研修・セミナーレポート

2022年9月20日 ファシリテーター研修2日目
ー公開講座研修レポート

更新日:

作成日:2022.9.26

 ファシリテーター研修2日目 ファシリテーターの旅に出る

2022/9/26作成ー

 

本内容は、2022年9月20日に開催した「ファシリテーター研修 2日目」の公開講座研修レポートです。受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。
(参加企業数:3社、参加人数:23名、オンライン形式1クラス)

1)研修目的、当日のアジェンダ

ファシリテーター研修は全8回行い、全体を通して次の目的を達成することを目指しています。

ファシリテーターが起点となり、会議や勉強会・社内研修の品質を高める。
そしてその結果、事業の成果創出と、組織力の向上を促す。

今回はその2回目ということで、会議体・勉強会の具体的なデザイン・進め方を学ぶことを目的とした研修を実施しました。

 

研修は、次のような流れで行いました。

アジェンダ

・チェックイン
・会議に関して
・会議の改善
・勉強会に関して
・チェックアウト

2)受講者の研修の始めと終わりでの変化

研修の始めと終わりに、「今の正直な気持ち」や「気になっていること」「感想」などをありのままに、1分程度で話す時間を設けています。その中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。

 

■ チェックインのコメント

・コロナになって、体感では10倍くらい会議が増えた感覚があるので、その時間を本日の学びによって良い時間にしていきたいです

 

・ファシリテーターは家庭内でも役に立つという話があって、自分にはない視点を頂けました

 

・先日学んだことが身になっているのか、少し不安です。ちょっとずつ思い出しながら、皆さんと率直な意見を交わしていければと思います

ファシリテーター研修 受講者の様子 ※ オンライン研修での受講者の様子

 

■ チェックアウトのコメント

・会議体、勉強会の具体的なデザイン・進め方を学ぶということで具体的な構成をしていくことで、目的に沿ったものを創り出せると手応えを得ました。分解して考えていくことと、目的から(上流)考えることで良いデザインに繋がると思ったので実践していきたいです。

 

・今まで会議をデザインすること自体意識してやってこなかったので、その結果自分が参加する場合でも、自分が人を集めるときでもいまいち煮え切らないことが多かったと思います。より短時間で濃いものにするためにも準備しようと思いました。

 

・相手が何を考えているのかを考え、1回素直に聞き入れる意識は普段の営業活動にも落とし込める技術だと思います。また、個人的な弱みですが、一人で問題解決しようとする傾向があるので、問題解決の手段として結論が出なくても小チームで話し合う習慣をつけて効率化に繋げていきたいと思いました。

 

会議や勉強会のデザインに難しさを感じながらも、ファシリテーターとして次にやってみたいことは出てきており、一歩前に進んでいる様子を感じました。

3)研修内容

■ 会議に関して

会議のデザインに関するポイントを学び、自組織の会議について整理した内容を元に対話を行いました。 ファシリテーター研修2日目資料 会議のデザインで抑えるポイント ※ 当社研修資料より抜粋 ファシリテーター研修2日目 グループワークの様子 ※ グループワークの様子

 

対話の一部をご紹介します。

・この会議で情報共有がメインで意見共有ができていないので、もう少し活発にしていきたいのですが、なかなか難しいんですよね

 

・モチベーションが高い会議と低い会議はありますか?    ▶ 会議がルーティーンになっていて、内容が変わらない内容だと「またか…」となり、目的が明確な会議だと主体的に参加していることが多いかもしれません    ▶ 意思決定出来なそうだなというのは聞いているだけになってしまうこともあるかも知れないけど、逆に課題発表とか意見を求められるものはモチベーションが高く参加しているように思います    ▶ 初動の会議で、パワーが掛かりそうだなという会議は、大変そうだなという気持ちが大きく、モチベーションは低くなりがちで、その後、決定事項が多くなっていくとモチベーションが高くなっているのかなと思います    ▶ 月曜日は全体的にモチベーションが低くなりがちな印象があります

 

・会議の認識が部署によってそれぞれ異なっていることがあることを学びました

 

対話を踏まえて講師から、次の内容をお伝えしました。

ルーティーンの会議でも、目的・目標がしっかりしているとモチベーションを落とさずに行うことができます。ルーティーン会議でモチベーションが落ちてしまう場合は、目的・目標が明確になっているか、そしてパワフルな目的・目標になっているかを確認してみてください。

 

・会議をやっていてもアウトプットのイメージができないと「意味があるのか..」というモチベーションになってしまうと思います。そのため、目的・目標が明確になっていて、参加者が理解していることが必要になります。

 

・参加メンバーによって会議の目的が異なっている、という状態になっているということは、会議の前提が異なる可能性があります。目的・目標をより具体的に言語化してみてください。 例えば、売り上げを上げるという目的だと、営業は新規顧客を増やすこと、制作は今までの顧客を大切にすること、それぞれの理解で考えている可能性もあります。会議の参加者が会議をどのように認知しているのか、すり合わせを行う時間を作ってみてください。

 

・月曜日は比較的テンションが低いという意見もありましたが、会議をいつ行うのかも大切です。低いテンションを上げるための工夫をして、月曜に行うのは一つの方法です。例えば、私の場合だと、企画系は脳がさえている状態の午前中になるべく入れるようにしています。自分やメンバーの脳の状態を考えて、目的に合わせて企画して頂ければと思います。

 

続いて、下記の資料を見て、A社とB社のどちらの会議が品質が高くなるかをグループで考えて頂きました。

 

A社とB社のどちらの会議が品質が高くなるかの比較  ※ 当社研修資料より抜粋

 

対話の一部をご紹介します。

・A社の方が良い会議になると思います。理由は、具体的で何をやるのかが分かりやすいからです。B社の目的では、同じ方向を向くためには時間が掛かるのではないのかなと思います。

 

・今のうちの会社はB社よりだなと思います。会議をしっかりとデザインするって難しいですよね。

対話を踏まえて講師から、次の内容をお伝えしました。

 

A社は、チーム全体で目標を達成していく、ということを意識した内容になっているところもポイントです。
B社は、チームで動くという内容がないため、目標達成できていない個人を詰めていく形になりかねません。

 

会議を行う際には、目的・目標を明確にすることが大事になることを理解して頂けたと思います。
そうすると、会議のデザインにかける時間について、質問を頂くことが多いのですが、どのくらいの時間を会議のデザインにかけるかは、社内会議と顧客向け、重要度に合わせてその都度対応して頂くと良いと思います。

 

講師の事例として、簡単な社内会議は5,10分くらいで行えるものもありますし、顧客の会議のファシリテーションをする場合は、1時間以上時間をかけることもあることをお伝えしました。

 

■ 会議の改善

自身が参加している会議を一つ取り上げて、改善策を考えていきました。 ファシリテーター研修2日目 グループワークの様子 ファシリテーター研修2日目 グループワークの様子 ※ グループワークの様子

 

会議の改善のシェアをしてみて、次のような感想が出てきました。

・具体的になっていて、参加する立場としても参加しやすくなと思いました

 

・情報共有がメインとなっている会議が多いなということに気が付きました

 

・ルールがない会議が多いという話になり、今まで意識したことなかったけど今後はルールつくりも行っていく必要がありそうだなと感じました

 

・目的・目標を決めるのが難しいです

 

・会社のビジョンや理論と繋げる会議体にできると質があがるのかなと感じました

 

・ルールや役割も話を前に進めていくうえで大切になりそうだなと思います

感想のシェアを受けて、講師から次の内容をお伝えしました。

会議体で誰が切り出して、どんな場になっていくのかを少し想像してもらうと、会議体の質が高くなりそうか低くなりそうかをイメージできると思うので、少し想像してみることもやってみてください。

 

・報告会だけの会議は残念ですね。そこからどう脱皮していくのかが課題になります。始めにお伝えした、4つの会議体の種類のどこに位置する会議なのかを考えて進めて頂けたらと思います。 会議の種類に関して ファシリテーター研修資料 ※ 当社研修資料より抜粋

 

・目的・目標などを踏まえた会議体を作るのは難しいです。これは何度も繰り返してチャレンジしていくことが大切になりますので、まずは定例で行っていてやりやすい会議などから取り組んでいってみてください。

 

会議体に、会社のビジョンや理念を取り入れられると、話が前に進みやすくなります。例えば、「笑顔」が大切な企業理念としてあるときは、決定事項に対してお客さんは笑顔になるのか、という問いを投げてみると判断がしやすくなると思います。

 

ルールや役割を作るのも、会議を前に進めるために大切になります。例えば、ルールとして1回は発言するとするとか、発言が難しそうな方については役割としてタイムキーパーや書記をやってもらうなどすると、貢献度合いが変わってきて場が活性化していくことがあります。

 

■ 勉強会に関して

勉強会のデザインに関して ファシリテーター研修資料
※ 当社研修資料より抜粋 ファシリテーター研修2日目 グループワークの様子
※ オンライン研修での受講生の様子

 

勉強会の要件定義を行ってみての感想や気づきとして、目的・目標の設定が難しいというコメントや、目的が参加者に伝わらないという課題が出てきていました。

 

要件定義の作成に続いて、勉強会のラーニングポイントや、ターゲット・制約条件、タイムラインも作成し、その後共有しました。

 

対話の一部を紹介します。

・今の会議は、発言しなくても問題なく進んでいくので、それが課題意識を持てなくなる原因なのかも知れない。一言でも発言できるようになると、会社として変わっていくのかもしれない。

 

・会議が情報共有になりがちになってしまっていて、臨む姿勢が受け身になってしまっている。事前課題を行ったり、議論するような内容にしていくと変化があるのか、と考え中です。

 

・(機械について学ぶことを目的とした勉強会に対して)機械に対して愛着が湧くって、確かに大事だよなと思う    ▶ 機械のことを勉強することで自分事化できるかもしれないので、その辺りはキーになりそうだと思った    ▶ 機械のことを知らないと楽しくないと思うし、やらされ感になってしまうが、事実として知らなくても辛くはないという人もいると思う。ボタンを押して動かなかったら自分の仕事ではなくて他の人の仕事という線引きをしてしまっているかもしれない。どう興味を持たせて、どう発言していくか。

 

・勉強会をデザインする過程を分解して考えると、フォーカスして細かく見ることができるなと感じた。また、上流から考えるということを考えると構成がしやすくなるなと感じた。

 

・ラーニングポイントや、ライムラインを組み立ててみて、予定通りに行くのかが不安。あらかじめ準備をしておかないといけない気がする。

 

・時間を多くとれば伝わるわけでもないと思うので、目的を明確にしてできるだけ手短にできるといいのかなと思いました。

上記の話を聞いて、講師から次の内容をお伝えしました。

 

・タイムライン通りに進むのか不安になる、ということについて、準備を丁寧に行っておくということは大前提として必要ですが、勉強会の内容によってタイムラインの使い方を分けるといいです。講義形式はタイムライン通りに進め、対話式の場合は、タイムラインを緩く作ったり、状況に応じて変えていくことも必要になります。

 

・勉強会を行うときは、目標を達成するための適切な時間がどれくらいかを知っておく必要があります。

 

■ チェックアウト

本日の研修の振り返りをしながらチェックアウトを行いました。 ファシリテーター研修 チェックアウトの様子
※ オンライン研修での受講者の様子

 

チェックアウトの内容の一部を紹介します。

・何をやろうではなく、なぜやるのかを考えることが必要だと感じた

 

・目的を明確にしてから考えていくことを大切にする

 

・会議だけでなく部下と話をするときに、目的・目標を明確にして話すと、余裕をもって話せるようになるのではないか

 

・目的を達成することで、ポジティブな影響を与えられることを、どうやって相手に浸透させるかが大事

 

・受講生が目的に納得して始められるか、終わったときに目的に立ち戻れているかが大事だなと改めて思った

 

・会議は担当制になることもあると思うけど、担当になった人が会議について悩まないといけない。小さいことでも協力してやるのが当たり前という関係性作りを行っていきたい

 

・まずやってみて、今日学んだことを自分のものにしていきたいなと思いました

 

・目的・目標と言われていながらできていない状態なので、実践できるようにしていきたい

 

・他社と一緒にすることで目線が異なることもあり、学びになりました

そもそも、なぜ会議を行うのかが明確になっていないと、意味のない時間になってしまいます。
今ある会議の目的が明確にあるのかを確認してみると、案外やらなくてもいい会議が出てくるかもしれません。

 

今ある会議も、これから行う予定の勉強会も、今一度目的と目標を考え直してみるところから始めてみましょう。

 

4)講師・アテンド所感

今回の対話の中で、難しい…という言葉が多く出てきていました。

 

ファシリテーターの役割の一つは、対話・議論の場を創ることです。
コントロールすることではないため、参加者の当事者意識・主体性を促しながら、いかに質の良い会議・勉強会にするかが求められます。

 

自分の思うようにいかないこと、悩むことも多くあり、それぞれの悩みを共有し共感しあっている様子を多く伺いました。また、研修の中で現在の会議や勉強会の整理をしてみて、自組織の会議の特徴や、目的が分からない会議が見つかっている方もいらっしゃいました。

 

会議・勉強会について様々な悩みがあるかと思いますが、まずは、何のために会議や勉強会を行っているのかを改めて考えるところから行って頂けたらと思います。

 

目的・目標が明確に言語化でき、参加者が理解することができると、それだけでも会議や勉強会の質に影響するところはあると思います。そのときに大切なことが、言葉です。社会構成主義では「言葉が世界を創る」と言われています。言葉一つでポジティブにもネガティブにも影響してきますので、言葉の取り扱いは十分に気を付けて頂けたらと思います。

 

本日の研修で、ほとんどの方がモヤモヤを抱えていらっしゃるように感じました。ファシリテーターはモヤモヤすることが多いです。
しかし、そのモヤモヤを大切にして内省し続けないと、ファシリテーターとしての力量は上達していきません。

 

今回講師をした当社の代表である迫間は、10年以上程度ファシリテーターをプロとして行っていますが、ファシリテーターとして入った場で、凄く良かったなと思うのは10%もないと伝えていました。ほとんどは、こういう問いを投げればよかったな、介入しすぎたななど反省ばかりです。その反省や内省を通して、ファシリテーターとして成長していきます。

 

ファシリテーターは慣れることも大事だと思いますので、ぜひ積極的にチャレンジし、振り返りを行うことで成長していって頂けたらと思います。振り返りを行う際は、会議や勉強会の目的・目標とどれだけ近づいているかを見ると、振り返りしやすいです。
次回までに研修で学んだことを実践しながら、ファシリテーターの基礎を身につけて頂けると嬉しく思います。

 

本研修の内容及びファシリテーター研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。
1日1名様からのご参加が可能です。
ご興味をお持ちの方は、ぜひダウンロードください。

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