アーティエンス株式会社 ARTIENCE

導入事例

仕事の土台は「正しく相手に伝える」こと
株式会社主婦と生活社様

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概要

企業
プロフィール
株式会社主婦と生活社様
女性週刊誌の草分けである『週刊女性』や男性向けハイクオリティ・マガジン『LEON』などの多彩なジャンルの雑誌・書籍の出版事業を主軸に、通販事業やクロスメディア事業を展開。
課題 以前実施していた単発のマナー研修のみでは「社会人としての考え方」までは学びきれないと感じていた。
実施内容 2014年より毎年、アーティエンス新入社員研修をリピート。4月~9月まで新入社員へ社会人として必要な考え方・マナーから、ロジカルシンキング・セルフコントロールなどの研修を提供。
効果 新入社員に「自分の考えや意見を正しく相手に伝える」能力が身についたという実感がある。

担当者の声

2014年からアーティエンスの新入社員研修を実施して

弊社にはもともと研修文化がなく、いわゆる「背中を見て学べ、盗め」的な風土が根付いていたのですが、世代の特性が時代と共に変わってきたこともあり、Off-JTも取り入れて新入社員を育成していく必要を覚えていました。

当初は単発のマナー研修のみを実施していたものの、それでは「社会人としての振る舞い」は最低限身につくとしても、「社会人としての考え方」までは学びきれない、と感じ始めていたなか、アーティエンスさんのお話を伺いました。体系的な研修を通じて社会人としての考え方やスタンス、ロジカルシンキングやプレゼンの方法を学べるということで、新人のキャリア初期の段階でスタートダッシュがかけられるのではないかと期待して、研修をお願いすることにしました。

例えば、新人が上司へ質問する際に、「何をすればいいですか?」だけを尋ね、指示を受けて席に戻ってから改めて、「どのようにすればいいですか?」と、再度質問しに行く。こうした形のやり取りって、よく見られますよね。ですが、鈴木さん(2017年度新入社員/仮名)は一回の質問で過不足なく業務に必要な指示を受け取れている。質問事項が自分の中でまとまっていて、上司への質問がきちんと線になっているんですね。これは研修によって、大きく変わった部分だと思います。

他にアーティエンスさんでの研修を続けている理由としては、細やかなフィードバックをいただけることも大きいですね。新人が何を学び、どのような考えを抱いたのかをしっかりと共有させていただけますので、OJTに戻ったときの新人の行動の変化を見て、「こういうふうに考え方が変わったからだな」と、思考のレベルまで掘り下げられる。研修ごとにそうした情報をいただけるのは、新人育成において、非常にありがたいです。

言語化し、伝える―編集者という仕事と、新入社員研修

仕事、とりわけ出版社の仕事というものは結局、「自分の考えや意見を正しく相手に伝えられるか」という部分が一番重要だと考えています。

「自分の考えていることを正しく言語化する」というスキルは、スタッフに仕事を発注する際も、取材に行く際も、上司に企画をプレゼンする際も、あらゆる局面で必要なものです。

そこでたとえば長嶋茂雄さんのように、「バッとやってグワァっとやって、ガーンというやつを作りたいんですよ」と伝えても(笑)、言われたほうは共有できるはずがない。仮に自分の中で凄いものがイメージできていても、人に伝わらないと仕事にならないわけです。

※6月に行われる「ドキュメンテーション・ダッシュ」のコンテンツ一例

 任意の名前

(実際の現場で起こり得る世界観で、「相手にわかりやすく伝える」ために必要な考え方と手法を学びます)

自分の頭の中にあるコンテンツの完成図を言語化することで、相手と同じイメージを共有し、同じゴールに向かって動いていく。そうしたコミュニケーションの土台となる考え方や技術が、研修を通じてしっかり新人に身に着いているように思えます。

新入社員への想い

出版社に入ってくる新入社員は、当然ながら、「紙の本を作りたい!」という思いで入って来る人が多い。

ただ、出版社の実情は、紙媒体はもちろんしっかりと残しつつ、さらにWebに展開したり、イベントも積極的に開催したりなど、広い意味でのコンテンツ産業として業態が変わってきています。そうした変革期の中で、ある意味、新人だからこそいろいろチャレンジングなことができますし、積極的にチャレンジしていってほしい、という思いは常に持っています。

ただ、矛盾するようですが、自分の配属された部署で最低限一人前の成果を出すまでは、「この仕事の進め方、おかしいんじゃないんですか」といった指摘は抑えておくよう、毎年、新人に言っています。一人前だと周囲に見なされなければ、せっかくの指摘も受け入れてもらえないわけで。反面、一人前の仕事ができるようになったころに、組織のやり方に完全に染まってしまうのもよろしくない。

まずは今ある仕事の仕組みの中で成果を出すことを目指しつつ、「これってこういうことできるんじゃないか、こっちの方がいいんじゃないか」と、仕組みそのものを常に疑い続けることが何より重要だ、と伝えています。

今、構造が変わっていく中で、そういった疑いが組織を変える提言に結びつき得るわけで、若手だから上に従え、などとは一切考えていません。若手だから言えること、見えることは数多くありますから、仕組みを疑いつつ一人前に育ったあとは、むしろこちらが追い詰められるくらいに(笑)、ガンガン暴れてほしいですね。 そのための知識やキャリアへの知見を、アーティエンスさんでの研修をはじめとしたOff-JTやOJTなど、 あらゆる局面を通じて、新人に吸収していってほしいと強く思っています。

 

受講者様の声

新入社員研修の半年間が終わって、自分に残っているもの

4月に入社したことですぐに「社会人」になれるわけでもなく、大学生に毛が生えたくらいというような自己認識だったので、4月早々に一週間かけて実施した研修は、とても有用でした。

そこで学んだ名刺交換だったり、「報・連・相」の仕方だったりは、社会人としてのベースの部分で、今もとても生きています。また、上司に質問する際にも、疑問点をいきなり尋ねるのではなく、自分が考えていることや思っていることを整理してから、「こういうことを考えているんですが、いかがですか?」という方法がいいことを教わりました。こうした教えはもちろん今でも業務内で実践していますし、研修で得た大きな学びといえますね。

※5月に行われる「ロジカルシンキング・ダッシュ」の研修風景の一コマ

 任意の名前

(グループで考えたことを全員で上司(講師)へ報告し、「ロジカル」でなかったら上司からその場で厳しいフィードバックが入ります)

雑誌編集という仕事柄、いろいろな方にインタビューをしていますが、インタビュー対象について「自分が知りたいこと」と「読者が知りたいこと」が、一致しないことがあります。 初めのうちは、上司から「あなたが知りたいことではなくて、読者が知りたいことを質問しなさい」とよく言われていましたが、やはりそういうところで「一方的な思考」が出てしまっていたのかな、と。 自分一人で完結した発想ではなくて、インタビュー対象を客観的に見たり、読者の立場になって考えたりすることが重要なんだ、と再確認できたのは、「一つの物事を多角的に捉える」という研修の教えが生きたからだと思っています。

研修の終わった今、現場で頑張っていること

私が考える「今、この人を取材しておきたい」という人物と、上司が思う人物に相違があることが多いので、そこでのすり合わせに力を注いでいます。

私の世代から見た「この人の注目度が上がってきているし、今後、大人気になるのでは」という視点を、いかに上司に説得して、企画として取り上げてもらえるかが課題ですね。

現状、まだまだ企画案を却下されることが多いんですが、取材先とある程度話を詰めて、8割方は取材可能な状況に持って行ってから上司と交渉するなど、先に外堀を固めておく作戦をとってみたり。前回、それでもだめだったんですけど(笑)。そのほかにも、何かあればすぐに上司へ投げられるように企画のストックをしておくなど、上司の意図も汲みつつ、自分のアイデアや企画をしっかりと伝えられるよう、 自分なりに日々、努力をしています。