2021/11/18作成ー
本記事では2021卒を対象とした月に一度の振り返りツール【Growth】の2021年10月25日~11日5日の回答の結果(n=108/企業数17)を、回答結果の推移とともに読み解きます。
アーティエンスでは新入社員のセルフマネジメント力(※)・リーダーシップの向上を目的とし、振り返りツール【Growth】をご提供しています。
あわせて、人事・現場の育成担当の方々が企業を超えて対話し情報交換できる場【Growth Meeting】をセットでご提供しています。現在、無料体験サービスを実施中です。 (詳細・お申込みは最下部をご覧ください)
※新入社員が力強く成長していくために必要な4つの力(業務遂行力、巻き込み力、意義付け力、成長力)をまとめて、セルフマネジメント力と定義しています。Growthは、4つの力にリーダーシップを加えた5つの力への意識を高める設問となっており、日々の業務を振り返り回答することで、セルフマネジメント力とリーダーシップ発揮を促します。
目次
※ 9つの設問に対して'とてもそう思う'=5, 'そう思う'=4,'どちらともいえない'=3, 'あまりそう思わない'=2, 'そう思わない'=1にて算出 ※ 標準偏差とは、データのばらつき具合を示す数値のひとつ。数値が大きいほどばらつきが大きい
4月から継続して、平均値が最も高い設問はQ1でした。その数値は4月から下降傾向が続いていましたが、10月は前月より0.05ポイントアップしています。
▽2021年4~9月の半年間に実施したGrowthの全設問の数値結果の推移レポートを作成いたしました。下記より無料でダウンロードいただけます。
新入社員の状態の推移から育成施策の検討にご活用いただけます。
Q1の平均値が微増した背景として、以下の2点が仮説として考えられます。
1)10月1日に22卒の内定式が執り行われた企業も多く、21卒新入社員として「あと半年後に後輩が入社してくる」ことが現実味を帯びてきて、自身の学ぶ意欲が高まっていった。
2)9~10月の時期に入社半年のフォロー研修を行っている企業が複数あり、研修をきっかけに、学びへの意識が高まっていった。
上記2)に関して、弊社でもGrowth回答いただいている複数の企業様向けにフォロー研修を実施しています。10月にフォロー研修を実施させていただいた企業様の新入社員で、Q1に対して【5(とてもそう思う)の数値を付けている方】を付けている方のフリーコメントをみていきます。
・この前の新人研修の課題であるインタビューを通して、上司を巻き込んで仕事ができていたと初めて思うことができました。これからも積極的に関わっていきたいと思う。
・先日の研修の事前課題において、上司・先輩にインタビューをしたところ、想像以上に成長してくれているというお言葉をいただけたことが今私の誇れることです。
・先日の研修を通して、同期の仕事に対する姿勢を聞く中で自分では気付かなかったことがたくさんあり、とても参考になった。その中で「自分の意見を加えて答える」というのが、私はまだ分からないことばかりで自身の考えを持てず積極的に会話やコミュニケーションを図れていないなと感じたので改善していきたい。
フォロー研修を通して、
が高まり、さらなる学びへの意欲向上へと繋がったのかもしれません。
※ 弊社研修では、事前課題として上司・先輩・お客様へのインタビューワークを行っています。
今後の若手・新入社員向け研修の公開講座は、以下を予定しています。 【公開講座】成長力強化研修
より詳細内容をお知りになりたい方は、以下お問合せフォームよりお気軽にお問合せください。 お問い合わせ | 研修・セミナー 人材育成のアーティエンス
入社約7か月が経ったタイミングで実施した今回のGrowth。4月からの平均値はどのように推移しているのでしょうか? そこで、各設問の4月の平均値を100%(基準値)とし、それ以降の平均値の変動率を折れ線グラフ(ファンチャート)にしてみました。
※ファンチャートとは:ある基準となる時点を100%とし、それ以降の数値を基準となる時点に対する百分率で表示し折れ線グラフで表したもの。グラフが扇(ファン)を広げたような形をしていることからファンチャートと呼ばれる。
ファンチャートによると、Q2、Q3、Q4の平均値が、4月の平均値よりも高い数値結果になっています。上記結果から、どのような背景が見えてくるのか考えていきます。
Q2「遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれている」、Q3「周囲・上司を巻き込むことで仕事の品質は高まっている」という2つの設問の回答を通して、新入社員の「巻き込み力」の意識づけを行っています。
※「巻き込み力」の定義:周囲に主体的に働きかけられる意識とスキル
5月のQ2の結果を除き、4月から継続して下降トレンドにあったQ2とQ3の数値結果。
このタイミングで4月の平均値よりも高い数値結果となった背景には、巻き込み力の必要性をより実感し始めた新入社員が増えてきたからかもしれません。
11月に実施した新入社員研修(公開講座)にて、「任せられる業務量が一気に増えた」「一人で担当する業務が多くなり、先輩に逐一確認している」「単純作業ではなく、ちゃんと考えないと進まない仕事が多くなった」という新入社員からのコメントを多々耳にしました。
入社半年が過ぎ、任せられる仕事の量と幅が増加、上司・先輩に対して自ら働きかけていかなければ仕事が進まなくなり、巻き込み力の必要性をより一層感じていることが予測されます。
そのような環境変化において、Q2、Q3に対して【5(とてもそう思う)の数値を付けている方】を付けている方=自身の巻き込み力の向上を実感している新入社員のフリーコメントを紐解いていくと、以下3点のようなポジティブな影響を受けていることが見えてきました。
・9月に比べ、自分を客観的に見ることができるようになったと思う。覚えるだけでなく、何を目的として行うことなのかをはじめに考えたことで、仕事の質が高まっているように感じる。同時に、効率を重視すること、質を高めることの線引きがあいまいで、仕事の時間の使い方に関しては改善すべき点が多々あると考える。
・誇れることは、個人・チームの目標達成に向けてどういった行動をすべきか意識しているところである。申し訳なく思うことは、結果が追い付いていないことである。これから取り組んでいきたいことは、結果にこだわって、先輩方とよりコミュニケーションを取りながら業務に取り組むことである。
・無理・無駄を回避できるよう行動計画ができるようになってきたと思う。一週間の振り返りや、目標など、PDCAについて意識的に行動するようになりたい。仕事の一通りの流れを早く覚えたい。
・誇れること:先輩方のアドバイスをしっかり吸収し、仕事に落とし込めていること。
・最近はとても成長実感があります。ただ、もっと成果を出す営業マンになるためにはスキルアップがもっと必要なので、様々な経験を積みながら成長スピードを上げて行きたいです。
・参加する会議で自分の意見を発言することが増えてきているのは良いことであると思う。
・今月は一回挫折して、この仕事が向いていない辞めたいと思ったが、その気持ちを正直に上司に話すことができて、今後どのように行動していったら良いのか明確化されて、今は楽しく仕事ができている!
Q4「仕事において何を期待されるのかを知っている」、そしてQ5「自身やチームの目的・目標を意識することで、日々の仕事により意欲的に取り組めている」の2つの設問では、新入社員の「意義付け力」の意識づけを行っています。
※「意義付け力」の定義:仕事の目的。意義を把握し日々の行動へ紐づけられる力
Q4は、4月の回答開始以降、継続して上昇トレンドにあり、新入社員が「自身に対して期待されていること」への理解度は、月を追うごとに深まっていることが推測されます。
その反面、Q5の平均値は4月以降継続して下降トレンドにあります。両設問の数値結果から、「自身への期待や目標は理解しているが、それを自分ゴトとして捉えて行動する意識は弱い」ということが言えるかもしれません。
巻き込み力——周囲に主体的に働きかける意識・スキルを高めていくためには、上司・先輩など周囲からの定期的なコミュニケーションや新入社員が働きかけやすい環境創りも必要不可欠です。
テレワークだからこそ求められる管理職の'チームの心理的安全性'の創り方
また、意義付け力——仕事の意義や目的を把握し、日々の行動に紐づけていく力は、新入社員との相互理解を促進する対話や日々のインタラクティブなコミュニケーションの積み重ねによって、より強化されていきます。
それぞれの力を引き延ばす、新入社員とのコミュニケーションの量と質を高めていくためのより具体的な方法は、下記フォーマットより無料ダウンロードいただけます。
↑ ダウンロード資料の一例。コミュニケーションの「質」と「量」を高めるためのポイントや具体的な施策をご紹介しています。
11月は下記テーマでGrowth結果をもとに育成施策共有会(Growth Meeting)を実施しました。
■コミュニケーションの「量」を高める取り組み
― コミュニケーションツール
― 事例)弊社内の取り組み・抑えたいポイント
コミュニケーションの必要性を改めて考えていくにあたって、ある企業様の新入社員とトレーナーのGrowth結果から、現場で起こっていそうな状況やそれに対しての施策を検討していくワークを行いました。そこでは、以下のようなコメントがあがっていました。
・数値で可視化されると、新入社員とトレーナーとで認知が異なっていると気付いた。認知のギャップが生じている背景を対話していくことがまずは大切だと感じた。
・新入社員にとっての良いコミュニケーションとは「仲良くなること」、トレーナーにとっての良いコミュニケーションは「業務の本質的なことを話したり、将来のことを話し合ったりすること」かもしれない
・「この時間は新入社員の話を聴く」という時間を毎回設けることで新入社員の満足度やエンゲージメントも高まるのではないか
・トレーナーの本音としては、新入社員からの「他にできることはないですか?」のプラスαのひと言を求めているのかもしれない
また、自社の新入社員とのコミュニケーションに関する課題を整理し、施策などを共有し合い、自社で取り組みたい一歩を探求していきました。
・上長、トレーナーに対してもGrowthサーベイを行うと現場の状態が見えてくるので、今後の指導にも使えそうだなという印象を持ちました
・各社環境が異なる状況ですが、コミュニケーションについての同じような悩みもあり、伺えたお話が参考になりました。
・結果が数値で現れている=当社の現状を直視する時間でもあるので、数値に出てきているものを現場と共有することで、新入社員の成長支援に今後も繋げていきたいです。
・上長に4月~9月の推移結果を事務局の分析とともに共有しました。同一質問で推移を見ることに有意性を見出せたとのフィードバックをいただき、今後も継続したいと考えています。毎月の結果で一喜一憂するより、推移を掴むことにより、的確なフォローを提供できるようにしていきたいと感じています。
次回Growth Meetingでは、コロナ禍で2回目となった今年のオンボーディングを振り返りながら、新入社員の活躍を促すための「受け入れ方」について、皆さんと探求していきたいと思います。
※ 現在、3ヵ月間の無料体験を開催中です。ご興味ある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
弊社では、新入社員のセルフマネジメント力・リーダーシップの向上を目的とし、振り返りツール【Growth】をご提供しています。あわせて、人事・現場の育成担当の方々が企業を超えて対話し情報交換できる場【Growth Meeting】をセットでご提供しています。
月に1度、先述の9の設問、およびフリーテキストへの回答を新入社員へ促し、結果レポートを人事のみなさまへお送りしております。
おひとり様1回答500円(税別)ですが、現在、3ヵ月間の無料体験を開催中です!
Growth の具体的な活用事例を知りたい、興味はあるけれど詳細を聞いてから検討したい…という方は、下記オンライン無料セミナーもぜひ、ご検討ください。