研修・セミナーレポート

上司の「新入社員に対する意識」を高めていくには、どんな取り組みが大切ですか? セミナーレポート

新入社員研修

2021/11/17作成ー

本内容は、10月7日開催のセミナー『「気付いたら手遅れを防ぐ!」若手・新入社員の自律を育む、タイムリーなフォロー施策とは?』のセミナーレポートです。

今回、8名の人事・経営者の方にご参加いただきました。
(参加企業の業界:IT・テクノロジー業界、建設業界、精密機械業界、アパレル業界など)

1)セミナー概要

コロナ禍となり、在宅勤務が急増し、人事や育成側が若手・新入社員の状況をタイムリーに把握し、フォローする難易度が増しています。また、若手・新入社員自身も周囲からサポートを受けることが難しくなったため、自律(セルフマネジメント力)の強化が重要です。

本セミナーでは若手・新入社員のセルフマネジメント力を高め、タイムリーにフォローを行うことで早期離職の防止と活躍の促進を図るポイントを、事例を交えて紹介いたしました。

Growth

※当社「本セミナースライドより抜粋」

アジェンダ

・コロナ禍で生じた課題
―若手・新入社員の育成への課題
―若手・新入社員の育成課題が生じた背景
・コロナ禍の育成課題を乗り越えるためには
・お客様の成功事例から考える育成・フォローのポイント
・アーティエンスの取り組み

3つのポイント

・若手・新入社員を定期的且つ効率的にフォローしていくポイントがわかる
・他社事例を知り、時代に適した育成施策を得るためのコツがわかる
・パルスサーベイを具体的な施策に繋げるためのヒントを得られる

企業事例

セミナーでは、「成長実感の不足による早期離職」「仕事の意義・目的の把握が弱い新入社員」「テレワークによる新入社員の孤立化」などの課題を抱えるお客様が、どのようにして新入社員をフォローし、状況を改善させていったのか、具体的事例と共にお伝えしました。

 Growth

※当社「本セミナースライドより抜粋」

2)質疑応答

ここからは、セミナー受講者からの質問・感想について、共有していきます。

■質問

配属先の上司(またはトレーナー)が新人を放置してしまう部署があり新人のセルフマネジメント力も原因の一つだなと感じました。そもそもの話になってしまうのですが、上司が新人に意識が向くような方法はありますか?

回答

パルスサーベイを行うと、新入社員の状態が可視化されますし、その結果を基に、新入社員と上司で対話をするだけでも、上司の意識はかなり変わってくると思います。

例えば、ある企業様では、Growthのサーベイ結果を見ながら月1回の1on1を実施しています。 回答する新入社員としては、1on1の内容にも繋がる月1回のサーベイ回答の機会をより主体的に取り組み、日々の振り返りを行うようになり、上司としては、新入社員のサーベイ結果を見るのが楽しみになったと話していました。

その他、弊社では、新入社員とOJTトレーナーの合同研修を提供しています。研修の事前課題として、新入社員・トレーナー双方にGrowthサーベイを回答いただき、研修内ではその結果を見ながらダイアログを行っています。

9月8日開催「新人・OJTトレーナー合同研修」ー研修レポート

サーベイ結果を見ると、新入社員・上司双方の認知にズレがあることが多く、そのズレを対話を通して埋めていくことが大切です。なお、注意点としては、サーベイ結果が低い・高いで良し悪しを判断しないことです。「数値の背景には何があるんだろう」と対話を通して意味付けしていくことが大切です。

新入社員・上司のGrowthサーベイの比較レポートを御覧になりたい方は、下記から無料ダウンロードいただけます。

お役立ち情報一覧より【2021年8月 Growth結果レポート】をダウンロードくださいませ。

あとは、OJTを仕組みとしてしっかり整えることが大切です。 例えば、1on1を導入するにも、プロセルを丁寧にデザインしていくことが重要です。 弊社のOJTや1on1に関するコラムがご参考になるかと思います。

テレワークによる環境変化、OJTの役割はどう変わる? テレワークにおいても効果的な1on1を進め、定着させていく方法とは?

■質問

新人、トレーナー参加型となると、パルスサーベイの結果次第では関係性が悪くなることも考えられるのですが、講師側で何かフォローがあるのでしょうか。

回答

「サーベイの結果によって関係性が悪くなる」というよりか、「元々悪かったものがサーベイによって可視化される」だけかもしれません。

悪いものに無理やり蓋をすると、より悪化する可能性が高いため、改善していくためには、一度悪いものを出すというプロセスが不可欠になります。「蓋を開けて、悪いものを一旦出す」のは、怖い気持ちもありますが、蓋をしたままだと、本セミナーのタイトルにもあるように『気付いたら手遅れ』になってしまいます。 もちろん、研修内でフォローできる部分は、可能な限りフォローします。研修内でフォローが難しい部分については、現場に戻ってからも、新入社員と上司で対話をし続けたり、時には人事も介入しフォローしていくという対応が重要です。

先ほどお伝えした、新入社員・トレーナー合同研修に毎年ご参加いただいている企業様の事例です。仮に、トレーナーをAさん、新入社員はBさんとします。彼らはともに法人向けの営業職です。

9月8日開催「新人・OJTトレーナー合同研修」ー研修レポート

研修の午前中は、トレーナー・新入社員が別々のクラスで半年間のリフレクションをメインとした研修を受け、午後からは両者合同で研修を進めていきます。

午前中のリフレクションで、Aさんは「Bさんのモチベーション維持やスキルアップもでき、トレーナーとして完璧であった」と振り返りを共有していました。一方の新入社員クラスでは、Bさんは「半年間、とても辛くしんどかった」と振り返ったそうです。

午後から合同研修となり、最後に、新入社員・トレーナー各々に宛てた手紙を作成し、読み合うペアワークがありました。普段は言えない感謝の気持ちを伝えるペアが多い中、Bさんは突如泣き出してしまい、「もう辞めたい、辛い…」とAさんに話されていました。トレーナーと新入社員の見えている世界にズレがあったんですよね。

Bさんの泣く姿を見て、Aさんはもう真っ青になっていました。研修の感想を伝え合うチェックアウトでは、「自分はトレーナー失格でした。この後すぐ会社に戻って、Bさんに何ができるかを真剣に考えたいと思います」と話されていました。

そして、この話にはアフターストーリーがあります。 なんと、翌年の本研修で、前年に新入社員だったBさんがトレーナーとして参加されていたんです。通常早くても4~5年経験を積んでトレーナーになるそうですが、2年目で大抜擢されたそうです。 Bさんにお話を聴くと、あの研修後、Aさんと「新入社員としての残り半年間をどのように過ごすか」を話し合い、お互いに目標や行動を決めていったそうです。その取り組みを通して、半年間でとても成長され、営業として・トレーナーとしてお仕事を楽しんでいらっしゃいましたね。

■質問

2年目、3年目の若手の離職を防ぐ方法はありますか?

回答

いくつか方法はありますが、まず前提として「何が離職の要因か?」を的確に把握していく必要があります。 例えば、“仕事の満足度”に関わる動機づけ要因を高めようとキャリア研修などを実施しても、“仕事の満足度”に関わる衛生要因が不十分であれば、離職は発生しやすくなります。

当社のあるお客様で、優秀な新卒を採用できるが、3~5年目になると採用人数の80%以上離職してしまう、という状況が発生していました。同社は衛生要因については十分満たされていましたが、動機づけ要因が不足していました。 そこで、同社の若手・新入社員を取り巻く環境(システム図)を、ご担当者様と共に作成し、課題として挙げられる仮説を考え、「成長する機会の提供」と「孤独感の解消」を主な目的として対策を行っていきました。

成長する機会の提供として行ったのは、定期的な他社との合同研修の実施です。孤独感の解消のためにはシスブラ制度を導入することで組織とのつながりを強化しました。

※上記お客様の事例をお伝えしたセミナーの実施レポートは下記を御覧ください。

若手の離職リスクに影響する成長予感を感じさせるには何が1番大切ですか? セミナーレポート

 Growth

※当社「本セミナースライドより抜粋」

3)受講者の声

セミナーを受講したきっかけ

・コロナ禍でテレワークが増えた。その中で若手・新入社員と、質の高いコミュニケーションを取りたい
・新卒で入社2年目の方々(特にコロナ化で入社された2020年入社)の離職が非常に目立ちます。
帰属意識の低さが原因かと感じておりますが、このような場合にどのような打ち手があるのか知りたいです。

セミナー受講後の感想

・セルフマネジメント力の意識付けが弱かったと感じました。
受け身な姿勢も原因の一つ。直接声をかけること、メールマガジン形式で情報発信することも面白いと思いました。 ・人事だけではなく、上司とのコミュニケーションを通して、期待されていることや仕事の目的を伝え続けることだ重要だと学びました。
・セミナーのテンポが良かった。気づきも多かった。
・他社の事例が聴講でき有意義でした。社内の問題点にも気づくことができました。

4)Growth・Growth Meetingのご案内

当社では、パルスサーベイGrowth・Growth Meetingを実施しています。

パルスサーベイGrowthとは、若手・新入社員の状態を把握するツールの一つです。
社員の方に月に1回、簡単な質問に答えて頂き、その数値やフリーコメントを見て課題を見つけタイムリーにフォローやフィードバックを実施します。 また、その結果を持ち寄って人事・育成担当の皆様が企業を超えて対話し、情報交換できる “学びの場”としてGrowth Meetingを月1回開催しています。

Growth結果や自社の課題、育成面の施策を共有・対話することで、新たな視点を持ち、貴社内の具体的な取り組みに繋げていただければ、とても嬉しく思います。弊社からもテーマに関連した人材育成に関するトレンド・ノウハウ等をご案内しています。

 Growth&Growth Meeting

次回のGrowth Meetingは、

12月17日(金) 13:00~14:30開催です。 【育成施策共有会(Growth Meeting)】新入社員が活躍するための「受け入れ方」―リモート時代のオンボーディング―

初回のみ、Growthを実施されていない方もご参加して頂くことができますので、少しでも興味を持って頂いた方は、ぜひご参加ください。

詳細、お申し込みはコチラからお願いいたします。

【育成施策共有会(Growth Meeting)】新入社員が活躍するための「受け入れ方」―リモート時代のオンボーディング―

また、Growthについて詳細を知りたいという方は、コチラからお問い合わせください。 詳細資料をお送りいたします。

お問い合わせはこちら

5)次回セミナーのご案内

当社では、管理職・経営者向けのセミナーを開催中です。

■11月30日13:30-15:30、12月9日13:30-15:30 コロナ禍はチャンス!新入社員が成長し続ける育成とフォローのポイントとは?【オンライン/無料/参加特典あり】

お申込み・詳細については、下記リンクよりご確認ください。

よろしかったら、シェアお願いします!
執筆者の励みになります。