2022/7/21作成ー
新入社員が研修期間を終えて顧客対応を行うようになってきたときに、よく伺う悩みがあります。
上記の課題に対して、あなたの組織はどのような対応をしていますか?
新入社員が始めから的を得たヒアリングは出来ないことが普通ですし、ヒアリングスキルの習得には、トレーニングが必須です。
適切なトレーニングやフォローを行うことで、新入社員の成長を促していきましょう。
目次
先ほど挙げたような課題が起きるとき、新入社員のヒアリングスキルが足りていないことが原因として考えられます。
⇒聞くことに意識が向いてしまい、顧客の立場からだと、意味のあるヒアリングと感じられない
⇒ヒアリングシートを埋めることが目的になり、顧客の芯の課題やニーズを深堀れない
⇒顧客の課題を言語化できておらず、本質的な改善策を提案できない
お客様の課題を解決することが仕事だとすると、顧客の課題を適切にヒアリング出来なければその後の提案もうまくいきません。
「無敗営業」の著者である高橋浩一氏によると、「分かってくれる営業」を最高と感じ、ヒアリングが不十分と感じる営業に不満を感じるようになるようです。
こちらの内容は営業に絞った内容にはなりますが、どの業種でも「顧客のことを正しく理解するための情報をヒアリングされないと不安になってしまうという感覚」は理解できるのではないかなと思います。
これは、顧客を上司・他部署と捉えても、同じではないでしょうか。
顧客に満足してもらう提案をしてもらうためにも、新入社員のヒアリングスキルを育てていきましょう。
ヒアリングスキルを育てるといっても、皆さんは普段無意識に行っていることもあるため、どのようにヒアリングの仕方を教えたらいいか分からない方もいるかもしれません。
そこで、今回は、打合わせの場面を想定したヒアリングの基本的な手順をお伝えします。
ぜひこの内容の中のどこで躓いているのかを確認し、これからお伝えする内容を新入社員に伝えてみてください。
事前に、顧客の情報を調査し、顧客の課題意識を仮説として持っていく必要があります。
お客様も大切な時間を打合わせに当ててくれています。 その時間に感謝をし、その時間を最大限に有効活用できるように意識しましょう。
そして、それらの情報を元にヒアリングを行うためのストーリーを描いておくとスムーズな流れでヒアリングをすることができるようになります。
準備として、何を行えばいいか分からない場合は、まず次の4つの視点について調査や仮説を立てて準備をしてみてください。
初対面の場合などは、お互いに少し緊張していたり、構えていたり、ということがありますので、心を穏やかにするためにもアイスブレイクを入れることをお勧めします。
一般的にアイスブレイクというと、ちょっとした雑談を行うことが多いかと思います。 もちろん気楽に話せる雑談を行うことは問題ないのですが、その雑談に全員が発言できているかは一度確認してみてください。
3人以上の打合わせだと、アイスブレイクのときに一言も話せていない人がいるかもしれません。
そうすると、その方は居心地が悪く感じてしまったり、緊張感が解けなかったりと、その方だけ置いてけぼりにしてしまうことになってしまいます。
アーティエンスでは、そのようなことがないように「チェックイン」と言って、打合わせに参加している人全員が必ず発言することから始めています。
チェックインで話すことは、その時の感情を伝えてくださいとお伝えしていて、例えば「お昼ご飯を食べ過ぎて眠気が来ないか心配ですが、この打合わせは真剣に参加できるようにしますので、よろしくお願いいたします。」というようなイメージです。
アーティエンスでは、次のルールで行っています。
一見無駄な時間のように思えますが、打合わせに参加している人が参加意識を持ち、心を落ち着かせることができると、本題の話も話しやすくなります。また、顧客が求めていることを、キャッチしやすくなります。
打合わせを行うということは何かしらの課題があることがほとんどかと思います。そこで、次は課題となっていることを確認していきましょう。
現在、どのようなヒアリングをしていますか。
もし、「課題を教えてください」と聞いて返ってきた答えを課題だと考えるのは早すぎます。
なぜなら、お客様が自組織の課題を、理解しきれていないケースは多く見られるからです。
「自組織のことなんだから、お客様が理解していないはずがない」と思うかもしれませんが、表面的な課題のみを見て、本質的な課題をみれていないことは往々にしてあります。
そのため、ヒアリングでは、本当の課題を探すことが大切になります。
ここができないと、お客様が課題だと言っていたことは網羅できているけど提案が刺さらないというようなことが起きたり、表面的な課題を鵜呑みにして施策を実施したけど、効果が薄くなってしまう、というようなことが起こります。
本質的な課題を探すためには、どのようなヒアリングをすればいいでしょうか。
大きく2つのポイントがあります。
です。
「課題を広く聞く」というのは、課題と感じていることを一旦全て話してもらうということです。 そして、お客様が話したい・聞きたい内容に対して、整理して、回答していくことが重要です。
ただし、新入社員や経験の少ない営業メンバーだと難易度が上がります。そのため、まずはお客様の話を聞けるだけ聞き、一旦社内に持って帰ってきて、上司やトレーナーに相談することも必要です。
そして次の機会に、お客様に回答をすると同時にお客様の優先度が高いであろう課題についての対策についての仮説を持って、再度ヒアリングすることが必要です。
このプロセスを踏むと、お客様が始めに課題として発言していなかったことについて、改善していく必要があることに気が付くかもしれません。
※ 当社、ヒアリング研修より抜粋
「メインの課題を深掘りする」というのは、なぜそれを課題と思ったのかという背景を具体的な例を元に聞くということです。課題について深くヒアリングすることで、本質的な課題が見えてくることもあります。
※ 当社、ヒアリング研修より抜粋
深掘りをする際は、BIG WHYのフレームワークを活用すると、考えやすくなると思います。
※ 当社、ヒアリング研修より抜粋
このように、お客様が始めに課題と言ったことに対して、広く・深くヒアリングをしていくことで、本当にお客さんが言っていた課題が解決しなければいけないことなのかを確認することができます。
ヒアリングをした結果、お客様が言っていたことが本質的な課題だとなることも、もちろんあると思いますが、それが本質的な課題だと分かることが、これから改善策を考えていくことでとても重要な情報になるのです。
様々な情報をヒアリングしたら、最後に改めて課題を言語化してみましょう。
様々な情報が加わったことによって、課題がより具体的になったり、本質的になっていくと思います。
この時に、お客様が、「それ!」と強く共感してくれるような言語化ができると、その後の提案もスムーズに考えることができるようになります。
言語化までを新入社員に求めるのは難しいため、上司やトレーナーが支援するとよいでしょう。 新入社員がヒアリングをして、粗くてもいいので言語化したものを持ってくると、新入社員の成長は早いです。 お客様自身も課題を明確にすることができて、スッキリすると思います。
今回は、打合わせの場面をイメージしたヒアリングについてお伝えしましたが、参考になる情報はありましたでしょうか。
新入社員の方が躓いていそうな箇所について、ぜひ伝えて頂ければと思います。
もちろん営業経験の少ないメンバーやヒアリング力に難があるメンバーにとっても、有意義な内容です。
ただ、知識をお伝えしても、「実際のお客様の前で行ってみるのは緊張するし、先輩とのロープレでは緊張感が持てず(もしくは評価されるため緊張しすぎる)あまり、練習になっていない」ということもあり、中々身についていかないということも起きるかもしれません。
また、新入社員の育成について、良く伺うのは現場に追加での育成を依頼しにくいということです。
現場は、日常の業務で時間が足りない状況になっていることが多いため、新入社員の育成についてあまり時間を割けないというのが現状として多いかと思います。
そういう時は、ぜひ育成し練習する場所として研修の場を活用してみてください。
ヒアリングの育成を研修会社に委託することで、現場の負担を減らすことができますし、初対面の人もいる中でリアルな仕事を想定したヒアリングのワークを実践してもらうこともできます。
学んでもらうためには知識を伝えて理解することは欠かせませんが、それだけで実際に活かすことができるかというと難しいです。なぜなら、「理解する」と「できる」は違うからです。
アーティエンスの研修では、研修内で実際に学んだことを活かしてリアルなワークを通して経験し、そこでPDCAサイクルのcheckまでを進めています。そうすればそこで経験したことに対してすぐに実際の現場でactionするところから始めることができるようになります。
アーティエンスのワークは、シチュエーションの世界観がつくり込まれていて、よりリアルに体験して頂きやすい環境にしています。
※当社、ソリューション提案力研修テキストより抜粋
新入社員のヒアリングスキルを成長させたいと思っていながらも、練習場所を用意するのが難しいという場合はぜひアーティエンスの研修に参加して頂ければと思います。
新入社員のヒアリング力を鍛えることで、顧客や社内関係を改善し、自組織にいい影響を与えていきましょう。
お客様や社内(上司・先輩)との認識のずれを無くし、成果を出すためのコミュニケーションスキルを実践的に学ぶことを目的とした研修の詳細については、こちらをご覧ください。