研修・セミナーレポート

新入社員のリーダーシップを育む3つのフォロー
【Growthレポート6月】

 新入社員 Growth パルスサーベイ

2022/7/14作成ー

アーティエンスでは新入社員のセルフマネジメント力・リーダーシップの発揮を目的とした、振り返りツール【Growth 】をご提供しています。

本記事では、2022年度新入社員を対象とした月に一度の振り返りツール【Growth】の6月24日〜7月5日の回答の結果(n=89/企業数12)を、回答結果とともに読み解きます。

1)Growthとは

Growthとは、アーティエンスが開発した若手・新入社員支援ツールです。

若手・新入社員は、毎月自身の仕事を振り返ることでセルフマネジメント力・リーダーシップの意識を醸成させ、現状の課題整理と対策を考えることができます。

人事・育成担当者は、若手・新入社員の状態を数値として確認をすることで、どのようなフォローを行えばいいのかの対策を立てられるようになります。Growthの概要

アーティエンスでは、新入社員が力強く成長していくために必要な4つの力(業務遂行力、巻き込み力、意義付け力、成長力)をまとめて、セルフマネジメント力と定義しています。

Growthは、4つの力にリーダーシップを加えた5つの力への意識を高める設問となっており、日々の業務を振り返り回答することで、セルフマネジメント力とリーダーシップ発揮を促します。

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    2)6月の結果共有

    まず回答結果として、全体平均と標準偏差を見ていきましょう。

    【表1】

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    ※ 9つの設問に対して5段階('とてもそう思う'=5, 'そう思う'=4,'どちらともいえない'=3, 'あまりそう思わない'=2, 'そう思わない'=1)で回答

    ※標準偏差とは:データのばらつき具合を示す数値のひとつで、数値が大きいほどばらつきが大きい

    結果を見ると、Q8,9のリーダーシップに関する設問の標準偏差が大きいため、リーダーシップを発揮できている感覚が個々によって差が出ていることが分かります。

    リーダーシップの定義はざまざまありますが、アーティエンスでは、リーダーシップを次のように定義しています。

    どのような意識の差があるのか、Q8,9の設問に4,5という高得点をつけている方と1,2という低い得点をつけている人のフリーコメントを見てみましょう。

    リーダーシップに関するQ8,9の設問に4,5という高得点をつけている方のコメント

    ・分からないこと、不安なことは、些細なことであっても先輩に確認しに行って作業を進めた。これによって、修正の際の直し量が少なくできたり、自分自身でも「この方向で、こんな感じで進めよう」というイメージのもと、作業を行うことができて、成長することができたと思う。

    ・業務のパフォーマンスを上げていきたい、部署間のずれをなくしたい

    ・教えてもらったことをただやるだけでなく、それを吸収する過程で、もっと良い方法はないか考えながら仕事に取り組んでいます。やり方を変えたい時にそれを受け入れる環境が整っていないと実現できないので、環境作りも意識して取り組みたいです。

    ・仕事を覚え、もっと先読みして行動できるようにしたいです。

    ・前よりは確実に先回り行動できている

    ・仮店舗に配属されて約1ヶ月、同期とはじめてバラバラになってとても緊張もたくさんあったがお客様と実際に関われたり店舗の先輩からたくさん学ぶことができたりと自分のなかでも大きな成長通過点にいると感じる。これからもっと今の店舗で成長できるように先輩達とコミニュケーションをたくさんとっていきたいです!

    自ら動いて行動していることや、より良くするためにどうすればいいのかを考えている様子が伺えます。

    リーダーシップに関するQ8,9の設問に3以下の低い得点をつけている方のコメント

    ・目の前のことに集中はできていたが広い視野を持つことができなかった。これからはもっと周りを見て動けるようになりたい。

    ・もっと自分で思考していきたいと思います。

    ・これから取り組んでいきたいことは、現状では自分の対応に不安を感じながら取り組んでいる部分があるので自信をもって対応できるように意識して改善していきたいです。

    視野を広く持てていなかったと自分で気付けているのは素晴らしいですが、視野が狭くなっている様子が伺えます。自分の対応に不安を感じてしまうのも、先が見えていないために起きてしまっているのではないかと思います。

    フリーコメントの差から、リーダーシップが発揮できているか否かは、新入社員の方の認知として、周りが見えていて、仕事をより良くしていくための工夫を自分なりにしようとしている段階だということが分かりました。

    続いて、先月5月との平均値と比べてみましょう。

    【表2】

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    ※ 9つの設問に対して5段階('とてもそう思う'=5, 'そう思う'=4,'どちらともいえない'=3, 'あまりそう思わない'=2, 'そう思わない'=1)で回答

    ※2022年5月n=87、2022年6月n=89

    Q1-6は先月と比較して数値があがっていますが、Q7-9については数値が下がってしまっていました。 この表からもリーダーシップの発揮に苦しんでいることが分かります。

    Q2,3は先月と比較して数値が高くなっています。この要因として考えられるのが6月に実施した関係性構築力研修です。

    この研修では、巻き込み力に関する内容で、「自身のあり方を見つめ、関係者とのコミュニケーションをより円滑にする方法を学ぶ」ことを目的として実施しました。

    研修に参加して頂いた方のみの平均値を確認してみたところ、巻き込み力に関する数値が平均の数値より高くなっていたため、研修で学んだことを現場で活かして頂けている様子が分かりとても嬉しく思います。

    【表3】

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    コミュニケーションについて、下記のようなコメントもありました。

    ・最初はうまくコミュニケーションを取れなかったけど、色々な場所での研修を通して段々とコミュニケーションができてきたと思う。自分ばかり喋っていることが多いので、相手の話もしっかりと聞きたい。しっかりと周りを見て行動していきたいです。

    周りとコミュニケーションをとりながら仕事を進めることができている、という成長実感を持てていることが素晴らしいと思います。

    3)Growthの結果から考えるフォロー案

    今月、標準偏差が大きく、先月よりも数値に差が出てしまっていたリーダーシップの発揮に関するフォロー施策をお伝えします。

    1,主体性を育むことができているか確認

    新入社員がリーダーシップを発揮し、周囲にポジティブな影響を与えるためには、主体性を育む必要があります。

    主体性を育むために必要になるのは、新入社員が工夫できる余白があることです。

    例えば、「Aの件についてリサーチしてもらえる」というのと「高校生向けのアプリの企画をしているからAの件についてリサーチしてもらえる」という依頼、どちらが工夫できる余地があるでしょうか。

    後者のような依頼の仕方だと、依頼を受けた新入社員が主体的にBも今流行っているからその情報も追記しておこうなど、自分で考えて動くことがしやすくなります。

    ただし、前者の依頼をしたときには、注意点があります。新入社員から、「調査の目的やアウトプットイメージを教えてもらえますか?」という質問が来るようになっていたら、そのような依頼の仕方でも主体性を発揮することができるので問題ないですが、その質問を忘れてしまう方もまだ多いと思います。そのため新入社員がイメージできる範囲の目的と一緒に依頼を伝えることを意識してみてください。

    また、「〇〇さんは、どうしたい?」という問いを問い続けることも重要です。そうすることで、主体性が求められていることも伝わりますし、自然と他の人に言われなくても考えられるようになっていきます。

    なお、もし主体的に動いてもらうために新入社員だけの知識では難しいと思った場合は、参考にしてもらえる過去の資料や関連資料なども一緒に渡せると良いかと思います。

    2,周囲のために働きかけていることを探してポジティブフィードバックを渡す

    新入社員の間は、失敗も多く、先輩と比較して出来ないことが多いため、周囲のためにやっていることでも自分自身で把握できていないこともあります。

    そのために、自分の認知ではリーダーシップを発揮できていないと感じている可能性もありますので、先輩・上司・育成担当者・人事の方から、小まめにポジティブフィードバックを渡してあげてください。

    それは周囲にポジティブな影響を与えていたら、どんなに小さいことでも良くて、例えばオフィスのゴミを拾ってくれたとか、議事録が見やすいとか、Zoomの設定をしてくれたなど、内容の大きさは関係ありません。

    ただ、ポジティブフィードバックした内容について、「こんなことたいしたことない」という感情になって、受け取ってくれない新入社員の方もいるかもしれません。

    そんな時は「感謝として伝える」「全体会議で伝える」という伝え方にしてみてください。

    そうすると、少し受け入れやすくなってくれるかもしれませんし、また他の新入社員も見本にし、小さくても素晴らしい影響が伝播します。

    3,同期や先輩に助けてもらったことを書き出す

    リーダーシップを発揮するというと、なんだか大きなことをやらないといけないように感じてしまっている人もいるかもしれません。その場合は、自分が周りの人からもらっているポジティブな影響を書き出してもらいましょう。

    書き出してみると、思ったよりも小さいことに感謝していることも多いことに気付くと思います。そこに気が付くことができると、自分も小さくてもポジティブな影響を与えられているかもしれないという実感を持てるようになり、リーダーシップを発揮する感覚を持てるようになります。

    今回は、リーダーシップを発揮するためのフォロー施策を3つご紹介しました。

    Growthの結果でQ8,9の数値が低かった方に対しては、このような施策でフォローして頂ければと思います。

    4)新入社員のさらなる成長・活躍を探求していきませんか?

    アーティエンスでは、本Growth結果にもふれながら、人事担当・育成担当・現場の上長など、多様な方々が企業や立場を超えて対話・情報交換し合える、参加型オンライン勉強会【Growth Meeting(グロース・ミーティング)】を月1回開催しています。

    アーティエンスからも人材育成に関するトレンドやノウハウを提供したり、人材開発・組織開発の分野で活躍する専門家をお呼びし、講演いただく機会もご用意しています。

    ご参加者の皆さまからは、

    ・悩んでいるのは自分だけじゃないことが分かって安心した
    ・他社さんの取り組みで面白い施策があったので、自社でもやってみたいと思った

    などのご感想を頂いております。

    Growthを実施されていなくても参加して頂くことは可能ですので、お気軽にご参加頂き、対話を通してご一緒に新入社員を育成していければと思います。

    次回は下記テーマで開催予定です。是非お気軽に御申込くださいませ。

    ◆2022年7月15日(金)10:30~12:00/ZOOM
    【無料/参加型オンライン勉強会】現場の1on1ミーティングに対して、人事はどんな支援・関わりができるのか?Growth Meeting(グロースミーティング)

    前回のGrowth Meetingの投影資料は、下記より無料ダウンロードいただけます。 【GrowthMeeting2022年6月】若手・新入社員の成長を支援するフィードバックとは

    「興味はあるけれど詳細を聞いてから検討したい…」という方は、まずはお気軽に下記よりお問合せ・資料請求くださいませ。

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    時代の変化が早くなり、育ってきた環境が年々変化しているため、新入社員の育成が難しくなってきています。今まで通りの育成では、今年の新入社員の成長に合致しないこともあるかもしれません。 今年の新入社員の皆さんが自社で活躍してくれるようになるためには、どのような育成を企画すればいいのか、ぜひ一緒に考えていきましょう。

    皆さまのご参加をお待ちしております。

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