2022/6/29作成ー
2022年6月23日に『当事者意識・主体性を解放する研修企画できていますか?─講師・ファシリテーターが関われること─』をテーマに、対話で育む勉強会を開催しました。
(参加者数:9社13名)
今回の勉強会の費用については、Peatixの手数料を差し引いた11,076円を認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ様へ寄付致しました。
全国に約6,000箇所広がるこども食堂を通じて、子どもたちの食育を応援したいと思います。
目次
組織の中で人材開発や組織変革に取り組んでいる方々が集い、人材開発・組織開発に関する様々なテーマについて、対話を通して学び合う、アーティエンスが月1回開催している勉強会です。
人事や経営者、研修講師、コンサルタント、弊社メンバーなど多様な方々に参加いただいています。
この勉強会では、知識の単なるインプットや専門家からのアドバイスを聞いて終わりではなく、参加者同士の相互作用の中から、人材開発・組織開発の実務家としていかに活用していくか?を探求していく安心・安全な対話の場・コミュニティを目指しています。
人材開発・組織開発の領域は、日々進化し続けています。
時代遅れのアプローチにならないように、また机上の空論にならないように、手触り感のあるテーマや内容を扱っていきます。
ご参加前の知識レベル・精通度合いは全く問いません!ご一緒に、人材開発・組織開発を学んでいければ嬉しく思います!
勉強会の内容の一部をご紹介します。
事前課題として下記2つのコラムを読んで感じた気付き・発見、もやもや・よくわからないことをjamboardに投稿して頂いていました。
<事前課題コラム>
・社員の当事者意識を育む研修・ワークショップの創り方 ~人事が働きかけられることとは?〜
・社員の主体性を解放し発揮するためにできることとは? ~研修を起点とした主体性の扱い方を考える~
まず初めに、それぞれの気づき・発見を共有して頂き、対話をして頂きました。
そこでの対話の中では、このようなコメントがありました。
共有して頂いたあと、情報提供として、アーティエンスが考える当事者意識と主体性の定義や、それらを持つことで変わることについてお伝えしました。
当日の資料はコチラから無料でダウンロードして頂けます。
※当日の資料の一部
ワールドカフェに入る前に、言語化しやすくするために、個人ワークとして次の問いについて考えて頂きました。
グーグルフォームを通して、上記内容を内省いただきましたので、回答の一部をご紹介します。
Q1.『受講生・参加者の当事者意識・主体性の発揮』について、『あなたが大切にしている』あり方・考え
・一般論ではなく、自分事として考えてもらう。主語を自分、自組織、自業務として考えてもらう。
受け身ではなく、自発の主体性を発揮できる環境を作りだす。(大手IT企業社員)
・「どうしなければならないか」ではなく「どうしたいか」「どうありたいか」という「願望」を明確にしてもらうこと。ポジティブなアプローチ。(HR企業経営者)
Q2. 『あなたが大切にしている』あり方・考えを、研修・ワークショップの現場でどのように体現(態度・立ち振る舞い・行動・言動)していますか?
・テーマに対して、主語を他者ではなく、自分に関わるものとして考えたり、ディスカッションするよう促す。正解・間違いはないので、考えたことを遠慮せず発言するよう促す。
(大手IT企業社員)
・「あるべき論」は言わず、「幸せなゴール」とそれを実現するための手段を考える対話の時間をしっかり取ること。(HR企業経営者)
4グループに分かれてワールドカフェを行いました。
ワールドカフェとは、カフェのくつろいだ雰囲気で行う対話のことです。
Round1の対話では『研修・ワークショップ内で、参加者が当事者意識と主体性を発揮している状態とは?』をテーマにしました。
参加者から、どのような行動・言動があるのだろう?
参加姿勢や、態度はどのような態度だろう?
そして、どのような感情を持ち、何を考えているのだろう?
ということについて対話を行い、各グループでjamboardに記載して頂くやり方をしています。
Round2ではグループをシャッフルしてグループで話したことを共有しながら新たなテーマについて対話し、Round3で元のグループに戻るような流れで進めていきました。
Round3までを終えた各グループの対話の記録を共有致します。
※1グループはjamboardではなく、メモで行いました
それぞれのテーマで話した内容を全体でもシェアを行い、それぞれに新たな気づきや認知の広がりを感じていただけている方もいらっしゃいました。
参考資料として、ワールドカフェの問いの創り方に関して、解説も致しました。
ワールドカフェの中で、様々な意見を受け取りましたので、内省の時間を設けました。
こちらもグーグルフォームを通して、上記内容を内省いただきましたので、回答の一部をご紹介します。
【受講者の回答の一部】
Q1. ワールドカフェを終えて、発見・気付き・学びと、もやもや
・研修受講者に対してマイナスな面(できてないこと・足りてない点)に目を向けがちだが、引き出せてない・発揮させられてないだけであり、関わり方によって引き出すことができること。
ただ、引き出すには相当のファシリテータースキルが必要になりそうなこと。(大手IT企業社員)
・受講者の「感情」がどんな状態になったらいいかを意識した研修設計が大事だ。モヤモヤは「当事者意識」って何だろう?どうしたら研修で育まれるだろう?(HR企業経営者)
Q2. “①” を踏まえて『受講生・参加者の当事者意識・主体性の発揮』について、『あなたが大切にしたい』あり方・考えや、探求したいこととは?
・当事者意識や主体性の発揮は押し付けるのではなく、引き出す・発揮できるようアシストすること。(大手IT企業社員)
・仲間意識、目的意識、責任感(どう貢献するか)。この三つを受講者の中に育むことかなと。それを検証していきたい。(HR企業経営者)
Q3. “②” を踏まえて、研修・ワークショップなどでどのような行動を起こしますか?もしくは行動を止めますか?その変化によって、参加者・受講者にどのような影響が出ますか?
・やめること:受動的な主体性発揮の強要(大手IT企業社員)
・上記三つ(仲間意識、目的意識、責任感)を感じる、明確化するゲームや対話のワークを提供する。(HR企業経営者)
内省を終えた後、最後にチェックアウトとして、グループで感想を伝え合って終了しました。
勉強会終了後の参加者の方の声の一部を共有します。
・当事者意識と主体性の意味には明確な違いがあること。主体性は育むのではなく、発揮できるようサポートすることが重要であること。
・受講者がどんな感情になったらいいか「感情のゴール」を意識して研修を設計したい。「当事者意識」とは何か?どんな要素があるか?研修内で育むには?を探求したい。
皆さん、短い時間の中でしたが、気づきや学びがあったようでした。
勉強会での対話を活かして、現場にどう繋げるかのヒントとなれば嬉しく思います。
本日は、当事者意識・主体性を解放する研修企画というテーマで、ワールドカフェを通して探求しました。
ワールドカフェで言語化する中で、自組織について振り返れたという方もいれば、他社さんの取り組みを聞いて意識が変わったという方もいらして、それぞれに持ち帰って頂けているようで嬉しく思います。
勉強会は1時間半という短い時間ですし、対話を通してすぐに正解が出せるわけではありませんが、是非、勉強会を通して気付いたこと、モヤモヤしていること、取り組もうと決めたことなどを大切に、小さな一歩を踏み出していただくきっかけとなれば嬉しく思います。
アーティエンスの勉強会は、勉強会で得たヒントを活かして自組織で少しでも行動して頂けることを目指しています。本日の勉強会での学びをぜひ、行動に移していただければと思います。
行動していく中でまた壁にぶつかることもあると思いますので、その際はぜひお気軽にご連絡を頂ければと思います。
最後になりますが、私たちは、当事者意識・主体性を、とても大切にしております。
この二つが解放されれば、「人材開発も、組織開発も、ほとんど成功した」と言っても構わないとさえ思っています。だからこそ、私たちも真摯にこのテーマに向き合い続けたいと思っています。
2022年7月20日(水)に「管理職に必要なファシリテーションとは? ─タスクとメンテナンスから考える─」をテーマに勉強会を行います。
◆勉強会概要
日時 :2022年7月20日(水)10:30-12:00
場所 :オンライン(ZOOM使用)
参加費:1000円
詳細・お申込:https://artience0720.peatix.com/
※ お支払いいただいた参加費は、Peatixの手数料を除いた上で、慈善団体に全額寄付します。
◆こんなお悩み・想いをお持ちの方におすすめです
・日々の会議や1on1ミーティング等で、メンバーからの発信が少ない、受け身姿勢が目立つ等で悩んでいる
・管理職に不可欠なファシリテーションスキルの向上に向けたヒントを得たい
・「組織をより良くしていきたい」「その人らしく活躍できる人材を育成したい」という想いを持った仲間とつながりたい
◆内容に関して
突然ですが、皆さんの職場や組織の“会議の品質”は、高いと思いますか?
それとも、そこまで“会議の品質”に対して意識を向けたことがないでしょうか?
会議の品質を高めていけると、職場の生産性向上、メンバーの当事者意識・主体性の醸成、決定事項へのコミットメントが高まったり、新たなアイディアも出やすく、組織全体へ大きなメリットをもたらします。
そのような品質の高い会議を行っていくために、管理職は重要なキーパーソンとなります。
管理職は、自身の部内会議もあれば、他部署との会議、そして経営層・事業責任者との会議など、日々さまざまな会議に参加しています。
そのような会議の品質を高めていくために、管理職はどのようなスキルを身に着け、どのようにメンバーや会議の場に対して関わっていけるとよいのでしょうか?
この問いに対して、ファシリテーターとしての基本スキル「タスクとメンテナンス」の観点から情報提供を行いながら、ご自身や自組織にあった具体的な施策を、対話やワークを通して考えていきたいと思います。
◆メインファシリテーター
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アーティエンス株式会社 代表取締役 迫間 智彦 (ハザマ トモヒコ) 2010年にアーティエンス(株)を設立。「学習する組織」や「シェアドリーダーシップ」の哲学・方法論をベースに顧客との共創・協働を大切にしている。自身も組織変革ファシリテーターとして従事。顧客の未来を考えて、今必要なものを共に探求し、実践することをポリシーとして持っている。 |
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アーティエンス株式会社 菊地 大翼 (キクチ ダイスケ) 大学卒業後、アルー株式会社に入社。法人研修の営業・コンサルティングに従事。主要クライアントとして、主に大手生命保険会社、大手証券会社、大手グローバルメーカー、大手エンターテイメント企業など、幅広く担当し自社内でトップの売上を達成。その後、商品開発部に異動し、新規商品の企画開発業務に従事。成人発達理論を活用した研修や、オンライン研修プログラムなどを開発。現在は、組織人事コンサルタントとして、人事制度の構築支援、成人発達理論をベースにした人材開発や組織開発コンサルティングに従事している。 |