研修・セミナーレポート

若手の離職リスクに影響する成長予感を感じさせるには何が1番大切ですか? セミナーレポート

新入社員と上司の面談

2021/9/22作成ー

本内容は、9月9日開催のセミナー『優秀な若手ほど辞めてしまう会社で何が起きているのか~中堅・中小企業の未来をひらくために必要なアプローチを考える~』のセミナーレポートです。

今回、12名の人事・経営者の方にご参加いただきました。(参加企業の業界:IT・テクノロジー業界、精密機械業界、電気・エネルギー業界、システム開発業界)

1)セミナー概要

やっと採用できた新入社員が活躍し、“いよいよこれから”というときに辞めてしまう。そんな経験ありませんか?

本セミナーでは、これまで約200社以上の中堅・中小企業の方々と共に組織に向き合ってきた中で見えた傾向や事例をご紹介しました。

優秀な若手ほど辞めてしまう会社で何が起きているのかセミナーのスライド※ 当社「本セミナースライドより抜粋」

当日のアジェンダ

・優秀な若手社員は、なぜ辞めるのか?
・若手社員の離職に向き合った企業事例
 組織からの本気の支援と、他社同期との触れ合いで、離職率低下&組織エンゲージメント向上

3つのポイント

・自社の課題を整理できる
・若手社員の傾向を知れる
・離職を押さえた他社事例知れる

企業事例

セミナーでは、優秀層を採用できるが3年目~5年目でほぼ退職してしまうというお悩みを抱えていた企業事例をご紹介いたしました。事例の企業様の当時の状況として、若手社員は会社に対して以下のような受け止め方をしていました。

若手社員の退職事例※ 当社「本セミナースライドより抜粋」

この企業様については企業様と一緒にシステム図を作成し、課題として挙げられる仮説を考え、「成長する機会の提供」と「孤独感の解消」を主な目的として対策を行っていきました。

成長する機会の提供として行ったのは、定期的な他社との合同研修の実施です。
孤独感の解消のためにはシスブラ制度を導入することで組織とのつながりを強化しました。

若手社員の退職事例※ 当社「本セミナースライドより抜粋」

このように対策を行いエンゲージメントを高めていった結果、3年後あたりで若手社員から「自分の会社の商品に誇りを感じる」というような声や「自分の会社が好きだ」というような発言が生まれるようになっていきました。

2)質疑応答

ここからは、セミナー受講者からの質問・感想について、共有していきます。

■質問
成長予感を感じさせるには何が一番大切ですか?

回答

成長実感と成長予感は相関が取れているため、まずは成長実感を育むことが重要となります。

若手の退職理由(成長実感と成長予感)※ 当社「本セミナースライドより抜粋」

成長実感をどのように育むかというと、自分がちゃんと成長していることを実感できる振り返りを行うと良いです。

そのための手段としては1on1やフォロー研修があります。1on1やフォロー研修の中で、ポジティブリフレクションやポジティブフィードバックを行っていただくことが成長実感を生むために重要と言われています。

フォロー研修研修については特に他社と合同で行うと効果が高くなります。理由としては、異質の目があるためです。自組織だけで見えている世界は狭くなってしまっていることもありますし、自組織の常識で見てしまいがちなのですが、他社の方から見ると「すごい!」という感想をもらえるようなことが起きます。そうすると、成長実感を得やすくなるということが言えます。

そして成長予感というのは、成長実感をどのように増やしていくのか、ありたい姿は何なのかを描くということが必要です。

今の特に若い方はキャリアとして目指すものを持っていない方もいらっしゃいます。その際は、仕事の中で楽しかったことや嬉しかったことなど小さな成功体験を強化していくと、ありたい姿が描けるようになっていき、成長予感ができるようになります。

成長予感については、こちらのコラムもご覧ください。
テレワークで高まる育成担当者(上司・トレーナー)の重要性。人事は何をすべき?

小さな成功体験を強化するために、小まめなポジティブフィードバックや、それが難しければ感謝を伝えるだけでも少しずつ変わっていくかもしれません。

■質問
研修制度はある程度充実させているつもりだが、若手の意識として投資してもらってるとまでは考えていないだろう。

回答

研修が当たり前となっていたり、研修が面倒と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

対策としては、研修受講者自身が研修効果(成長実感・スキル習得など)を実感できる高める設計にをしていくことが重要です。受講者が、「これだけ会社は自分に支援してくれているんだ」という認知に変わっていくことになります。それが、エンゲージメント向上につながります。

具体的な方法の一例としては、まずは研修前に研修受講者の受講への意識を高めていくことが重要となります。受講への意識を高めることで、研修効果が高まるという分析結果が出ています。研修前に事前ワークを行うと良いかもしれません。受講生の負担が多くなるような内容ではなく、簡単なアンケート程度の方が良いです。

意識が高まれば、研修効果は高まります。研修目的を最大限高める研修を実施します。研修後に受講生自身が受講したことによる変化などを認知できるアンケート・レポート等を用意するとよいでしょう。

下記は、当社若手フォロー研修(公開講座)を受講された方の一例です。

若手社員フォロー研修(受講者アンケート)※ 当社「研修ワークより抜粋」

■質問

今はコロナで在宅勤務が多いなどコミュニケーションが取りづらいことも、若手の「ほったらかされている」という意識を増幅させてしまっているように思います。孤独だという声も聴きます。

回答

仰る通りです。テレワークをしていない会社でも、ソーシャルディスタンスによって関係性を作りづらくなっているように思います。この際に必要となるのが心理的安全性という考え方です。「心理的安全性をテレワークでどのように作っていくか」を考える必要が出てきます。ほったらかされているや孤独感をどのようにフォローするかを、しっかりデザインすることが重要です。

よろしければこちらのコラムもご覧ください。

テレワークで高まる育成担当者(上司・トレーナー)の重要性。人事は何をすべき?

若手社員の状態をウォッチングする仕組みづくりとして、私たちはパルスサーベイGrowthを使用し、月に1回社員に簡単な設問に答えて頂き、数値の変化やフリーコメントからフォローやフィードバックを行うということを行っております。

若手社員フォロー施策※ 当社「本セミナースライドより抜粋」

3)受講者の声

セミナーを受講したきっかけ

若手社員の離職率の上昇
・若手社員の退社が多いため
今後中途採用を行う予定があるのですが、採用後の注意点を把握するべく拝聴致しました。

セミナー受講後の感想

若手の思考・行動傾向に合わせた対策がきけたことが特に有意義であった。どのような職場が理想か共に考えていきたい。

具体的な事例を学べたため。成長実感・成長予感を感じるための施策が必要だと感じました。それとともに特に女性のロールモデル(活躍している女性先輩社員)が少ないため、キャリアアップの仕組みをどう作っていくかを考えねばならないと思いました。

・若手社員とベテランの思考のギャップをどう埋めればよいか少しずつイメージができた。ブラシス制度はとても参考になった。

4)Growth・Growth Meetingのご案内

当社では、パルスサーベイGrowth・Growth Meetingを実施しています。

パルスサーベイGrowthとは、社員の状態を把握するツールの一つです。社員の方に月に1回、簡単な質問に答えて頂き、その数値やフリーコメントを見て課題を見つけタイムリーにフォローやフィードバックを実施します。

また、その結果を持ち寄って人事・育成担当の皆様が企業を超えて対話し、情報交換できる “学びの場”としてGrowth Meetingを月1回開催しています。Growth結果や自社の課題、育成面の施策を共有・対話することで、新たな視点を持ち、貴社内の具体的な取り組みに繋げていただければ、とても嬉しく思います。弊社からもテーマに関連した人材育成に関するトレンド・ノウハウ等をご案内しています。

若手社員フォローサービスGrowth※ 当社「本セミナースライドより抜粋」

次回のGrowth Meetingは10月18日(月)13:00~14:30です。

テーマ:成長実感から成長予感へ―「自組織での今後の成長ストーリー創り」、どうアプローチしていくか?

今回は、博報堂の人事部でマネージャー等もされていらっしゃった東京経済大学 コミュニケーション学部 特命講師の田村寿浩さんをお招きし、「キャリア自律」の視点から、その方法論の一つを提示し、対話を通して、新入社員の成長予感の高め方について考えていきます。

詳細、お申し込みはコチラからお願いいたします。

また、Growthについて詳細を知りたいという方は、コチラからお問い合わせください。詳細資料をお送りいたします。

5)次回セミナーのご案内

当社では、管理職・経営者向けのセミナーを開催中です。

■9月28日(火) 13:30-14:30
多くの役割と重い責任を抱えている管理職が組織変革を促すために必要な3つのポイント【オンライン/無料/参加特典あり】

■10月7日(木) 13:30-14:30
★若手の早期離職に課題がある方必見★「気付いたら手遅れを防ぐ!」若手・新人の自律を育む、タイムリーなフォロー施策とは?

―「配属後、若手・新入社員の状態が見えず、適切なフォローが難しい。彼らの早期離職に悩んでいる」といった課題へのアプローチ施策をお伝えします。

お申込み・詳細については、下記リンクよりご確認ください。

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