2022/9/27作成ー
若手社員のパフォーマンスやエンゲージメント、離職に課題を感じ、若手社員研修の実施を検討しているのではないでしょうか。
若手社員研修は、会社を成長させたいと考えるなら今すぐに実施すべきです。
リ・カレントの「2021年度最新若手意識調査」によると、9割の若手社員は仕事をしている目的を持てていないという状態ということが分かりました。
このような状態だと、若手社員は主体的に行動できるはずもなく、組織が望むような活躍を期待できないことは明らかです。
しかし、若手社員はこれからの企業をつくり、成長を左右していく大切な人材です。
このような状態を解決するためにも、若手社員への研修を実施していきましょう。
このコラムでは、若手社員研修をなぜ実施すべきなのか、若手社員研修を実施したことによって、どのような変化があったのかを事例を通してお伝えします。
若手社員研修の目的を改めて確認し、自組織にあった若手社員研修を実施できることを願っています。
※このコラムでは、若手社員のことを2年目から5年目までの社員と定義して解説しています。
目次
どのような若手社員研修であっても、若手社員リーダーシップ開発を行うことが必要です。 若手社員のリーダーシップを開発することで、2つのメリットがあるためです。
メリットは、
です。
例えば、会議のときにこの人がいたら和やかな雰囲気で話し合うことができる、という人。 その人は、もしかしたら積極的に発言するタイプではないかもしれませんが、和やかな空気を作ることで、意見を言いやすい場づくりという面でポジティブな影響を与えています。
「事務系の仕事でもリーダーシップを発揮できるのか」という質問を頂くこともありますが、もちろん可能です。
例えば、これから何を求められるかを先読みして、準備をしておく、ということも、人や組織にポジティブな影響を与えています。ただ、リーダーシップは影響を与えることなので、ネガティブな影響を与えることもあります。
例えば、会議が停滞しているので、場を和ませようとしても、周りを不愉快にさせることもあるかしれません。
若手社員が「リーダーシップとは何か?」を正しく理解し、その上で周りにポジティブな影響を与える方法を学ぶことが重要です。
周囲にポジティブな影響を与えることで、上司や周囲から評価され、関係性もよくなります。 そして成長実感が醸成され、自信を持てます。よりリーダーシップを発揮しようとし、当事者意識・主体性を持って、周りに働きかけます。若手社員の当事者意識・主体性を解放するためにも、若手社員研修でリーダーシップ開発を行うことが必要です。
リーダーシップは経験によって学ぶことが多いため、リーダーシップ開発を、短期的にスキルベースで学ぶのには限界があります。
管理職になってから、「リーダーシップを発揮しろ!」といっても、若い時にリーダーシップ育成や機会を与えていなければ、リーダーシップを高めることは難しいのです。
日本のリーダーシップ開発は遅れており、そのためニュースなどで政治家・大企業の経営者などがリーダーシップを発揮できていないシーンもよく目にすることがあるのではないでしょうか。
将来を担うリーダーを育成するためにも、若手社員研修ではリーダーシップ開発を扱う必要があります。若手社員研修は、さまざまなテーマがありますが、前提としてリーダーシップ開発がなければならないのです。
若手社員向けの研修を一覧でまとめました。 これらの研修を扱いながら、若手社員のリーダーシップ開発を行います。
テーマ | 内容 | 研修の代表例 |
---|---|---|
パフォーマンスの向上 | ・思考力 | ・ロジカルシンキング研修 ・ドキュメンテーション研修 ・問題解決力研修 |
・周囲との共創・協働 | ・コミュニケーション研修 ・チームビルディング研修 | |
エンゲージメントの向上 | ・成長実感、成長予感 | ・内省(振り返り) ・キャリア開発 (会社と自身のビジョンの統合) |
・関係性構築 | ・関係性構築研修 | |
後輩育成 | OJT | ・OJTトレーナー研修 (育成計画、ティーチングスキル、コーチングスキル、フィードバック) |
専門性 | 営業スキル、ITスキル、会計スキルなど業種や職種に合わせた専門スキル | ・営業プロセス ・マーケティング ・要件定義 ・財務基礎 など業種や職種に合わせた専門内容 |
若手社員研修のテーマは、大きく4つあります。
それぞれに対して、どのような内容・研修を行うのかそれぞれご紹介します。
パフォーマンスの向上は、
・思考力
・周囲との共創・協働
を高めることに分けることができます。
■ 思考力を伸ばす3つの若手社員研修
若手社員にとってパフォーマンスを上げるためには、思考力のトレーニングが必要です。
新入社員時代は仕事を与えられ、その中でパフォーマンスを高めるということが多いですが、若手社員になると自分で考えて企画や提案をしたり、仕事を大きな塊で渡されることも出てきます。この時、思考力がないと、若手社員はフリーズしてしまうことも出てくるでしょう。
思考力を高めることを目的とした若手社員研修は以下の3つが代表的です。
この3つのスキルを、若手社員の課題にあわせて、実施することが重要です。
若手社員にとって、ロジカルシンキング研修は、守破離の”破”に行くための思考力を養うための研修です。
新入社員時代は、まずは与えられたことを正確に一生懸命行うことが求められますが、2年目以降の若手社員になると、+αをより求められたり、会社や上司から新しい提案を求められることもあります。また顧客からも、新入社員時代のただ一生懸命ではなく、よりよい提案を求められるでしょう。
例えば、営業を担当する若手社員が顧客にただただ営業資料を送るのではなく、顧客にとっての重要なポイントやメリット・デメリットをまとめて、その理由と自身の見解を伝えることなども、ロジカルシンキングの習得で可能です。顧客の満足度も高まるでしょう。
若手社員は、上司や顧客の期待を超えるためにも、ロジカルシンキングを学ぶ必要があります。
若手社員にとって、ドキュメンテーション研修は、良い企画を正確に伝える研修です。 新入社員時代は、上司から言われた資料を創ることも多いですが、若手社員になると自分で企画や提案を考える機会が増えます。様々な情報を整理し、視覚的に分かりやすい情報が求められるようになるのです。
例えば、営業やプレゼンテーション、会議の場面では、参加しているすべての人が同じ理解になることが求められます。どんなに考え抜かれた素晴らしい企画であっても、資料が分かりづらいと理解が困難になってしまいます。「ただ情報を伝える」という段階から「視覚的に分かりやすく伝える」という+αを行うことで、顧客があなたの会社を選ぶ理由になってくることもあるでしょう。
若手社員は、上司・顧客にとってスムーズな理解を得るためにも、ドキュメンテーションを学ぶ必要があります。
若手社員にとって、問題解決力研修は、一つ上の思考力を養う研修です。 新入社員時代は、上司から与えられた課題に取り組むことがほとんどですが、若手社員になると、自分で本質的な原因を探し、仮説を立てて解決策を検討するところまで求められるようになります。
例えば、「既存顧客のリピート率が低くなっている」という課題を解決したいというような、ざっくりとした依頼が来ることが多くなり、どのように解決していくかのプロセスは自分で考え無ければいけません。その際に、本質的な課題は何かを考え、仮説を元に解決策を提案し、他部署や上長の意見をヒアリングしながら進めていくというような仕事が増えていきます。
若手社員は、ざっくりとした課題に対して、自分なりに本質となるか原因を探して解決していくためにも、問題解決力を学ぶ必要があります。
■ 周囲との共創・協働を促進する2つの若手社員研修
若手社員にとって、パフォーマンスを上げるためには、自ら周りに働きかけて、共創・協働の機会を作ることが必要です。
新入社員時代は先輩や上司から声をかけてもらいながら仕事をすることが多いですが、若手社員になると先輩や上司も常に声掛けすることは難しくなります。その時に、自ら周りに働きかけていくことができないと、仕事が止まってしまうという状態になりかねません。
周囲との共創・協働を高めることを目的とした若手社員研修は以下の2つが代表的です。
・周りを巻き込むコミュニケーション研修
・チームビルディング力を養う研修
若手社員にとって、周りを巻き込むコミュニケーション研修は、苦手な人や部署の方とも関係性を構築していくためのコミュニケーションスキルを養う研修です。
新入社員時代は、関わる範囲が狭く周囲からのフォローも多いですが、若手社員は関わる範囲も広がり周囲からのフォローも少なくなります。
例えば、新商品の営業を担当する若手社員に対して、商品サンプルができあがっていないというような状態が起きたとします。その際に他部署のせいにするのではなく、協力しあうことが求められます。開発部と連携を取って、今できている範囲の情報を聞きに行ったり、時には上司を巻き込みながら、広報と連携を取って告知タイミングの調整を行うことで営業の開始日を少し調整したりなど、自分ができることを考えて関係各所とコミュニケーションを取ることが必要になります。
若手社員は、自分の仕事という視点から、会社として良い状態にしていくという視点を持つためにも、周りを巻き込むコミュニケーション研修が必要になるのです。
若手社員にとって、チームビルディング力を養う研修は、個人だけではなくチームとして成果を出すための働きかけを学ぶ研修です。
新入社員時代は、自分自身のことで精一杯ですが、若手社員になると、チームに働きかけて、チームとして成果を出すためにどのようにチームに貢献できるかを考える機会も増えていきます。
例えば、チームの目標達成が難しいとします。その際、上長の指示を待つのではなく、どうすれば目標達成できるかを、チームに提案していく必要があります。
成果を出すためには良いチームであることがポイントとなるため、若手社員は、チームビルディングを養う研修が必要になります。
エンゲージメントの向上は、
・成長実感、成長予感
・関係性構築
を高めることに分けることができます。
■ 成長を実感し、成長を予感できるようになるための2つの若手社員研修
若手社員のエンゲージメントを上げるためには、成長を実感すること、そして成長を予感できることが必要です。
新入社員時代は初めて覚えることが多く、成長を実感し、まだまだ学ぶことがありそうだという成長予感も感じやすいです。しかし、若手社員になると、一通り業務も一人で行えるようになってきて、半年前と比べて何かできるようになったことはあるのか、これからまだ学ぶべきことはあるのかということに不安を感じやすくなります。
成長実感や成長予感が無くなると、この会社に居続けても意味がないと思うようになり、離職になるということも言われているため、成長実感・成長予感を促す機会を作ることが大切になります。
成長実感・成長予感を高めることを目的とした若手社員研修は以下の2つが代表的です。
・内省(振り返り)
・キャリア開発(会社と自身のビジョンの統合)
若手社員が、日々の仕事に追われて分からなくなっている自身の成長を確認するための研修です。
新入社員時代は、日報や定期的な1on1など、意図的に振り返る時間を仕組みとして用意していることが多いですが、若手社員になると忙しさに追われて、そのような時間が後回しにされてしまいがちです。
例えば、新入社員のときは、毎日日報の提出をし、上司やトレーナーからフィードバックをもらい、自身の成長を振り返ることを行っていた方も、若手社員になって日報の提出が求められなくなることもあります。研修機会も減ってしまったという状態や、1on1でも自身の成長について話すのではなく、今の業務の話をしてしまうということがあるかと思います。若手社員は、自分で成長実感や予感を感じにくくなるからこそ、意図的にそのことを考える時間として振り返りを行う研修が必要になるのです。
若手社員が、自身がどうありたいのかを確認し、今の会社にいることでありたい姿を実現できることを理解するための研修です。
新入社員時代は、社会人として力をつけていきたいという思いで、目の前の仕事に全力で取り組んでいくという方が多いですが、若手社員になると、自分が今のままでいいのか、キャリアに迷うことが多い時期になります。
また、内閣府が離職理由を調査した資料を見てみると、多くの割合を「仕事が自分に合わなかったため」となっています。
業務内容的に合わなかったという方もいると思いますが、自分のありたい姿と仕事が合わないと感じている方もいるのではないかと感じます。
若手社員は、自分がどうありたいかが見えなくなったり、ありたい姿のために今のままではダメな気がしてしまうことがよくあります。しかし、本当に今の会社では、ありたい姿になるための道が無いのかを冷静になって考える時間を作って欲しいと思います。
■ 関係性を構築するための若手社員研修
若手社員のエンゲージメントを向上させるためには、関係性を築き、仲間意識を持つことが必要です。
新入社員時代は、先輩や上司から関係性を築こうと働きかけてもらうことが多いですが、若手社員になると自身で回りとの関係性構築を求められる機会が増えます。
ジョブローテンションなどで異動や配置転換になったときや、またプロジェクトチームにアサインされるということもあるでしょう。その際は、自ら関係性を構築することが必要です。
関係性を高めることを目的とした若手社員研修は関係性構築力研修が代表的です。
若手社員にとって、関係性構築力研修は、自ら新しい場所で仲間を作っていく方法を学ぶ研修です。
次世代のリーダーや管理職になるためにも、周りとの関係性構築のトレーニングは必要です。立場が上がれば上がるほど、ステークホルダーは増えますので、若手のうちから身に付ける必要があります。
若手社員が将来管理職になるためにも後輩育成スキルを養うことが必要です。
管理職になってから、突然、複数の部下の育成を行うのは、難易度がとても高いです。だからこそ早い段階で、育成経験を積むことが必要です。
多くの企業の管理職は、部下育成を苦手としているデータもあります。
育成スキルは経験値があればできる物ではなく、育成に関するスキルが必要になります。
そのため、若手社員がOJTトレーナー・メンターをするのであれば、後輩育成力を高めるのは必須です。
若手社員にとってOJT研修は、後輩育成・指導を学ぶための研修です。育成方法を体系的に学ぶことで、後輩の成長を促進することが可能です。育成方法を知らないと、我流になり、先輩社員によって、新入社員の成長度合いにばらつきが生まれます。
例えば、若手社員Aさんは育成計画を作り、新入社員に成長イメージを持たせているにもかかわらず、若手社員Bさんは行き当たりばったりの育成をしていると、新入社員はスキルの習得もそうですが、モチベーション低下にもつながりかねません。新入社員が一日でも早く一人前になるためにも、若手社員へのOJTトレーナー研修は必要です。
若手社員は、プレイヤーとしてハイパフォーマンスを期待されるため、時代にあわせた専門スキルの習得が必要です。withコロナになり、今までのやり方は通用しないばかりか、今まで以上にさまざまな技術が進んでいます。時代に取り残されないためにも、学ぶ必要があります。
例えば、営業スキルなどは、対面の営業は少なくなっているケースもあるので、ZOOMなどオンラインでの営業スキルや、もしくは今まで以上に営業マンであっても、自身のブランディングを行うためにSNS等を利用したマーケティングスキルなども求められるかもしれません。若手社員がプレイヤーとしてハイパフォーマンスを出すためにも、時代にあわせた専門スキルを習得するための支援が必要です。
若手社員研修の一覧を見て、自組織に必要な研修を見つけることは出来ましたか。
もし難しいと感じた場合は、次の質問を考えるためのヒントにしてみてください。
若手社員に必要な研修 確認リスト | ✓ | 具体的に何か |
---|---|---|
能力要件(人材要件)を見返してみて、満たせていないものがある | ||
若手社員との1on1やサーベイを通して、若手社員の課題がある | ||
若手社員がいる現場から、若手社員へのネガティブな声がある (ex) 「〇〇スキルが弱い」、「例年に比べて受注の平均数値が下がっている」、「コミュニケーションが取りづらい」など | ||
若手社員の離職率が上がっている | ||
世の中のトレンド(未来を考えて)をみて、必要になりそうなスキルがある |
チェックが付いた項目については、対策を考える必要があります。
さらに背景や具体的にどのようなことが起きているのかを確認し、その課題を解決できる研修などの取り組みを考えてみてください。
チェックが付かなかった組織は、現状、若手社員について大きな課題はない状態ですので、現在取り組んでいることを維持して頂ければと思います。現在の状態や、これから目指すところを考えて、若手社員がリーダーシップを持ち、自組織にポジティブな影響を与えるためには何が必要なのかを考えてみましょう。
ただ、この表を使って確認をしていくと、若手社員だけの課題ではなく、組織全体としての課題となっているように感じる課題も出てくるかもしれません。 その場合は、上の層からの改善が必要となるため、若手社員だけでなく、組織全体としてはどうなのかと俯瞰して見てみてください。組織構造に課題がある場合は、組織変革を行うことも必要になってきます。
若手社員のリーダーシップ開発のために他社事例を通して、「どのような研修を実施し、具体的にどのような効果があったのか」を、ご紹介します。
3年目社員の人材能力要件として定義していたロジカルシンキングの習得ができていないと判断し、ロジカルシンキング研修を実施しました。その結果3年目社員は、ロジカルシンキングの重要性を理解し、習得意欲を持ちました。現場でも活用され、仕事でのパフォーマンスが上がり、自信を持つことで、離職率の改善にもつながったという話をお聞きしています。
【ストーリー】
本お客様のサービスは、ロジカルシンキングを用いたコミュニケーション能力が業績に直結するため、人材要件にロジカルシンキングの習得が入っていたが、3年目社員の力不足は、人事・現場の共通認識だった。若手社員本人たちも、自信がなく、成長実感も感じていないため、離職率も年々高まっていた。
研修によって、受講生がロジカルシンキングができていないことににしっかりと向き合うことができた。ロジカルシンキングを習得すれば実業務に活かせることもイメージで来たようだ。顧客やチームでのコミュニケーションというだけではなく、共創・協働にもつながることを体感レベルで経験した。
人事責任者・担当者からは、「2日間の研修で目の色が変わった。彼らが求めているタイミングで、必要なスキルを渡すことが必要だと思った」という話を受けた。研修を受講した若手社員のアンケートからは、「もう一度受けたい」という声もあり、成長意欲が高まっていた。
アフターストーリーとしては、離職率も前年と比較して、回復傾向(3年間で30%の離職から、20%強への改善)にあるとのこと。研修で学んだことを活かし、ただロジカルシンキングを使うだけではなく、顧客・チームとの共創を意識している姿も見え、よいアウトプットが出ることで、自信を持ち始めているとのこと。
【顧客担当者所感】
若手社員の皆さんの課題意識と研修内容が合致していたということが、学びをより深めていきました。リーダーシップの発揮のためには、課題に感じていることのフォローを行うことも大切です。今回の場合は、ロジカルシンキングを身につけることによって、より自信を持って業務に取り組めるようになりました。人事の方がリーダーシップ発揮のための課題をしっかりと見つけられていたことが大きなポイントだったと思います。
想いを持って入社したが、ただ言われたことをやるだけの毎日。主体性がなくなってしまった若手社員に、主体性の探求ワークショップを実施しました。翌年に同じ若手社員にフォロー研修を実施したところ、上司への提案や部署間を超えた働きかけが見えました。
【ストーリー】
始めに配属される工場作業で、何をつくっているのかを先輩に聞いたら「知らないよ、喋ってないで手を動かせ」と言われた。 テレビ番組で特集されるサービスを扱っており、夢を持って入社したが、そのような環境で年数を重ねるにつれて言われたことをやるだけの社員になってしまった。
主体性がないことに危機感を感じた人事がアーティエンスに相談し対策を検討。何度もの企画会議を経て主体性を探求するワークショップを実施。
研修途中で「こんな研修やっても意味ない、仕事をやっていた方がいい、言われたことはちゃんとやっている」などの意見が飛び交う。この状況を見て、ファシリテーターはワークの内容を急遽変更し、主体性ってそもそも何なのかを考えるところから行った。 対話を通して主体性について考えていく中で、主体性を持った方が仕事を楽しくできるようになることに気が付いた。研修では気が付くというところまでで終了となり、その後は人事から若手社員同士で対話を持つ機会を設けてフォロー。 翌年、別の研修で若手社員の皆さんとお会いした時は、それぞれが想いをもって仕事を行い、部署を後越えた勉強会なども自主的に開催するようになっていた。
【顧客担当所感】
主体性を発揮して欲しいといって変わる人は少ないですが、主体的に働いた方が自分のためにもなるということに自分の力で気が付いたときに、行動が変わり結果として主体性を発揮します。そして、成果が出ればモチベーションは高まります。
研修の企画に時間をかけて準備した内容ではありましたが、受講生が受け取れない状態のまま予定していた研修を行っても何も意味がありません。受講生の状態に合わせて研修内容を柔軟に対応することも求められます。
新入社員の育成に課題を感じOJT研修を実施したところ、新入社員へのフォローが充実し、配属後4カ月後の状況として、前年比5倍の受注を新入社員ができるようになりました。
【ストーリー】
毎年、新入社員を放置してしまい、育成ができてないという課題があった。育成ができていないために、新入社員のパフォーマンスが向上せず、受注が低いため改善しなくてはという状態。
この企業様は、そもそも新入社員の成長を促すための育成方法の知識がなかったため、OJT研修を受講して頂き、基礎的なOJTスキルをお渡しした。 また、フォローアップ研修では、新入社員との合同研修を行った。すると、前年の7月の時点では新入社員全体の受注が1社のみだったが、OJT研修を受講した年は同じく7月時点5社も受注できるようになった。 人事の責任者も、また経営陣も、育成文化を創る重要性を理解し、毎月勉強会が行われるようになった。
【顧客担当所感】
新入社員の育成について、4月の一カ月間充実した研修を行っていましたが、OJTトレーナーの育成は行われていませんでした。そのため、OJTトレーナー研修を行い、スキルの授与と育成への意識を高めました。例年の新入社員と比べて、対象の新入社員が優秀というわけではありません。OJTトレーナーが新入社員をフォローすることで、受注が増えました。新入社員の育成は、OJTトレーナーの育成を行うことで、新入社員の成長への影響を高めていきます。
3年目~5年目で若手社員の80%が退職してしまうという状態から、内省・キャリア開発に影響を与える公開講座に参加することで、退職率5%未満まで改善していきました。
【ストーリー】
優秀層を採用できるが、3年目~5年目で80%以上退職してしまうという状態。 ヒット商品があるため、“それなりの活動”でもやっていける、ぬるま湯文化となってしまっており、若手社員が「この組織では成長できない」と組織に見切りをつけて、退職していくことが多かった。組織の未来への危機感と、若年層のキャリア形成への想いを持ち人事の方からご依頼頂いた。システム思考という方法を用いて、「成長する機会の低下」と「孤独感」をポイントを改善するのではないかと仮説設計をした。
対策として、良質な内省(振り返り)を行い、キャリア開発(会社との統合)に影響を与える研修にあえて公開講座として参加し、他社の同期と関わることで成長実感と成長意欲を高めることに成功した。また、組織との繋がりを強化するためにメンター制度の導入も実施した。
研修現場では「自組織が大好きだ。商品に誇りを持っている」というような発言も若手社員から出るようになるくらいエンゲージメントも向上した。
【顧客担当所感】
今回は、離職率が高いというの問題の改善のために若手社員研修を実施しましたが、組織によって問題は異なるため、まずは本質的な問題を探すことが重要です。問題が見つかれば、その組織にとって、最も有効は方法を考えていく必要があります。
リーダーシップ開発を目的とした若手社員研修を行うことで、ご紹介した事例のように課題を解決していくことで、若手社員がポジティブな影響を、組織やチーム、後輩に与えることができるようになります。
若手社員研修は、リーダーシップ開発を行う内容でなければなりません。 若手社員は、上司や他部署、後輩である新入社員への影響が大きく、そして今後の組織の未来を担っているためです。 若手社員自身と組織の成長のために、若手社員研修という機会を通して何を学ばせ、リーダーシップを養うのかを考えていく必要があります。
若手社員研修のテーマ設定としては、下記から考えると考えやすいです。
・パフォーマンスの向上
・エンゲージメントの向上
・後輩育成
・専門性
これらのテーマを扱いながら、若手社員が職場でいきいきと働き、周囲にポジティブな影響を与えるリーダーシップを養っていただければと思います。
アーティエンスでは、リーダーシップ開発を専門に扱っているため、若手社員のリーダーシップ開発にご興味があれば、ぜひご連絡いただければ嬉しく思います。
素晴らしい若手社員研修の企画・実施ができ、若手社員の素晴らしい影響力(リーダーシップ)が高まることを、心より願っております。