コラム

新入社員・若手社員の「分かりやすく伝えるコミュニケーション」を促すために人事・上司ができることとは

スーツを着た女性が提案している

2022/5/11作成ー

新入社員が配属され、報連相が分かりづらいなど新入社員の伝える力に対して、お悩みを持たれている方や、若手社員の企画時・営業の際のドキュメンテーション力・プレゼンテーション力に対しての育成に難しさを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

新入社員・若手社員に依頼した仕事に対して、期待通りでなかったり、何を言っているのかが分かりづらくイライラしてしまうこともあるかと思います。

新入社員・若手社員が分かりやすく伝えてくれるようになるために、どのような育成を行えばいいのでしょうか。

今回は、新入社員・若手社員の「分かりやすく伝えるコミュニケーション」を促すために人事・上司ができることを考えていきたいと思います。

 

1)仕事で欠かせない「分かりやすく伝える」コミュニケーションスキル

仕事は人とのコミュニケーションによって進んでいきます。

例えば、自分が伝えたことと相手の理解に認識の齟齬があると、仕事は進まず混乱が生じてしまいますし、良いアイデアが思いついたとしても、それを上司や顧客に伝えることが出来なければ、そのアイデアが実行されることがありません。

特に新入社員・若手社員は、分かりやすく伝えるスキルがないために、自分の意見を受け入れてもらえなかったり、上司や顧客とのコミュニケーションが上手くいかなかったりし、コミュニケーション自体に苦手意識を持ってしまう可能性もあります。
そうすると、自分が何言ってもダメなのかも…と落ち込み、仕事へのモチベーションが下がってしまうということも考えられます。

コミュニケーションの中でも仕事を進めるために必要不可欠な「分かりやすく伝える」ことは、誰にでも必要で、誰でも身に付けることができるスキルです。

日本の教育では、ディスカッションやプレゼンテーションなど、自らの意見を伝えるという機会が少なく、あまり経験がありません。(今でこそ少しずつ増えてはきていますが。)
そのため、社会人になってから、相手が分かるように伝えることへの苦手意識を持っている人も多く見られます。

新入社員・若手社員の「分かりやすく伝える」ことへの悩みを解消し、上司・チームや顧客とのコミュニケーションを円滑にするための育成方法を、本コラムでお伝えしていきます。

 

2)「分かりやすく伝える」ができている人とできていない人の違い

分かりやすく伝えることが、できている人と、できていない人の違いはどういう所にあるのでしょうか。
アーティエンスの要件定義力研修でも使用している例を元に考えてみましょう。

下記は、インターネット広告代理店とは、について質問したときの回答です。
説明AとBどちらが分かりやすいか、そしてそれはなぜなのか考えてみてください。

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※ 当社、要件定義研修テキストより一部抜粋

このように全く同じことを話していても、分かりやすさが全く異なることが分かると思います。
話が分かりやすいと、誤解も生まれにくいですし、コミュニケーションの時間も短くなりスムーズになります。

続いては、新入社員・若手社員に分かりやすい伝え方を身につけてもらうための育成施策案をお伝えします。

3)「分かりやすく伝える」コミュニケーションの育成方法

「分かりやすく伝える」を意識してもらうためには、4つのポイントがあると考えています。

4つのポイントと言うのは、
●構成を考える
●結論から先に述べる
●状況説明は5W2Hを意識する
●伝え方の重要さを知り、実践する
です。順番に見ていきましょう。

① 構成を考える

1つめのポイントは、構成を考えて伝えてもらう、ということです。
例えば、先ほどの例の説明Bでは、まず、インターネット広告代理店とは「何か」を伝え、その後に「なぜ」インターネット広告代理店が必要かを背景も含めて説明しています。そして最後にインターネット広告代理店は「どのような」活動をするのかを伝える構成になっていました。

一方、説明Aでは、様々な状況の話が混ざっていて、構成がよくわからない状態になってしまっていました。

このように、持っている情報が同じだとしても、構成を意識できているか否かで、相手の理解のしやすさは変わってきます。

新入社員・若手社員が慣れないうちは、簡単なフォーマットを作成して活用してもらうようにしたり、新入社員・若手社員が話したことを、見本として分かりやすくまとめ直して伝える、ということをすると、伝え方のイメージが湧き、改善しやすくなるかと思います。

業務でよく使われる構成のパターンを2つご紹介しますので、まずはこれらの構成を意識してもらうように新入社員・若手社員に伝えてみてください。

2W1Hとホールパート法
※ 当社、要件定義研修テキストより一部抜粋

② 結論から先に述べる

2つ目のポイントは、結論から先に述べてもらう、ということです。
相手の時間があまりないなど、説明にそれほど多くの時間を取れない場合は、「結論から先に述べる」ことが大切になります。

結論というのは、場合によって内容が変わってきますが、先ほどの例の場合は、インターネット広告代理店とは何かを質問されているため、インターネット広告代理店の概要を伝えることが結論となります。

新入社員・若手社員でよくある相談については、まず「何に関する質問なのか」、「自身の考える仮説(仮説がない場合は無い旨)」を先に述べるようにしてもらい、その後具体的な状況を説明してもらうようにすると、分かりやすいということを伝えてあげると、意識してくれるようになっていくはずです。

③ 状況説明は5W2Hを意識する

3つ目のポイントは、状況を説明してもらうときは、5W1Hを意識してもらう、ということです。
状況によっては、必ずしもすべての要素が必要となるわけではありませんが、必要であるときに要素が抜けていると、共有不足や大きな伝達ミスが生じ、業務遂行に支障が出ることがあります。

新入社員・若手社員には、今から自分が話すことについて、5W1Hで抜け漏れがないか一度確認してもらってから伝えてもらうようにしてもらうとミスを軽減することができます。慣れるまでは、簡単な5W1Hのフォーマットを作って、それに書き出してもらう、という作業を行ってもらってもいいかもしれません。
要件定義を上手に進めていくためのポイント
※ 当社、現場体感・実践研修テキストより一部抜粋

④ 伝え方の重要さを知り、実践する

最後4つ目のポイントは、伝え方の重要さを知り、実践する、ということです。
ここまで見てきたように、仕事はコミュニケーションによって成り立っています。伝え方が悪くて相手がスムーズに理解できないと、認識に齟齬が起きる可能性が高まりますし、抜け漏れがあると、トラブルに繋がりかねません。

しかし、新入社員・若手社員が伝えることの重要性を初めから理解しているかと言うと、中々難しい部分があるかと思います。
そのため、新入社員・若手社員が自身で、伝えることの重要性を理解し、伝えることの大切さを体験し、自身で気が付くことが必要です。「上司がOJTで伝えることの重要性を伝え、また新入社員・若手社員の伝え方に関して、フィードバックをしていくこと」や、組織(人事)が新入社員・若手社員の伝え方の重要さやスキル習得の機会を渡していく必要があります。

参考までに、アーティエンスの要件定義力研修をご紹介します。1日の研修の大部分を、シミュレーションワーク(講師が上司役、受講生が部下役)に費やし、上記の3つのポイントを徹底的に意識して経験してもらいます。

3つのポイントを知っているだけでは、できるようになりません。シミュレーションワークや上司役の講師からのフィードバックを通して、新入社員・若手社員自身で伝えること、コミュニケーションの大切さに気付いてもらい、今後の業務にも繋げてもらえるように設計しています。

公開講座、派遣型共に実施していますので、ご興味ありましたらぜひお問い合わせください。

アーティエンスの要件定義力研修
公開講座の詳細はコチラ
派遣型のお問い合わせはコチラ

4)まとめ

「分かりやすく伝える」コミュニケーションは社会人として、誰にでも求められるとても重要なスキルです。社内や顧客との関係性をつくるためにも、仕事をスムーズに進めるためにも必要となります。

筆者も社会人になったばかりの頃は、報連相に苦戦し「ごめん、何が言いたいの?」と何度も上司に言われていました。
そこで始めて、「分かりやすく話す」事を意識し、失敗を繰り返しながら、上司と一番スムーズにコミュニケーションが進むやり方を見つけていきました。
スムーズに話ができると、自分にとっても有効に使える時間を増やすことができますし、何より、気持ちよく会話を終わらすことができることが気持ちよく感じていました。

社会人の始めのうちは、筆者と同じようにどのようにコミュニケーションをとるとスムーズに物事を進められるのかを新入社員・若手社員は失敗を繰り返しながら学んでいくことになるかと思います。
その際に、今回のコラムのような内容をお伝えしながら育成できると、成長スピードを速めることができるのではないか思います。

一番よくないのは、新入社員・若手社員がコミュニケーションをとるのが苦痛になり、コミュニケーションに苦手意識を持ってしまう事です。
このような状態になってしまうと、特にミスをした場合などはより報告が遅くなり、大きなトラブルに繋がりかねません。

社内や顧客との関係性をつくるためにも、「分かりやすく伝える」というコミュニケーションスキルの育成も支援して頂けると嬉しく思います。

何かご相談事がありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。