管理職研修は、組織に大きな影響を与えられる取り組みです。 もちろん、その影響はポジティブにもネガティブにも出る可能性があります。 自組織にマッチングした管理職研修を実施しないと、せっかく時間とお金をかけても、無意味になるどころか、逆効果になる可能性もあるのです。 お客様からよくこんなお声をお聞きします。 「研修をやっても変わらない(効果が分からない)」 「忙しい中さらに負担をかけられて、管理職がより研修に対してネガティブになった」 「変わってほしい人に限って変わらない」 今回のコラムでは、管理職研修が成功し、組織変革を推進する管理職研修について、具体的に考えます。
目次
まずはじめに、よくある管理職研修の失敗例をお伝えしていきます。、自社の管理職研修を振り返ってみてください。 管理職研修でよくお聞きする失敗としては、 1. 講師を重要視したが失敗 2. 流行りのコンテンツを取り入れてみたが失敗 3. 経営層に寄り添いすぎて失敗、管理職層に寄り添いすぎて失敗 があります。
経歴・実績十分の講師を選んだはずなのに、失敗するケースはよく起きます。
などなど。 受講中に上記の意識が高まると、研修途中で「この講師、だめだ」という意識になり、管理職の参加度合いが下がります。
人材開発・組織開発などのトレンドを踏まえて、実施したけれども失敗するケースも良く起きます。
などなど。 「自組織や自分には関係ない話」という意識になり、管理職は当事者意識を持ちません。
経営層、もしくは管理職層のどちらかのニーズを重視し過ぎて、失敗するケースもよく起きます。
などなど。 「予定調和、もしくは現場への迎合」になると、管理職は何も変わりません。 このような失敗を乗り越えていくためにはどうしたいいのでしょうか? アーティエンスでは、管理職研修はデザイン(企画)が、肝だと考えています。 「企画をしっかり考えていくこと」=「デザイン」で、これらの失敗を防ぐことが可能 になります。
まずプログラム・講師から考えるのではなく、「そもそも何のために管理職研修を行うのか」を考えて必要があります。
と考えていきます。 管理職研修を通して、組織課題を解決していった会社様の事例もお伝えしながら、管理職研修のデザインの方法をお伝えしたいと思います。
はじめに優先度・重要度関わらず、組織課題を出して行くことが重要です。 当社が支援しているコンテンツビジネス事業会社さまの事例を交えながら、説明していきます。 「ストレスチェックの結果が悪かったので、管理職研修を行いたい」というお話がありました。 下記はお客様から頂いた資料です。 # 守秘義務のため、一部加工しております。 組織課題は明確でしたが、すぐにプログラムや講師の話をせずに、さらに深く対話をしていったところ・・・
などの別の組織課題の話が出てきました。どうやら、この話は複雑に絡み合っているようです。 もし、すぐにプログラムの選定を行っていたら、上記のような組織課題は浮き彫りにならず、根本的な課題にアプローチすることは難しかったでしょう。 さらに組織課題を紐解いていくために、お客さまとの対話を続け、システム図を作成していきました。 # お客様の言葉を尊重して作成しているため、飛躍している部分もあります。 上記システム図を簡単に説明すると・・・ 経営陣・事業部長クラスは連携が取れ、新規サービスも立ち上がっているということでした。 コンテンツビジネスを扱っている会社として、新規サービスが立ち上がることはとても素晴らしいことです。 ただし経営陣・事業責任者のスピード感に、管理職・現場がついていけない状況でした。 そのため、新規サービスは軌道に乗らず、失敗し、現場からは諦めやストレスが高まっている。 そして精神疾患や離職などが起きていることの背景が見えてきました。 上記システム図を創った後に、レバレッジポイント(小さい力で大きな効果を生むポイント)を明確にして、テーマを選定しました。 「個人での抱え込み」と「失敗の数」をレバレッジポイントと捉えて、どのように対応していくかを考えました。
レバレッジポイントが明確になったら、テーマを選定します。 テーマ選定の参考として、管理職の一般的な役割をお伝えいたします。
ここまできたら、組織課題と管理職研修のずれはなくなったといっても構わないでしょう。 それほどテーマ選定に困ることはなくなります。 上記の中から選定しても構いませんし、自組織の管理職の役割を改めて考えてもいいかもしれません。 本お客様では、下記の3つを扱いました。 「3.情報の伝達と共有」 「4.メンバーの育成・評価」 「5.チームビルディング」 「3.情報の伝達と共有」では、自チーム内はもちろん、管理職同士の連携も高め、管理職個人の抱え込みを無くしていくことにしました。 「4.メンバーの育成・評価」と「5.チームビルディング」では、メンバーの個人での抱え込みや失敗の捉え方へ対応していくことにしました。 テーマが選定できたら、管理職研修のコンセプトやキャッチコピーを創ることをお薦めいたします。 コンセプトやキャッチコピーを創ると目指す姿(要件定義)や、抑えるポイントが明確になっていきます。 # 「コンセプト・キャッチコピー」と「目指す姿(要件定義)・抑えるポイント」は、行き来するのが一般的です。 本お客様では、下記のコンセプトを創っていきました。
テーマ選定ができたら、次には目指す姿(要件定義)を考えます。 主に下記を2つを考えます。
(管理職研修を実施した際に全く異なる課題が現れた場合には、見直しが必要です) 本お客様では、下記に設定しました。
目指す姿が決まったら、どのようなストーリーで、目指す姿を実現できるかを考えていきます。 そして、全体設計をふまえてプログラムや講師を決めます。 本お客様は、下記のように全体設計をしていきました。 今回のプログラム内容としては、
が適切である、という結論にいたりました。 講師の選定は、「ストレスの解消方法を教える」というよりも、「管理職の方々が当事者意識・主体性を最大限発揮することを促しながらも、今抱えている組織課題に対して知識不足に陥らないようにする事が必要」であったため、組織変革の経験があるファシリテータを選定していきました。 このようにデザイン(企画)していくと、研修効果はとても高まります。 研修後のストーリーとして、お客様からお聞きしたことは、 とお聞きしています。 管理職研修を、丁寧にデザインしていくと、組織へのポジティブインパクトは高まっていきます。
with コロナで、経営陣が変わろうとしても、管理職がついてこれないというお話はよくお聞きします。 この傾向は、withコロナの前からお聞きしますが、クライシス(危機的状況)と言われる現在においては、変革は待ったなしです。 変わっていかなければ、企業の存続に影響していきます。 このクライシスを乗り越えていくためにも、組織へのインパクトが大きい管理職の変容は必須です。 管理職が変わることで、組織は変わります。 withコロナにおける組織課題を解決できる、管理職研修を行いましょう。 管理職育成でお悩みがあれば、是非お気軽にご連絡くださいませ。