2022/9/15作成ー
アーティエンスでは新入社員のセルフマネジメント力・リーダーシップの発揮を目的とした、振り返りツール【Growth 】をご提供しています。
本記事では、2022年度新入社員を対象とした月に一度の振り返りツール【Growth】の8月24日〜9月5日の回答の結果(n=83/企業数12)を、回答結果とともに読み解きます。
目次
まず、8月の回答結果を見ていきましょう。全体平均と標準偏差はこのようになりました。
【表1】
※ 9つの設問に対して5段階(“とてもそう思う”=5, “そう思う”=4,“どちらともいえない”=3, “あまりそう思わない”=2, “そう思わない”=1)で回答
※標準偏差とは:データのばらつき具合を示す数値のひとつで、数値が大きいほどばらつきが大きい
9つの設問の中で平均値が最も低く、また標準偏差が最も大きく出ていたのがリーダーシップ発揮の状態を確認する設問であるQ9の設問という結果になりました。
また、平均値が最も高く、標準偏差も最も小さかった設問は、業務遂行力に関するQ1の設問でした。
平均と比較して自社の数値が低いという場合もあるかと思いますが、社員の意識が高いがゆえに低い数値を付けているという可能性もあります。
数値が高いから良い、低いからダメ、ということではなく、なぜそのような数値になっているのか、という数値の背景に目を向けることを意識してみてください。
続いて、先月7月と今月の平均値の結果を比べてみましょう。
【表2】
※ 9つの設問に対して5段階(“とてもそう思う”=5, “そう思う”=4,“どちらともいえない”=3, “あまりそう思わない”=2, “そう思わない”=1)で回答
※2022年7月n=80、2022年8月n=83
平均値がQ1以外上がっていました。なぜこのような数値になっているのか、コメントから推測してみました。
コメントを見ると、多くの方が目標に関するコメントをしていて、目標への意識が高まっている様子が分かります。
・今月はチームの目標を意識して、自分から案件を探しに行ったりする行動ができました。しかし、今まではそれをすることがよいとわかっていながら行動に移せていなかったという面もあります。今後、余裕ができたときは積極的にそういった行動をしていきたいと感じました。
・配属になり、以前に比べて目標がはっきりしたのではないかと思う。その一方で知識面の不足に歯痒さも感じることから、これからも勉強を重ねていきたい。また同部署の方とのコミュニケーションも積極的に取っていきたいと感じている。
・7月に比べ目標を達成する為にはとそのための行動を考える事ができるようになりました。しかし、未だ先輩に沢山のお時間をいただいている状況なので少し申し訳なく感じています。
一つの仮説として、このように目標意識が高まったことにより、巻き込み力、意義付け力、成長力、リーダーシップの発揮が促されたのではないかと考えることができます。
新入社員の目標への意識が高まっているこのタイミングで、新入社員の成長をさらに加速させる支援を行いたいですよね。そこで今回は、新入社員が目標意識を高く持てている時に成長を早めるポイントをお伝えします。
自社の新入社員は目標に対する意識が弱いと感じている場合は、目標への意識を高めたい時に確認するポイントについてもお伝えしますので参考にしてみてください。
新入社員が目標意識を高く持てているときは、仕事に対するモチベーションも高まっていることが多いです。そのため、モチベーションをより高められるような取り組みを行うことがポイントとなります。
今回はポイントとして3つお伝えします。
目標意識を高く持てていると、目標達成のために今できることは何でもしてみたいという感覚を持つことが多いです。そのため、今までより新入社員に任せる範囲を広げてみたり、新しい業務を依頼するなど、今までより少し難しい業務を依頼してみましょう。そうすることで、新入社員は先輩・上司から期待してもらっているという喜びも感じることができます。
ただし、注意しないといけないこともあります。それは、どの程度ストレッチをかけた業務を依頼するかということです。あまりにも難しすぎる業務だと、新入社員が自分で解決できず、そのことに対してショックを受けてしまう可能性もあります。そのため、新入社員が自分でも頑張ればできそうとイメージできるくらいの業務を渡す、というところがとても大切なポイントになります。
また、新入社員ができそうとイメージできる課題でも、やはり初めての業務は分からないことが多く出てきます。上司や先輩が丁寧にフォローすることも重要になりますので、業務を依頼して放置するのではなく、こまめに連絡を取って支援することも忘れないようにしましょう。
目標意識を高く持っているということは、目標が明確になっているということです。
そのような状態のときは、今行っている業務が目標のために必要であるという感覚を持てないと、何のために今の仕事をやっているのかが分からなくなってしまいます。
そのため、新入社員から目標を共有してもらい、今の業務が目標を達成するために必要なことである、ということを理解してもらったうえで、先輩・上司として支援できることがないかを聞いてみましょう。
このような時間は少なくとも月に1回30分は1on1などで行い、目標意識を持ち続けてもらうことも大切になります。
新入社員にこのような人になりたいという憧れを持っている人がいる場合は、ぜひその人とコミュニケーションする機会を提供し、より目標意識を強めましょう。
コミュニケーションの機会は、新入社員が求めるものが良いと思いますが、例えばローモデルの方との1on1の時間をつくったり、営業同行・企画を一緒に考えるなど仕事をする機会を提供することも、新入社員にとって良い時間となるでしょう。
まだ新入社員が目標意識を持てていないなと感じる場合は、目標意識を持ってもらうために次の3つのポイントを抑えられているか確認してみてください。
もし足りていない部分がありましたら、そこのフォローから行っていくと良いと思います。
そもそも、新入社員が目標を達成したいと思えないと、目標意識を持つことはできません。
よくあるのは、上から降りてきた目標をそのまま設定していて、新入社員が実は納得感を持てていないということです。その場合の多くは、その目標を達成したところで、自分にとって意味があるのだろうかと感じてしまうような内容になっています。
目標を達成することで新入社員自身も成長できると感じられるかが、目標への意識を高めるために大切になります。
そのためには、自分で目標を設定する余白を持たせると良いです。
例えば、仕事のために勉強する内容は、会社からの指定ではなく自分で選択できるようにする、という方法は比較的実践しやすいかなと思います。自分で設定した目標であれば責任感も生まれますし、自身が興味あることなので目標を意識しやすくなっていきます。
目標が、新入社員の成長に合わせて、具体的な内容になっているかも目標意識を高めるためには重要です。
たまに、概念的な内容を目標として設定されていることがありますが、それでは、人によって解釈も異なるため、新入社員と先輩・上司が同じ理解をしているかと確認すると、それぞれの解釈で理解してしまっていることがあります。そうすると、目指す方向がバラバラのため、目標をなしていないことになります。
そうならないためにも、SMARTの法則に則って誰もが同じ理解となる目標の設定をすることが大切です。
※ 当社研修資料より抜粋
その際に、目標が新入社員の成長に合うように段階的になっていると、頑張りやすくなります。始めから大きい目標という壁に立ち向かわないといけないとなると怖気づいてしまうため、頑張れば乗り越えることができそうと思えるような目標を段階的に用意することが大切になります。そうすると、新入社員自身が成長実感を持てるようにもなります。
目標を踏まえたうえでのフィードバックは、目標意識を高めることにも影響します。
特に、新入社員の言動を見て良いと感じたところがあれば、できるだけその場でポジティブフィードバックを行いましょう。そうすることで、今の言動が良いことなんだと新入社員は気が付くことができます。
特にテレワークでは新入社員の様子を伺うことが出来ません。新入社員は、自分の言動が正しかったのか常に不安に感じています。毎日の報連相や、仕事の進め方など、小さいことでも、助かる、成長したなと感じたことがあればポジティブフィードバックとして伝えてあげてください。
また、小まめなフィードバックが難しいという場合は、定期的なフィードバックできる時間を確保しておきましょう。例えば、朝礼や定例会議、週1や月に1回行う1on1などを予定として入れておけると良いでしょう。
新入社員が目標意識を高く持っていると、パフォーマンスもエンゲージメントも高くなります。
新入社員に適した目標設定を行い、目標意識を高く持ち続けてもらえるようにフォローしていきましょう。
今月も数値の変化やフリーコメントから、新入社員が感じていること、悩んでいることのヒントをパルスサーベイGrowthから得ることが出来ました。
ほんの些細なヒントではありますが、Growthの情報をきっかけに対話を行う中で、より詳しい状態を確認し、フォローに繋げていくことができます。
ぜひこの情報を大切に扱って、新入社員が活躍できる育成を行っていきましょう。
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