2022/6/3作成ー
2022年5月25日に『これからの若手社員のキャリア形成とは?~組織主導から個人主導のキャリア開発へ~』をテーマに、対話で育む勉強会を開催しました。(参加者数:7社17名)
今回の勉強会の費用については、Peatixの手数料を差し引いた14,484円を認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ様へ寄付致しました。
全国に約6,000箇所広がるこども食堂を通じて、子どもたちの食育を応援したいと思います。
目次
組織の中で人材開発や組織変革に取り組んでいる方々が集い、人材開発・組織開発に関する様々なテーマについて、対話を通して学び合う、アーティエンスが月1回開催している勉強会です。人事や経営者、研修講師、コンサルタント、弊社メンバーなど多様な方々に参加いただいています。
この勉強会では、知識の単なるインプットや専門家からのアドバイスを聞いて終わりではなく、参加者同士の相互作用の中から、人材開発・組織開発の実務家としていかに活用していくか?を探求していく安心・安全な対話の場・コミュニティを目指しています。
人材開発・組織開発の領域は、日々進化し続けています。時代遅れのアプローチにならないように、また机上の空論にならないように、手触り感のあるテーマや内容を扱っていきます。
ご参加前の知識レベル・精通度合いは全く問いません!ご一緒に、人材開発・組織開発を学んでいければ嬉しく思います!
これからの若手社員のキャリア形成に必要な考え方を学び、その中で自組織にあったキャリア支援について共に探求していきました。
当日は、以下のアジェンダで勉強会を進めました。
勉強会の内容の一部をご紹介します。
事前課題として下記2つのコラムと、講義内容の資料を通して感じた「自組織にとって、若手社員のキャリア支援の問題」・「問題に対して取っている対策、その結果」の2つの観点に関して、jamboardに投稿して頂いていました。
<事前課題コラム>
・新入社員・若手社員の「分かりやすく伝えるコミュニケーション」を促すために人事・上司ができることとは
・若手社員の従業員エンゲージメントを高めるための施策とは?
まず初めに、それぞれの気づき・発見を共有して頂き、対話をして頂きました。
共有して頂いたあと、情報提供として、
・人中心の組織運営に関して
・従業員エンゲージメントと、ワークエンゲージメント
・技術的成長と、精神的成長
についてお伝えしました。
当日の資料はコチラから無料でダウンロードして頂けます。
※当日の資料の一部
「従業員エンゲージメント」「精神的成長」「技術的成長」の3つのテーマの中からご自身が話したいテーマを決め、それぞれのテーマごとに分かれて対話を行いました。
勉強会の中で出てきた問題意識や対話を一部ご紹介します。
・若手社員とのコミュニケーションが難しいというシェアから、特に若手社員との価値観の違い、仕事に対する姿勢やお客様との向き合い方などに多くのギャップが出てきているのではないかという課題意識から対話がスタートしました
・若手社員とのコミュニケーションを通して、彼らのエンゲージメントを高めていくにはどのようなアプローチが効果的かを探求していきました。その中で、お役立て頂けそうな2つのコラムの情報提供を行い、入社前後のギャップであるリアリティ・ショックを軽減しエンゲージメントの低下要因を減らすこと、若手社員との日々の対話や1on1を通して、自己決定理論の「自律性、関係性、有能感」にどうアプローチするか?といった対話をしていきました。
※管理職研修「困難を乗り越えるチームを創るワークショップ ~思考の質向上編~」より抜粋
※参考コラム
・中途社員の早期離職を防ぎ即戦力へ―テレワーク環境でのオンボーディング、どう支援していくべき?
・21卒新入社員の成長を加速させる目的・目標の伝え方とは?-数値からひも解く【Growth結果レポート6月】
対話をしていく中で、若手社員だけに特化してエンゲージメントを高めようとしても難しく、周囲や組織の成長度合いが追いついていないと意味がないのではないかという意見もあり、最終的に、エンゲージメントを高めることが目的ではなく、なぜ高めたいのか?何のために高める必要があるのかを再確認して、組織全体を見て従業員エンゲージメントを高める施策を検討していく必要があるのかもしないという話をして終了となりました。
精神的成長といっても各々認識が異なっている可能性が高いため、一般的に言われている精神的成長についての情報提供から始まりました。
精神的成長を高める要素として3つあると言われていて、
ことです。
この情報を踏まえたうえで、モヤモヤしていることを共有していきました。
・人は教えても変わらない、自分が気が付かないと変わらないのではないか、という問いをテーマに行った対話では、そのような疑問はあるかもしれないけど、だからと言って精神的成長を求めていることを表明しなくなってしまうと、そこから精神的成長は望めなくなってしまう。なぜ精神的に成長して欲しいのかを忘れないようにすることが大事、という話をしました。
・精神的成長は成長しているのかが見えにくいため、どのように成長していることを伝えられるといいのか、という疑問については、相手に問いを投げかけながら確認していくのがいいかもしれない、という案や、仕事での言動に何かしら表れているはずだからそれに気が付いてポジティブフィードバックをできるといいのかもしれない、という案が出てきました。
後半には、どんな時に精神的成長を感じた?という問いから自身のことを振り返り、精神的成長には技術的成長が伴っていることに気が付きました。
精神的成長のみを高めることに注力しても難しく、技術的成長と共に高めていくことになるのかもしれないという気づきを得て終了しました。
・カンパニーセンタードからピープルセンタードに移行は本当に機能するのか? 「自主性に任せると受講しない」、「自身の役割とまったく異なる研修を受講する」などが発生するという風に話が進んでいきました。
組織として、どのようにピープルセンタードを扱っていくかを探求していく必要があり、組織側が求める技術的成長も明確にしながら、本人の自主性をどう育んでいくかがポイントになっていくのではないかという話になっていきました。
・スキル研修を学んだ後に、研修後の行動変容を促すにはどうしたらいいか?
「現場の上司がフォローしてくれない、現場の上司が研修で何をやっているか分かっていない」、「参加者がやらされ感になっていて、学ぶ準備ができていない」などの悩みが出てきました。
上司の研修への理解や協力は、受講生への学びに対して影響がとても大きいと言われています。
※2021年9月Growth Meeting投影資料より抜粋
右の資料を見ると、研修前後の現場マネージャーから受講者への働きかけは、研修効果を高めることに有効であることが分かります。(ただし実際に、マネージャーの働きかけは低いという現状のようです。)
こちらの資料を含む人材育成の基本となるOJT(On the Job Training)、Off-JT(Off the Job Training)、SD(Self Development)に関する情報をまとめた資料はこちらから無料でダウンロードして頂けます。
「上司をどのように巻き込むのがいいのか?」に対して、「受講生から上司に対して事前インタビューをする」、「(時には)上司も一緒に研修に参加する」、「人事から事前に丁寧に説明する」などのアイディアも出てきました。
「参加者がやらされ感になっていて、学ぶ準備ができていない」に関しては、レディネスをどのように高めていくかを考えていくというところで話は、時間の関係上、終わりました。
また行動変容を促すためには、「研修内で自身の課題とラーニングポイントを結びつけること」や、「現場での活用イメージをいかに持てるか」という話になっていきました。現場での継続性の話も出てきましたが、時間の関係上、対話は終了しました。
それぞれのテーマで話した内容を全体でもシェアを行い、それぞれに新たな気づきや認知の広がりを感じていただけている方もいらっしゃいました。
勉強会終了後の参加者の方の声の一部を共有します。
・自社にはどのような研修が必要なのか、色々試したり積み重ねてばかりで整理しきれていないなと気が付きました。今の目的に立ち返ってもう一度考えたいと思います。
・精神的成長は何のために必要なのか。持ち帰って考えてみようと思います。
・行動変容をどう促すか?
・若手の育成の難しさを実感した。
・参加されて話をさせて頂いた会社の方々は、皆さん会社も仕事も好きだと言われていたことがとても印象に残りました。
・ブレイクアウトルームで、年上の方々だけが話しているときは停滞感があって、次のブレイクアウトルームで人員が変わって若手が話すようになったら進展があったのが面白かった。このようなことを大切にしないといけないと思った。
皆さん、短い時間の中で考えたいことが出てきたようです。
勉強会での対話を活かして、現場にどう繋げるかのヒントとなれば嬉しく思います。
勉強会の最後に、参加して終わりではなく、今後も今回のテーマについて考え続けてもらうために問いをプレゼントしました。モヤモヤを大切に探求していただければ嬉しく思います。
今働いているのは、会社が好きだから?それとも仕事が好きだから?その理由は?
精神的成長を促すのは、なんのため?
ポジティブに行動変容を促すには?
勉強会は1時間半という短い時間ですし、対話を通してすぐに正解が出せるわけではありませんが、是非、勉強会を通して気付いたこと、モヤモヤしていること、取り組もうと決めたことなどを大切に、小さな一歩を踏み出していただくきっかけとなれば嬉しく思います。
弊社の勉強会は、アウトプットするまでが勉強会です!現場でまずは皆さん自身が、行動に移していただければと思います。
2022年6月23日(木)に「当事者意識・主体性を解放する研修企画できていますか?─講師・ファシリテーターが関われること─」をテーマに勉強会を行います。
ぜひお気軽にご参加ください。
◆概要
「当事者意識を持ちなさい!」、「主体性を発揮しなさい!」と伝えたところで、人は変わりません。
では、人が当事者意識・主体性を持ち、それらを発揮していくには、どのような取り組みが必要となるのでしょうか?
この問いに関して、対話を深めながら、自組織にあった施策を探求していきませんか?
◆こんなお悩み・想いをお持ちの方におすすめです
・研修やワークショップ、会議等で、参加者の当事者意識・主体性が低く、悩んでいる
・何となく「当事者意識」「主体性」という言葉を使っているが、正直、よく意味がわかっていない
・「組織をより良くしていきたい」「その人らしく活躍できる人材を育成したい」という想いを持った仲間とつながりたい
◆イベント概要
日時 :2022年6月23日(木)10:30-12:00
場所 :オンライン(ZOOM使用)
参加費:1000円
※ お支払いいただいた参加費は、Peatixの手数料を除いた上で、慈善団体に全額寄付します。
◆ご参加いただける条件
「組織をより良くしていきたい」「その人らしく活躍できる人材を育成したい」という想いを持った仲間を、私たちは増やしたいと思っています。その想いに共感いただける方でしたら歓迎します。
※ 当日は、カメラ・マイクオンでご参加いただきます。リラックスできる環境でご参加下さいませ。
※ 所要時間 5~10分程度の事前課題がございます。
※ 初めてご参加いただく方は、事前に確認のご連絡(メールもしくはお電話)をさせていただく場合がございます。
※ 弊社社員も4〜5名参加し、初めて参加される方でも安心な場づくりを行いますので、お気軽にご参加くださいませ!
◆私たちの想い
コロナ禍の2021年2月より、アーティエンスの人材開発・組織開発をテーマに扱った社内勉強会を一部のお客様やパートナー講師に開放してきました。始めは読書会でしたが、2021年5月から管理職をテーマに勉強会を実施してきました。多様な方々が集うことで、その相互作用の中から多くの気付きや新たなアイディアがうまれ、私たちにとって大切な“学びの場”になっていきました。
VUCAともいわれる未来予測が困難な時代、過去の成功体験や常識を手放し、臨機応変に考えて行動し、試行錯誤を続けていく重要性がより一層高まっています。
先例のない状況に対する不安や恐れを共有し合いながらも、同じ問題意識や想いを持った仲間と共に学び合い続けたい。そんな想いから、2022年度はより多くの方々に勉強会を開放していきたいと思っています。
良質な学びの場にするため、今まで以上に勉強会の企画と準備を行うと共に、下記3点を大切にしていきます。そして、ご参加される方にも大切にしていただきたいと考えています。
ご一緒に、素晴らしい学びの場を創っていきませんか?
◆『対話で育む「私たちの人材開発・組織開発」』でお約束すること
・人材開発・組織開発の知識や、すぐに活用できるツールなどをお渡しします
・ともに学習する素晴らしい仲間がいます
・学習効果が継続する”モヤモヤ”をお渡しします
◆メインファシリテーター
![]() | アーティエンス株式会社 代表取締役 迫間 智彦 (ハザマ トモヒコ) 2010年にアーティエンス(株)を設立。「学習する組織」や「シェアドリーダーシップ」の哲学・方法論をベースに顧客との共創・協働を大切にしている。自身も組織変革ファシリテーターとして従事。顧客の未来を考えて、今必要なものを共に探求し、実践することをポリシーとして持っている。 |
![]() | アーティエンス株式会社 菊地 大翼 (キクチ ダイスケ) 大学卒業後、アルー株式会社に入社。法人研修の営業・コンサルティングに従事。主要クライアントとして、主に大手生命保険会社、大手証券会社、大手グローバルメーカー、大手エンターテイメント企業など、幅広く担当し自社内でトップの売上を達成。その後、商品開発部に異動し、新規商品の企画開発業務に従事。成人発達理論を活用した研修や、オンライン研修プログラムなどを開発。現在は、組織人事コンサルタントとして、人事制度の構築支援、成人発達理論をベースにした人材開発や組織開発コンサルティングに従事している。 |