更新日:
2023/6/21作成ー
2023年6月16日に『即実践!入社前後のフォロー施策|23&24卒の離脱を防ぐリアリティショック対策セミナー』をテーマに、Growth Meetingを開催しました。(参加者数:9社9名)
目次
今回のGrowth Meetingは『即実践!入社前後のフォロー施策|23&24卒の離脱を防ぐ リアリティショック対策』をテーマに実施いたしました。
新入社員のリアリティショックについて問題意識を持っている方々が集まり、
・「採用時にリアリティショックをどのように軽減していくか?」
・「リアリティショックを解消していくために、具体的にどのような対応ができるか」
を、登壇者のパネルディスカッションをもとに、探求していきました。
若手・新入社員に回答していただいているGrowth全体結果を共有しました。 (2021年から2023年4月の平均値の比較)
※ Growthとは
若手・新入社員のセルフマネジメント力・リーダーシップの向上を目的とした、振り返りツール(パルスサーベイ)です。毎月、10の設問に回答してもらい、その数値の変化を見て新入社員の育成をフォローします。
Growthについて詳細を見る
その後、「今の率直な気持ち・気になっていること」などを参加者同士で共有し合いました。
下記のようなコメントがありました。
「現場の受け入れ側として感じるのは、若手の方々の仕事を覚え行くスピードが年々落ちている感覚。」
「1年前に人事になり、今年の新入社員が初めて携わる新入社員。人事として、どこまで踏み込んでフォローしたらいいのか悩む」
「今年の4月から人事部門に異動したばかりで、色々と勉強できればと思います。」「事前ワークを見ると、皆さん色々とコメントしていて…話せるのが楽しみです」
オンボーディングの概要とそのメリットについて、情報提供を行いました。
今回のGrowth Meetingの投影資料は下記フォームからダウンロードが可能です。詳細を知りたい方はぜひご覧ください。
下記フォームより必要事項をご入力の上、送信してください。
ご入力いただいたメールにダウンロードURLが届きます。
※同業者からのお申し込みはお断りしております
※ご入力いただいたメールへ、人事に役立つメルマガ(週1回程度)を配信いたします
事前ワークの内容を見ながら、参加者同士でダイアログを行いました。
ダイアログテーマ
登壇者の2名で下記のテーマについてパネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションテーマ
その後に、参加者へ回答しました。
Q1 : 辞める!と心が決まってしまう前に、関係性をつくるにはどうしたら良い?
登壇者からの回答 :
配属時のオンボーディングを丁寧に行うことが重要です。オンボーディングにおいて業務内容だけではなく、関係性をはぐむことも意識的に行いましょう。当社では、オンボーディングの際に新入社員と配属先の社員がお互いにインタビューを行うことをお薦めしています。参考として当社のオンボーディングツールをお渡しします。
※ 参加者の方にオンボーディングツールをプレゼントしました。下記よりダウンロード可能です。
Q2 : 何を言っても聞く耳を持たない(ジャッジが早い)若手との関係性は、どう築けると良い?
登壇者からの回答 :
先ほどの質問と同じように、まずはオンボーディングを通して丁寧に関係性を高めていくことが重要です。
ただし、ジャッジが早いという特徴は若手社員が悪いのではなく時代の流れの影響も大きくあります。ゲームやドラマなどにおいても、今は展開が早くないと消費者がついてこないという状況が生まれています。そのため、育成者側もジャッジの早さに寄りそう姿勢・施策が大切です。
若手社員と育成計画のゴールを握りながら、小さなゴールを設定し、早い段階で成功体験を積む仕組み等が考えられます。その中で肯定的なフィードバックもしっかりと行いましょう。そうすることが、信頼関係にも繋がりますし、関係性ができていれば、フィードバック自体への抵抗が低くなってくるかもしれません。
ただしそのような中においても「何を言っても聞く耳を持たない(ジャッジが早い)」という状況が改善されない場合は、当該若手社員が人としての未熟な部分が多い可能性があります。そうした場合には、精神的成長を促していくことも必要です。
(参考)精神的成長とは
精神的成長は、物事への意識・捉え方が変わる、意欲や意識の向上などの内面的な変化を指します。技術的成長と比較すると成長を感じにくいと言われています。
※ 技術的成長・・・スキルや技術が身に付くことを指します。
精神的成長が得られると、仕事に対するモチベーションが向上し、自身のキャリアをより主体的に捉えられるようになります。そして、スキルアップへの意欲も高まります。この2つの成長を促すことが、初期教育には欠かせません。
Q3 : いわゆる「採用ガチャ」で、希望の部署に配属されなかった新入社員に対して、どのようなサポートができるのか?
登壇者からの回答 :
前提として、採用時に希望の部署には配属されない可能性があること、また組織の状況によって配属先は変わる可能性があることは伝えておくことが必要です。この状況は、今も昔も変わらないことです。ただ、「採用ガチャ」という言葉によって、より認識しやすくなっている側面があるので、これまで以上にフォローが必要です。
また配属希望にならなかった新入社員に対しては、同じような状況になった先輩社員がどのように乗り越え、成長していったかを話したり、直接先輩社員に話してもらうのも一つの方法です。
(参考)スパイラルキャリア論
東京経済大学グローバル組織・キャリア開発研究所の所長である小山健太氏が提唱した考え方です。キャリア開発は、自分視点と組織視点の相互作用によって螺旋的に行われると考えられ、就職前に社員が思い描いていたキャリア観と組織からの期待にリアリティショックを受け、その中で新たに自身のキャリア観が再構築されると言われています。
Q4 : 内定者の時期にできるリアリティショック対策を教えていただきたいです。研修などの内容を考えている最中なので、ご助言をいただけたらと思います。
登壇者からの回答 :
内定時代に「入社にあたって、不安なことなどネガティブな話を聞ける」状況を意識的に創っておくことが大切だと思います。例えば私(登壇者)は「ネガティブな話をしてくれたらうれしい人」というブランディングを行っています。具体的には、研修や普段のコミュニケーションの場で「そういう人」であることを意識的に発信しています。「可能な限り入社前に不安要素を取りたいと思っているから、ネガティブな話をしてね。私できることなら対応するから」と言ったり、相談してくれた時には「相談してくれて、ありがとう。相談するって勇気がいるし、信頼してくれてる人にしか、こういう話できないよね。○○さんから信頼されてるのかなって、嬉しく思うよ」などのメッセージを伝えています。もちろん、本心でそう思うので、正直に伝えています。
また面談などの際は、ポジティブからネガティブという聞き方をすると、ネガティブな話をしてもらいやすくなります。例えば、入社までに楽しみなことから聞いて、その後にネガティブなことを聞くイメージです。
パネルディスカッションと質疑応答の内容をもとに、参加者同士でダイアログを行いました。
参加者の方の質問に回答していきました。
Q5. コミュニケーションをどれくらいとったほうがいいのか?何を聴いたらいいですか?
登壇者からの回答 :
コミュニケーションは、頻度が多い方がいいと言われていますが、あまりに回数が多いと人事も内定者も疲れてしまいますし、ネガティブになる可能性もあります。
おすすめは、アーティエンスが開発したバトンメールです。内定者4~5名で1グループ作り、一週間に一度メール(ラインでも構いません)を送るというものです。人事は、CCに入ります。メールのフォーマットは人事で決める必要がありますが、基本は内定者同士で進めていきます。内定者同士がお互いの近況など伝えあうだけでも構いません。一週間に一回メールを送り、その際に次の人を指名する形式なので、内定者自身は一カ月に一度送る程度になります。内定者の状況も分かりますし、フォローも行いやすくなります。
(参考)バトンメール
バトンのように特定のグループの中でメールを回していく、研修後などに用いるフォローツールです。(メール以外にも、グループチャット等で実施も可能です)
【内定者フォローでの具体的な進め方】
1. 内定者に意識して欲しいことを基に、'問い'を作成しメール文言を考えます。
2. 内定者をグループ(4~6人)に分けます。
3. 各グループのなかで1名指定し、その方からバトンメール®をスタートします。
4. メールを作成し、グループメンバー全員にメールを送ります。
5. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。
6. 指名された人は、次の1週間内にメールを作成し、グループメンバー全員に送ります。
7. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。
※ 6~7を繰り返します。
【バトンメール®を実施する際のポイント】
・文頭でアイスブレイクを入れる
・メールの順番は内定者に任せる
・人事もCCに入れ、メール送付が遅れている場合は声掛けをする
・終了時期を決める
【参考:バトンメール®サンプル】
バトンメール®で大切なことは終了時期を予め決めておくことです。内定者も「いつまで続くのだろう?」という気持ちがなくなり、取り組むことができます。例えば、内定者フォロー研修の3か月後まで等の時期を設定し、実施できると良いでしょう。
Q6. ネガティブな情報は聞きたいけど、聞きすぎて、都度丁寧に対策を伝えると、相手が自律しない。どのくらい聞いて、どんなふうに対策を伝えると良いですか?
登壇者からの回答 :
ネガティブなことは、聞ききることをお勧めします。聞ききることでリアリティショックや内定辞退を防ぐための施策が考えられます。もちろん対応できることと、できないことがあります。ただ、聞ききることで、対応できないこと、その理由もしっかり説明することができます。また、育成を行うことにもなります。なお自立するためには、プロセスがあると言われています。「依存」→「自立」→「相互依存」というプロセスです。子供がお母さんに頼り、思春期に入り自立し、そしてパートナーを見つけパートナー関係になっていくのと同じです。始めは、丁寧な対応が求められます。
「自分のブランディングをする、というのはやってみたい。話しかけやすい人事、というブランディングを。現場で会ったときには意識的に声がけしてみようかなと思った。」
「新入社員の態度に悩んでいるだな、という共感を得られた。同時に、自分自身が若手・社員と接する時にフィルター入っていることに気が付いた。そのフィルターにとらわれすぎないように、良い部分にも目を向けていきたい。」
「ちょうど内定者向けに1on1面談を行っていて、その頻度に悩んでいた。社内で誰にも相談ができなかったが、他社さんの頻度を聞けただけでも、今日参加した価値があったと感じた」「何気ない、面接の質問内容ですら、リアリティショックを生み出す可能性があることを知った。すぐに見直していきたい」
橋本氏からのメッセージ
リアリティショックは、一つの施策ではうまくいきません。常にフォローし、そして起きてしまった場合は、何が原因かを把握し再発防止を行うことが必要です。今回の勉強会が、みなさんの組織にとって、少しでもリアリティショックの軽減対策になることを願っています。
当社代表の迫間からのメッセージ
人事は、孤独な時が多い職種の一つです。よければこれからも本勉強会に参加していただき、世の中のトレンドを踏まえて、自組織の課題解決のヒントを、他社の人事の仲間と共に探していただければと思います。
Growthの結果を軸としながら、参加者それぞれの経験を共有・対話・探求し、若手・新入社員の活躍を後押しできる施策を共に探求していきたいという想いで開催しています。
Growth結果から若手・新入社員の状況を把握し(インプット)、
Growth Meetingや1on1等を通して数値の背景を対話し考え(スループット)、
現場でアクションを実行していく(アウトプット)
までがGrowth Meetingです。他社の人事や育成担当者と対話を行うと、自社内だけで考えていても出てこないような施策が出てきて、対話の中から気づきや認知の広がりを感じることができます。皆さんが話しやすい安心できる場づくりを行っていますので、ぜひお気軽にご参加ください。
※ Growthとは?
若手・新入社員に必要とされるセルフマネジメント力の醸成とリーダーシップ発揮の意識醸成を目的とした、月1回の振り返りツールです。
Growthについては、コチラをご覧ください