“成人発達理論を活用したマネジメント勉強会” として、グループ長以上を対象に研修を実施した株式会社フルスピードのグループ人事企画部 部長の佐々木様にお話を聞きました。
株式会社フルスピード グループ統括本部 グループ人事企画部 部長
佐々木 達識(ささき たつのり)様
2018年に株式会社フルスピードに入社。
人事部長としてスピードを大切に、日々、仕事を進めている。目指す人事像は小さな人事。
インタビュアー:アーティエンス株式会社 山下 絢加
2013年にアーティエンスに入社。組織開発・人材育成のコンサルタントとして、大手企業から中小企業まで、幅広く研修プログラムの企画・開発・運営を実施。子育てを機に、現在は主にマーケティングプランニングを担当。
会社概要 | 株式会社フルスピード 株式会社フルスピード 「人と人、人とサービス、サービスとサービスをつなげるハブとなることでつながりを増やし、人々の笑顔を広げていく」ミッションの元、2001年に設立。 クライアント企業様の戦略パートナーとして課題解決をご支援するデジタルマーケティング事業を創業より20年以上展開。 近年はストラテジックプランニング、自社プロダクト/サービスの開発・提供を事業戦略とし新たな価値提供を実践中。 |
---|---|
実施背景 | 現在のグループ長以上の役職者について、部下への業務支援だけでなく精神支援に対しての積極的なアプローチの強化を検討。人生観やキャリアのような正解のない相談ごとに対して、どのように対応したらよいのか迷っている部分が多いように感じていた。 部下の精神的な成長や支援への関心を高めたい。また精神的成長の指標も渡したい。HRTechなどツールも必要だが、人とのかかわりといった面も大切にしていきたい。 |
実施内容 | 【成人発達理論を活用した勉強会】 90分×2回:オンラインで実施 ≫成人発達理論を活用した研修ページはこちらから |
人材開発 ・ 組織開発の成果 |
成人発達理論という言葉の共通言語化が進んだ。 複数の役職者が集まって行う人材育成のミーティングで「成人発達理論」のワードが自然と使われるようになった。 |
山下)勉強会実施前に持っていた、課題感を教えてください。
佐々木様(以下、敬称略):
マネジメント層が部下への精神支援に対して積極的なアプローチができていないことが課題でした。
業務支援は的確にできるのですが、「正解のない相談ごと」へのスタンスに悩み、困っているマネジャーも多いのではないかと感じていました。
HRTechなど仕組みでの対応も必要だと思いますが、私としては、人との関わりといった面も大切にしていきたい。そうした想いで研修を探し、アーティエンスさんの成人発達理論研修にたどり着きました。
山下)勉強会を実施した直後、どのように感じましたか?
佐々木)
体系的に整理された成人発達理論を、全役職者と同じインプットができたのは良かったと感じました。
勉強会直後に、
「自分や他のメンバーの発達段階どこなんだろう?」
といった話が、フリートーク的にでていたのは、驚きでした。
成人発達理論によって、自身や部下はどのあたりにいるのかを、フラットに見れている感じでしたね。段階の低さへの不安等というよりも、
「今、○○のあたりだから、上目指すならこうだね。」
といった感じで、フラットに見ていました。
高尚すぎず、現場で浸透できる程度の、分かりやすさで伝えてもらえたのかなと思います。
取り扱いやすさみたいなものはあったと思います。
▼参考:勉強会後の参加者の声
▼【勉強会|2回目】マネジメントと発達段階の理解の促進に関するコメント
・事業衰退のメカニズムと発達理論の関連。
・発達段階による課題とアプローチの言語化
・5.0の指標を目指すことの意義。
・発達段階を知ることで自己の状況の客観視。
・部署やレイヤーを超えた共通の問題認識。
・専門性の外側からの成長アプローチ。
山下)勉強会を終えてみて、現場での変化はありましたか?
佐々木)
共通言語化ができたなと思います。
複数の役職者が集まり行った人材育成に関するミーティングで
「発達段階的に言うと…」
「人によって発達段階って違うからな…」
といった言葉が、自然に出るようになりました。
今後の事業方針や組織戦略・コミュニケーション、そうしたテーマで話をするときに「成人発達理論」という言葉がでてくるなと思いますね。
▼参考|管理職層・経営層の発達と組織の発達
山下)自然と使われるとは、すごいですね。どんな意味合いで使われることが多いですか?
佐々木)
年齢や年次が同じでも、人によって精神的な成長は異なるし、年齢に比例して上がるものでもない。人によっていろいろ違うよねっていう文脈ですね。
スキル面ではなく、精神面の成熟のニュアンスが含まれている感覚です。
佐々木)
若手社員への精神支援という側面では、指標としての成人発達理論の理解は進んだと思います。また、現場のコミュニケーションも意識して変えているとは思います。
ただ、個人的な所感としては、今のところ大きな変化は見えていないかなと思います。まだ私自身が拾い切れていない、1on1等で良い変化が起きているのではないかなと期待しています!
山下)これから先「どうしていきたい」と感じていますか?
佐々木)
成人発達理論において重要視されている「他者とのかかわりが大切」という部分をもっと持ってもらえたらなと思っています。
ついつい仕事においては実務の話がフォーカスされがちですが、実務面の指導・支援はこれまで通り続けながら
・部下からは、上司のかかわりが求められている
・上司からの実務以外のかかわりによっても、パフォーマンスが変わる
そういった認識を、管理職が持てると良いなと思います。
山下)素敵ですね!最終的に、こうなると嬉しい。という姿はありますか?
佐々木)
最終的には、成人発達理論の勉強会がなくても、当たり前にできる状態を目指したいです。行動によって、伝承されていく姿が最高な姿だと思います。
例えば、若手社員が、「先輩からやってもらっていたから自分も後輩に実施する」という感じで、理論云々ではなく、社風とか文化みたいに、当たり前に根付いていけると良いなと思います。
そして個人的には、小さな人事になりたいですね。現場がワークしていくと、人事が小さくなっていく。そこを目指しています。
山下)ありたい姿に向かって、自然と回っていく組織。というイメージですかね?なんだかワクワクしますね!本日は、ありがとうございました。