あなたは大丈夫?ハラスメントの種類一覧表で7種類36個を解説

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「多くのハラスメントがあり、結局、何に気を付ければ良いのか分からない
「具体的に、どんなハラスメントがあるのだろう

このようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないかと思います。

職場でハラスメントが起きると、生産性の低下や離職率の向上、世間からのイメージダウンなど、さまざまなネガティブな影響を受けることになります。

特に近年はさまざまな問題がハラスメントとして扱われ、ハラスメントの種類を把握しきれていない方も多いと思います。

そこでまずはじめに、職場における具体的なハラスメントの種類についてお伝えします。

ハラスメントの種類 具体的な内容
仕事・働き方に関するハラスメント ・パワーハラスメント(パワハラ)
・リストラハラスメント(リスハラ)
・ロジカルハラスメント(ロジハラ)
・時短ハラスメント(ジタハラ)
・リモートハラスメント(リモハラ)
・ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
・ケアハラスメント(ケアハラ)
・テクノロジーハラスメント(テクハラ)
・不機嫌ハラスメント(フキハラ)
・声が大きいハラスメント(ノイズハラスメント)
・独り言ハラスメント
人格に関するハラスメント ・モラルハラスメント (モラハラ)
・セカンドハラスメント (セカハラ)
性別に関するハラスメント ・セクシャルハラスメント(セクハラ)
・ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
・マタニティハラスメント (マタハラ)
・パタニティハラスメント(パタハラ)
・ソジハラスメント (ソジハラ)
・マリッジハラスメント (マリハラ)
・ラブハラスメント (ラブハラ)
・テクスチュアルハラスメント(テクハラ)
年代・国籍・宗教・血液型に関するハラスメント ・エイジハラスメント(エイハラ)
・レイシャルハラスメント(レイハラ)
・レリジャスハラスメント(レリハラ)
・ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)
SNSを通じたハラスメント ・ソーシャルハラスメント (ソーハラ)
苦手な人への配慮しないハラスメント ・アルコールハラスメント(アルハラ)
・エアーハラスメント(エアハラ)
・グルメハラスメント(グルハラ)
・カラオケハラスメント(カラハラ)
・スモークハラスメント(スモハラ)
・スメルハラスメント (スメハラ)
・音ハラスメント(音ハラ)
・お祝いハラスメント
クライアントに関するハラスメント ・カスタマーハラスメント(カスハラ)

「こんなこともハラスメントになるのか…!何もできなくなる…」と思うかもしれません。

しかしながら、「2)(参考)職場におけるハラスメントとは?ボーダーラインも解説」で説明している職場の業務範囲内かどうか、というポイントを理解できれば、「多くのハラスメントはあるが、結局は、業務を適切に進めていけば良い」ということがご理解いただけると思います。

さまざまなハラスメントの種類と、適切な業務範囲とは何かを理解し、具体的な対策を立てられるようになりましょう。

執筆者プロフィール
森川 友晴
チェリッシュグロウ(株)代表。業界歴15年以上。大手外食チェーンにて店舗業務、人事部、教育部などを経験した後、アルー(株)に転職。研修教材やコンテンツ開発のマネジメントを行う。 現在は、研修講師、中学高校や企業のカウンセラーとして企業と個人の支援を行っている。

専門性:インタラクショナルデザインコーチング、キャリア開発、メンタルヘルス/レジリエンス

1)職場におけるハラスメントの種類 一覧

職場におけるハラスメントの種類を
仕事・働き方に関するハラスメント
人格に関するハラスメント
性別に関するハラスメント
年代・国籍・宗教・血液型に関するハラスメント
SNSを通じたハラスメント
苦手な人への配慮しないハラスメント
クライアントに関するハラスメント
に分けて、36個紹介します。

仕事・働き方に関するハラスメント

パワーハラスメント(パワハラ)

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務範囲を超えた言動により労働者の就業環境が害されることをいいます。

<具体例>
・提案書を上司に提出したところ、「出来が悪い」と怒鳴られ、灰皿を投げつけられて、眉間を割る大けがをした

・新卒で入社したばかりなのに、必要な教育がないまま、到底対応しきれないレベルの業績目標を課され、それを達成できなかったことに対して厳しく叱責された

職場におけるパワーハラスメントの状況は多様ですが、代表的な言動の種類として6つの種類があります。

①身体的な攻撃 蹴ったり、殴ったり、体に危害を加えるパワハラ
②精神的な攻撃 脅迫や名誉毀損、侮辱、ひどい暴言など精神的な攻撃を加えるパワハラ
③人間関係からの切り離し 隔離や仲間外れ、無視など個人を疎外するパワハラ
④過大な要求 業務上明らかに不要なことや遂行不可能な業務を押し付けるパワハラ
⑤過小な要求 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えないパワハラ
⑥個の侵害 私的なことに過度に立ち入るパワハラ

この6つは、あくまで代表的な言動の種類です。これらに当てはまらなかったらパワハラではない、ということではありません。

これら6つの具体例や対応方法など、詳しい情報は「パワハラを知る。パワハラの定義・防止方法・見かけた時の対策まで解説」のコラムをご覧ください。

リストラハラスメント(リスハラ)

リスハラとは、リストラの対象者に嫌がらせを行ない、自主退職を促すハラスメントです。企業が解雇通告をすることで企業に何らかのネガティブな要因がある場合に起こりやすいです。

<具体例>
・リストラの対象となる従業員に対して、業務量を極端に増やしたり、不公平な業務を与えることで、ストレスや圧力をかけて自主退職を促す

・リストラの可能性がある従業員に対して、重要な情報やプロジェクトの進行状況などを故意に隠し、不安や不確実性を高めることで、自主的な退職を促す

・リストラ対象者を周囲のチームやプロジェクトから隔離し、コミュニケーションを制限したり、仕事の連携を避けることで、孤立感や孤独感を増大させ、自主的な退職を促す

ロジカルハラスメント(ロジハラ)

ロジハラとは、正論を過剰につきつけて攻撃することで嫌がらせする行為です。正論を伝えること自体は悪いことではありません。しかし「正しいことを言って何が悪い?」というスタンスで強い口調で伝えるようなことがあると相手を不快にさせてしまいかねません。

<具体例>
・会議やディスカッションで、他のメンバーの提案や意見を無視し、自分の意見だけを押し通す

・他者の意見を受け入れることをせず、相手の意見の後にすかさず「でも〜〜だからそれは無理だよね」「〜〜はさっき言ったじゃん。ちゃんと聞いてた?」という言葉を強く伝える

時短ハラスメント(ジタハラ)

時短ハラスメントは、時短勤務者に対して残業をさせないようにしたり、時短であることを理由に叱責するなどの行為です。時短勤務者を不当に非難したり、キャリアの成長や昇進の機会を奪うような行動も時短ハラスメントの一形態です。
時短制度は、社員が仕事と家庭やプライベートの両立を図るためのものであるため、適切な配慮が求められます。

<具体例>
・時短勤務者が残業した際に、被害者に対して適切な残業代が支払われない

・時短勤務者に対して、業務量や業務内容を通常勤務の倍以上に設定し、時間内に仕上げるように指示する

・時短勤務という制度に対する不満を時短勤務者にぶつける

リモートハラスメント(リモハラ)

リモートハラスメントとは、主にリモートワーク環境で発生するハラスメントのことを言います。リモートワーク中にパワハラやセクハラ、モラハラなどのハラスメントを受けると、リモートワークハラスメントにも該当することになります。

<具体例>
・チャットやメールなどで常に監視する

・ビデオ会議中に特定の人だけに「可愛い部屋だね」など不適切なコメントする

ハラスメントハラスメント(ハラハラ)

ハラスメントハラスメントとは、正当な行為をハラスメントだと主張する嫌がらせ行為です。自分が不快だと思ったことに対してハラスメントだと訴え、周囲を困惑させます。

<具体例>
・「進捗はどう?」という上司として当たり前の確認に対し「自分の仕事のスピードを攻められたように感じて不快だった」と言ってハラスメントとして訴える

・子どもの体調不良で休んだ部下に、今後の仕事の割り振りを考えるために翌日子どもの様子を尋ねたら「プライベートに踏み込まれて不快だ」とハラスメントとして訴える

ケアハラスメント(ケアハラ)

ケアハラスメントとは、働きながら介護を行う人々に対する嫌がらせや、介護向けの各種制度の利用を阻害する行為のことを言います。
企業で働く従業員が育児・介護の時間が必要となったとき、仕事とそれらを両立できるようにするために定められた育児・介護休業法が存在するため、企業はそれを遵守する必要があります。

<具体例>
・介護休業の取得を申請しても認めない

・契約社員が介護のための休みを企業に依頼したら、契約を更新しないと言われた

テクノロジーハラスメント(テクハラ)

テクノロジーハラスメントは、ITを用いて行われるハラスメントで、パソコンやスマホ、チャットやオンライン会議などをうまく使いこなせない人に行われるいじめや嫌がらせです。
これは機械操作が得意な若手社員から上司に対して行われることもあります。

<具体例>
・チャットの使い方がわからない社員に対して「こんなこともできないのか」と心ない言葉を言うとともに鼻で笑う

・ITの知識が乏しい人に、わざと難解なITの専門用語を使って説明する

不機嫌ハラスメント(フキハラ)

不機嫌ハラスメントとは、不機嫌な態度や表情を使って、周囲の人を不快にさせることです。不機嫌な態度を取られると周囲の人は不安や恐怖を感じたり、気を使うことが多くなり、精神的に辛くなります。

<具体例>
・同僚が笑顔で挨拶しても、不機嫌そうな態度で無視する

・タイピング音や物音が大きい

ため息ハラスメント

ため息ハラスメントは、ため息をつくことで意図的に不快感や圧迫感を与える行為を指します。このようなことが頻繁にあると、ため息をつく人に近寄り難くなり、一緒に仕事を行うことに辛さを感じます。

<具体例>
・会議やチームの集まりで他者の提案や発言に対して無言のため息をつく

・部下がミスをし、自分のフォローが必要になった時に大きく「ハーッ」とため息をつく

声が大きいハラスメント(ノイズハラスメント)

声が大きいハラスメントは、意図的に声を大きくして他者を不快にさせる行為です。職場での業務上のコミュニケーションや意思疎通が妨げられたり、周囲の人が仕事に集中できない環境を生み出します。

<具体例>
・職場で大声での会話や電話をかけることで、周囲の集中力を妨げる

・業務上の指示や要求を不適切に大声で伝える

独り言ハラスメント

独り言ハラスメントは、独り言を大声で言ったり、聞こえるように意図的に発言することで他者を不快にさせる行為です。独り言が雑音となり、集中力が損なわれます。

独り言を大声で言ったり、聞こえるように意図的に発言することで他者を不快にさせる行為。

<具体例>
・業務中に独り言として大声でその場にいない上司の愚痴を言う

・「大変だ」「疲れたー」などの独り言を聞こえるように言い、忙しいアピールを行い、これ以上の仕事を振られないようにする

人格に関するハラスメント

モラルハラスメント (モラハラ)

モラルハラスメントは、他者の価値観や倫理観に対して意図的に攻撃を加える行為です。多様性を認めることが大切な時代になっている今、さまざまな性別、国籍、経歴などを持つ人がいる組織では特に注意が必要です。

<具体例>
・仕事ができない社員に対して、ミスの注意をする際に「ばか」「アホ」「これだから高卒は」などと発言する

・宗教や信念に関する差別的な発言をしたり嘲笑する

セカンドハラスメント (セカハラ)

セカンドハラスメントとは、何かしらのハラスメントによる被害者が相談したことによって起こる二次被害のことです。
ハラスメントの被害者に対し、周囲の人々が無視や排除、攻撃的な態度を取ったり、被害者に対する支援や理解が欠如していることで被害者がより苦痛を負うようになります。

<具体例>
・会社の相談窓口にパワハラを受けたことを相談したところ、「考えすぎだ」「君のためを思って言っているのではないか」などと言われてハラスメントを受けたことを信じてもらえない

・セクハラの被害者を同僚に相談したら、周囲に広められてしまい変な噂話をされるようになる

性別に関するハラスメント

セクシャルハラスメント(セクハラ)

セクシャルハラスメントは、性的な性質を持つ言動や行為によって、他者が不快や屈辱を感じる状況を作り出す行為です。

<具体例>
・上司が部下に対し、昇給や昇格を条件に性的関係を求める

・出張中の車中で上司から腰、胸などを触られたため抵抗したら、地方に異動させられる

・職場で性的なジョークやコメントが頻繁に行われ、職場全体の雰囲気が不快なものになっている

セクハラの種類は対価型と環境型の2つあります。

対価型セクシュアルハラスメント 労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換などの不利益を受けること
環境型セクシュアルハラスメント 労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること

これら2つの具体例や対応方法など、詳しい情報は「職場のセクハラ対策を強化。人事・経営者が学ぶべき知識と実践方法」のコラムをご覧ください。

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

ジェンダーハラスメントは、個人の性別や性的指向に対して不適切な言動や行為です。
今まで育ってきた環境によって植え付けられた性別に関する固定概念によって、意図せず傷つけてしまうこともあり、ジェンダーハラスメントを行っている人は問題意識が持ちにくい特徴があります。

<具体例>
・お茶汲みは女性の仕事だと言われる

・「男・女のくせに」「男・女らしく」などの言葉を用いる

・女性には管理職なんて無理だと言われて昇進できない

マタニティハラスメント (マタハラ)

マタニティハラスメントは、妊娠、出産、育児に関連する女性への差別や嫌がらせのことを指します。

<具体例>
・妊娠中の女性に対して不当な解雇や昇進を妨害する

・妊娠した女性社員に「忙しい時期に妊娠されると困るよ」と言う

セクハラの種類は「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態に対する嫌がらせ型」の2つに分類されます。

制度等の利用への嫌がらせ型 出産・育児・介護に関連する社内制度の利用に際し、当事者が利用をあきらめるざるを得ないような言動で制度利用を阻害する行為をいいます。
状態に対する嫌がらせ型 出産・育児などにより就労状況が変化したことなどに対し、嫌がらせをする行為をいいます。

パタニティハラスメント(パタハラ)

パタニティハラスメントは、男性が育児休暇や育児休業など育児目的の制度を利用することに対して、阻害したり嫌がらせをすることを指します。
昔ながらの「男性が仕事をして女性が子育てをする」と言う価値観を強く持っている人から被害を受けることになります。

<具体例>
・「育児休業を取得したい」という相談をしたら「昇進できなくなるけどいいのか」と言われた

・「うちの部署は忙しいから、育児休業なんか取られると迷惑だよな」などと日頃から発言して育児休暇を取得しづらくしている

ソジハラスメント (ソジハラ)

ソジハラスメントは、性的指向や性自認に基づく差別や嫌がらせのことを指します。
これには、同性愛者、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィアなどへの差別的な言動や扱い、性的指向や性自認に関する冷ややかな態度や不当な要求が含まれます。

<具体例>
・トランスジェンダーであることを「他の従業員が不快に思うから」と言う理由で解雇される

・「ホモは気持ち悪い」などさまざまな人が集まる食堂で話している

マリッジハラスメント (マリハラ)

マリッジハラスメントは、結婚状況に基づく差別や嫌がらせを指します。「結婚するのが当たり前」「結婚してないとおかしい」「既婚者はエライ」など個々が結婚に対して持っている価値観を他者にも押し付けることで生まれます。

<具体例>
・業務中に「結婚できない君に、いい人を紹介してあげよう」と言われる

・「独身なんだから休日出勤できるよな?」と言われる

ラブハラスメント (ラブハラ)

ラブハラスメントは、職場での恋愛や性的な関心を強制的に求める行為や言動を指します。恋愛関係や性的なアプローチを強要したり、拒絶された場合に嫌がらせをすることが含まれます。

<具体例>
・同僚に恋愛感情を示されたが拒否したら、後にストーカー行為や嫌がらせを行うようになった

・恋愛に関するプライベートな情報を無理に聞き出す

テクスチュアルハラスメント(テクハラ)

テクスチュアルハラスメントとは、テキストを介して性差別を行うことです。メールやSNS、チャット、文書、提案資料、企画書、SNS投稿などテキストを介したコミュニケーションで行われることが一般的です。

<具体例>
・「女性にはこんな論理的な文章は書けない」と決めつけて、他者に手伝ってもらったと疑い、当人の仕事を評価しない

・ビジネスチャットで性的な冗談を送る

年代・国籍・宗教・血液型に関するハラスメント

エイジハラスメント(エイハラ)

エイジハラスメントは、年齢に基づいて人を差別したり、嫌がらせをすることです。特定の年齢層を不利益にしたり、年齢に関する否定的なステレオタイプに基づいた行動が含まれます。

<具体例>
・「これだからゆとり世代は」と言う

・「その年齢でこんな簡単なこともできないのか」と言われる

レイシャルハラスメント(レイハラ)

レイシャルハラスメントは、人種や民族に基づいて人を差別したり、嫌がらせをする行為です。日本人と外国人を分けて業務を進めたり、評価したりすることもレイハラに該当します。

<具体例>
・日本人よりも不利な状態で外国人に仕事をさせる

・「遅刻が多くて困っているんだけど○○人はみんなそうなの?」などと、その国の国民全体を侮辱する

レリジャスハラスメント(レリハラ)

レリジャスハラスメントは、個人の宗教的信念や実践に対する嫌がらせや差別的な行為を指します。日本では、憲法で信教の自由が保障されているため、宗教によって不利益を被ることがあってはいけません。

<具体例>
・あの人は〇〇に加入していて信用できないからと言う理由で適切な仕事を与えられない

・宗教の関係でカフェインが摂取できないのに「緑茶くらい飲んでもいいでしょ」と強引に飲まそうとする

ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)

ブラッドタイプハラスメントは、血液型に基づく嫌がらせや差別的な行為のことを指します。特に日本人は自分の血液型を認識していて、血液型についてのイメージをそれぞれ持っているため起きやすいです。

<具体例>
・「O型だからこんな雑な資料になるのか」と言われる

・「確かAB型だったよね?やっぱり変わり者が多いんだね。これからAB型の採用はやめた方がいいかもしれないな」と言われる

SNSを通したハラスメント

ソーシャルハラスメント (ソーハラ)

ソーシャルハラスメントとは、インターネットやソーシャルメディア上に職場の人間関係を持ち込み、そこで相手に嫌がらせや、傷つける行為をすることです。プライベートにまで仕事が侵食してきたような圧迫感を覚えてストレスを感じやすくなります。

<具体例>
・上司や先輩がしつこく友達申請をする

・社員の投稿に対して「いいね」やコメントを強要する

苦手な人への配慮しないハラスメント

アルコールハラスメント(アルハラ)

アルコールハラスメントは、飲酒によって他者に対して暴言や暴力を振るう行為のことです。飲み会文化のある職場で起こりやすいです。

<具体例>
・無理やりお酒を飲ませる

・「この瓶を空けるまでは帰らせないから」と言われ、荷物を没収される

エアーハラスメント(エアハラ)

エアーハラスメントは、エアコンの温度設定による嫌がらせのことを指します。人によって快適な適正温度が異なるため、周囲の人に配慮した温度設定が必要になります。

<具体例>
・寒がっている人がいるにもかかわらず、エアコンの温度をより下げる

・猛暑日または真冬日にもかかわらず、エアコンを使わせない

なお、エアーハラスメントは、場の空気を悪くするための行為を意図的に行う嫌がらせ、と言う意味で使われることもあります。

<具体例>
・忘年会のお店について「こんなダサい店行きたくない」と言う

・体調を崩して休んだ社員に「今日の〇〇の営業に行きたくなかったから休んだんだろ」と言う

グルメハラスメント(グルハラ)

グルメハラスメントは、食事や食習慣に関連した嫌がらせや差別のことを指します。グルメに関する知識を長々と語り、相手を不快にさせることも含まれます。

<具体例>
・「この肉はタレじゃなくて塩で食べて」と強引に押し付ける

・「そこのお弁当はイマイチだよね」と相手が食べているものに対していちいち干渉する

カラオケハラスメント(カラハラ)

カラオケハラスメントは、カラオケの歌唱や選曲に関する嫌がらせや差別のことを指します。人前で歌うことが苦手な人や、歌が得意ではない人などカラオケが苦手な人のことを配慮しないで不快にさせてしまいます。

<具体例>
・会社の忘年会でカラオケをすることになり「ノリが悪いな。なんか歌えよ!」と言われて、嫌なのに無理やり歌わされる

・カラオケで歌わなかったら、次の日から仲間外れて仕事がやりづらくなる

スモークハラスメント(スモハラ)

スモークハラスメントは、たばこの煙による嫌がらせや健康被害のことを指します。ただ、喫煙の自由はあるため、無闇にたばこを禁止するとそれもハラスメントとなりかねません。

<具体例>
・職場で定められた喫煙所以外の場所でたばこを吸い、周囲に煙をまき散らす

・会社の飲み会でたばこが苦手な人に気を使わずに隣で喫煙し続ける

スメルハラスメント (スメハラ)

スメルハラスメントは、不快な臭いによる嫌がらせや健康被害のことです。臭いが強いと頭痛や吐き気を催し、仕事ができない状態になる人もいます。

<具体例>
・強烈な香水をわざとつけて他者に近づく

・口臭が気になる社員がいて、同じ部屋で会議するときに匂いが気になり会議の話が入ってこない

音ハラスメント(音ハラ)

音ハラスメントは、不快な音や騒音によって他者を嫌がらせる行為を指します。職場で席が近い人同士の間で問題になることがあります。

<具体例>
・席が固定されている会社で隣の人がずっと独り言を言っていて集中できない

・会社の席が隣の人が仕事をしているときに音楽を聞いていて、その音楽の音がイヤホンから漏れているため伝えたが一向に改善されない

お祝いハラスメント

お祝いハラスメントは、職場の誰かにおめでたいことがあった時に、その部署のメンバーにお祝いを強要することを指します。有志ではなく強制にするとハラスメントになる可能性があります。

<具体例>
・出産祝いをあげるために強制的にお金を徴収する

・有志と言われていたため同僚の結婚祝いのプレゼントへのお金を出さなかったら、そのことが理由で仲間外れにされて職場にいづらくなる

クライアントに関するハラスメント

カスタマーハラスメント(カスハラ)

カスタマーハラスメントは、顧客や利用者が従業員や他の顧客に対して行う嫌がらせや不適切な行為を指します。顧客に対して強く言えない立場を利用されて言われるがままになってしまうことも多く、従業員の精神的なストレスや不快感を引き起こします。

<具体例>
・店員を怒鳴りつける

・毎日電話で商品に対するクレームを言われる

このようにさまざまなハラスメントが存在しています。全てに共通していることは、相手が不快になることです。その中でも業務範囲を超えた行為についてはブラックゾーンで処分対象となる可能性があります

もしハラスメントが職場で起きてしまっている場合は、適切な対策をして早い段階でハラスメントを防げるようにしましょう。
職場ハラスメントが発生する原因・背景、対策については「ハラスメントとは?ブラックゾーンや定義・対策を分かりやすく解説」の記事をご覧ください。

2)(参考)職場におけるハラスメントとは?ボーダーラインも解説

ハラスメントを翻訳すると、人を困らせること、嫌がらせ、という意味になります。つまり、ハラスメントとは、ある人やグループに対して不快や不利益を与えるような言動をとることを指します。

職場にはさまざまなハラスメントが存在しますが、全てにおいて、特定の人が不快や不利益を被ることがあれば、ハラスメントとなります。

一方で、不快や不利益を感じるボーダーラインは個人によって異なり、ハラスメントとなる言動を明確にしきれないところがハラスメント問題の難しい点です。

ただ、ハラスメントには「処分対象」と「そうでないが不快であるもの」というブラックとグレーゾーンがあります

受け手が不快を感じたら全て処分対象になるわけではなく、処分対象のハラスメントか否かは一定の客観性も求められます。この客観性でポイントとなるのが「業務範囲」です。個人が不快に感じただけでなく、客観的に見て業務範囲を超えた言動だと思われる場合は、ブラックゾーンのハラスメントとなります。

例えば、仕事上のミスを指摘することは業務上必要ですが、その時に「若いやつは」「母子家庭が」など業務と関係がない要素を指摘に持ち込むのは業務範囲内とはいえません。

また工場などで大声を出す・身体を抑える行為は、事故を防ぐための緊急対応として必要な場合もあります。一方で、通常の指導の際に大声を出すとか、暴力的な行為は業務範囲内とは言えません。

このように、全てのハラスメントには「処分対象」と「そうでないが不快であるもの」というブラックとグレーゾーンがあり、これらを判断する際には業務範囲を超えた行為か否かの客観性が必要となります。

個人が訴えるすべてを「ハラスメント」として扱っていては、組織としてフォローしきれなくなります。グレーゾーンのハラスメントは価値観の違いによるものが多く、適切な話し合いを行いお互いを理解できれば解決できることが多いです。

組織としてハラスメントの定義を明確にし、ブラックゾーンとグレーゾーンそれぞれに適した対策を行うことが必要です。

ただ、業務範囲内かどうかは、様々な要因によって判断されます。詳しくは判例などを読み、自社の状況に照らし合わせたり、専門家と話し合うことをお勧めします。

職場ハラスメントが発生する原因・背景、対策については「ハラスメントとは?ブラックゾーンや定義・対策を分かりやすく解説」の記事をご覧ください。

まとめ|アーティエンスはハラスメントへの対策に関する研修を実施

本コラムでは、職場におけるハラスメントの定義を説明した上で、具体的なハラスメントの種類を36種お伝えしました。

さまざまなハラスメントがありますが、全てに共通していることは、相手が不快になることであるということです。その中でも業務範囲を超えた行為についてはブラックゾーンで処分対象となる可能性があります。


様々なハラスメントについて知ることで、適切な業務範囲とは何かを理解し、具体的な対策を立てられるようになりましょう。

なおアーティエンスでもハラスメントに関連するサービスを実施しています
貴社のお悩みに合わせて適切な対応・対策を行えるようにサポートしますので、お気軽にお問い合わせください

職場でハラスメントが起きると、生産性の低下や離職率の向上、世間からのイメージダウンなど、さまざまなネガティブな影響を受けることになります。ハラスメントの問題が起きないように、できることから始めていきましょう。