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管理職・マネジャーは、何のためにあるか

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コラム :人材・育成について


 
 
 
「すみません、ボクは『マネジャー』になって、いったい何を意識して、何を目指していけば良いのでしょうか」
 
 
 
今から10年ほど前、私がまだアーティエンスに入る前のことです。
 
 
当時の職場で、私の部下の一人がマネジャーに昇格することになって、そのことを伝えた際に、私は当人から上の問いを突きつけられました。
 
その部下はこれまでチームリーダーとしてチームの業績を向上し続け、事業部の売上をけん引しての、まさに「満を持しての」マネジャー昇格(のはず)でした。
 
私自身、「きっと部下はマネジャー昇格の話をとても喜んでくれるだろう」と思っていたので、それを伝えたときに彼がとても腑に落ちない表情を(つまり、あまり嬉しくなさそうに)したことがとても意外に感じました。
 
また、部下が発した問いに対して、すぐに明確な解を用意できなかった私は自分がとても情けなく感じ、同時に部下に申し訳ない気持ちになったものです。
(その後、何度かフォローの機会を設け、部下はマネジャー就任を受け入れてくれました。10年後の今では、本部長クラスまで昇進されています)。
 
 
一方で、部下が発した「マネジャーの存在理由」の問いの重要性についても、そのときに改めて気づかされました。
 
 
──もし皆さんが、部下の方から同じような質問を受けたら、どのように応えますでしょうか。
 
 
“管理職・マネジャーの役割は何か、そして、そもそも管理職・マネジャーは何のためにあるのか。”
 
 
今回は、そんな「管理職・マネジャーの役割・目的」をテーマに、お話ししていきたいと思います。
 
 
 

1) 管理職・マネジャーの役割とは

 
 
現代社会において「管理職・マネジャー」の定義・意味づけは、曖昧性がやや強まってきています。
 
たとえば、管理職のポストに就きながらも現場業務が大半を占める「プレイング・マネジャー」であったり、部署やセクションの細分化等の影響で、部下を持たない管理職だけで構成される「一人管理職チーム」の存在であったり──。
 
 
「管理職」「マネジャー」と一言でいってもその様相は様々で、「管理職(マネジャー)とはこういうものだ」という簡潔な説明自体がとても困難になってきていることは、だれしもが感じているところでしょう。
 
 
そこで、まずは現代社会で多くの管理職が担う「一般的な」業務にはどのようなものがあるかについて、まず見ていきたいと思います。
 
 

管理職・マネジャーの一般的な業務・役割例

 
・ 部(チーム)における業務遂行(プレイング業務も含む)
 
・ 職務権限に基づく意思決定・決裁
 
・ 情報の伝達と共有
 
・ メンバーの育成・評価
 
・ チームビルディング
 
・ 労務管理・健康管理
 
・ コンプライアンス管理
 

 
 
上記項目については、企業・組織によって異なってくることもあります。
 
たとえば、「労務管理」や「健康管理」、「コンプライアンス管理」については、総務部や人事部が担い、それ以外の部の管理職は特に責務を持たない、というケースも少なくありません。
 
一方で、(例外はありつつも)管理職・マネジャーが担う業務はこのように「幅広くある」という特徴には目を向けておく必要があるように感じます。
 
更には、一つ目の「部(チーム)における業務遂行(プレイング業務も含む)」においては、もはやプレイヤー業務をまったく担わないという管理職は少数派となっている現代で、「この部分が日々の業務の9割以上になっている」という管理職・マネジャーの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 
 
さて、ここでひとつ問題提起をしてみたいと思います。
 
 
──なぜ、管理職・マネジャーはこれだけ幅広く業務を担う必要があるのでしょうか。
 
 
この解自体が、冒頭でお話しした「管理職・マネジャーは、何のためにあるのか」という問いにも繋がってくるのではないかと、私は考えます。
 
 
 

2) 管理職・マネジャーは、「組織」と「人」を繋げるためにある

 
 
先に結論をお話ししておくと、管理職・マネジャーは「組織と人を繋げる」ことが一番の存在理由になります。
 

 
管理職・マネジャーの大目的:「組織と人を繋げていくこと」
 

 
「なぜそう言い切れることができるのか」の理由は、世の中に「企業」というものが発生して、時代と共にその形態が変化していった流れ自体が──つまり「歴史」が物語ってくれます。
 
 
企業は大きく「経営者」、「管理職」、「現場(プレイヤー)」と3つの層に分けて捉えることが出来ます(現在はその境界がやや曖昧になってきていますが、ここでは「概念的に捉えるとそのようになる」とご解釈ください)。
 
 
企業が世の中に多く出始めたのは「18世紀後半以降に起きた産業革命時期から」と見るのが適切でしょうが、その当時「管理職(マネジャー)」という概念はまだありませんでした。
 
では、管理職・マネジャーという概念が世に出始めたのはいつ頃かというと、1900年ごろ──つまり、他の2つの「経営者」、「現場(プレイヤー)」の登場からは100年近く遅れての、後発のものであったのです。
 
 
管理職・マネジャーが産まれた経緯としては、企業が発展・複雑化するに伴って、「1)企業を更に成長・活性していくための体制」、および「2)経営者の意向を現場が正しく認識すること」、かつ「3)それら1,2を踏まえ現場が作業を効率的・効果的に進めていくための仕組み・ルール」を担い管理・運用する存在(=管理職・マネジャー)の必要性が増してきたためです。
 
前章でお話ししました、「管理職・マネジャーの役割が幅広くある」といった特徴には、このような背景があってのことだった、ということですね。
 
 
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3)「管理職・マネジャーが組織と人を繋げる」とはどういうことか

 
 
一方で、管理職・マネジャーの役割である「組織と人を繋ぐ」ということが、具体的に何を示すのかについて気になられた方もいらっしゃることでしょう。
 
 
「繋ぐ」という表現は、もちろん物理的につなげるという意味ではなく、抽象的な表現です。
 
 
そして、組織と人の「繋げ方」は、まさに組織によって様々です。
 
スタートアップ時の企業であれば、企業した経営者のビジョンや方針を理解・咀嚼して現場に展開していくような働きかけが管理職・マネジャーに求められます。
 
一定の成長を遂げたものの現在は停滞中で次の変革が求められている企業においては、経営者から現場までが一丸となりかつリーダーシップを取るための働きかけを活性するような「繋げ方」について、管理職・マネジャーが取り組むこともあるでしょうし、または経営層と現場の意識的な温度差を埋めていくために奔走することもあるでしょう。
 
 
更に、もともと「組織」と「現場」という概念は、歴史的にも「対立しやすい関係」として扱われてきました。
 
カール・マルクス(1818-1883)の著した「資本論」では、企業の仕組みを「資本家(≒経営者)」と「労働者(≒現場)」という対立構造(≒搾取する側とされる側)で描き、その思想の影響は現代の企業社会でも少なからず残っています。
 
「科学的管理法」で知られるフレデリック・テイラー(1856-1915)もまた、経営者が生産性の向上を考える際に、いかに労働者を管理・制御していくかという、いわゆる「管理する側とされる側」視点が色濃くありました。
 
 
時代は変わり、マルクスやテイラーの描いた企業のイメージも変化してきているものの、それでもなおどの企業においても「組織」と「現場」という二つの概念の間には一種の隔たりがあることが殆どでしょう。
 
 
そして、その隔たりの中間に立つのが、「管理職・マネジャー」なのです。
 
 
管理職・マネジャーの「組織と人を繋ぐ」ための働きかけが決して簡単なものではないことは、こういった考え方からも容易に想像できるのではないでしょうか。
 
 
 
 

4) 管理職・マネジャーは、どのように「組織と人」を繋げていくと良いのか

 
 
ここまでお読みになられて、「結局、管理職・マネジャーはどうやって組織と人を繋げていけば良いんだ」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
 
 
ですが、それを考えること自体が、まさに「管理職・マネジャーの働きかけ」の第一歩なのです。
 
そして前述した通り、その取り組みは企業・組織によって(また、フェーズや環境によっても)異なってきます。
 
 
管理職・マネジャーの方々が常に意識すべきことは、「組織とそこに属する人がいまどんな状態で、どんな想いでいるのか」を感じ取り、そしてその組織に関わる人たち全ての未来を「より良いもの」にしていけるために、「自分たちはどんな行動をとっていくと良いのか」を考え描き続けることです。
 
 
それは少なからずの困難を伴うものでしょうが、決して「能力のある人しかできないもの」ではありません。
誰もが、それを本当に願う想いがあれば、取り組めるものです。
 
 
つまりは、「組織と人を繋ぐ」ということを「どう解釈して、どう行動していくか」という思考・行為そのものが、「管理職・マネジャー」の役割とも言えるのではないでしょうか。
 
 
 
もし、管理職の方々で「そんなこと、自分にはなかなかできそうにない」と思われたようでしたら、宜しければ是非アーティエンスの管理職・マネジメントセミナーにお越しください。
 
ご一緒に探求の機会を持てればと思っております。
 
 
本記事が、皆様の日々の業務の遂行に向けて、少しでも参考になることを、心より願っております。
 
 
 
 

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