研修・セミナーレポート

2024年6月13日 巻き込み力向上研修ー公開講座研修レポート

更新日:

作成日:2024.6.17

本内容は、2024年6月13日に開催した「巻き込み力向上研修」の公開講座研修レポートです。
受講内容や、受講前と後の変化をまとめています。

1)研修の目的・学びのポイント・アジェンダ

研修の目的

周囲に主体的に働きかける意識とスキルを習得し、受け身姿勢からの脱却を目的としています。

本研修では、【上司役講師への報連相/お客様役講師への商談】というロールプレイング形式のワークを通じて、双方に主体的に働きかけ、巻き込んでいく意識とスキルを習得します

3つの学びのポイント

相手目線を意識したコミュニケーションを体感する

シミュレーションワークを通じて、相手目線を意識したコミュニケーションが、巻き込み力発揮の土台となる信頼感の醸成に繋がることを理解します。

成果・成長につながる巻き込み力を習得する

自身の主体的な働きかけが、自身の成長・成果に繋がることを理解し、周囲を巻き込む手法を実践的に習得します。

自身の強み・改善点への理解を深める

仲間からのフィードバックやワークの経験を基に、自分の特性を理解し、現場へのアクションに繋げます。

当日のアジェンダ

1. イントロダクション・振り返り|現状の自身の巻き込み力は?
2. 商談シミュレーション|顧客と上司の信頼を得て、新サービスを受注せよ!
3. 全体発表、顧客役講師・上司役講師からのフィードバック
4. 相互フィードバック|強みと改善点から巻き込み力向上のポイントを探求する
5. 明日への一歩/振り返り

2)受講者コメントから見る研修前後の変化

研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。

研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。

研修初めのコメント

・先輩に対して遠慮してしまいがちなので、今日の研修で巻き込み力を伸ばして巻き込めるようにしていきたいです。

・先輩とコミュニケーションは取れているけど、忙しそうにしていると遠慮してしまうところがあるので意識して変えていきたいと思います。

・今やっている仕事の中で、先輩に相談すると資料がどんどんよくなっていることを実感するので、巻き込み意識は高い方なのかなと思います。

上司の方とコミュニケーションはとっているけど課題は共有しきれていないので、資料の質が高まっていく実感はまだあまり持てていないです。

研修終了時のコメント

・上司に対する考え方が変わった。チームとして一緒に成果を作り上げるメンバーの一人だと気づいた。

・今まで上司を巻き込むということにあまり重点を置いていなかったが、今回の研修で上司の考えや視点をかりることの大切さを学びました。今まではQ&Aが多かったので、もっと上司を巻き込んでいこうと思います。

・これからは質問だけではなく、自分がどう思っているのか、自分の意図は何なのかも先輩や上司に話していきたいと思いました

・成果を出すためには、自分だけではなく、上司、お客様と共に創り上げることが大切である。

一方通行ではなく「相互のコミュニケーション」であることを意識する。期待を超える感動→信頼の獲得。相手の本当の課題は何かを考える。

研修開始時は、巻き込めている実感を持てている人と、苦手意識を持っている人に分かれていたように感じます。

しかし、研修を受けた後は、巻き込めていると思っていた人でも、先輩や上司に確認をしているだけで、共創していけてはいなかったことに気づきを得ている方がいました。

また、巻き込むことに苦手意識を感じていた方の中には、巻き込むことでアウトプットの質が良くなると上司やクライアントに喜んでもらえる、というポジティブな認識を持てるようになった、という方もいました。

巻き込むこと=良くないこと、という認知を外せると行動に移しやすくなります

3)研修内容

1. イントロダクション・振り返り|現状の自身の巻き込み力は?

周りを巻き込むために必要な共創についてお伝えしました。当社が考える共創の定義は以下の内容です。
共創とは
共創を強めていくためには、自分本位の枠に止まるのではなく、枠組みを広げていく意識が必要になります。
共創とは
※当社、巻き込み力研修テキストより抜粋

この話を受けた上で、現状の自身の巻き込み力について振り返りの時間を設けました。その中で出てきたコメントについて紹介します。

<受講生からのコメント>
チームの中で周囲の人を手伝って自分の役割をおろそかにしてしまう、という意見があり、そこのバランスが難しいと感じました。

<講師からのコメント>
周囲の手伝いをしているのは素晴らしいですね。ただ会社では、まず自身に与えられた役割を全うすることが重要です。

もしかしたら、新入社員のうちは自分の役割(営業、経理など)ではないと感じる、コピーの依頼や会議の準備など雑務的なことを依頼されることもあるかもしれません。組織によっては、そのような雑務的な仕事は新入社員の役割と考えていることもあるので、組織が自分に期待する役割を理解しておくことも必要です。

また、共創の輪を一気に広げすぎると自分が大変になってしまうので、少しずつ広げていくと良いでしょう。

<受講生からのコメント>
上司と遠慮なくコミュニケーションは取れているけど質がよくなっていない人と、上司とのコミュニケーションは苦手だけどアウトプットは高まっている、という人がいて、課題はバラバラだなと感じました。

<講師からのコメント>
この点については、今回の研修で感じることもあると思うので、先に多くを伝えないようにしたいと思います。コミュニケーションの質とアウトプットの質がどのように影響しあっているのかを意識して過ごしてみてほしいと思います。

2. 商談シミュレーション|顧客と上司の信頼を得て、新サービスを受注せよ!

チームで新サービスの提案書を作成し、顧客から受注を勝ち取る商談シミュレーションを行いました。
上司役の講師と、お客様役の講師の2名体制で実施し、顧客への訪問と上司への報連相を何度も行います。上司・お客様ともに、期待を超えて満足、そして感動レベルまでを目指します
共創とは
※当社、巻き込み力研修テキストより抜粋

ワークを始める前にチームのスローガンを創り、そのスローガンを大切にしてグループワークを進めていきます。約4時間の時間を受講生に任せて、上司・お客様と共に提案資料を作っていきました。

途中段階での上司役の講師の所感としては、部下との関係性は悪くはないが良くもない普通の段階でした。
部下である受講生が仮説を持ってきたり、考えてきた上でコミュニケーションをとってくれているので、安心してコミュニケーションをとることはできていました。ただ、上司の答えを探そうとしている様子も見受けられるため、後半は「上司やお客様の答えを探しにいかない」ことにチャレンジしてほしい、というメッセージをお伝えしました
この状態を作れると、上司やお客さんと一緒に創っていく、共創していく、という段階になれます。

※上司役の講師への報告の様子

 

※クライアント役の講師への訪問の様子

 

3. 全体発表、顧客役講師・上司役講師からのフィードバック

最終的な結果として、クライアントが選んだ優勝グループはCグループとなりました。

Cグループ

スローガン:競争と共創

<クライアント役の講師からのコメント>
Cグループは、打ち合わせを通して、自社について深掘りしてもらい、クライアント自身でも気づいていなかった自社の良さに気づけました。そしてその自社の良さを伝えるサポートをしてくれる、という提案だったため、今後も一緒にやっていきたいと思えました。

<上司役の講師からのコメント>
最初から最後までディスカッションをしながら一緒に創っている感じがしました。クライアントが見えていない世界を見せれたのは素晴らしいです。金額のところは確認して欲しかったな…という部分もありますが、最後まで常に良くしようという意識を持って取り組んでいたと思います。

他のグループのスローガン、アウトプット、講師からのコメントも紹介します。

Aグループ

スローガン:共創(上司・お客さんとの密なコミュニケーション)

 

<上司役の講師からのコメント>
上司とのコミュニケーションがQ&A形式になっていて、あまりディスカッションができていなかった感覚があります。Howばかり出てきていたので、もっとWhyの視点も持てるとよかったです。

Bグループ

スローガン:うなる提案 深い納得

 

<上司役の講師からのコメント>
序盤はとても良い印象を持っていましたが、後半失速した印象です。後半は一緒に創っているいるというよりも、クライアントと上司に言われたことをただ伝えるだけの伝書鳩っぽくなってしまっているところもあったのが残念でした。

Dグループ

スローガン:どんどん「発信」!!どんどん「共感」!!

<上司役の講師からのコメント>
前半は安心していましたが、後半のコミュニケーションは一方通行になってしまっていたような感覚でした。Howに注目していましたが、お客様が求めているものは何?上司と一緒にできることは何?という意識を持ってもらえるとよかったです。

Eグループ

スローガン:他者視点を大切に!

<上司役の講師からのコメント>
一緒に創っている感を持てていて、最後までディスカッションできていたと感じています。
Cグループとの差は、ギリギリまでアップデートしていたかどうかで差がついたように見えました。

基本的にどのグループも、特定の人しか話していないということがなく、メンバー間で助け合いながら進められていて、チームとしての安心感を感じていました。
また、多くのグループで顧客の未来を一緒に切り拓いていくという想いで関わっていたのもよかったです。

ただ未来の話は多かった一方で、過去から現在についての深掘りが弱く、現状把握をしきれていない部分もありました。その点についても確認ができれば、顧客が他に抱えている課題も一緒に解決できたため、より良い提案になったと思います。

4. 相互フィードバック|強みと改善点から巻き込み力向上のポイントを探求する

最後に1日一緒にワークに取り組んできたメンバーで相互フィードバックを行いました。ワークを通して見えたメンバーの良いところと、改善点を伝え合います。

相互フィードバックを行うことで、自分では気づいていない強みや改善点に気づけて今後の成長に繋げられます

相互フィードバックで伝え合っていた内容の一部を紹介します。

みんなの意見を要約して調整してくれていたところがすごいなと思いました。

・これでいっかと終わらせないで常によくしようとしていたのがすごかったです。

WHYの部分を投げかけてくれて、考える切り口を出してくれていたなと思います。

クライアントの気持ちを考えた意見が多かったのがすごいなと感じました。

・一人でやろうとしてくれているところがあって、自分がそこに甘えてしまっていたのも良くないけど、もう少し周りを頼ってもいいかもしれないと感じました。

・話術がないって言っていたけどそんなふうには見えなかったので、自信を持ってもっとディスカッションにも積極的に参加してもらえたらと思います。

・私もなんですが、〇〇くんも数字を使って具体的に考えるところが苦手かもしれないなと感じたので、頑張って鍛えていきましょう!

少し話を遮られた時があったのでもう少し待って聞いてくれるとありがたいです。

ここで貰ったフィードバックをギフトとして大事に扱い、より成長していってもらいたいです。

4)講師・アテンド所感

新入社員はスキルや知識、経験が少ないため、上手に上司や先輩、クライアントを巻き込み、一緒により良いアウトプットを創っていく意識を持てるようにすることが大切だということをお伝えしました。

約4時間という長時間のワークでしたが、受講者の皆さんが没頭してワークに取り組んでいる姿が印象的でした。

ただ、上司役の講師やクライアント役の講師の正解を探しにいこうとしている様子も見えました。正解は誰も持っていないため、上司やクライアントと一緒にディスカッションして、皆が満足するアウトプットを創っていく意識を持ってもらいたいと思います。

今回の経験を活かして、どんどんと周囲の人を巻き込んで共創していってください。

※本研修の内容及び新入社員研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。

研修の詳細について詳しく説明しておりますので、ぜひダウンロードください。

6月以降も、新入社員がその時期によって持つ悩みに即した研修を提供していますので、よければご利用くださいませ。

新入社員を対象とした公開講座スケジュールはこちらから確認いただけます。