の定着に繋がる】 新卒採用プロセスにおける“リアルな職場”の伝え方・工夫とは?【Growth Meeting】
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2024年2月16日に
見切りの早い今の若手社員に人事が取るべき本質的なキャリア支援【Growth Meeting】をテーマに、Growth Meetingを開催しました。(参加数:5社5名)
目次
見切りの早い今の若手社員に人事が取るべき本質的なキャリア支援について、Original Point株式会社代表の高橋さんにお話しいただきました。
ジャムボードに記載いただいた事前ワークを見ながら、チェックインを行いました。
【事前ワーク】
【チェックイン】
・キャリアについてあまり施策を実施してこなかった。サーベイで、「この組織で成長していけるか」という問いがあり、そこが時期によって下がるのが気になっている
・学生向けにキャリアの話をするときに「早く上に行けるよ」という話はするが、入社後に改めて、そういったキャリアに関する話はできてないかもなと思っている
・入社して最初は新しいことを知る機会が多いので、成長実感も多い。後半になってくると、新しい業務も少なくて慣れも増えてくるので、実感が下がってくるのかなと思う
登壇者から、情報提供がありました。
登壇者紹介
▼高橋氏からの情報提供
Z世代を取り巻く環境
・Z世代は、「今」を疑う、問う情報にあふれている
┗企業を含めたいろいろな情報が星マークで点数化されている。
┗大学時代の友人が「今」どんな活躍しているのかを「SNS」で獲得しやすい
┗「生き方」問うような、情報があふれている
共通しているのは「今働くことへの気概」
Z世代へのアプローチの方向性
具体的なアプローチ内容は、以下の資料よりご確認いただけます。
登壇者からのストーリーをもとに、参加者同士でダイアログを行いました。
参加者によるダイアログ:
・利他的な意識を持っている人の方が長く続く、という話は確かにそうかなと思った。今活躍している若手に話を聞くと、「自分は何をやった」よりも、「お客様と話して楽しかった」といった声がある人の方が多かった印象がある
・自社では、「お客様に面白い商品を届けたい」という人の方が長続きしていると思う。「自分の企画で面白い商品を創りたい」という人は、フリーになったり独立していく印象がありますね
・バランスは難しいなと思った
・利他的と利己的って、明確に分かれるものではないと思った
・配属前のタイミングでいかに利他的な社員と会えるか。それが重要な気がする。
・配属前、もしくは配属直前に、に利他的な意識を持った社員に出会えるかが鍵だと思う。「あの人目指したい」「ああいうマインド大切」という気づきが重要なのでは。
・見切りが早い部分があり、
・ロールモデルとなる方々にでてきてもらう。働くってなんだっけ?価値を提供して対価を得る。給料を上げようと思ったら、価値提供を上げる。
・それって具体的には?そもそも働くってなんだっけ…
登壇者二名でパネルディスカッションと参加者からの質疑応答を行いました。
高橋氏
「引き出す」よりも「語る」方が、主体性を高めることにポジティブな相関が見えたという調査結果がありました。「語る」内容は、仕事の意味やお客様への影響を語る・成長プロセスを語る等です。それこそ、コーチングみたいなスキルはいらないのかもしれません。語る機会を創るというのも、キャリア支援の面白いところなのかなと思っています。
Q:利他をはぐくむには?
配属前に、ロールモデルと接点を持ち、ストーリーで利他を学ぶ。最初の上司の影響はかなり大きいけれど、上司を選ぶことは難しい。それであれば、配属前にロールモデルとの接点を持つことが大切だと思います。
あとは、自分のテーマと定期的に向き合い、振り返っていく。更新していくことが大切なのかなと思います。
また、弊社が実施した調査で「組織エンゲージメント高く働く社員の”上司”が実施しているキャリア支援」では、以下の9つのキャリア支援を行っていることが分かりました。
9つのキャリア支援
・私が今後高めていきたい能力について話し合う時間をとってくれる
・私が望むキャリアについて質問したり、確認したりしてくれる
・私の将来のキャリアのために、必要な育成や支援をしてくれる
・私が仕事に取り組む目的や仕事に対する意味付けを確認してくれる
・上司本人が今の仕事にどのような意味を感じているか説明してくれる
・上司本人がキャリアについてどのような考えを持っているか説明してくれる
・私の担当する仕事が、顧客やユーザーにどのように影響を与えるか、説明してくれる
・上司がこれまでどのように成長してきたかを説明してくれる
・私の担当する仕事が事業全体の中でどういう役割を担っているか、説明してくれる
迫間氏:
上司の影響は本当に大きいですよね。ある調査では、本人の学歴よりも、最初の上司が与える影響は大きいと言われています。上司の影響をちゃんとしていくことは重要です。とはいえ、彼らだけに依存していくのも問題なのでロールモデルを見せていくというのは、本当に大切だなと思います。
Q:上司と上手く行かなった。噛み合わなかった。躓いてしまった若手社員への支援はどうすればいいのか? 同じような支援で良いのか?
高橋氏:
上司と新入社員の関係性を上げる取り組みに、人事が介入するのは一つの方法かなと思います。
今までは、OJTトレーナーにスキルだけ渡して受け入れ…という流れが多かった。これからは、関係性やマインドの部分も含めていけると良いと思います。
こじれてしまった関係性を修復するのは本当に大変です。リスクヘッジとして、メンター等の斜めの関係性を創っておくのも大切かなと思います。
上司は、業務支援とキャリア支援。メンターは、メンタルの支援とキャリア支援を行うなど、分担できると良いと思います。育成責任を一人の上司に任せると、上手くいかなかった時の軌道修正は難しいので…。
迫間氏:
チームで育てるという意識は大切ですよね。トレーナー二人と新入社員二人、というように2:2の体制で組んでいる企業もあるみたいですね。
また、「こじれてしまったらどうするのか。」ですが、もう、どうにも上手くいかなくなったら、配置転換を考えたほうが良いかなと思います。もしくは、場を変えて話す機会を設けるのも一つの方法。普段過ごしている環境から場を変えると、普段話せないことを話せたり、新たな気づきを得やすいですから。
とはいえ、みんなで育てる風土を創らないと、この問題はずっと続いてしまうのかなと思います。
パネルディスカッションの内容を基に、ダイアログを行いました
参加者:
・「配属前に上司やロールモデルが語る」というキャリア支援いいなと思ったけれど、ロールモデルになりそうな上司がいない
・人選が難しいですよね
・就活しているときに同業他社の話を聞いていて、自分の中でイメージができあがってたりする場合もある
・ロールモデルもどんな人が必要なのかなと思う。昔は「営業として数値をだしていた=成功」というイメージもあって、最年少幹部 というロールモデルがあったが、今はそうでもない…
・この人っていうのがなくなってきているのかなと思う
・安定と上昇が難しい
Q:ロールモデルを定めるのが難しい。何をかなえている人?
高橋氏:
「何をかなえている人」というのは難しいですね…。企業によっても違うのかなと。
ただ、ロールモデルの年代は、20代後半~30代前半が良いのかなと思います。年代が遠すぎると「あの人だからできたんでしょ」という感覚になってしまいますから。30代程度のハイパフォーマーが良いのかなと思う。20代の近い立ち位置の人。スタンスが素敵だなという人等でも良いと思う。
迫間氏:
組織が大切なことは定めたうえで、いろいろなタイプがいたら良いと思います。私たちは、いろいろな年代の方に語ってもらうことが多いですね。年次をバラバラにすると、それぞれがどんな想いを持っているのかを知れますし、いろいろな乗り越え方・風土を感じてもらえると思います。
Q:語る上で大切なことは?
高橋氏:
上司にも、マイテーマをプレゼンしてもらえると良いと思います。自身が若手社員時代に、当時どんなテーマを持っていたのか。1年目の時のテーマ、そのテーマを設定していた理由、変遷した理由。テーマを切り口に話をしてもらえると、同じ仕事でも、深まっていくんだ、できる余白があるんだ、という気づきにもつながる。
見切りが早い原因は、この仕事から学ぶことがないなと思ってしまうからだと思います。ロールモデルの方のマイテーマの変遷を聞くと、捉え方を変えるとまだまだやれることがある、というのも見えるのかなと。自分のテーマの変遷&対話が大切だと思います。
迫間氏:
年次関係なく、1年目・2年目の時の話を語ってもらうと良いと思います。どんな壁があって、どう乗り越えて、というのをありありと語ることが大切かなと。順風満帆ではないということを伝えるのが、ひとつのポイントですね。
Q:1on1増えているけど、1on1でキャリアの話をするのが難しいです
高橋氏:
1対1だけで話すことも大事ですが、それだけでは上司の負担が増えてしまいます。
複数人でキャリアやチームの未来についてざっくばらんに話す時間があっても良いと思います。目的に応じて使い分けられると良いかなと。
迫間氏:
そうですね。自分たちが大切にしていることって何だろうというのを、目標と絡めながらチームで話すというのも良いかなと思います。弊社でも、そうした時間を設けたりしています。
Q:キャリア支援というと今の会社でどう頑張るか?になるけれど、もっと自由に話しても良いのかなと思いました
迫間氏:
キャリア支援は、相手のことを本気で想う、ということがまずは大切なのかなと思います。利他をはぐくむためには、自分も利他でないといけないなと思う。
高橋氏:
今は転職がしやすくなっているので、「どう戻りやすくするか?」というのも重要だなと思います。
一度転職して後に、自社に帰ってきた人達のチーム創りをしている人事もいますね。後は、「把握していた離職」を増やすのも大切かなと。日々の1on1やコミュニケーションの積み重ねがあれば、離職の前兆もつかめるのかなと思います。突然の離職は、原因も把握できないし、改善活動につなげられないので、できるだけ防いでいけると良いのかなと思います。
参加者・登壇者でチェックアウトを行いました。
・キャリア支援は特別なことを何かしなければいけない、と思っていたけれど、上司が語るという具体例が出てきて、勉強になった。語る場を創る、というのは現場では難しいけれど、人事側で場を創ることは大切だなと思った。
・上司が語るっていうのは始められそうだなと思った。ロールモデル難しいというのはあったけれど、できることとしては、複数パターンの情報を渡せるといいのかなと思った。本人にとっても良いのかなと思った。できれば今年からやってみたいなと思った。
・若手社員と向き合うのは大変だと思うけれど、向き合うことで業界も、自組織も良くなってくると思いました。
・キャリア支援は1on1とか公的な場だけではないのかなと思う。そうしたオフサイトな場を創るでも良い。考える機会を型にとらわれずに企画していくことも、大切なのかなと思う。
今後のGrowthMeetingの開催予定はこちらからご覧いただけます。