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[ コラム ]
もう迷わない!管理職研修は4種類!おすすめ研修内容一覧表付き
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更新日:
2022/8/30作成ー
本内容は、2022年8月23日に開催した「ファシリテーター研修 1日目」の公開講座研修レポートです。
受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。
(参加企業数:3社、参加人数:5名、オンライン形式1クラス)
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目次
ファシリテーター研修は全8回行い、全体を通して次の目的を達成することを目指しています。
今回はその1回目ということで、「ファシリテータとは何者か?」というテーマを元に、ファシリテーターとして、必要なあり方と、ベーシックなスキルを学ぶことを目的とした研修を実施しました。
研修は、次のような流れで行いました。
研修の始めと終わりに、「今の正直な気持ち」や「気になっていること」「感想」などをありのままに、1分程度で話す時間を設けています。その中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。
・ファシリテートを行う機会が増えてきたので、つかみ取って仕事に活かしていきたいと思う
・営業のリーダーとして後輩の面倒を見る立場でもあるので、会社に貢献できるように学んでいきたいと思います
・自分がファシリテーターとしてやっていることが正しい方向を向いているのか、ということも確認出来ればと思います
※ オンライン研修での受講生の様子
・ファシリテーターが自分が思っていたより、色んな業務に活かせそうだなと思いました
・ファシリテーションの準備が足りていないと感じたので、準備を大切に行いたいと思います
・ファシリテーター研修での学びを生かして、先々は教育していくことで会社の発展にも繋げていけそうと思ってワクワクしています
研修内でのファシリテーターに対する言語化や、実践的なワークを行う中で、ファシリテーターというものの解像度がそれぞれ上がっていたように感じました。
チェックインを行った後、なぜ行うのかについて、対話を行いました。 ※ 当社研修資料より抜粋
対話の中で下記のような話が出てきました。
・ゼロイチが動き出す
・参加度を高める
・発言をしやすくなる
・参加者としての自覚を持つ
また、対話の中でチェックインでの不安も出てきました。
・自由に話せることが大切
・なぜ、自由に話せることが必要なのだろう?
・本音を引き出せると、学びが入りやすく、結果も変わってくるのかなと思う
・ただ、打合せ前の準備をしっかりするので、できているのか…と言われるとどうだろ?
この対話を受けて、スキル系は準備して渡すでもいいと思いますが、正解がないことを考える、という時は用意したものを渡すのではなく、正解を一緒に探しに行く、ということができるといいのではないか、という視点を講師からお伝えしました。 ※ オンライン研修での受講生の様子
なおチェックインに関しては、一般的に成功循環モデルで言われる関係の質を上げていくためと言われていることを説明し、ファシリテーターはチェックインで参加者の発言を観ることができるので、その内容を踏まえて場をホールドできることをお伝えしました。
※ 当社研修資料より抜粋
ファシリテーターの一般的な定義や、素晴らしいファシリテーターについてお伝えしました。 ※ 当社研修資料より抜粋
ファシリテーターとは、促進者と訳されることも多く、物事を前に進めるための役割であり、究極のファシリテーターは何もしなくても場を進めていける人、と言われることもあります。
参加者それぞれが思う、素晴らしい学習の場とは何かを考えてみました。
その中で作成したアウトプットが下記の資料になります。
※ 受講生のアウトプット
素晴らしい学習の場について考えてみて、次のような感想が出てきました。
事前課題として、受講者本人と、メンバー4名以上にサーベイを回答して頂いていました。その結果を見ながら、自身とメンバーの認知の違いを見ていきました。
※ サーベイ結果の一例です
回答を見ての感想や気づきとして次のようなコメントが出てきました。
・現状で満足という意識は持って欲しくないなと思ったので、これから取り組んでいきたいと思う
・メンバーと一緒に進めることを意識していて、バランスが取れていていいのかなと思う反面、リーダーシップを発揮していきたいなと思った。一緒にやるだけではなくて、引っ張る時は引っ張っていけるといいのかなと思う
・自分とメンバーの数値にギャップがある
・メンバーの数値が会社が絶好調のときの数値にように見えるので、少しまずいなと思う
自分とメンバーの認知の違いを視覚的に確認することでの気づきがあったようです。
ぬるま湯の状態になっていて、会社の状況が良いとは言えないのにサーベイの結果が良いという場合は、それに対する改善が必要になってきます。
ただ、回答するときに名前を書くと、後から何か言われてしまうのではないかという緊張感からサーベイの点数を高くつける傾向が見られることはお伝えしました。 ※ 本サーベイは、任意で名前の記載の欄があったので、そこに引っ張られた可能性があることをお伝えしています。
素晴らしい学習の場に対して、私たちファシリテーターは、どのような働きかけができるのかについて対話を行いました。 ※ オンライン研修での受講生の様子
・色んな人に意見を言ってもらえるようにしたいので、自己開示をするなど、場の雰囲気作りを一番意識している
・進めながら、本当に合意しているのかの確認を行うことが重要なのかな
雰囲気作りとか、心理的安全性のある場をつくっていかないといけない
・脱落者や見捨てられたりすることが無いようにしたい
・発言していいよという場をどうやって作れるか
・ワクワクする場を作りたいけど、ファシリテーターがワクワクしすぎると、それはそれで場に影響を与えてしまうので、参加度合いが難しい
・顔色を伺って発言してしまう節はあるので、それを取っ払っていいんだよというアナウンスがあると安心する
・人数によっても変わってくるかも
人数が多いと、普段から発言している人ばっかりになってしまう
対話のトピックスとして大きく次の3つにまとめることが出来ました。
どんな存在がいいのか
場が良くなるのか
この3つのトピックスについて、さらに対話を深めていきました。
■この人がいる会議は話しづらいなということはありますか
・役職が高い人が怒っていると話しづらい
■話しやすい会議は?
・話しやすいのは、ゴールが決まっていなくて、意見をたくさん出していこう!という感じだったら、役職が高い人がいても話しやすい
・活発になって、意見が出やすい傾向にある
・外部の人間という関係性を忘れるくらい、社内の人間と同等に扱ってくれると話しやすい
・事前に情報をもらえておくと話しやすい
■本音でいうときと、建前で言うときってどう使い分けているのか
・本能的に感じている
・会社の方向性とか、成長の方向を考えて
・営業としての自分と個人の自分を使い分けている
・建前は、理解できていないだけなのでは
・ファシリテーターも、本音100%で向かうのがいいのか、バランスをとった方がいいのか
この対話に出てきた中で、いくつかのポイントを講師からお伝えしました。
・ファシリテーターは、場を温めるためにも、始めは介入度合いを高くして、徐々に介入を薄めていくケースが多いです
・ファシリテーターがオープンでないと、参加者もオープンにならないと言われているため、基本的にはオープンでいることが大切です。ただ、言葉の表現には凄く気を付ける必要があります。
・ファシリテーターの役割として、意見の大小を拾い上げることもあります。立場が弱い人のコメントや、絶対数が少ない意見などであっても、探求に必要な発言であればその発言を拾い、問いを立て直すと、その内容について探求することができるようになります。
また、参加者の方からの質問をいただき、その内容についてもお答えしました。
【質問1.】
会議の前にテーマをつくり、参加者に渡すようにようにしているのですが、そのテーマ作りが大変
【回答1.】
事前にテーマを渡した方がいいのか、渡さない方がいいのかをしっかりと分けて考える方が良いです。テーマを事前に渡しておくと、考えることができるため本音が出にくくなるケースもあります。そのため、本音を引き出したい場合は、事前にテーマを渡さない方が良いこともあります。もちろん事前にテーマを渡すことで、探求が深まるケースもあるので、ファシリテーターが会議のデザインをしっかり考えていく必要があります。
【質問2.】
ファシリテーターとして介入する際に、本音ベースの意見をどこまでいうかが難しい
【回答2.】
ファシリテーターは、あくまでも中立的な立場のため、意見を伝えることは可能な限り控えたほうがいいです。介入方法としては、意見を言うのではなく、問いを投げるなどが良いです。現状、場がどのように見えているかを提示することが介入方法としてあげられます。介入方法に関しては、別日で詳しくお伝えできればと思います。
素晴らしいファシリテーターに必要な要素として、タスクとメンテナンスを高める意識を持つことが大切である、ということをお伝えしました。 ※ 当社研修資料より抜粋
会議でのメンテナンスの質は、普段の人間関係に引っ張られる事が多いです。
そのため普段から関係の質を高める意識を持つと良いです。また、タスクの質については、目的、目標、アジェンダを先に渡しておくと、タスクの質を高めることに影響を与えることができます。
またファシリテーターは、タスクかメンテンナンスか、どちらかを重んじる傾向があるので、自分がタスクよりなのか、メンテナンスよりなのかを自己認知しておくことが重要であることをお伝えしました。自分がどちらの傾向が強いかを知ることで、タスクもメンテナンスも適切に扱うことが可能になります。
※ オンライン研修での受講生の様子
・メンテナンスの方が興味が強いので、メンテナンスかなと思うけど結果にもこだわるからどっちかなと分からなくなってきた
・自分自身は本来タスクよりだと思うのですが、それで上手くいかなかったことがあったので、それ以降メンテナンスを意図的に大切にしようとしている
基本的には、始めはメンテナンスから入っていくのが重要だと言われています。メンテナンスからタスクへの移動について、それぞれどのように行っているのかも共有しました。
・会議の中での自分の立場によってメンテナンスとタスクを切り替えているような感じ
・ゴールを決めるまではメンテナンスで、ゴールが定まったらタスクになる
・タスクとメンテナンスで話すスピードを意識しているかもしれない。タスクに入るとスピードをあげている
2グループに別れて、会議のファシリテーションを実際に実践しました。
実際にやってみて気が付いたことや疑問点も出てきました。 ※ オンライン研修での受講生の様子
各グループに分かれて、ファシリテーションを行った後に、それぞれ良かった点と改善点を伝えあっていきました。
本日の研修の振り返りながら対話を行いました。 ※ オンライン研修での受講生の様子
【対話の内容】
また下記のような質問がありました。
【質問3.】
落としどころを決めない、というのはどこまで決めないの?
【回答3.】
準備は万全に行います。場がどのように進み、参加者がどのような反応があるのかということを、何パターンも考えます。ただし、会議に入ったら全部横に置きます。想定外のことが起きたら出てきたのを大切に扱い、想定内のことが起きたら準備していた物を使えばよいです。
準備に関しては、会議の重要度合いによってどこまで準備するのかを変えていくと良いと思います。
【質問4.】
プロジェクトリーダーがファシリテーターをやるのはどうなのか
【回答4.】
プロジェクトリーダーがファシリテーターをする方が、参加者のコミットが高くなることはあるかと思います。ただ、プロジェクトリーダーの意見のみで進んでいて会議が活性化していないようであれば、別の方にファシリテーターを頼んでもいいかもしれません。
また別の観点ですが、ファシリテーターでなく参加者として場に入りながら、ファシリテーターの役割を行い、会議体に影響を与えることができます。質問の形を取った問いを投げるのも、介入方法の一つです。
短い時間の中で、様々な気づきがあり、そのことをシェア出来たことでより認知の広がりがあったように思います。
参加者の方は、会議のファシリテーター、イベントの司会、研修の講師などを行っていたため、本から得られる知識については理解されていました。
しかし、実践していく中で、感覚で行うことも多くなっていて再現性が高くない状態になっていたり、自分のやり方が正しいのかをわからないままモヤモヤしていたり、という課題をお持ちでした。
ファシリテーターというのは、オリジナルのやり方で行っている方も多いです。
今回の研修では、ファシリテーションのスキルを学び、ワークやダイアログを通して学んだため、学びが深かったようです。また他の人がファシリテーターをしている様子を見る機会もあり、自分とのやり方の違いや、参加者として発言しやすいかなどを客観的な視点から感じることができたのではないかと思います。
今回の研修で、ファシリテーターの奥深さ、難しさとともに、これからファシリテーションに関してより深く探求していくことにワクワク感を感じている方が多かったのが印象的でした。
本研修の内容及びファシリテーター研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。
1日1名様からのご参加が可能です。