2023/1/17作成ー
アーティエンスでは新入社員のセルフマネジメント力・リーダーシップの発揮を目的とした、振り返りツール【Growth 】をご提供しています。
本記事では、2022年度新入社員を対象とした月に一度の振り返りツール【Growth】の12月24日〜2023年1月7日の回答の結果(n=69/企業数11)を、回答結果とともに読み解きます。
目次
今回のGrowth回答結果を見ていきましょう。全体の平均数値と標準偏差は次のようになりました。
※ 9つの設問に対して5段階(“とてもそう思う”=5, “そう思う”=4,“どちらともいえない”=3, “あまりそう思わない”=2, “そう思わない”=1)で回答
※ 標準偏差とは:データのばらつき具合を示す数値のひとつで、数値が大きいほどばらつきが大きい
9つの設問の中で、平均値が最も高かったのは業務遂行力に関するQ1、最も低かったのは成長力に関するQ7でした。 回答のバラつきを示す標準偏差が最も大きく出ていたのも、成長力に関するQ7という結果になりました。
今回は、回答のバラつきが大きかった「Q7:これから先、自組織で成長していけると感じている」に対して、1~2(自社での成長イメージを描けていない)の数値を付けた新入社員、5(自社での成長イメージを描けている)の数値を付けた新入社員のフリーコメントを一部抜粋いたします。各コメントから新入社員の状況を考察し、今後の育成に向けての取り組みをアドバイスさせていただきます。
◆Growthコメント
入社してから約9ヵ月が経ち、業務に慣れてきた一方で「業務をただこなす」という状況に陥っていて、改善行動ができていない点を振り返っています。ただ、ご自身で振り返って、その状況に気付けたことはとても素晴らしいと感じました。
◆今後に向けてのアドバイス
「よりよくしていきたい」という新入社員の意欲を大切に育みながら、行動へと繋げていくため、「改善のためのアクション」をチーム単位で生み出して、取り組める仕組みを創っていくことがポイントになります。
例えば、弊社では、プロジェクトが一段落するなどの仕事の区切りがついたタイミングで、「KPT」というフレームワークを用いて、メンバー全員で振り返りを行い、改善アクションを検討しています。
このフレームワークをおすすめする理由は、まずは「Keep」でポジティブな点を出し合えるからです。振り返りというと、どうしても問題点やネガティブな点に目が行きがちですが、まずは、うまくいった点や良かった点に意識を向け、お互いに承認し合うことが大切です。「Keep」によって、お互いに認め合えると、次の「Problem」や「Try」を出しやすくなります。
◆Growthコメント
コメントのみでは詳細はわかり兼ねますが、自信を喪失し、ネガティブになってしまっている状況が伺えます。自信がないために、積極的な行動もできず、自社での今後の成長イメージも描けなくなってしまっているようです。
◆今後に向けてのアドバイス
Bさんに対しては、次の二つの取り組みを行っていただくことをオススメします。
一つ目は、一度まとまった時間をとって、Bさんと1on1を行っていただくことです。
1on1の実施者は、直属の上司でも構いませんが、普段の業務とは一旦切り離して対話していただくのがより良いので、人事担当や新卒採用の担当者など、Bさんの入社時の状況をよく知る人物をオススメします。
対話の内容としては、まずはBさんから現在の状況、不安や大変さを感じていることをフラットに聴いていきましょう。そのうえで、入社時のBさんの気持ちや想いを一緒に振り返りながら、今の状況を整理してあげてください。
二つ目は、複数のチームメンバーと共に、1年間の振り返りを行っていただくことです。
こちらは、上司と新入社員の一対一ではなく、他メンバーも含めて一緒に行います。メンバー同士での振り返りを推奨する理由は、次の三つです。
一つ目は、個々人のさらなる成長促進のためです。他メンバーに自身の振り返りを共有するためには、言語化する必要があります。言語化する過程で、さらに内省が進みます。また、振り返りの内容に対して、お互いに質問や感想を伝え合うことで、新たな気付きが得られるかもしれません。
二つ目は、相互理解によるチームの関係性向上のためです。日々どんな仕事を・どのように・どんな想いを持って取り組んでいるのか共有し合うことで、メンバー同士の相互理解が促進されます。若手社員の仕事に対する想いや背景を理解し合えれば、仕事の頼み方やコミュニケーション方法にも変化があるかもしれません。
三つ目は、チームとしてのノウハウの蓄積・暗黙知の解消のためです。若手社員は、上司・先輩と比べると業務知識や経験が多くはありません。共に振り返りを行うことで、上司・先輩の取り組みや工夫を知る機会にもなりますし、若手社員がどんな点につまずいているのか把握するきっかけにもなります。
特に、Bさんにとっては、一つ目の理由からオススメをいたします。本人だけでは気付かなかった成長や変化、周囲への貢献に気が付き、自己承認できるきっかけになれるかと思います。例えば、弊社では3か月に一度チームメンバー全員で振り返りを行っています。業績というよりも、自身の経験や行動をベースにそこからの学び・気付きを中心とした振り返りです。
また、チームメンバーとの振り返り以外には、他社同期同士で振り返り、対話を深めていくことも効果的です。弊社では、新入社員を対象に毎年3月に「一年目フォロー研修」の公開講座を開催しています。
【場所】
オンライン or 池袋会場
【ご受講生の声】
・普段は交流の少ない他社の同期と話し合うことで、同じ悩みを抱えていることを知り、不安な気持ちが軽減された
・日々の業務と離れて今までのことを丁寧に振り返ることで、自分は意外と成長しているのだと気付き、嬉しくなった
・改めて、上司や先輩への感謝の気持ちが強くなり、モチベーションに繋がった
詳細・お問合せは、【公開講座】1年目フォロー研修をご覧ください。
◆Growthコメント
振り返って、自身のスキルが向上している実感ができているようです。また、同期の頑張りに刺激を受けながら、本人も充実感を持って仕事ができている状況がうかがえます。
◆今後に向けてのアドバイス
モチベーションが高く、自社での成長イメージも描けているようですので、その状態が継続していけるようサポートして頂ければと思います。
コメントを拝見する限りではありますが、職場の人間関係や心理的安全性も高いように思いますので、目標への意識も高い「ラーニングゾーン」を目指していけると良いかと思います。
※ 当社資料より一部抜粋
今回は、3名の新入社員のGrowthコメントから、状況の考察と今後の育成に向けたアドバイスをお伝えさせていただきました。ご参考になれば幸いです。 一人ひとり置かれている状況は異なりますので、Growth結果をひとつの枠組みとしながら、当人と対話しながら、今後のフォローをご検討いただければと思います。
※ 若手・新入社員向けの本サーベイGrowthにご興味を持っていただけましたら、コチラをご覧ください。
また、弊社では、若手・新入社員育成に取り組まれている人事担当者様や育成担当者様を対象に、参加型オンライン勉強会【Growth Meeting】を月1回、定期開催しています。どなたでも無料でご参加頂けますので、ぜひお気軽にご参加ください。
近日中に開催するGrowth Meetingの予定はコチラからご確認ください。