研修・セミナーレポート

管理職に必要なファシリテーションとは? ─タスクとメンテナンスから考える─ 対話で育む「私たちの人材開発・組織開発」【勉強会レポート】

 管理職に必要なファシリテーションとは?

2022/7/26作成ー

2022年7月20日に『管理職に必要なファシリテーションとは? ─タスクとメンテナンスから考える─』をテーマに、対話で育む勉強会を開催しました。(参加者数:7社12名)

今回の勉強会の費用については、Peatixの手数料を差し引いた10,224円を認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ様へ寄付致しました。

全国に約6,000箇所広がるこども食堂を通じて、子どもたちの食育を応援したいと思います。

1)対話で育む「私たちの人材開発・組織開発」 概要

組織の中で人材開発や組織変革に取り組んでいる方々が集い、人材開発・組織開発に関する様々なテーマについて、対話を通して学び合う、アーティエンスが月1回開催している勉強会です。

人事や経営者、研修講師、コンサルタント、弊社メンバーなど多様な方々に参加いただいています。

この勉強会では、知識の単なるインプットや専門家からのアドバイスを聞いて終わりではなく、参加者同士の相互作用の中から、人材開発・組織開発の実務家としていかに活用していくか?を探求していく安心・安全な対話の場・コミュニティを目指しています。

人材開発・組織開発の領域は、日々進化し続けています。時代遅れのアプローチにならないように、また机上の空論にならないように、手触り感のあるテーマや内容を扱っていきます。

ご参加前の知識レベル・精通度合いは全く問いません!
ご一緒に、人材開発・組織開発を学んでいければ嬉しく思います!

 

2)内容

勉強会の内容の一部をご紹介します。

■事前課題の共有、気づき・発見

事前課題として下記のコラムを読んで感じた気付き・発見、もやもや・よくわからないことをjamboardに投稿して頂いていました。

<事前課題コラム>
・会議の質を上げるには、管理職のファシリテーション力が肝! ~会議を起点に、組織変革を進める~

まず初めに、それぞれの気づき・発見を共有して頂きました。

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このようなコメントがありました。

タスクが不十分なのはメンテナンスが原因なのかもしれない、というコメントを見て確かになと感じました。新たな学びがあるといいなと思います。

ファシリテーターの基本を学べたらいいなと思います。分からないながら何か意見を出せたらいいなと思います。

オンライン会議だと、会議の前後を埋めるコミュニケーションが取れず、メンテナンスが難しいなと感じています。

・アーティエンスさんの研修を導入して以降、全社的に会議の事前準備を徹底して行うようになり、タスクの質は改善傾向にあるなと思います。ただ、更に一歩踏み込んだ議論となると、まだまだ難しいなと。

 勉強会の様子

 

■個人ワーク:自チームの会議の質は?

対話に入る前に、現状を確認するために、個人ワークとして次の問いについて考えて頂きました。

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グーグルフォームを通して、上記内容を内省いただきましたので、回答の一部をご紹介します。

Q1.あなたの所属するチームの会議の、タスクの質は何ポイントですか?

あなたの所属するチームの会議の、タスクの質は何ポイントですか?

 

Q2.Q1の理由は何ですか?

・その会議の中で決めるべきことが定まっていないことが多い気がする。(食品・貴金属関連事業 総務人事)

・課内会議では目的目標を明確にして実施していますが、時により発言が偏るためにある一定メンバーの会議となってしまっています。(食品加工企業 人事)

・情報交換にとどまり、決断が少ない。合意したことも実行されない。(ボランティア基金 人事)

Q3.あなたの所属するチーム会議は、メンテナンスの質は何ポイントですか?

あなたの所属するチーム会議は、メンテナンスの質は何ポイントですか?

 

Q4.Q3の理由は何ですか?

・関係性は普通。周りの顔色を伺って話す人も多い。(食品・貴金属関連事業 総務人事)

・日頃からの関係性重視のために日報等をオープンにし、それぞれの情況を把握していると考えています。(食品加工企業 人事)

・会議のマネージャーによる。マネージャーの意識がある場合は会議目的が関係性構築のために設定されており、高いが、そうでない場合は低い。(ボランティア基金 人事)

 

■個人ワーク:自チームの会議の質は?の共有

個人ワークをやってみての感想や気づきを共有しました。

・会議の中で決めることが決まっていない

・上下関係を意識しすぎてしまって、若手の意見が言いづらくなってしまっている

・タスクとして、目的・目標を決め、会議をデザインすることを意識しているので、タスクの質は扱っている。ただ、上下関係があるので、場に出てくるものが偏ってしまう。ファシリテーターがその他の意見を吸い上げられたらいいのになと思うけど、そこがまだできていないと感じます。

・入社4年目で、部長クラスと一緒の会議になると、間を割って意見を言うことができないので、言いやすい環境になればいいなと思います

・対等な立場でと始めに伝えてはいるけれど、上下関係を意識しないということは難しそう

 

■対話

各エリアに分かれて、2回の対話を行いました。

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1回目の対話
「私たちの会議では、どのようなことが起きているのだろう?」

・話す人、話さない人が決まってしまっている。役職によって変わるというより、本当に意見がない人と、言いたくても言えない人という2パターンの方がいるのかなと思っていて、自分の中で核心を持てていないと発言ができない人は、発言が少なくなってしまいます。
あえて、今日は意見を書く会にしましょうと、付箋とかに書いてもらうと、たくさん出てきたりするので、なぜ言わないんだろう…と思ってしまいます。本当に意見が無い人って多いんじゃないかと思います。
話が途切れたタイミングで、発言が無い人に振ってみると、何かしら発言があることもあるんですよね。
一度発言して変な空気にならなければ、発言していいんだ!となりそうですが、何で発言できないままなんでしょうね。関係性ができている会議では話してくれるようになってきているんですが、ちょっと知らない人がいるとか、よく話す人がいると、言わないまま終わりになってしまって、後から他の人に意見を言っていることも多いみたいです。

・オンラインだと会議の間を埋めるコミュニケーションを取りにくかったり、メンテナンスの部分が難しいよなと感じています。

・会議後、アウトプットだけではなくて、参加者がどのような状態になっているかを考えることも重要ですよね。

・定例会議って減っていくことってないなと思っていて、アドオンで追加されると思うんですよね。会議の目的・目標・アジェンダを書き出してみると、必要のない会議や参加しなくてもよい人を見つけることができた、という方もいらっしゃいました。

・とりあえずやっている会議が多いのかなと気づきました。平凡なよくある会議を抜けて、とにかくアイディアを出しましょうという会議や、メンバー態勢や人数を変えてみるとか、部署交流など目的をフォーカスして見るのがいいのかなと思いました。

・情報共有という一方的な会議が多いということに課題を感じています。jamboadを使うと、匿名で意見を出すことができるので、自分の会社でも活用してみたいなと思いました。

 勉強会の様子

2回目の対話 「私たちの会議がより素晴らしいものになるには、どうしたらいいのだろう?」

・必ず発言しないといけないというわけでもなく、会議が必要な時間だと参加者が思ってくれたらいいのかなと思うんですよね。会議の後に行動変容につながるといいですよね。
チェックアウトをやると、会議中に発言が無かった人がどう思っていたかを知ることができるので、いいかもしれません。その内容が前向きか後ろ向きかをみて、参加具合を確認することもできるので、フォローもしやすくなるかなとも思います。

・目的・目標を伝えることで、参加者本人が自分が参加する意味を見つけられると、素晴らしい会議に繋がっていくのかなと思いました。

・準備が大変な会議って、会議が終わる達成感を感じて、それがゴールになってしまっているところもあるかもしれない。
会議のための資料作りは大変だったなという印象があって、会議によって仕事が増えるとストレスになってしまうこともあるから、いらない準備をさせない、ということも素晴らしい会議に繋がるのかなと思います。

それぞれのテーマで話した内容を全体でもシェアを行い、それぞれに新たな気づきや認知の広がりを感じていただけている方もいらっしゃいました。

対話が終わったあと、情報提供として、タスクとメンテナンスの高め方についてお伝えしました。

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■個人ワーク(内省)

対話の中で様々な意見を受け取りましたので、内省の時間を設けました。

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こちらもグーグルフォームを通して、上記内容を内省いただきましたので、回答の一部をご紹介します。

 

【受講者の回答の一部】

Q1. 対話を終えて、自チームの会議の課題は何だろう?

・自分の意見が言いずらい雰囲気と事前知識の欠如(食品・貴金属関連事業 総務人事)

・ファシリテータ―だけの理解ではなく参加者全員が共通理解を持つこと(食品加工企業 人事)

・会議が情報共有どまり。否定的な反応が多すぎる。信頼が醸成されていない。現状を壊す勇気のあるリーダー、ファシリテーターがいない。(ボランティア基金 人事)

 

Q2. “①” に関して、私ができる働きかけは?

・会議の事前準備の徹底(ガイドライン化するなど)。会議の中で参加者の意見を吐き出す時間を作る。(食品・貴金属関連事業 総務人事)

・参加者がどのような会議にしたいのかを最初に意見を出し合う場を作ること。会議のルールを作ること。(食品加工企業 人事)

・小さな規模でもいいので、いい会議を体現する、モデル化する。(ボランティア基金 人事)

 

■個人ワーク(内省)

内省を終えた後、最後にチェックアウトとして、グループで感想を伝え合って終了しました。

・会議に参加しているメンバーが共有理解を持っていることが大切、という意見を聞いて確かにと感じました。参加者にどういう会議にしていきたいかを確認しあう時間をつくれるといいのかなと思いました。

・個人が特定されると、発言しづらくなってしまうようなので、jamboardなどのツールを活用して匿名で意見を出しあえるようにする、というところから改善していきたい。

・言っていいのかなという恐れがあるのかなと思うので、黙っている人に声がけをするとかはできるといいのかなと思いました。

・会議を進めるためのフローを確かめていくことが大事だと思いました。

3)参加者の声

勉強会終了後の参加者の方の声の一部を共有します。

・会議で発言が出ないのは会議時間内の空気づくり等に原因があると思っていたが、会議の前にできることがありそう

・会議においてはタスクとメンテナンスのバランスが重要。時間内にコミュニケーションと取りながら進めていくには会議前半で各自意見を言う時間を設けるのは良いなと思った。

・対話の中で出てきた、ファシリテーターだけでなく、参加者が思う素晴らしい会議について話すことがスタートではないかという点が大きな学びとなりました

皆さん、短い時間の中でしたが、気づきや学びがあったようでした。 勉強会での対話を活かして、現場にどう繋げるかのヒントとなれば嬉しく思います。

 

4)アーティエンスから、勉強会を終えてのメッセージ

本日は、会議の質という、あまり意識している人が少ないですが、大切なテーマについて対話を通して探求しました。

会議が多くの時間を占めている、という話を伺うこともありますが、それらの会議が意味を持っていて、業務を前に進めるための意味のある会議となっているか、ということを改めて考えることが無かったという発言もあり、何となくやっている会議というのも多くあります。

そんな中で、今回は、会議の質の現状と目標を確認するために「タスク」と「メンテナンス」という軸で考えてみました。

タスクとは会議終了後に出る成果物、メンテナンスとは人間関係と考えると分かりやすいかと思います。

タスクが弱いという方の意見では、何のための会議なのかがあやふやのまま実施しているというコメントがあり、メンテナンスが弱いという方の意見の中には、会議によって業務へのコミットが高まっているようには感じないという意見がありました。


会議だけでは解決できないことも多いですが、会議をきっかけに変えられる部分は多いです。

その時にファシリテーターは、大きな役割を担っていきます。

ファシリテータースキルを、管理職・人事の方には身に付けていただきたいなと思います。

勉強会は1時間半という短い時間ですし、対話を通してすぐに正解が出せるわけではありませんが、是非、勉強会を通して気付いたこと、モヤモヤしていること、取り組もうと決めたことなどを大切に、小さな一歩を踏み出していただくきっかけとなれば嬉しく思います。


アーティエンスの勉強会は、勉強会で得たヒントを活かして自組織で少しでも行動して頂けることを目指しています。

本日の勉強会での学びをぜひ、行動に移していただければと思います。

行動していく中でまた壁にぶつかることもあると思いますので、その際はぜひお気軽にご連絡を頂ければと思います。

5)次回のご案内

2022年8月25日(水)に「自組織にあった内定者フォローのワークショップを作ってみよう」をテーマに勉強会を行います。


◆勉強会概要

日時 :2022年8月25日(木)13:00~14:30
場所 :オンライン(ZOOM使用)
参加費:1000円
詳細・お申込:https://artience0825.peatix.com/

※ お支払いいただいた参加費は、Peatixの手数料を除いた上で、慈善団体に全額寄付します。

 

◆このようなお悩み・想いをお持ちの方におすすめです
・23卒の内定者フォローについて情報収集・検討している人方
・内定者辞退を防止し、入社後の早期活躍に繋げていきたい方
・「組織をより良くしていきたい」「その人らしく活躍できる人材を育成したい」という想いを持った仲間とつながりたい方

◆内容に関して

手間やコストをかけてせっかく採用した内定者も、入社前に辞退してしまうことがあっては採用活動が水の泡となってしまいます。

また、前準備もなく、いきなり会社に入ってしまうと、入社前のイメージや理想とのギャップが大きくなり、早期離職に繋がる可能性も高まります。

そういったリスクを軽減し、入社後の新入社員の成長と活躍を後押しするためにも、内定者へのフォローは必要不可欠です。

しかしながら、ただ定期的にコミュニケーションを取ったり、会社の情報提供を行うだけでは、効果的な内定者フォローとは言えません。

今回の勉強会では、内定者向けワークショップの企画をテーマに、企画時に抑えたいポイントや具体例などをお伝えしながら、自組織と内定者の未来へと繋がる内定者フォローについて、探求していきたいと思います。

◆メインファシリテーター    

アーティエンス株式会社 代表取締役 迫間 智彦    アーティエンス株式会社 代表取締役 迫間 智彦 (ハザマ トモヒコ)

2010年にアーティエンス(株)を設立。「学習する組織」や「シェアドリーダーシップ」の哲学・方法論をベースに顧客との共創・協働を大切にしている。自身も組織変革ファシリテーターとして従事。顧客の未来を考えて、今必要なものを共に探求し、実践することをポリシーとして持っている。