研修・セミナーレポート

2024年10月10日 全員参加の会議づくり研修 ー公開講座研修レポート

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本内容は、2024年10月10日に開催した「全員参加の会議づくり研修」の公開講座研修レポートです。研修概要、終了時のコメント、そして研修内容を時系列に沿ってご紹介します。

1)研修概要

会議の参加者全員が当事者意識を持ち発言する会議にするために必要な意識やスキルの習得を目的としています。

3つの学びのポイント

①自身の影響を知る|4つの層で見るメンタルモデルの理解

自身が会議に与えている影響について4つの層を軸に考えていきます。参加者全員が安心して意見を出し合うために、まずは自分が変わるべき点を見つけていきます。

②活発な対話を促す|当事者意識・主体性の引き出し方

目的や目標を達成するために、参加者の当事者意識や主体性を引き出すためのファシリテーターの介入方法について理解を深めます。

③ 安心・安全な場を作る|場のデザイン方法

参加者が意見をだしやすい「安心・安全な場」を創りだすために、ファシリテーターが知っておくべき場のデザイン方法について学びます。

2)研修で得た気づき・学び(チェックアウト・アンケートより)

研修終了時のコメント(チェックアウト・アンケートより)

・私がこれまで、「会議をいかに円滑に進めるか。」「議題に対して、適切な解を導き出せるか。」など、目的意識だけを強く持ち、相互作用や全員参加の考えがそもそもあまり持ち合わせていなかったことを痛感しました。それは、私自身、組織の成長や部下の育成より、目の前の課題解決にとらわれていたのだろうなと。貴重な気付きを得られたように思います。

・知識・技術不足だから意見が出せない、のではなく、意見を出せる議題を持ち出してみるのも一つの手だなと感じました。素敵な考えを持っているメンバーがたくさんいるので、そういう人たちのプラスαの意見を取り入れてさらに良い開発につながると思います。

・本当の意味でチーム全体が納得できるような結論付けができるようになりたいです。その結果、業務クオリティが向上し、全社への良い影響になると考えます。

・「自分だけで変えるのは難しい」という思いから、「自分ができる小さいところから変えてみよう」という気持ちに変化しました。

3)研修内容

1.チェックイン

参加者のチェックインから始まりました。チェックインも、会議における相互作用を高める上で重要なプロセスです。

・今日サービスのテスト最終日で、そちらが状況が、結構気になってしまっています
・入社して間もない状況なので、前職での文化がまだまだ強い状況で参加しています
・犬を飼っているので鳴かないか心配です…

2.相互作用が起きている全員参加の会議とは何か?

全員参加の会議とは何かを、ジャムボードをもとに意見をだしあいました。

3.術①自身の影響を知る

「術①自身の影響を知る」では、会議で自身が意識的、無意識的に、周囲にどのような影響を

与えているのかを深掘りました。

研修内では、以下のメッセージもお伝えしています。

▼参加者のコメント
・心の底では、自分の方がよく知っていて、自分以上の意見は出てこないと思ってしまっているのかも…
・自信がありすぎても、なさ過ぎても良くない。塩梅が難しいなと感じた
・会議が時間の無駄だと思い、「これ自分の宿題にします」とついつい言ってしまう。
・せっかちな性格で、何か決まらないと・進まないと、ダメだって思ってしまう
・自分の状態を整えることも、大切

4.術②活発な対話を促す

活発な対話を促すために、以下の二点が重要であることをお伝えしました。

①コミットの高い目的・目標を持つ
②共創・協働ポイントを創る

①コミットの高い目的・目標をもつ

3つの目標(意義目標・成果目標・行動目標)の考え方を、具体例を用いながら伝えました。

▼参加者のコメント
「意義目標の発信が結構多い印象」
「上の人たちが、こういうことやりたいという発信している。」
「目標が結構変わっていて…むしろ、変わりすぎている」
「会社の軸があって、それを持ち続けて、変わっているならいいけれど、ついていけない」
「変わったときに、その理由もちゃんと伝えないといけない」
「採用の部分にもつながってくる。離職率が高かった。」
「ベクトルがそろうとめちゃ強いけど、歯車狂うを離職率が高くなる」

②共創・協働のポイントを創る

共創・協働のポイントを創るでは、以下の三点をお伝えしました。

・情報の欠落や余白を作り、参加者自身が取りにくるようにする
・多様性と異質性の力から認知を広げることで、情報量を増やし、探求できる環境を創り、ホールドする
・ポジティブフィードバックを行い、自己強化が起きるようにする

5.術③安心・安全な場を作る

自身が属するチームは、どのようなチーム(場)なのかを考えました。

▼参加者コメント
・TOYOTAかな
・今のチームは攻殻機動隊。急遽マネージャー不在になり、自分がリーダーになった。マネージャーが抜けたことで、良くも悪くも自走している感じがします。
・喫茶店のテーブル席。話すときは話すし、作業する時はするで、落ち着いている。
・前職は公立の中学校。偏差値バラバラ、優秀、やる気だけはあります、みたいな人もいる。
・リーダーが最前線に立っている軍隊。古いシステムを使っているので、いろいろな所、例えば水道管から水が出るみたいな。古くからいる上長が、最前線に立ってやっている。リーダーがいないと、散り散りになってしまうという感じがした。

次にどのようなチーム(場)に変えていきたいかを考え、共有しました。

▼参加者のコメント
・戦場に立つ軍隊たち→隊長以外の伏兵たちが、疲れた時に、代わりになれる。万が一のことがあったときも、成り立つ軍隊
・攻殻機動隊→チームとして相乗効果を出せるんじゃないかなと思う。そこを強化できると良いなと思う
・心の底から、みんながわくわくしながら、成果も出している場にしたい。ワクワク感みたいなもの

講師からは、なりたいチームの状態をつくるには、チーム内のコミュニケーションから変えていくことが大切であることを伝えました。

チーム内のコミュニケーションを活性化させるために、会議で重視すべき場づくりのポイントを、以下3つの観点からお伝えしました。

・レイアウト
・備品
・空間設計

6.相互作用を止めてしまう働きかけ

相互作用を止めてしまうファシリテーターの働きかけをお伝えしました。

【相互作用を止めるファシリテーターの働きかけ】
・自身がオープンでないこと
・参加者の認知を決めつける
・自分の意見や認知を前面に出すこと
・コントロールすること
・評価すること
・「~しないといけない」を自覚し、手放せること

▼参加者からのコメント
・部下の意見を評価して、ポジティブフィードバックする→それって評価?
・経験の浅い部下には、基本全て上司である自分が決めて、その通りにやってもらっている
・長期的に見ると、リスクはある。上司の正解を探す、上司を超えられない
・とは言え、教えるべきフェーズはあるので、そのフェーズの時は教えるべき
・自分が決めることを続けていたら、メンバーが自分で決められなくなった。結果、MTGが増えた。自分で決めてくれよと思った。

7.ワークⅠ|現場での会議を振り返る

受講者自身がファシリテーターを担った会議を一つ切り取り、研修での学びを軸に振り返りを行いました。

8.ワークⅡ|場への介入を考えよう

ある架空の企業の会議情報を基に、自身はファシリテーターとして、どのように介入すると会議の質をあげられるのかを考え、共有しました。

9.ワークⅢ|もう一度あの会議を行えるなら…

最終ワークでは、再度、特定の会議を行えるとすれば、自身はファシリテーターとしてどのように介入し、会議を良くするのかを考えていきました。

▼参加者コメント
・会社の流れに流れるまま、会議をスタートした
・ただ情報をだしあっただけで、意味のない内容
・会議の事前準備をする時間をちゃんと取らないと…
・お互いに「相手が悪い」と思って参加している会議だった。ファシリが難しかった。
・振り返ると、フラットな会議って参加したことない。
・過去に失敗した会議でなんで失敗したのかモヤモヤしていたけど、レイアウトがよくなかったと気づいた
・若手社員がなかなか意見がないことについて、言わないじゃなくて言えないということも多いと思う。若手でも話せる議題を創っておくことも大事

10.振り返りとアクションの決定 

・今日学んだことをやっていけば、もっといい場になるという確信を持った
・場について、何も考えていなかった。
・拾ったものを、どんな問いに繋げていくスキルがないので、身につけたい
・自分が発表しないといけない会議は、準備して、話すこと決めていたけれど、その場でみんなで話す時って、準備不足だったのかなと思った
・会議としてのありかた、を意識しないと、もったいないなと思った
・意見をだしは問題ないけれど、意見の質を高めるという部分が、まだできていない
・良かった部分を事前に共有するとかできれば、変わっていけるのかなと思った
・自分の心と体を、どこまで準備できるのか。自分の中での価値観も変えていかないと難しい部分もあるなと思った

4)講師所感

それぞれ皆さんが、今必要なことを持って帰っていただきました。参加者されたみなさんから

・会議の前に状態を整える
・目的や目標はパワフルな言葉にし、内容には参加者本人が考える余白も用意しておく
・会議のレイアウトを変えたり、お菓子を用意する

などのコメントを聴くことができ、とても素晴らしいと思いました。

全てを変えることは難しくても、小さく変えていくことで、会議の参加者の姿勢や発言は変わります。
本日学んだことを現場で活用し、参加者の当事者意識と主体性を解放してほしく思います。

なおアーティエンスでは、本レポートの研修である「効率的な会議進行スキル習得研修」の他にも、課題にあわせたファシリテーション研修を提供しています。

全員参加の会議づくり研修
会議での合意形成力向上研修

会議から組織変革を進めてみたい方、今の会議に課題を感じている場合は、ぜひ一度お問い合わせください。