-
[ コラム ]
【本当に効く】経営者・組織の成長を支える本25選│経営者の器を広げるために
- 「経営者として会社を成長させたい、そして自分自身も経営者として成長していきたい」そんな想いで、本コラムにたどり着かれたのではないでしょうか。経営者が学ぶべきことは多岐にわたります。財務やマーケティングなどの専門的な知識から、人としての器、
- 詳細を見る
経営者の力を引き出す「良い孤独」と、悪影響を産む「悪い孤独」
・経営者が孤独なのは仕方ない
・社員に理解してもらうことをあきらめた
・気軽に話したいが、社員との壁は無くならない
多くの経営者の方から、こうした言葉多く聞きます。
感じている「経営者としての孤独」に諦めを感じながらも、心のどこかで「どうにかしたい」と思っている経営者の方は多いのではないでしょうか。
経営者が「孤独」に陥る理由は4つあります。
1.視野・視座の違い
2.情報の違い
3.責任の違い
4.成長の違い
本コラムを参考に、今持っている孤独を整理し、孤独を解消していきましょう。
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1. 経営者にとって、よい孤独・悪い孤独とは?
経営者の孤独は、よい孤独と悪い孤独があります。
・よい孤独とは、経営者自身の人としての成長を促すもの
・悪い孤独とは、周りに対してネガティブな影響を与えるもの
それぞれ詳しく説明していきます。
よい孤独とは、経営者の人としての成長を促すもの
よい孤独とは、経営者の人としての成長を促すものです。
経営者は、最終的に大きな意思決定・責任が求められます。どうしても、社員とは背負うものが異なります。その経験こそが、経営者自身の成長につながっていきます。
時には、社員や顧客に対して、不都合や不利益がある意思決定も必要でしょう。それが、世の中や組織にとって、よい意思決定だったとしてもです。
そのようなときは、笑顔で社員とコミュニケーションを取れないかもしれません。孤独も感じるでしょう。
ただしそこで得た経験は、人としての成長を促します。理屈では割り切れないものです。しかし、経験することで、経営者として深みが出てきます。見える世界も広がっていきます。
経営者は、孤独を感じたときに、「なぜ孤独と感じるのか?その孤独から得るものは何か?」を言語化することで、良い孤独になります。
悪い孤独とは、周りにネガティブな影響を与えるもの
悪い孤独とは、周りにネガティブな影響を与えるものです。孤独という言葉を免罪符にして、自己中心的な考え方になります。
例えば、「経営者は孤独だから、社員に好かれない。だから、割り切って意思決定をする」などです。
このような意思決定は、自身の利益の最大化を重視する傾向が強くなります。また、決定事項が行き詰った時には「自分の決定は正しかった。他の社員は分かっていない」と盲目的になる可能性が高くなります。
自分のこと、自組織のことしか考えていない意思決定は、いつか社員や市場からNGを出されます。トラブルも山積みになるでしょう。
悪い孤独とは、周りに対してネガティブな影響を与え、それは周り回って、経営者自身に返ってきます。悪い孤独は、悪循環を生みます。
2. 経営者が孤独に陥る4つの理由
経営者が孤独に陥るときは、4つの理由があります。
1.視野・視座の違い
2.情報の違い
3.責任の違い
4.成長の違い
それぞれ詳しく説明していきます。
2-1. 視野・視座の違い
経営者と社員では、視野・視座が異なります。経営者は、「短期・中長期」や、「事業・組織の全体・部分」、「世の中の流れ・未来」を観る必要があります。
見ている世界が異なると、どうしても価値観が変わってきます。
例えば、社員が「新規事業でお金を溶かしている。既存事業の利益がすべて持っていかれている」と考えているケースもあります。
本来、新規事業など新しいチャレンジをしなければ、組織の未来はありません。ただし、社員は経営者と比較して、短期視点で物事を判断する場合があります。
2-2. 情報の違い
経営者と社員では、持っている情報が異なります。社員には見せられない情報もあると思いますし、経営者だから手に入る情報もあります。
また経営者だからこそ、アンテナを立てて情報収集をしているということもあるでしょう。
例えば、経営者はベンチャーキャピタルと話す機会が多くあります。そこで得た情報を元に、決定事項を変えることもあるでしょう。
しかし、現場社員には、その情報は入りません。経営者の決定のみ共有され「決定がコロコロ変わり、現場は迷惑している。経営者は現場のことを考えていない」といった思考になる場合もあります。
このように、経営者と現場では得られる情報にも大きな差があります。
2-3. 責任の違い
経営者と社員では、責任の重さが変わります。経営者の責任は、組織の存続だけではなく、社会的な責任にもつながります。
例えば、組織がより世の中に価値発揮をしようと考えたとき、特定の事業を閉じる意思決定もあるでしょう。
このような意思決定は、社員はしません。この意思決定で、サービスを受けて満足していた顧客はとても残念に思うでしょうし、事業に想いを持っていた社員は裏切られた気持ちになるかもしれません。
このように経営者の責任は、社員の責任とは重さが違います。
2-4. 成長の違い
経営者と社員では、成長スピードが異なります。経営者は、自組織の経営理念の達成のために学び続ける必要があります。また知識やスキルだけではなく、人としての器や成熟度を試される場面も多いので、人としての成長を求められます。
例えば、コロナ禍で事業と組織の存続が危うい時、その状況に適応するための判断と行動をとります。そして、さらに先の未来も考えていきます。
社員は、役割に沿った動き方をしますが、会社経営に危機感を持ちながら動く人はまれでしょう。
経営者と社員では、会社経営への当事者意識が異なり、成長が度合いも異なります。
(参考)プライベートでも話が合わない
経営者は、家族・友人に話せない内容も多いです。時には、インサイダーにつながる可能性もあります。そもそも価値観が変わってくるため、話が合わないということも起きます。
例えば、同窓会に出て、会社の愚痴を話している友人がいたとします。経営者として、その愚痴を聞くと、他責でとても残念だと思うこともあるでしょう。
経営者はプライベートでさえ、気軽に話せないという状況も生まれます。
3. 経営者が孤独を解消するための3つの方法
経営者が孤独を解消するための3つの方法があります。
1.社内の経営者や社員との関係性を育む
2.社外に仲間を作る
3.メンターを作る
それぞれ説明していきます。
社内の経営陣や社員との関係性を育む
「社内の経営陣や社員との関係性を育む」ためには、4つのアプローチがあります。
・共有ビジョンを育む
・経営者合宿を行う
・プロジェクトを共に推進する
・対話の機会を設ける
それぞれ説明していきます。
共有ビジョンを育む
ビジョンをただ落とすだけではなく、共有ビジョンにしていくといいでしょう。社員がビジョンを自分事化することで、経営者と社員が同じ方向を見ることができます。経営者の孤独は和らいできます。
すでにつくられているビジョンであれば、社員一人一人が意味づけをしていく機会を設けていくといいでしょう。
例えば、全体会議などで、社長にビジョンの想いを語ってもらい、それについて社員が対話し、社長に質問をするなどの方法もいいでしょう。
ビジョンを再度創り直すというのであれば、ビジョンを創るプロジェクトチームを発足し、全社員でビジョンを創っていく機会を設けるといいでしょう。
共有ビジョンとは、対話を通して共にビジョンを創っていく、育んでいくことを指します。ビジョン共有は、特定の人物が創ったビジョンを、それ以外の人たちに共有することを指します。
経営者合宿を行う
経営者合宿を行い、経営者が一枚岩になることで、孤独を和らげることが可能です。
経営者が一丸となって、ビジョンや戦略の達成するための施策や課題解決を考えていきます。
この時に、いつも経営会議のように、ただ今ある問題を考えたり、中長期計画を考えるだけではなく、日ごろ言えないことを伝えあうことが必要です。普段と違う空間という利点を活かし、経営者合宿でしかできないことを考えるといいでしょう。
お互いのへの深い理解を伴った思いやりを土台にしたビジョン・戦略の実行は一枚岩になっていくので、孤独が安らぎます。
プロジェクトを共に推進する
社員と共にプロジェクトを共に、推進していくことで、社員との一体感を持てます。
この時の注意は、基本は社員に任せ、自身はフォローに回ることです。
任せる範囲は明確にし、意思決定もゆだねていきます。そして、経営者が違うと思ったことでも、全面的にバックアップしていきます。社員を信じ、プロジェクトを進めます。
プロジェクトが失敗しても、社員は素晴らしい経験をし、経営者との距離が近づきます。
経営者の気持ちや考えを、社員が慮るようになっていきます。
対話の機会を設ける
社員との対話の場を設けることで、お互いの理解が深まります。お互いの理解が深まれば、未来に向けて、お互いがどのように向き合うかを考えていくことができます。
経営者は「社員の立場になって社員に対して何ができるか」を考え、社員は「経営者の立場になって、どのように事業課題・組織課題に取り組んでいくか」を考えることが可能です。
注意点は、社員が本音を出さずに経営者の答えを探す状況や、経営者が社員に対して迎合する状態は避けなければいけません。
対等な立場で話を進めることが重要です。
経営者自身の影響力をおさえ、社員の発信を促進するためには、ファシリテーターを設けることをお勧めします。社内ファシリテーターでもよいですし、利害関係のない外部のファシリテーターを設ける方法もあります。
なお、ファシリテーターの選定に関しては『ファシリテーター依頼は慎重に!高パフォーマンス人材の探し方・選び方』のコラムで詳細を記載しています。
社外に仲間を作る
「社外に仲間を作る」は、2つのアプローチがあります。
それぞれ説明します。
経営者仲間を作る
他社の経営者仲間を作ることで、社内では言えない愚痴や相談が可能です。
経営者コミュニティに属してもいいでしょうし、信頼できる経営者と深く付き合うのもいいでしょう。
この時の注意点としては、経営者としての実績と、人としての成熟度を見る必要があります。実績がなければ、適切なアドバイスをもらえない可能性があります。また人として成熟していないのであれば、人として誤ったアドバイスをする可能性があります。時には、犯罪などのグレーゾーンのアドバイスの可能性もあります。
趣味仲間を作る
趣味仲間を作ることで、上下関係のないフラットなコミュニケーションが可能です。仲間と共に趣味に没頭するので、その時間は孤独が安らぎます。
人生のすべて仕事に捧げている多い経営者もいますが、ストレスマネジメントの一つにもなります。ストレス解消のためにもおすすめです。
趣味は何か新しいことにチャレンジしてもいいですが、今好きなものや楽しさを感じるものを深く追求してみるのもいいでしょう。
例えば、お酒が好きな方は、ワイン教室に通ってもいいかもしれません。
メンターを創る
メンターを作ることで、経営者の孤独は和らぎます。経営者仲間というより、経営課題などを相談する立場の人ということです。自組織の課題解決のヒントを得ることが可能です。
メンターは、無償のものと有償のものがあります。無償のものは、経営者の先輩などに依頼することも可能ですが、あくまで無償の範囲であり、専門知識がない場合もあります。有償のものは、ビジネスコンサルタントや税理士などの専門家としての意見が聞くことが可能です。
4. 経営者が孤独と向き合うための2つの方法
経営者が孤独と向き合うための2つの方法があります。
それぞれ説明していきます。
カウンセリング
経営者がカウンセリングを受けることで、孤独と向き合うことが可能です。自身の辛さや苦しさの解消につながっていきますし、結果的に孤独と向き合います。
特に、精神的に落ち込んでいる場合は、活用することをお勧めします。ハードな意思決定などが続く場合は、定期的にカウンセリングを受けることをお勧めします。
アメリカなどでは、経営者はカウンセリングを受け、メンタルケアをするのが当たり前になっています。
コーチング
経営者がコーチングを受けることで、孤独と向き合うことが可能です。辛さ・苦しさより、事業や組織をよりよくしていくために活用するといいでしょう。内省が深まり、孤独を伴う意思決定とも向き合うことが可能です。
例えば、「経営者として自身がどのように事業や組織にリーダーシップを発揮していくのか?」、「事業の意思決定に関して、どうしたらいいか」など、自身が言語化できないものに関して活用するといいでしょう。
カウンセリングは、「マイナスの状態をまずはゼロにもっていくもの」、コーチングは「ゼロのものをプラスにもっていくものと」として使い分けるといいでしょう。
例えば、経営に関して強いストレスを感じて心身の疲れがある場合はカウンセリング、経営判断に迷っている場合はコーチングなどです。
なおカウンセリングも、コーチングも、実績がある人を選びましょう。
カウンセラーもコーチも、有象無象です。数日の研修を受けて、カウンセラー・コーチを名乗っている人もいます。
必ず実績を確認し、自身との相性も確かめるといいでしょう。カウンセラー・コーチについてお探しの方は、お気軽に当社までお問い合わせください。
まとめ
本コラムでは、「経営者の孤独」を扱いました。
・孤独には、よい孤独と悪い孤独があること
・経営者が孤独に陥る理由
・経営者が孤独を解消するための方法
・経営者が孤独と向き合うための方法
「経営者の孤独とは何か?」ということと、扱い方を知っていただけたかと思います。
経営者の孤独を正しく知ることで、経営者のパフォーマンスはより上がり、組織に対してポジティブな影響を与えていきます。
本コラムを通して、よりよい孤独との付き合い方が分かったのではないでしょうか。
孤独を解消するために具体的に何をすべきか考えたい、というかたはぜひ、当社までご連絡いただければと思います。
壁打ちとして、無料でご相談に乗ります。
経営者の孤独を大切に扱い、貴社の素晴らしい未来が切り拓いていくことを、ご一緒できればうれしく思います。