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テレワークによる環境変化、OJTの役割はどう変わる?

  • 育成・OJT

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テレワークという環境変化により、これからOJTの重要性はますます高まります。

同時に、育成において新しい課題意識が生まれており、OJTが持っている4つの役割(能力開発・自己啓発・目標達成・自律自走)をアップデートしていく必要があります。

新しい課題意識に対して、OJTの役割はどのようにアップデートしていくべきでしょうか。

1)OJTの4つの役割と新しい課題意識

OJTは、何のために行うのでしょうか?
一般的に、OJTを行う目的は下記と言われています
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# 当社OJTトレーナー研修のテキストから抜粋

簡単に1)~4)を、説明します。

1)部下の能力開発の促進

一般的なビジネススキル(マナー、ITスキル、ロジカルシンキングなど)から、業界知識や専門知識などのスキルを、習得することを指します。

2)部下の自己啓発の促進

社会人としての一般的な考え方(学生から社会人への意識変革)や、自組織が大切にしている文化・仕事への姿勢などを学び、適応することを指します。

3)組織の目標達成への貢献

組織に対して、価値発揮・貢献ができるようになることを指します。

4)部下の自律・自走の促進

上司・トレーナーの指導がなくなっても、パフォーマンスを発揮できるように自律・自走できる状態を目指します。

この4つの役割が、テレワークによりとても難易度が上がりました。
下記の赤字の部分がテレワークで難易度が上がった観点です。
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上記「OJTにおける新しい課題意識」に対し、どのように対応していくと良いのでしょうか。

2)テレワークにおける新しいスキルの能力開発は?

withコロナにより、新入社員・若手社員だけでなく、上司・トレーナー自身も共に学び続け、能力開発を行っていく必要があります。

知識習得の3段階モデル(エキスパートレベル)の重要性

知識習得の3段階モデルという考え方があります。
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# ジョナセンによる社会的構成主義の学習理論
どのレベルが良い悪いではありません。すべてのレベルが、知識習得では必要です。

withコロナの状況は、誰も経験したことがありません。そのような時は、エキスパートレベルで、新入社員・若手社員と共に考え、能力開発を進めていけるとよいでしょう。

緊急事態宣言の際にはお客様先へ訪問できなくなった企業も多いと思います。営業おいて、オンライン打ち合わせのみで受注するプロセスは、社内で誰も経験したことがない事例かもしれません。
こういった事例は、エキスパートレベルで考えていくのはいかがでしょうか。

「顧客からヒアリングしないといけないことや、ヒアリング方法」などこれまでの経験から確実に分かっていることは上司・トレーナーから提供し、オンラインで営業の場をどのようにハンドリングするかを新入社員・若手社員がアイディアを出すなどです。

経験したことがないよくわからない状況においては、対話を通して、共に解決策を模索していく必要があります。
共に考え創り上げ、改善していくと、新入社員・若手社員だけではなく、上司・トレーナも新しいスキルを習得していきます。

3)テレワークにおける新しい価値観への対応は?

価値観はどう変化するか?

with コロナにより、生きる目的・働く意義が大きく変わると言われています。まずは、世の中や価値観がどのように変わっていくかを紐解いていきましょう。

アーティエンスが、経営者・人事向けセミナーで、今後の価値観がどのように変わるかという資料をまとめましたので、ご紹介いたします。

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今回は、上記図の「就職と働き方」という部分に、注目していただきたいと思います。

テレワークという環境が当たり前になるため、簡単に副業もできます。会社として許可を出している場合はもちろんですが、許可を出していない場合でも、副業を行えてしまう環境でもあります。自身のしたい仕事を探して、副業もしくは転職することも可能です。

withコロナにより変わった価値観に対して、組織(人事)・上司・トレーナーができることは何でしょうか。
まずは新入社員・若手社員が異なる価値観を持っているということを、ただただ理解することがスタートです。

新入社員の状況を把握することが重要

価値観を理解するのは難しいことがあるかもしれません。

その時に、氷山モデルという考え方を通して、新入社員・若手社員を理解していくと良いでしょう。
目に見えているものよりも、個人の認知(世の中をどう見ているかや価値観など)を捉えにいきます。

コロナ禍により「新入社員が独り立ちできない」という課題は多く聞かれました。
「コロナ禍だから」、「最近の若手だから」ではなく、下記のように、氷山モデルに落としていきます。

今回は、ある新入社員が「営業として独り立ちできない」、「フィードバックを行っても改善傾向が見れない」という状況で何が起きているかという一例を出して、考えていきたいと思います。

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上記の「認知の状態」を見ると、「他責傾向」と「心からやりたい仕事探し」が見えます。
営業スキルを上げるのではなく、「学生から社会人への意識変革」と「キャリア形成のための指導」が肝になってくるのではないでしょうか。

「学生から社会人への意識変革」が行えていないのであれば、しっかり正していくことが重要です。

ただし、ただ厳しく注意するだけではなく、彼らの話をしっかり聞き、また周りのメンバーからもヒアリングを行い、現状を理解したうえでフィードバックを行う必要があります。

「キャリア形成のための指導」では、彼らとの対話により、共に創っていくことが重要です。

人はやりたいことは時々で変わっていきます。
また新入社員・若手社員が心からやりたいことや志を持っていることの方が少ないです。

そのため、新入社員・若手社員の話を聴きながらも、今行っている仕事に対して、やり方だけではなく、意味も伝えていく必要があります。
その意味が、新入社員・若手社員自身のキャリアにどうつながっていくかを、共に考えていくといいでしょう。

認知を捉えて、指導をするととてもパワフルに作用します。ただし、新入社員にとってはとても大切な部分である場合や、本人が自覚していない場合もあります。

他人の認知を把握するのはとても難しいことであり、あくまでも仮説でしかないという前提は心にとめておきましょう。

アーティエンスのOJT研修では、フィードバックの際に「認知」や「氷山モデル」の活用方法を学びますので、興味のある方はお問い合わせください。

4)テレワークにおける目標達成とは?

withコロナにより状況が日々変わることから、戦略・戦術などの変更が起きます。現場の目標も変わります。

そのため、目標が変わることに対してネガティブに捉えたり、そもそもテレワークという環境で、目標の変更を都度伝えていくことに難しさが出てきます。

目標の種類をどう扱っていくか?

まずは、上司・トレーナー自身が、目標の種類を知ることが必要です。
下記図で目標の種類をお伝えしていきます。
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意義目標は、大きいものだと経営理念やミッション・ビジョンなどです。

新入社員・若手社員が行う仕事に関して、上司・トレーナーは丁寧に仕事の意義を説明していくことも求められます。最近の若手は、仕事の意義を重要視するともいわれています。

#“「若い世代のモチベーションを理解すること」について考える”でも、若手のモチベーションについて書いております。仕事の意義(意味合い)をもっと知りたい方は、こちらをご覧ください

また上司・トレーナーは、成果目標や行動目標に対して、結果責任・監督責任を求められます。
(企業によっては、トレーナーにそこまで求められない場合もあります。)

テレワークでは、成果目標・行動目標の管理がより難易度が上がるという話をよくお聞きします。

「状況が見えないので、何に悩んでいるか、分からない」、「本当に行動量が担保できているか怪しい。さぼっているのではないか」などがよくお聞きします。どのように「成果目標・行動目標の管理」をしながら、新入社員・若手社員に「責任」を持たせていくかを考えていきたいと思います。

責任をどう持たせていくか?

テレワークで状況が見えないため、まず成果・行動のための計画を立てることが必要です。新入社員の場合は、まずは上司・トレーナーが作成するとよいでしょう。若手社員に関しては、自身でスケジュール管理をさせるとよいでしょう。

一例として、当社のOJT研修の育成計画のワークの解答例を抜粋して、説明します。
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上司・トレーナーが進捗管理を行えますし、新入社員・若手社員も成果目標と行動目標に対して意識が高まっていきます。

ポイントは、下記です。

1.ゴール設定をしっかり行っているか
2.任せる(自律自走)を踏まえているか
3.信頼関係を構築できているか

今回は、”2. 任せる(自律自走)を踏まえているか” に関して、詳しく説明していきます。

任せるということは、責任がついてきます。責任の構造と種類に関して、当社のOJT研修のテキストを一部抜粋して説明していきます。

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上記図の考え方を用いて、「育成計画を立てること」や「スケジュール管理を立てること」が重要です。テレワークで状況が見えなくても、進捗管理ができ、何より新入社員・若手社員も目標管理ができます。
withコロナで、自組織の戦略が変わったときも、現在あるものをアップデートしていけばいいだけです。

ただし一点注意が必要なのは、意義目標は伝え続けていく必要があります。意義目標を伝えないと、朝令暮改という印象が強くなり、行き当たりばったり感を与え、新入社員・若手社員のストレスが高まります。

# 「1. ゴール設定をしっかり行っているか」に関しては、別の記事“「部下の目標設定は【SMART】の法則+αを意識する”で説明しておりますので、こちらを参考にしてください。
# 「3. 信頼関係を構築できているか」に関しては、“成功循環モデル”という考え方を参考にしてください

5)テレワークにおける自律自走の促し方とは?

テレワークでは、今までのOJTでは自律自走が促されません。これは、新入社員・上司・トレーナーが悪いわけでもなく、withコロナにより育成環境の変化が原因です。

上司・トレーナーが1on1のスキルなどを高めていくことが重要ですが、最も必要なのは「新入社員のセルマネジメント力を高めていくこと」と「新入社員らしいリーダーシップの発揮」を促していくことです。

アーティエンスでは、セルマネジメントを下記と定義しています。
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「業務遂行力」は、今までも新人研修やOJTで意識されてきました。ただし、「自律自走を促すためには、「巻き込み力」、「意義付け力」、「成長力」が重要になります。

セルフマネジメント力を身につけると、下記のようなシステムが走ります。

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しかし、このシステムだけでは、一点弱点があります。自身への成長への意識が高まり、自利利他の利他の部分が弱くなります。
成長(戦力化)したら、転職してしまうリスクも考えられます。

そのためここで、「新入社員らしいリーダーシップの発揮」が必要になります。

前提として、リーダーシップとは、「目的・目標に影響(ポジティブ・ネガティブに関わらず)を与えること」という考え方が、現在主流の考え方ですので、その前提でお伝えしていきます。

新入社員に自身が周りに対して、ポジティブな影響を与えることを考えて、行動を促します。自身が周りにポジティブな影響を与えることで、自身にもポジティブな影響が返ってくるという体験を積ませます。

そうすることで、会社と共に成長しているという実感も強くなり、エンゲージメントも高まっていくでしょう。

当社では、「セルフマネジメントとリーダーシップ」を開発するための新入社員・若手社員研修はもちろん、新入社員・若手社員向けの「Growth」というパルスサーベイも提供しておりますので、ご興味がある方はぜひお問い合わせくださいませ。

6)まとめ ~トレーナーも上司も、学び続ける重要性~

with コロナで、求められるスキルも、価値観も変わりました。そして、市場の混乱はまだ続いており、これからも続くことでしょう。

OJTは、より難易度が上がります。だからこそ、まずは基礎スキルとして、OJTスキルを習得していくことが重要です。

そして、多くの変化があるので、今までのやり方に囚われるのではなく、新人研修・若手社員と共に、学んでいくことが重要です。新入社員・若手社員と上司・トレーナーとの対話からスタートしてみるといいと思います。

アーティエンスでは、下記研修を、派遣型でも、公開講座でも、提供しておりますので、ご興味がある方は是非ご連絡くださいませ。

OJTトレーナー研修
新入社員・OJTトレーナー合同研修


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